チャンピオンズC
2019/12/1 中京競馬場 ダ1800m

レース展望

ジャパンCダート時代を含め、過去10年で1番人気は[4−2−1−3]で6連対。11年までは[3−0−0−0]だったが、12年以降は[1−2−1−3]で1勝のみ。2番人気は[1−0−1−8]で1連対、3番人気は[1−2−2−5]で3連対。6〜8番人気が7連対、10番人気以下が1連対。最近7年は人気馬と人気薄で決着し、馬連は42倍、48倍、54倍、110倍、13倍、41倍、30倍で荒れている。

連対馬20頭のうち16頭が前走3着以内。前走ダート重賞勝ち馬が活躍している。前走4着以下から連対した4頭のうち2頭はダートGT馬、残る2頭は2走前に重賞で連対していた。このタイプの巻き返しに注意。前走10着以下は[0−0−1−19]で3着止まり。6番人気以下で連対した8頭のうち6頭が前走ダート重賞で3着以内に入っていた。穴で前走重賞で2、3着に負け、6〜8番人気になった馬に注意したい。

クリソベリルはデビューから5戦5勝で現在重賞3連勝中。ジャパンダートダービーは中団から差し切って3馬身差で圧勝。前走日本TV盃は好位から抜け出して4馬身差で圧勝。これまで2着につけた差は7馬身、7馬身、5馬身、3馬身、4馬身で計26馬身。ここまでは圧倒的なパフォーマンスで他馬を圧倒している。全兄にクリソライト、半姉にマリアライトがいる。これまでとはメンバーが違うが、55キロで出走できる。ここまで全て圧勝で死角がないのが死角ということがなければ。今年のG1で川田騎手は[0−5−4−8]。

ゴールドドリームはダートG1[5−4−2−4]、17年12月以降のG1では[4−4−1−0]で3着以内を確保。どんなレースになっても連対を確保していたが、前走南部杯では好位から伸び切れず0.5秒差の3着に終わった。6歳馬で少し陰りが出てきたとも言えなくもないが、これまでより長い休み明けで盛岡に輸送して馬体が8キロ増えていた。17年のチャンピオンズCを中団の後ろからメンバー2位の35.2秒で差して勝っている。叩き2戦目でデキが上向いていることが条件。ルメール騎手では[3−3−1−0]。

オメガパフュームはダートG1[2−3−0−2]で昨年の東京大賞典ではゴールドドリーム、今年の帝王賞ではチュウワウイザードに勝っている。前走JBCクラシックは後方から捲ってチュウワウイザードにハナ差の2着。かなり際どい接戦だった。前走は左回りをこなしたが、チャンピオンズCは5着、フェブラリーSは10着に終わっている。地方交流G1では[2−3−0−0]だが、中央G1では[0−0−0−2]。叩き2戦目で陣営はデットーリ騎手を確保。強引に捲っても簡単にはバテないタイプ。デットーリ騎手が持ってくるか。

JBCクラシック勝ち馬チュウワウィザード、フェブラリーS勝ち馬インティ、昨年のチャンピオンズC2着馬ウェスタールンド、マーチS勝ち馬サトノティターン、みやこS勝ち馬ヴェンジェンス、武蔵野S勝ち馬ワンダーリーデル、同2着馬タイムフライヤーなど。チュウワウィザードはダート[8−3−2−0]で3着以内を確保。G1は帝王賞2着、JBCクラシック1着でオメガパフュームと接戦している。今年の東海Sは好位から伸びて逃げたインティに0.3秒差の2着。川田騎手から福永騎手(騎乗停止明け)に乗り替わる。

