朝日杯FS
2019/12/15 阪神競馬場 芝1600m

レース展望

14年に阪神芝1600mに変更された。過去10年で1番人気は[4−2−1−3]で6連対。単勝1倍台は[0−2−1−1]、2倍台は[2−0−0−2]、3倍以上は[2−0−0−0]で単勝1倍台は未勝利。2番人気は[2−1−2−5]で3連対、3番人気は[0−1−2−7]で1連対。6〜9番人気が5連対、10番人気以下が1連対。最近5年の馬連は140倍、5倍、59倍、5倍、97倍で堅いか波乱両極端。

勝ち馬10頭は前走勝っていた。連対馬17頭が前走連対。前走重賞4、7、9着から連対した3頭は芝1800m重賞に出走経験があり、そのうち2頭はOP特別勝ちがあった。前走未勝利[0−0−0−9]、1勝クラス[5−1−4−30]、OP特別[0−0−1−22]、重賞[4−9−6−67]で1勝クラスが5勝を挙げている。前走重賞勝ち馬は[4−4−4−11]、1、2番人気なら[3−3−2−4]。

サリオスは東京芝1600mの新馬戦を中団からメンバー最速の33.1秒で差し切り1分37秒1で2馬身差で圧勝。前走サウジアラビアRCは3番手からメンバー最速タイの33.1秒で抜け出して1分32秒7の2歳レコードで優勝。0.2秒差の2着クラヴァシュドールは阪神JFで3着に入った。シルクHCで7000万円で募集された堀厩舎のハーツクライ産駒で半姉にサラキアがいる。馬体が太い状態で走っており、中間の調教と長距離輸送で絞れれば、さらにパフォーマンスを引き上げてもおかしくない。ムーア騎手が騎乗する。

レッドベルジュールは阪神芝1800mの新馬戦を2番手からメンバー最速の33.8秒で抜け出して1分50秒7で優勝。休み明けの前走デイリー杯2歳Sは馬体が28キロ増えていたが、出遅れて後方2番手から最内を突いてメンバー最速の33.8秒で抜け出し1分34秒5で優勝。翌日のエリザベス女王杯ではラッキーライラックが最内から最速の32.8秒で差し切っている。内が伸びる馬場だったか。東京サラブレッドクラブで7000万円で募集された藤原英厩舎のディープインパクト産駒。武豊騎手からスミヨン騎手に乗り替わる。

タイセイビジョンは阪神芝1400mの新馬戦をメンバー最速の36.1秒で抜け出し1分23秒0で2馬身半差で圧勝。函館2歳Sは出遅れて後方からメンバー最速の34.7秒で追い込んで0.3秒差の2着。小回りの芝1200mが合わなかった。前走京王杯2歳Sは中団からメンバー最速の33.5秒で差し切り1分20秒8の2歳レコードで圧勝。函館2歳Sで負けたビアンフェに2馬身差をつけて雪辱した。セレクトセールで1944万円で取り引きされた西村厩舎のタートルボウル産駒。ルメール騎手から武豊騎手に乗り替わる。

新潟2歳S2着&デイリー杯2歳S3着馬ペールエール、函館2歳S勝ち馬ビアンフェ、もみじS勝ち馬ラウダシオン、デイリー杯2歳S2着馬ウイングレイテスト、小倉2歳S2着馬トリプルエース、前走ベゴニア賞2着のジュンライトボルト、ダート2戦2勝のタガノビューティーなど。ペールエールは新潟2歳Sでウーマンズハートに0.1秒差の2着。デイリー杯2歳Sは2番手から早めに抜け出したが、2頭に差されて0.3秒差の3着。セレクトセールで3888万円で取り引きされたダイワメジャー産駒。マーフィー騎手がどう乗るか。

ビアンフェは[2−2−0−0]で函館2歳Sを逃げ切り、前走京王杯2歳Sで逃げて0.3秒差の2着に粘った。新種牡馬キズナ産駒で半姉にブランボヌールがいる。距離1F延長を克服して粘り込むか。ラウダシオンは前走もみじSを中団から差し切って1分24秒1(不良)で優勝。2戦連続でルメール騎手が騎乗する。タガノビューティーはダ1800mの新馬戦、ダ1600mのプラタナス賞を大外一気で快勝。タガノブルグの半弟。前走の勝ちタイム1分37秒9は13年に初芝で制したアジアエクスプレスと同タイムだった。


