阪神JF
2019/12/8 阪神競馬場 芝1600m

レース展望

2歳女王決定戦。過去10年で1番人気は[4−1−1−4]で5連対。単勝1倍台は[1−1−0−0]、2倍台は[3−0−0−2]、3倍以上は[0−0−1−2]。単勝が3倍を超えると危険。2番人気は[2−3−0−5]で5連対、3番人気は[0−1−2−7]で1連対。連対馬17頭が5番人気以内、残る3頭は8、10、15番人気。最近5年の馬連は22倍、35倍、5倍、9倍、6倍で最近3年は堅い決着になった。

連対馬15頭の前走上がり3Fがメンバー1、2位だった。そのうち14頭が前走連対していた。前走上がり6位以下は[1−0−2−41]で1連対のみ。前走メンバー1、2位の上がりで連対した人気馬に注目。前走新馬戦は[1−0−1−14]、未勝利戦は[0−0−0−9]、1勝クラスは[2−2−2−47]、OP特別は[1−1−1−16]、重賞は[5−7−7−68]。穴で重賞に出走経験がある先行タイプに注意。

リアアメリアは阪神芝1600mの新馬戦を出遅れて後方からメンバー最速の34.4秒で差し切り1分36秒5で8馬身差で圧勝。馬なりのまま最後は流す余裕があった。前走アルテミスSは出遅れて後方からメンバー最速の33.0秒で差し切り1分34秒3で優勝。レースのラスト3Fは33.7秒でラップは11.4−11.0−11.3秒。リアアメリアは大外を回ってラスト2F10秒台のラップを繰り出している。

シルクHCで7000万円で募集された中内田厩舎のディープインパクト産駒。過去10年でディープインパクト産駒は[3−1−2−11]、1番人気では[1−1−0−0]。中内田厩舎は2歳芝重賞[8−1−0−5]、1番人気では[4−0−0−1]。昨年の阪神JFは中内田厩舎のダノンファンタジー(Cデムーロ騎手)が1番人気で優勝。川田騎手は先週のチャンピオンズCをクリソベリルで優勝。2週連続G1制覇なるか。

ウーマンズハートは新潟芝1600mの新馬戦を中団からメンバー最速の32.0秒で差し切り1分36秒2で3馬身半差で圧勝。レースのラスト3Fは11.1−10.7−10.9秒だった。前走新潟2歳Sは7番手からメンバー最速の32.8秒で差し切り1分35秒0で優勝。2着ペールエールはデイリー杯2歳S3着、3着ビッククインバイオはアルテミスS3着、4着クリアサウンドはファンタジーSで3着に入った。

西浦厩舎のハーツクライ産駒で近親にサドンストーム、ティーハーフがいる。新潟でしか走っておらず、初の右回り、直線の坂があるコースがカギがカギになるが、阪神外回りは直線が長いだけに対応するか。今年の重賞でゴドルフィンは[5−4−5−21]でスプリンターズSをタワーオブロンドンで制している。陣営はビュイック騎手を確保。国内重賞は[6−4−3−25]で先週はモンドインテロでステイヤーズSを制した。

サウジアラビアRC2着馬クラヴァシュドール、ファンタジーS勝ち馬レシステンシア、サフラン賞勝ち馬マルターズディオサ、ファンタジーS4着馬ヤマカツマーメイド、前走アイビーS2着のクリスティ、前走もみじS2着のロータスランド、前走アルテミスS6着のルーチェデラヴィタなど。重賞実績のあるリアアメリア、ウーマンズハート、クラヴァシュドール、レシステンシアを負かす馬、割って入る馬はいるのだろうか。

クラヴァシュドールは阪神芝1600mの新馬戦を3番手からメンバー最速の33.1秒で抜け出して1分35秒4で優勝。レースのラスト3Fは11.5−10.8−11.2秒。前走サウジアラビアRCは中団からメンバー最速タイの33.1秒で伸びて0.2秒差の2着。1分32秒7のレコードで勝ったサリオスが強過ぎたが、クラヴァシュドールは1分32秒9で走っている。中内田厩舎はリアアメリアと2頭出し。

レシステンシアは京都芝内1400mの新馬戦を3番手からメンバー6位の35.8秒で抜け出して1分22秒9で優勝。前走ファンタジーSはスタートを決めて2番手につけ、メンバー3位タイの34.9秒で抜け出して1分20秒7で優勝。前半3F33.7秒、5F57.3秒の速い流れで前に行った馬が直線で失速する中、最後まで11秒台のラップで走っている。ダイワメジャー産駒。距離1F延長を克服して粘り込むか。


