愛知杯
2020/1/18 小倉競馬場 芝2000m

レース展望

過去10年で1番人気は[2−2−2−4]で4連対。単勝1、2倍台は[0−0−0−2]、3倍台は[0−1−1−1]、4倍以上は[2−1−1−1]。人気になる馬ほど不振に終わる傾向がある。2番人気は[1−1−2−6]で2連対、3番人気は[0−0−1−9]で連対なし。6〜9番人気が7連対、10番人気以下が5連対。馬連は50〜90倍台が3回、万馬券が4回。ハンデ戦でかなり波乱傾向が強い。

トップハンデは[4−3−3−10]で7連対。4番人気以内なら[3−3−3−4]。人気になった実力馬は重ハンデを克服している。5番人気以下は[1−0−0−6]で1連対のみ。16年に8番人気のバウンスシャッセが勝ったが、人気にならない馬は不振。前2走以内にエリザベス女王杯に出走した馬が11連対。9、10、11、11、16着馬が1、9、6、8、7番人気で連対。穴で8番人気前後になった馬に注意。

センテリュオは前走エリザベス女王杯で早めに動いてメンバー10位タイの33.7秒で伸びて0.3秒差の4着。重賞未勝利馬がG1で善戦した。芝2000mは[3−1−0−2]で小倉では都井岬特別(1勝クラス)を1分57秒6で勝っている。ハンデ55キロは少し見込まれたか。ルメール騎手では[1−1−0−1]。最近は池添騎手(パッシングスルー騎乗)がルメール騎手(アーモンドアイ、ワーケア)をマークして潰しにきているが、今回は2頭とも馬主が同じキャロットファーム。開幕週だけに届く位置で進められるかがカギ。

サラキアは前走エリザベス女王杯で好位から伸び切れず0.4秒差の6着。4着センテリュオとはクビ+クビ差だった。重賞ではローズSとエプソムCで2着があるが、センテリュオと同じ55キロで出走できる。小倉では芝1800mの青島特別を外から捲って1分39秒5のレコードで3馬身半差で圧勝している。朝日杯FSを制したサリオスの半姉でディープインパクト産駒。芝2000mは[0−0−1−2]で微妙に長いが、小回りの小倉開幕週ならこなすか。出遅れ癖は克服済み。前走騎乗した川田騎手が2戦連続で騎乗する。

紫苑S勝ち馬パッシングスルー、同2着馬フェアリーポルカ、小倉日経オープン勝ち馬アロハリリー、芝2000mの4勝のアルメリアブルーム、福島牝馬S勝ち馬デンコウアンジュ、マーメイドS2着馬レッドランディーニ、4連勝で丹頂Sを勝ったポンデザールなど。パッシングスルーは芝2000m[2−0−0−2]で紫苑Sを3番手から叩き合いを制して1分58秒3で優勝。前走秋華賞は10着に終わったが、不利な外枠が影響したか。重賞勝ち馬だが、センテリュオ、サラキアより1キロ軽い54キロで出走できる。鞍上は池添騎手。

フェアリーポルカはオークス16着、紫苑S2着、秋華賞16着で成績にムラがあるが、紫苑Sでハナ差の接戦をしたパッシングスルーより1キロ軽い53キロで出走できる。右回りの芝2000mでは[1−1−1−1]。相手なりに走るタイプ。アロハリリーは小倉芝[2−1−0−0]の巧者。ハンデ55キロは見込まれたが、得意コースで前に行ってしぶとさを発揮するか。ポンデザールは休養を挟んで最速上がりで4連勝し丹頂Sを優勝。堀厩舎のハーツクライ産駒でサトノクラウンの半妹。初コース、距離短縮を克服して激走するか。