レース回顧

2019年12月15日(日) 5回阪神6日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第71回朝日杯フューチュリティS
2歳・オープン・G1(馬齢) (牡・牝)(国際)(指定)  芝 1600m・外   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 3  6  サリオス           牡 2 ムーア    55  1.33.0 35.4  1 538 (美)堀宣行
2 4  8  タイセイビジョン   牡 2 武豊      55  1.33.4 35.3  2 464 (栗)西村真幸
3 5  9  グランレイ         牡 2 池添謙一  55  1.33.6 34.9 14 452 (栗)池添学
4 7 14  タガノビューティー 牡 2 和田竜二  55  1.33.6 35.2  9 508 (栗)西園正都
5 7 13  プリンスリターン   牡 2 原田和真  55  1.33.8 35.7 15 444 (栗)加用正
6 1  1  ジュンライトボルト 牡 2 岩田康誠  55  1.33.9 35.6 10 454 (栗)友道康夫
7 1  2  ビアンフェ         牡 2 藤岡佑介  55  1.33.9 36.7  5 538 (栗)中竹和也
8 8 16  ラウダシオン       牡 2 ルメール  55  1.34.0 36.1  6 490 (栗)斉藤崇史
9 4  7  ウイングレイテスト 牡 2 松岡正海  55  1.34.3 36.5  8 492 (美)青木孝文
10 6 12  レッドベルジュール 牡 2 スミヨン  55  1.34.3 36.0  3 476 (栗)藤原英昭
11 2  4 $トリプルエース     牡 2 ビュイッ  55  1.34.4 36.9  7 468 (栗)斉藤崇史
12 6 11  カリニート         牡 2 幸英明    55  1.34.9 35.8 16 460 (栗)大根田裕
13 3  5  マイネルグリット   牡 2 国分優作  55  1.35.8 37.7 13 484 (栗)吉田直弘
14 5 10  エグレムニ         牡 2 福永祐一  55  1.35.8 38.1 12 472 (栗)加用正
15 8 15  メイショウチタン   牡 2 松山弘平  55  1.36.5 39.1 11 460 (栗)本田優
16 2  3  ペールエール       牡 2 マーフィ  55  1.37.0 39.0  4 492 (栗)安田隆行
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LAP :12.2-10.5-11.1-11.6-11.8-11.8-11.6-12.4
通過:33.8-45.4-57.2-69.0  上り:70.3-59.2-47.6-35.8  平均:1F:11.63 / 3F:34.88
単勝   6 \200 
複勝   6 \120 / 8 \190 / 9 \2360 
枠連   3-4 \530 (1) 
馬連   06-08 \660 (2) 
ワイド 06-08 \310 (2)/ 06-09 \6240 (39)/ 08-09 \13830 (63) 
馬単   06-08 \950 (2) 
3連複 06-08-09 \38080 (78/560) 
3連単 06-08-09 \90260 (232/3360) 

サリオスはスタート後に押して3番手につけ、メンバー4位の35.4秒で抜け出して後続を引き離し2馬身半差で圧勝した。勝ちタイムは1分33秒0。ビアンフェが逃げて前半3F33.8秒、5F57.2秒のハイペースになり、2、3、4着に12番手以下につけた馬が突っ込んでいる。ハイペースの高速決着でサウジアラビアRCをレコードで勝ったサリオスと京王杯2歳Sをレコードで勝ったタイセイビジョンで決着。サリオスはハイペースで先行して抜け出す強い内容で快勝。2着に2馬身半差をつけており、現時点では能力が違うことを示した。デビューから3戦3勝で無敗の2歳王者が誕生した。奥手のハーツクライ産駒だが、半姉サロニカ、サラキアも早い時期から走っている。前週の阪神JFはレシステンシアが1分32秒7のレコードで逃げ切ったが、それよりも0.3秒遅いのは馬場が荒れてきたこともあるか。レシステンシアがハイペースで逃げ切ってから流れが速くなるレースが多くなってきた点に注意したい。サリオスは馬体が太い状態で目一杯に走ったため、今後は反動がないことが条件になる。来年は距離を延ばしてクラシックの可能性を探っていくことになりそうだ。

タイセイビジョンは後方からメンバー3位の35.3秒で伸びて0.4秒差の2着。勝負どころで外から上がって勝ちに行き、ラスト300mでサリオスに追いつきかけたが、そこで一杯になって突き放された。大外を回って早めに動いたこともあるが、最後に一杯になったところをみると距離が微妙に長いのではないか。ハイペースだったこともあるが、道中折り合って進み、折り合いに進境を見せた。阪神は開催が進んで馬場は荒れてきているが、時計が出やすい状態が続いている。来年はファルコンSあたりからNHKマイルCを目指すことになりそうだ。西村厩舎だけに使い込むかもしれない。

グランレイは出遅れて最後方からメンバー最速の34.9秒で追い込んで0.6秒差の3着。直線に向いたときは後方2番手にいたが、直線半ばでエンジンが掛かると鋭く伸びて3着まで追い上げた。ハイペースで前崩れの展開が嵌まった感が強いが、最後に強烈な末脚を繰り出したように前走4馬身差の圧勝がダテではないことを示した。まだ1勝馬のため、1勝クラスに出走できる。流れが緩くなると切れ負けする可能性がある点に注意。

タガノビューティーは後方からメンバー2位の35.2秒で追い込んで0.6秒差の4着。3着グランレイとはクビ差。タイセイビジョンをマークして早めに動いて見せ場を作ったが、最後に力尽きた。それでも初芝、G1で1分33秒6で走ったように芝でもやれることを示した。心肺機能が高く、消耗戦に強いタイプ。ハイペースで上がりが掛かると最後に突っ込んでくるとみて穴馬で狙ったが、あと一歩足りなかった。もうひと呼吸おいて追い出せば3着があったかもしれない。今後は芝を使って結果次第でダートに戻すことになりそうだ。

ビアンフェはハナを切って前半5F57.2秒のハイペースで飛ばし、直線で一杯になって0.9秒差の7着。阪神JFでレシステンシアがハイペースで逃げてレコードで圧勝したこともあり、ハイペースで飛ばして勝負に行ったが、結果的に飛ばし過ぎたか。距離は1400m以下が良さそうだが、体力があるため、流れ次第でマイルでもやれるのではないか。新種牡馬キズナ産駒。今後どういう成長を見せていくのか注目したい。

レッドベルジュールは後方から伸び切れず1.3秒差の10着。前走デイリー杯2歳Sは最内からメンバー最速の末脚で差し切ったが、今回はハイペースの流れに戸惑ったのか直線で全く伸びなかった。晴れて空気が乾燥しノドに良くなかったこともあるか。藤原英厩舎のディープインパクト産駒で馬体の造りがいいが、ノドに疾患があり急に走らなくなる可能性があることを考慮しておきたい。



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