マイルCS
2019/11/17 京都競馬場 芝1600m

レース展望

過去10年で1番人気は[1−2−2−5]で3連対のみ。唯一勝ったのは前走天皇賞(秋)を勝った8歳馬カンパニー。4〜8番枠は[1−2−1−2]だが、それ以外では[0−0−1−3]で不振。2番人気は[1−3−1−5]、3番人気は[1−3−0−6]で各4連対。連対馬16頭が5番人気以内、残る4頭は8、11、13、14番人気。最近5年の馬連は38倍、17倍、15倍、24倍、32倍で中穴までに収まっている。

連対馬14頭が前走3着以内。近年は前走好走した馬が活躍。前走6〜9着は[3−2−0−37]で4、8、11、13、14番人気が連対。穴で前走重賞で6〜9着に負けた馬に注意。前走10着以下は[0−0−0−40]で不振。天皇賞(秋)組は1番人気なら[1−0−1−0]。10着以下は[0−0−0−10]。スワンS3着以内は[0−4−1−10]、3番人気以内なら[0−4−0−4]で連対率50%。

ダノンプレミアムは[6−1−0−2]で距離が長かったダービー6着、スタート後に不利があった安田記念16着を除き連対を確保。前走天皇賞(秋)は5番手からメンバー7位の34.5秒で伸びて0.5秒差の2着。アーモンドアイに3馬身差をつけられた。芝1600mでは[3−0−0−1]でサウジアラビアRC、朝日杯FS、マイラーズCを勝っている。このレベルの馬になると簡単には負けそうないが、馬場とアンマッチの枠順に入らなければ。今年のG1で川田騎手は[0−4−3−8]で未勝利。1番人気では[0−1−2−2]。

ダノンキングリーは[4−1−1−0]で共同通信杯、毎日王冠を優勝。皐月賞はサートゥルナーリアに頭+ハナ差の3着、ダービーはロジャーバローズにクビ差の2着。前走毎日王冠は出遅れて最後方からメンバー最速の33.4秒で差し切って優勝。2着アエロリットは天皇賞(秋)で2着ダノンプレミアムにクビ差の3着に入った。芝1600mは2戦2勝。2キロ増の56キロ、初の関西輸送でカギ。戸崎騎手が骨折したため、テン乗りの横山典騎手が騎乗する。今年のG1では[0−0−0−11]。最後方ポツンだけはご勘弁を。m(__)m

今年の重賞でダノックスはG3[4−0−2−7]、G2[5−0−0−1]だが、G1は[0−2−2−6]で未勝利。G1では不利な枠順に入って勝ち切れないことが多い。ちなみにG1では1番人気[0−0−1−3]、2番人気[0−0−0−1]で連対がない。ダノンプレミアム、ダノンキングリーには不吉なデータだが、能力的にダノンの2頭で決着してもおかしくないことを付け加えておく。横山典騎手はAR共和国杯をムイトオブリガード、武蔵野Sをワンダーリーデルで制しており現在2連勝中。社台の味方にならなければ。

安田記念勝ち馬インディチャンプ、大阪杯勝ち馬アルアイン(ムーア騎手)、スワンS勝ち馬ダイアトニック(スミヨン騎手)、同3着馬モズアスコット、前2年のマイルCS1、2着のペルシアンナイト(マーフィー騎手)、富士S2着馬レイエンダ(ルメール騎手)、ヴィクトリアマイル2着馬プリモシーン(ビュイック騎手)など。社台は有力馬に外国人騎手を乗せてきている。これだけ外国人騎手が揃うと騎乗技術が問われそうだ。土日は晴れ時々曇りで雨は降らない予報。昨年は1−2−3番枠の3頭が1〜3着。枠順に注意したい。

インディチャンプは芝1600m[5−1−0−2]で東京新聞杯、安田記念を優勝。安田記念は内ラチ沿いの4番手から直線で外に出してメンバー5位タイの32.9秒で差し切り1分30秒9のレースレコードで優勝。マイラーズCではダノンプレミアム、毎日王冠ではダノンキングリーに負けたが、G1前の叩き台で馬体が増えていた。福永騎手が騎乗停止のため、テン乗りの池添騎手に乗り替わる。今年は激走があってもおかしくない馬が多い。確たる逃げ馬が不在で展開が読みにくい。中団より前につける自在性が問われるかもしれない。