レース回顧

2019年12月 8日(日) 5回阪神4日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第71回農林水産省賞典阪神ジュベナイルフィリーズ
2歳・オープン・G1(馬齢) (牝)(国際)(指定)  芝 1600m・外   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 2  4  レシステンシア     牝 2 北村友一  54  1.32.7 35.2  4 484 (栗)松下武士
2 5  9  マルターズディオサ 牝 2 田辺裕信  54  1.33.5 35.9  6 444 (美)手塚貴久
3 5 10  クラヴァシュドール 牝 2 藤岡佑介  54  1.33.5 35.5  3 452 (栗)中内田充
4 2  3  ウーマンズハート   牝 2 ビュイッ  54  1.33.9 36.2  2 470 (栗)西浦勝一
5 1  1  ヤマカツマーメイド 牝 2 武豊      54  1.33.9 35.9  7 470 (栗)池添兼雄
6 8 15  リアアメリア       牝 2 川田将雅  54  1.34.2 35.7  1 482 (栗)中内田充
7 1  2  カワキタアジン     牝 2 鮫島克駿  54  1.34.3 35.9 13 480 (栗)杉山晴紀
8 3  6  クリスティ         牝 2 福永祐一  54  1.34.3 36.5  5 490 (栗)杉山晴紀
9 7 13  ジェラペッシュ     牝 2 幸英明    54  1.34.6 36.4 11 446 (美)尾関知人
10 3  5  ボンボヤージ       牝 2 岩田望来  54  1.35.3 37.5 10 418 (栗)梅田智之
11 4  8  オータムレッド     牝 2 松山弘平  54  1.35.4 37.2 12 418 (美)手塚貴久
12 4  7 $ロータスランド     牝 2 藤岡康太  54  1.35.4 37.8  8 456 (栗)角居勝彦
13 6 12  ヒメサマ           牝 2 川須栄彦  54  1.36.4 37.9 15 418 (栗)梅田智之
14 7 14  スウィートメリナ   牝 2 和田竜二  54  1.36.5 37.9 16 424 (美)菊川正達
15 8 16  エレナアヴァンティ 牝 2 岩田康誠  54  1.36.6 38.8 14 448 (美)宗像義忠
16 6 11  ルーチェデラヴィタ 牝 2 池添謙一  54  1.37.8 39.5  9 438 (栗)西村真幸
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LAP :12.2-10.5-11.0-11.8-12.0-11.2-11.5-12.5
通過:33.7-45.5-57.5-68.7  上り:70.0-59.0-47.2-35.2  平均:1F:11.59 / 3F:34.76
単勝   4 \1120 
複勝   4 \310 / 9 \670 / 10 \170 
枠連   2-5 \600 (3) 
馬連   04-09 \10000 (20) 
ワイド 04-09 \2480 (19)/ 04-10 \510 (5)/ 09-10 \1210 (10) 
馬単   04-09 \20410 (36) 
3連複 04-09-10 \8560 (22/560) 
3連単 04-09-10 \86720 (169/3360) 

レシステンシアはスタートを決めてハナを切り、前半3F33.7秒、5F57.5秒のハイペースで飛ばし、メンバー最速の35.2秒で上がって後続を突き放し5馬身差で圧勝した。勝ちタイム1分32秒7は2歳&レースレコード。直線で何度も手前を替えていたが、ラスト3Fを11.2−11.5−12.5秒でまとめて押し切った。ハイペースで逃げて最速上がりを繰り出しレコードで5馬身差で圧勝。北村友騎手がスピードの絶対値と完成度の高さを生かし切った。前走ファンタジーSを1分20秒7で優勝したが、ファンタジーSを先行して1分20秒3で勝ったアストンマーチャンは阪神JFで1分33秒1で走ってウオッカにクビ差の2着に入っている。ファンタジーSで前に行って好タイム勝ちは阪神JFに繋がる傾向があるため、今後注意していきたい。今後はチューリップ賞から桜花賞に向かうことになりそうだ。今年の平地G1は21レースを行われたが、ノーザンファーム生産馬が17勝している。現在秋華賞から8連勝中。

マルターズディオサは3番手からメンバー4位タイの35.9秒で伸びて0.8秒差の2着。外から伸びたクラヴァシュドールとの叩き合いをハナ差で制した。スタートを決めて先行し、レシステンシアに突き放された後にしぶとく伸びて2着を確保。未勝利とサフラン賞を最速上がりで連勝したが、サフラン賞2着のマジックキャッスルはファンタジーSでレシステンシアに0.2秒差の2着。6番人気だったが、そのあたりから狙い目はあったか。新種牡馬キズナ産駒で半兄にダートの消耗戦に強かったアルタイルがいる。母はダートの短距離馬。高速馬場、ハイペースでそのあたりが生かせたのだろう。今後はクイーンCあたりから桜花賞を目指すことになりそうだ。

クラヴァシュドールは中団の外からメンバー2位の35.5秒で伸びて0.8秒差の3着。前にいたマルターズディオサを最後まで交わせなかった。これまでより速い流れで中団からのレースになったが、最後までしぶとく伸びて能力を示した。前2走はメンバー最速の33.1秒で上がった馬。もう少し緩い流れで速い上がりを繰り出すレースの方が合っているが、これから馬体がしっかりして地力が強化されれば対応できるのではないか。ハーツクライ産駒でリスグラシューに似たようなタイプ。中内田厩舎は早めに仕上げて2、3歳戦で稼ぐため、古馬になって活躍する馬は少ないが、大事に使っていけば素質が開花するのではないか。

ウーマンズハートは内枠スタートから内ラチ沿いの3番手につけ、メンバー7位の36.2秒で上がって1.2秒差の4着。今日の馬場では前つけないと厳しいと考えたビュイック騎手が前に行ったが、速い流れで道中脚を使って直線で伸び切れなかった。スローペースの新馬戦と新潟2歳Sをメンバー最速の32秒台で上がって勝ったが、今回は前半5F57.5秒のハイペースで全く違う流れだった。現時点では力負けだが、ハーツクライ産駒でまだ奥がありそうだ。

リアアメリアは後方3番手から大外を回ってメンバー3位の35.7秒で伸びて1.5秒差の6着。道中の行きっぷりが悪く、勝負どころでも上がって行けず、直線で少し伸びただけ。初めての多頭数、ハイペースで外枠からでは厳しかったか。馬体、気配は良かっただけに初めての速い流れで馬が戸惑ったのか。飛びが大きいため、直前の雨で少し上滑りした可能性もある。能力的にこんなに負ける馬ではない。距離を延ばしてオークス狙いに切り替えるかもしれない。



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