インティは7連勝で東海S、フェブラリーSを優勝。その後はかしわ記念2着、帝王賞6着、みやこS15着と着順が落ちている。前走みやこSは不甲斐なかったが、テン乗りの川田騎手が騎乗していた。これまで逃げたときは[5−1−0−0]。[5−1−0−1]の武豊騎手に戻って一変に注意。ウェスタールンドはスミヨン騎手、サトノティターンはムーア騎手が騎乗する。前崩れの展開になれば。ヴェンジェンスは前走みやこSで重賞初制覇。距離を延ばして捲るレースをしている。ホッコータルマエに騎乗していた幸騎手がどう乗るか。


レース回顧

2019年12月 1日(日) 4回中京2日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第20回チャンピオンズカップ
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定)  ダート 1800m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 3  5  クリソベリル       牡 3 川田将雅  55  1.48.5 35.4  2 550 (栗)音無秀孝
2 6 11  ゴールドドリーム   牡 6 ルメール  57  1.48.5 35.4  1 536 (栗)平田修
3 2  4  インティ           牡 5 武豊      57  1.48.7 35.9  3 516 (栗)野中賢二
4 2  3  チュウワウィザード 牡 4 福永祐一  57  1.48.8 35.5  5 482 (栗)大久保龍
5 6 12  キングズガード     牡 8 秋山真一  57  1.49.1 35.0 13 466 (栗)寺島良
6 3  6  オメガパフューム   牡 4 デットー  57  1.49.2 35.9  4 452 (栗)安田翔伍
7 8 16  ヴェンジェンス     牡 6 幸英明    57  1.49.2 35.6 10 494 (栗)大根田裕
8 1  1  タイムフライヤー   牡 4 マーフィ  57  1.49.2 35.6  8 474 (栗)松田国英
9 4  8  ウェスタールンド   セ 7 スミヨン  57  1.49.2 35.9  6 488 (栗)佐々木晶
10 8 15  ロンドンタウン     牡 6 岩田康誠  57  1.49.3 36.4 14 526 (栗)牧田和弥
11 4  7  ワンダーリーデル   牡 6 横山典弘  57  1.49.4 35.5 11 532 (栗)安田翔伍
12 1  2  モズアトラクション 牡 5 藤岡康太  57  1.49.9 35.4 12 494 (栗)松下武士
13 5 10  ミツバ             牡 7 和田竜二  57  1.50.3 36.4 15 480 (栗)加用正
14 7 13  ワイドファラオ     牡 3 M.デム  55  1.50.3 37.2  9 502 (栗)角居勝彦
15 5  9  サトノティターン   牡 6 ムーア    57  1.50.5 37.3  7 580 (美)堀宣行
16 7 14  テーオーエナジー   牡 4 川須栄彦  57  1.51.8 38.9 16 516 (栗)宮徹
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LAP :12.8-11.3-12.5-12.1-12.1-12.0-12.0-11.6-12.1
通過:36.6-48.7-60.8-72.8  上り:71.9-59.8-47.7-35.7  平均:1F:12.06 / 3F:36.17
単勝   5 \440 
複勝   5 \170 / 11 \130 / 4 \190 
枠連   3-6 \490 (2) 
馬連   05-11 \960 (2) 
ワイド 05-11 \380 (2)/ 04-05 \670 (9)/ 04-11 \410 (3) 
馬単   05-11 \1820 (2) 
3連複 04-05-11 \1900 (5/560) 
3連単 05-11-04 \8980 (19/3360) 

クリソベリルはスタートを決めて内ラチ沿いの3番手につけ、直線でインティとゴールドドリームの間を割ってメンバー2位タイの35.4秒で抜け出しレースを制した。勝ちタイム1分48秒5は優秀。インティが逃げて前半3F36.6秒、5F60.8秒。最初はゆったりだったが、4F目以降は全て12.1秒以下でラスト3Fは12.0−11.6−12.1秒。淀みのない流れでも最後までラップの落ちないレベルの高いレースになった。クリソベリルは好位につけて直線で抜け出す正攻法のレースで古馬G1馬を撃破。メンバー強化、中央の高速決着、速い上がりを全てクリアしてパフォーマンスを引き上げた。3歳馬で古馬より2キロ軽い55キロ、内ラチ沿いの絶好位につけたとはいえ、一旦前に出たゴールドドリームを差して勝ったことを評価したい。これでデビューから6戦6勝。馬体は11キロ増えていたが、ほとんどが成長分か。3歳馬で馬体は本格化しておらず、まだこれから強くなる。東京大賞典、距離が短いフェブラリーSは使わない予定。米G1、サウジカップ、ドバイワールドCなど世界に挑戦していくことになりそうだ。