レース回顧

2020年 1月18日(土) 1回小倉1日  天候:小雨  馬場状態: 重 
11R  第57回愛知杯
4歳以上・オープン・G3(ハンデ) (牝)(国際)(特指)  芝 2000m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 3  5  デンコウアンジュ   牝 7 柴田善臣  56  2.01.1 36.1  9 466 (栗)荒川義之
2 3  6  アルメリアブルーム 牝 6 武豊      53  2.01.1 36.4  5 438 (栗)高橋康之
3 2  3  レイホーロマンス   牝 7 酒井学    52  2.01.2 36.5 11 424 (栗)橋田満
4 7 14  フェアリーポルカ   牝 4 和田竜二  53  2.01.3 36.4  6 490 (栗)西村真幸
5 1  2  センテリュオ       牝 5 ルメール  55  2.02.0 36.7  1 464 (栗)高野友和
6 6 11  ウインシャトレーヌ 牝 6 横山武史  53  2.02.2 37.0 16 496 (栗)大久保龍
7 4  8  パッシングスルー   牝 4 池添謙一  54  2.02.3 37.4  2 484 (美)黒岩陽一
8 5  9  リリックドラマ     牝 6 菱田裕二  53  2.02.4 38.2 13 464 (栗)岡田稲男
9 8 16  サラキア           牝 5 川田将雅  55  2.02.4 37.7  3 448 (栗)池添学
10 1  1  サヴォワールエメ   牝 4 荻野琢真  51  2.02.5 38.0  7 452 (栗)友道康夫
11 4  7  アロハリリー       牝 5 北村友一  55  2.02.8 38.3  4 456 (栗)高野友和
12 8 15  ポンデザール       牝 5 藤岡康太  54  2.03.0 37.6 10 500 (美)堀宣行
13 6 12  カレンシリエージョ 牝 5 藤田菜七  49  2.03.7 38.1 15 488 (栗)鈴木孝志
14 2  4  モルフェオルフェ   牝 5 丹内祐次  53  2.04.1 40.0 14 446 (美)大江原哲
15 7 13  レッドランディーニ 牝 5 西村淳也  52  2.04.1 38.9  8 444 (栗)石坂正
16 5 10 $ランドネ           牝 5 吉田隼人  53  2.04.8 40.4 12 518 (栗)角居勝彦
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LAP :12.3-11.1-11.9-12.6-12.2-12.0-12.0-12.2-12.4-12.4
通過:35.3-47.9-60.1-72.1  上り:73.2-61.0-49.0-37.0  平均:1F:12.11 / 3F:36.33
単勝   5 \2460 
複勝   5 \680 / 6 \360 / 3 \920 
枠連   3-3 \12440 (31) 
馬連   05-06 \12500 (40) 
ワイド 05-06 \3490 (41)/ 03-05 \6090 (62)/ 03-06 \4900 (51) 
馬単   05-06 \26880 (77) 
3連複 03-05-06 \91350 (224/560) 
3連単 05-06-03 \598880 (1291/3360) 

デンコウアンジュは内ラチ沿いの後方から直線で内に突っ込んでメンバー最速の36.1秒で差し切りレースを制した。勝ちタイムは2分1秒1(重)。モルフェオルフェが逃げて前半5F60.1秒。重馬場で上がりの掛かるレースになり差し追い込み馬が上位を独占した。デンコウアンジュは内ラチ沿いをロスなく回る柴田善騎手の一発狙いの騎乗が上手く嵌まっての勝利。トップハンデ56キロを克服して重賞3勝目。今年は小倉で行われたことで重賞勝ち馬が2頭しかおらず、例年よりメンバーレベルが低かったこともあるのだろう。トップハンデを背負った7歳牝馬が勝利。明け4歳馬が弱いことを示している。日本の競走馬はある一部の馬を除き、年々弱くなっている。時計(高速馬場)に惑わされてはいけない。

アルメリアブルームは中団の内からメンバー2位の36.4秒で伸びてクビ差の2着。内枠スタートから内をロスなく回ってきたが、勝負どころで外に持ち出したぶん、そこで内を突いたデンコウアンジュに差し込まれた。前走まで直線が平坦な芝2000mでは[4−1−0−2]、休み明けを除くと[3−1−0−0]、平坦コースの稍重以上では[1−1−0−0]。このあたりとこの時期の社台は引退間近の牝馬の繁殖価値を上げるために華を添える傾向があるため穴馬で狙ったが、5番人気で2着に激走した(複勝360円)。想定では8番人気前後だったが、小倉で武豊騎手は人気になりやすいためか。社台の6歳牝馬。どこかを使って引退になりそうだ。

レイホーロマンスは7番手から早めに動いて先頭に立ったが、内と外から交わされて0.1秒差の3着。上がりはメンバー4位の36.5秒。これまで追い込むレースをしていたが、酒井騎手が積極的なレースをして持ってきた。18年の小倉記念で1分57秒6で走って4着に入った馬。ハービンジャー産駒で緩い馬場も合うのだろう。

フェアリーポルカは外枠スタートから中団につけ、メンバー2位タイの36.4秒で上がって0.2秒差の4着。1〜3着馬は5、6、3番枠。7枠14番を引いた時点で厳しかった。紫苑Sで2着に入ったように能力はある。内枠に入ったら注意したい。

センテリュオは後方2番手からメンバー5位の36.7秒で追い込んで0.9秒差の5着。直線で馬群を捌いて伸びてきたが、位置取りが後ろ過ぎた。ルメール騎手は最初から控えて勝たないような乗り方。単に重馬場が影響したものではない。社台は引退が近いアルメリアブルームを重視した模様。

パッシングスルーは中団の外から伸び切れず1.2秒差の7着。外々を回って脚を使い切り、直線で全く伸びなかった。栗東入りしていたが、小倉に輸送して馬体14キロ増。これでは無理。

サラキアは好位の外から伸び切れず1.3秒差の9着。芝1800mがベストだけに重馬場の芝2000mで大外をブン回しては厳しかった。川田騎手で大外16番枠。枠が決まった時点で終わっていた。



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