ステイヤーズS
2019/11/30 中山競馬場 芝3600m

レース展望

過去10年で1番人気は[6−0−1−3]で6連対。アルバート(ムーア騎手)の3連覇が含まれるが、外国人騎手なら[4−0−0−0]。2番人気は[0−3−3−4]で3連対、3番人気は[1−1−2−6]で2連対。6〜9番人気が3連対、10番人気以下が1連対。最近5年の馬連は18倍、28倍、8倍、2倍、7倍で中穴までに収まっている。最近は人気馬が活躍し堅く収まっている。

前走AR共和国杯は[6−1−6−39]で7連対。1番人気は[3−0−1−1]で3勝。6、9、10着馬が巻き返しており着順不問。追い込んで届かなかった馬が激走しているが、今年はオジュウチョウサンしか出走がない。アルバートが3連覇、デスペラードが2連覇、ファタモルガーナが2着3回。ステイヤーズSで一度好走した馬が何度も好走する傾向がある。今年はアルバート、リッジマン、モンドインテロに注意。

アルバートはステイヤーズSをムーア騎手で3連覇。昨年のステイヤーズSは右前肢跛行で出走を取り消したが、今年はマーフィー騎手で出走してきた。前2年は57キロだったが、今年は56キロで出走できる。今年8歳になったが、過去10年では8歳馬マイネルキッツ、10歳馬トウカイトリックが勝っており、高齢馬の激走が多い。前走京都大賞典は後方のまま最下位の16着。叩き2戦目、得意コースでどこまで変わるか。

リッジマンは芝3000m以上[1−2−0−2]でステイヤーズS1着、ダイヤモンドS2着、万葉S2着がある。スウェプトオーヴァーボード産駒だが、距離は長ければ長いほどいいタイプ。前走京都大賞典は後方のまま見せ場なく13着。ひと叩きしてどこまで復調してくるか。昨年は56キロだったが、今年は1キロ重い57キロを背負う。蛯名騎手は昨年まで27年連続重賞勝利。今年は重賞未勝利。力の入るところ。

昨年の天皇賞(春)5着馬チェスナットコート、弥生賞馬メイショウテンゲン、障害G1で6勝のオジュウチョウサン、ステイヤーズS3、3着のモンドインテロなど。近走不振馬が多く、前2走で連対があるのはサンシロウ(2勝クラス2着)のみ。ガチガチもありえるが、大波乱もありえる。チェスナットコートは豪州遠征後、9.6、7、9、11着で不振が続いている。中山では日経賞2着がある。実力馬が復活できるか。

メイショウテンゲンは重馬場の弥生賞を勝ったが、その後は10着以下が続いている。前走菊花賞は12着。スタミナがありそうだが、中山で一変するのかどうか。55キロで出走できる。オジュウチョウサンは前2走六社S10着、AR共和国杯12着。2戦とも上がり勝負で切れ負けした。ハナを切るとまじめに走らない面もあるようだ。開幕週の中山の馬場がカギ。Mデムーロ騎手が思い切ったレースをするかもしれない。


