シンザン記念
2020/1/12 京都競馬場 芝1600m

レース展望

過去10年で1番人気は[3−0−1−6]で3連対。前走芝1600mを圧勝した馬は[2−0−0−0]でミッキーアイル、アーモンドアイが優勝。2番人気は[2−2−1−5]で4連対、3番人気は[0−1−2−7]で1連対。6〜9番人気が8連対、10番人気以下が1連対。9年で人気薄が連対している。最近5年の馬連は40倍、53倍、189倍、26倍、112倍。人気馬に人気薄を絡めて中穴以上を狙うのが妙味。

連対馬10頭が前走連対。前走3着以下から連対した10頭のうち6頭が前走重賞だった。7着前後から巻き返す馬が多い。残る4頭は前走1勝クラスで1位降着、4、4、5着。1勝クラスで負けた馬でも通用している。前走重賞7着以下から連対した4頭は2走前に3着以内を確保し、シンザン記念で1、2、3、4番人気だった。前走重賞7着以下でも人気になる馬は狙い目がある。2戦連続で惨敗した馬は不振が続いている。

ルーツドールは東京芝1600mの新馬戦を2番手からメンバー最速の34.2秒で抜け出して1分33秒3で5馬身差で圧勝。ラスト3Fは11.5−11.4−11.4秒で尻上がり&持続ラップ。サンデーレーシングで3000万円で募集された藤岡健厩舎のジャスタウェイ産駒の牝馬で半兄にフィエールマンがいる。過去10年で牝馬は[2−2−1−13]で勝ったジェンティルドンナ、アーモンドアイは牝馬3冠を制した。過去10年で前走新馬戦勝ち馬は[1−2−1−9]で1勝のみ。ルメール騎手から川田騎手に乗り替わる。

サンクテュエールは新潟芝1600mの新馬戦を2番手からメンバー最速の33.6秒で抜け出して1分36秒5で優勝。アルテミスSは2番手からメンバー2位の33.6秒で伸びてリアアメリアに0.1秒差の2着。2番手で折り合って直線で抜け出したが、大外から追い込んだリアアメリアに切れ負けした。3ヶ月ぶりのレースで馬体が12キロ増えていたこともあるか。キャロットファームで8000万円で募集された藤沢和厩舎のディープインパクト産駒の牝馬で全兄にジークカイザーがいる。3戦連続でルメール騎手が騎乗する。

朝日杯FS4着馬タガノビューティー、同5着馬プリンスリターン、前走未勝利戦を勝ったオーマイダーリン、阪神の新馬戦を勝ったカバジェーロなど。タガノビューティーはダートの新馬戦、プラタナス賞を2連勝。初芝になった前走朝日杯FSは後方からメンバー2位の35.2秒で追い込んで0.6秒差の4着。1分33秒6で走ったように芝でもやれることを示した。朝日杯FSは前半5F57.2秒のハイペースで消耗戦だったが、今回は少頭数で流れは速くならないか。そのあたりを考慮して和田騎手がどう乗るかがポイント。

プリンスリターンは[2−0−1−2]で新馬戦、ききょうSを勝っている。前走朝日杯FSは中団からメンバー6位の35.7秒で伸びて0.8秒差の5着。勝負どころと直線でスムーズさを欠いたことが堪えている。デビューから6戦連続で原田騎手が騎乗する。オーマイダーリンは前走京都芝内1600mの未勝利戦を大外からメンバー最速の34.6秒で差し切り1分35秒3で優勝。セレクトセールで5400万円で取り引きされた河内厩舎のディープインパクト産駒。過去10年で武豊騎手は[1−1−0−7]。

カバジェーロは阪神芝1400mの新馬戦を2番手からメンバー最速の34.8秒で抜け出して1分22秒9で優勝。頭差の2着ダブルアンコールはジェンティルドンナの半妹。3着には3馬身半差をつけていた。橋口厩舎のロードカナロア産駒で母の父は先日亡くなったダンスインザダーク。過去2年のシンザン記念はロードカナロア産駒が優勝。北村友騎手は昨年ヴェルディゼールで勝っている。日曜は曇り一時雨の予報。過去10年で馬場が渋った2年は8−4−1番人気、1−7−4番人気で決着。人気薄が連対して荒れている。