レース回顧

2019年11月17日(日) 5回京都6日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第36回マイルチャンピオンシップ
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定)  芝 1600m・外   17頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 3  5  インディチャンプ   牡 4 池添謙一  57  1.33.0 33.9  3 472 (栗)音無秀孝
2 7 14  ダノンプレミアム   牡 4 川田将雅  57  1.33.2 34.2  1 506 (栗)中内田充
3 4  7  ペルシアンナイト   牡 5 マーフィ  57  1.33.3 33.7  6 498 (栗)池江泰寿
4 2  3  マイスタイル       牡 5 田中勝春  57  1.33.4 34.6 10 468 (栗)昆貢
5 1  1  ダノンキングリー   牡 3 横山典弘  56  1.33.4 34.1  2 452 (美)萩原清
6 6 11  カテドラル         牡 3 武豊      56  1.33.5 33.4 13 490 (栗)池添学
7 5  9  クリノガウディー   牡 3 藤岡佑介  56  1.33.6 34.4 12 488 (栗)藤沢則雄
8 1  2  グァンチャーレ     牡 7 松岡正海  57  1.33.8 34.8 11 474 (栗)北出成人
9 2  4  レッドオルガ       牝 5 岩田望来  55  1.33.8 34.2 15 452 (栗)藤原英昭
10 8 15  ダイアトニック     牡 4 スミヨン  57  1.33.8 34.0  4 472 (栗)安田隆行
11 4  8  プリモシーン       牝 4 ビュイッ  55  1.33.9 34.5  9 496 (美)木村哲也
12 7 13  タイムトリップ     牡 5 幸英明    57  1.34.1 33.8 17 504 (美)菊川正達
13 3  6 $フィアーノロマーノ 牡 5 藤岡康太  57  1.34.1 35.2 14 552 (栗)高野友和
14 6 12 $モズアスコット     牡 5 和田竜二  57  1.34.2 34.8  7 498 (栗)矢作芳人
15 8 17  レイエンダ         牡 4 ルメール  57  1.34.3 34.4  8 484 (美)藤沢和雄
16 5 10  アルアイン         牡 5 ムーア    57  1.34.9 35.4  5 526 (栗)池江泰寿
17 8 16  エメラルファイト   牡 3 石川裕紀  56  1.35.0 35.2 16 450 (美)相沢郁
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LAP :12.5-11.2-11.6-11.9-11.6-11.5-11.0-11.7
通過:35.3-47.2-58.8-70.3  上り:69.3-57.7-45.8-34.2  平均:1F:11.63 / 3F:34.88
単勝   5 \640 
複勝   5 \190 / 14 \130 / 7 \290 
枠連   3-7 \860 (2) 
馬連   05-14 \840 (2) 
ワイド 05-14 \370 (2)/ 05-07 \1090 (12)/ 07-14 \570 (5) 
馬単   05-14 \2040 (5) 
3連複 05-07-14 \3200 (7/680) 
3連単 05-14-07 \16580 (39/4080) 

インディチャンプはスタートを決めて4、5番手の馬込みで脚をタメ、メンバー4位の33.9秒でスパッと抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分33秒0。マイスタイルが逃げて前半3F35.3秒、5F58.8秒のG1としては緩い流れになり、好位につけたG1馬2頭で決着。勝ったインディチャンプはテン乗りの池添騎手がスタートを決めて好位で流れに乗り、早めに抜け出すとソラを使うため、直線で追い出しを待つ完璧な騎乗で快勝。安田記念勝ち馬が春秋マイルG1制覇を達成した。池添騎手はマイルCS単独最多となる4勝目。昔から大一番に強いが、有馬記念とマイルCSでは本当に上手く乗る。ある程度前で流れに乗ってひと脚使えるタイプ。流れが緩んだことでかなり有利になった。次走はレーン騎手で香港マイルに向かう予定。日本のマイル王がビューティージェネレーションを相手にどんなレースをするのか楽しみだ。

ダノンプレミアムは外枠スタートから4、5番手につけ、メンバー7位タイの34.2秒で上がって0.2秒差の2着。内を回ったインディチャンプに切れ負けした。結果的に外枠から外々を回ったことが堪えている。マイラーズCでは前半5F60.3秒のスローペースで32.2秒で上がって勝ったが、今のタフな馬場で前半5F58.8秒だとこんなものなのかもしれない。過去10年で先行馬は3連対だが、1、4、5番枠で全て内枠だった。その点で外枠から連対したことは評価できる。インディチャンプと同じ叩き2戦目でもインディチャンプは毎日王冠が叩き台、ダノンプレミアムは天皇賞(秋)で目一杯に走った後だった。相馬眼的にダノンプレミアムの能力がインディチャンプに劣るとは思わないが、G1は狙って獲るもの。そのあたりの差が出たのだろう。今後はひと息入れて来年に備えることになりそうだ。

ペルシアンナイトは中団の後ろの馬込みを進み、メンバー2位の33.7秒で伸びて0.3秒差の3着。勝ったインディチャンプの上がりを0.2秒上回ったが、前に行った馬が有利な緩い流れで届かなかった。これでマイルCSは1、2、3着。最終調教の動き、気配が目立ったようにこの時期に調子を上げるタイプ。適度に荒れた馬場が合うタイプで今の馬場も合っていた。今秋の重賞でマーフィー騎手は2、6、5、6番人気で6、11、5、3着。社台はスミヨン、ムーア騎手に強い馬を乗せている。次走は香港マイルに向かう予定。

ダノンキングリーは1枠1番から内ラチ沿いの6、7番手につけ、メンバー6位の34.1秒で上がって0.4秒差の5着。直線で伸び切れず、逃げたマイスタイルを捕まえられなかった。道中と直線で荒れた内を通り、前走より2キロ重い56キロ、初の京都コース、初の長距離輸送などが複合的に影響したのだろう。5着に負けたが、色々といい経験になったはず。今年の3歳馬で古馬G1で3着以内に入ったのはラヴズオンリーユー(エリザベス女王杯3着)のみ。サートゥルナーリアが天皇賞(秋)で6着に終わった。ただしダノンキングリーは毎日王冠が高レベル。今後はひと息入れて来年はドバイターフ(左回りの芝1800m)を目指すのではないか。

カテドラルは後方2番手からメンバー最速の33.4秒で追い込んで0.5秒差の6着。直線で馬群を捌きながら伸びてきたが、最後に前が壁になって追えなかった。最後の脚色を見る限り、スムーズなら馬券圏内があったかもしれない。後方から追い込むレースを続けているため成績にムラがあるが、かなりの脚力がある。奥手のハーツクライ産駒。馬体の造りが目立つようになって本格化しつつある段階に入った。来年の安田記念に向けて少し注目していきたい。



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