ゴールドドリームはスタートを決めて5番手につけ、メンバー2位タイの35.4秒で伸びてクビ差の2着。最後にクリソベリルに差されたが、2キロ重い57キロを背負い、外枠スタートから外を回ったことを考えると強いレースをしている。不利な外枠からスタートを決めて好位につけたルメール騎手は相手関係などを分析し、レースが見えているのだろう。さすがの騎乗だった。休み明けの前走南部杯は不甲斐なかったが、叩き2戦目できっちり変わり身を見せた。17年のチャンピオンズCを1分50秒1で勝ったときよりもレベルの高いレースをしており、6歳馬でも全く衰えはない。次走は東京大賞典、またはひと息入れてフェブラリーSになりそうだ。

インティはハナを切って前半5F60.8秒で進み、メンバー9位タイの35.9秒でまとめて0.2秒差の3着。中盤からラップを落とさずに後続を脚を使わさせ、直線で後続を引き離そうとしたが、インティをマークして好位につけたクリソベリル、ゴールドドリームに交わされた。前走みやこSは前半3F34.9秒、5F59.0秒のハイペースで惨敗したが、今回は前半3F36.6秒、5F60.8秒で前が残れる展開だった。それでも1分48秒7で走っており、例年なら勝っていてもおかしくないレベル。フェブラリーS勝ち馬が自分の力は出したが、クリソベリル、ゴールドドリームが強過ぎた。今後はひと息入れて来春の目標はフェブラリーS連覇になりそうだ。

チュウワウィザードは内枠スタートから6番手につけ、メンバー4位タイの35.5秒で伸びて0.3秒差の4着。直線で前が壁になって外に持ち出すロスがあった。3着インティとは半馬身差。直線でもう少しスムーズなら3着があったかもしれない。前走まで6戦連続で川田騎手が騎乗していた馬に1度だけ騎乗したことがある福永騎手。そのあたりも微妙に影響したのだろう。初めて馬券圏内を外したが、1分48秒8で走っており、G1レベルの走りをしている。今年の帝王賞2着馬。次走は東京大賞典になりそうだ。

オメガパフュームは7番手からメンバー9位タイの35.9秒で上がって0.7秒差の6着。デットーリ騎手がスタートを決めて中団より前につけたが、好位につけた馬にメンバー2位の35.4秒で上がられては厳しかった。昨年のチャンピオンズCは1分51秒1で走って1.0秒差の5着だったが、今年は1分49秒2で走り時計を詰めている。速い上がりを繰り出せる上位馬との適性の差が出たのだろう。心肺機能が高く、タフなレースに強いタイプ。もっと上がりの掛かるレースになれば、中央G1でもやれる。次走は東京大賞典で2連覇を狙うことになりそうだ。

ウェスタールンドは中団の外からメンバー9位タイの35.9秒で上がって0.7秒差の9着。昨年のチャンピオンズCで最後方からメンバー最速の34.4秒で上がって2着に入った馬。スミヨン騎手が中団の外につけ、あとは直線で昨年の脚が使えればというレースをしたが、直線で切れる脚を使えなかった。直線で手前を替えていなかっとこともあるが、中団につけて勝ちに行ったぶん伸び切れなかったか。昨年の勝ちタイムは1分50秒1、今年は1分48秒5。この馬には時計が速過ぎたか。次走は出走できれば東京大賞典に使ってくるかもしれない。



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