レース回顧

2020年 1月12日(日) 1回京都4日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第54回日刊スポーツ賞シンザン記念
3歳・オープン・G3(別定) (国際)(特指)  芝 1600m・外   10頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 1  1  サンクテュエール   牝 3 ルメール  54  1.35.9 35.5  2 454 (美)藤沢和雄
2 6  6  プリンスリターン   牡 3 原田和真  56  1.35.9 35.6  5 454 (栗)加用正
3 3  3  コルテジア         牡 3 松山弘平  56  1.36.6 35.9  9 452 (栗)鈴木孝志
4 5  5  オーマイダーリン   牝 3 武豊      54  1.36.7 35.8  4 456 (栗)河内洋
5 2  2  ヴァルナ           牡 3 福永祐一  56  1.36.8 36.6  7 478 (栗)寺島良
6 4  4  タガノビューティー 牡 3 和田竜二  56  1.36.8 35.9  3 508 (栗)西園正都
7 8  9  ルーツドール       牝 3 川田将雅  54  1.37.5 36.8  1 520 (栗)藤岡健一
8 8 10  ヒシタイザン       牡 3 幸英明    56  1.37.5 36.1  8 504 (栗)角田晃一
9 7  8  カバジェーロ       牡 3 北村友一  56  1.37.6 36.7  6 492 (栗)橋口慎介
10 7  7  ディモールト       牡 3 池添謙一  56  1.38.3 37.8 10 492 (栗)角田晃一
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LAP :12.5-11.1-11.8-12.6-12.2-12.2-11.5-12.0
通過:35.4-48.0-60.2-72.4  上り:72.3-60.5-47.9-35.7  平均:1F:11.99 / 3F:35.96
単勝   1 \420 
複勝   1 \190 / 6 \340 / 3 \950 
枠連   1-6 \3220 (12) 
馬連   01-06 \3190 (11) 
ワイド 01-06 \890 (10)/ 01-03 \2460 (23)/ 03-06 \4850 (30) 
馬単   01-06 \4660 (15) 
3連複 01-03-06 \23390 (51/120) 
3連単 01-06-03 \103880 (215/720) 

サンクテュエールは1枠1番スタートから内ラチ沿いの3番手につけ、メンバー最速の35.5秒で叩き合いをクビ差で制して優勝。勝ちタイムは1分35秒9。ヴァルナが逃げて前半3F35.4秒、5F60.2秒の緩い流れになり、3、2番手につけた2頭で決着。サンクテュエールは内を通って前に行った馬が有利な馬場で1枠1番から最短コースを通ってきたことがかなり有利に働いた。社台が中山金杯、京都金杯を勝てなかったため、JRAは1枠1番に入れてお年玉にしたのだろう。藤沢和厩舎のディープインパクト産駒で半兄に米G1を2勝したヨシダがいる良血馬。競馬センスが良く、今は操作性の良さが大きな武器になっている。JRAが内枠に入れて保護しているときは注意したい。

プリンスリターンはスタートを決めて2番手につけ、メンバー2位の35.6秒で上がってクビ差の2着。最後までしぶとく食い下がっていた。朝日杯FSでは勝負どころと直線でスムーズさを欠いたことが堪えて5着に終わったが、今回はスムーズなレースで力を出し切った。原田騎手はデビュー9年目でこの日の6Rの新馬戦13着が初めての京都芝戦、かつこれまで重賞で連対がなかったが、重賞で積極的なレースをして初めて連対した。最近は日ごろ重賞で活躍しない騎手が激走しているため注意したい。外国人騎手が勝ち過ぎているのが今の中央競馬。富の分配の原理が働きつつある。プリンスリターンは馬体的に芝1400m以下がベスト。次走マイルで人気になるようなら軽視したい。

コルテジアは内ラチ沿いの5番手からメンバー4位タイの35.9秒で上がって0.7秒差の3着。予想で大穴馬にした馬が9番人気で激走した(複勝950円)。穴馬の投資馬券は競馬を終わらせることになるかもしれない。前の2頭には4馬身差をつけられており、ルーツドール、タガノビューティーがまともに走らなかったこと、馬場&展開に助けられての3着。前残りの展開にならないと自己条件でも厳しそうだ。

タガノビューティーは中団の後ろからメンバー4位タイの35.9秒で上がって0.9秒差の6着。外を通った馬が伸びない馬場で外を回っては厳しかった。和田騎手でシリウスSを勝ったオメガパフュームは相当強いことを示している。今後はひと息入れてダートに戻すことになりそうだ。

ルーツドールは外枠スタートから5番手につけたが、直線で全く伸びず1.6秒差の7着。外が伸びない馬場で外を回り、道中折り合いを欠いて自滅した。川田騎手は不利な枠に入ると対処できず惨敗する。JRAは重賞で川田騎手を外枠に入れ続けて実力をチェック中。昨年9月末以降の重賞で川田騎手は1番人気[1−1−2−5]で勝率11.1%、単勝回収率14%。馬券を買えば確実に負ける。負けるときは社台の馬が勝つことが多いのはなせか。ちなみに昨年の阪神JFから重賞では[0−0−0−7]。今年はアドマイヤと和解した武豊騎手が浮上する可能性がある。



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