レース回顧

2019年11月30日(土) 5回中山1日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第53回スポーツニッポン賞ステイヤーズS
3歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(特指)  芝 3600m   13頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 8 12  モンドインテロ     牡 7 ビュイッ  56  3.46.1 36.0  6 484 (美)手塚貴久
2 7 11  アルバート         牡 8 マーフィ  56  3.46.2 35.4  1 472 (栗)橋口慎介
3 4  4  エイシンクリック   牡 5 津村明秀  56  3.46.4 36.7 11 478 (栗)坂口智康
4 5  6  メイショウテンゲン 牡 3 池添謙一  55  3.46.5 35.6  5 454 (栗)池添兼雄
5 3  3  サンシロウ         牡 5 勝浦正樹  56  3.46.5 36.0  7 498 (美)柄崎孝
6 1  1  オジュウチョウサン 牡 8 M.デム  56  3.46.5 36.7  4 520 (美)和田正一
7 2  2  ヴァントシルム     牡 5 田辺裕信  56  3.46.8 36.5  3 474 (栗)須貝尚介
8 5  7  レイホーロマンス   牝 6 横山典弘  54  3.47.0 36.8  9 422 (栗)橋田満
9 8 13  ララエクラテール   牡 7 石橋脩    56  3.47.1 35.8 12 436 (栗)今野貞一
10 6  8  チェスナットコート 牡 5 坂井瑠星  56  3.47.7 37.2  8 460 (栗)矢作芳人
11 7 10  リッジマン         牡 6 蛯名正義  57  3.48.0 37.7  2 442 (栗)庄野靖志
12 6  9  ベイビーステップ   牡 5 大野拓弥  56  3.48.5 37.6 10 490 (美)菊川正達
13 4  5  ネイチャーレット   牡 6 野中悠太  56  3.48.9 38.9 13 470 (美)根本康広
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LAP :13.5-11.7-12.9-12.4-12.3-13.0-13.4-13.9-13.7-12.3-12.6-12.2-12.0-12.1-11.7-11.5-12.0-12.9
通過:38.1-50.5-62.8-75.8  上り:72.2-60.2-48.1-36.4  平均:1F:12.56 / 3F:37.68
単勝   12 \1250 
複勝   12 \270 / 11 \180 / 4 \1210 
枠連   7-8 \800 (3) 
馬連   11-12 \2120 (9) 
ワイド 11-12 \760 (6)/ 04-12 \8030 (56)/ 04-11 \5520 (47) 
馬単   12-11 \6140 (27) 
3連複 04-11-12 \39100 (107/286) 
3連単 12-11-04 \257890 (635/1716) 

モンドインテロは4、5番手からメンバー4位タイの36.0秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは3分46秒1。レイホーロマンスが逃げて前半5F62.8秒。1周目のスタンド前でエイシンクリックが外から上がって先頭に立って後続を引き離し、中盤以降はラップが落ちないスタミナの問われるレースになった。モンドインテロは勝負どころで手応えが悪く、ビュイック騎手の手綱が激しく動いたが、最後までしぶとく伸びて最後は力で捻じ伏せた。これでステイヤーズSは3、3、1着。昨年も騎乗したビュイック騎手が好位につけて勝ちに行くレースをして重賞初制覇を飾った。休み明けだったが、最終調教の動き、気配が良くなっていたようにデキも上向いていたのだろう。レース後に歩様が乱れたようだが、大怪我ではない模様。今後はひと息入れてダイヤモンドSあたりになりそうだ。

アルバートは後方から外を回って押し上げ、メンバー最速の35.4秒で伸びて0.1秒差の2着。外を回っていい脚を長く使い、8歳馬でも大きな衰えがないことを示した。勝ちに行ったモンドインテロを捕まえられなかったが、前走京都大賞典でシンガリに負けた馬が得意コースで復調を示した。今回はマーフィー騎手がテン乗り。乗り慣れたムーア騎手ならもっとやれたかもしれない。橋口厩舎に転厩して馬体の造りが変わってきており、以前より馬が良く見える。ハンデにもよるが、ダイヤモンドSあたりで復活Vがあるかもしれない。

エイシンクリックは1週前のスタンド前で外から上がって先頭に立って後続を引き離し、メンバー7位タイの36.7秒でまとめて0.3秒差の3着。直線でオジュウチョウサンと激しい叩き合いになったが、最後にひと伸びして3着を確保した。前走2勝クラスで4着に負けた馬が別定G2で3着。今の長距離戦のレベルを如術に示している。津村騎手はカレンブーケドールでG1で連対したことが自信になったのか、最近は強気な騎乗が目立つ。エイシンクリックは1周目から動いて最後までしぶとい脚を使ったようにかなりのスタミナがある。

オジュウチョウサンは3番手からメンバー7位タイの36.7秒で上がって0.4秒差の6着。直線で外からモンドインテロ、内からエイシンクリックにぶつけられて減速したが、それがなくても勝つのは難しかったか。開幕週の馬場でもレースの上がりは36.4秒と掛かっており、馬場が敗因とはいえない。今後は有馬記念に向かう可能性もあるが、このレースぶりを見ると中山大障害を使う可能性の方が高そうだ。

リッジマンは中団から伸び切れず1.9秒差の11着。昨年の勝ち馬だが、直線では全く伸びなかった。馬体が6キロ減ってパドックではひと息に映った。京都大賞典を使って叩き2戦目できたが、まだデキが戻っていないのだろう。



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