武蔵野S
2019/11/9 東京競馬場 ダ1600m

レース展望

チャンピオンズCの前哨戦。過去10年で1番人気は[3−2−1−4]で5連対。単勝1倍台は[0−1−1−0]で未勝利。前走東京ダートで連対した馬は[3−2−1−1]で堅実。2番人気は[1−1−1−7]で2連対、3番人気は[0−1−1−8]で1連対のみ。6〜9番人気は6連対、10番人気以下は1連対。最近5年の馬連は19倍、32倍、44倍、139倍、39倍で中穴以上の決着が多い。

連対馬15頭にダート重賞で3着以内があった。G1前哨戦でレベルが高く、重賞実績馬が中心になる。重賞で3着以内がない5頭は前走OP特別を勝っていた。OP特別を勝った勢いで激走する馬が多い。関東馬[2−0−1−37]で2連対、関西馬[8−10−9−91]で18連対。8年で関西馬がワンツーを決めている。ダート重賞は他のレースでも関西馬の活躍が目立つ。ダート重賞実績がある関西馬に注目。

エアアルマスはダートを使って安芸S、エニフS、太秦Sを3連勝。前走太秦Sは好位から抜け出して1分49秒1(不良)の好タイムで2馬身半差で圧勝。2着ヴェンジェンスは次走みやこSを制した。父マジェスティックウォリアー、母の父エンパイアメーカー。マジェスティックウォリアー産駒のベストウォーリアは東京ダ1600m巧者だった。鞍上は先週のみやこSで1番人気のインティに騎乗していた川田騎手。

サンライズノヴァは前走南部杯で好位から抜け出して1分34秒2で制しG1初制覇を勝った。これまでは戸崎騎手が騎乗して追い込むレースをしていたが、吉原騎手が騎乗してレースぶりが一変した。東京ダートは[6−3−0−4]、東京ダ1600mは[4−1−0−3]で昨年の武蔵野Sをメンバー最速の34.8秒で差し切り1分34秒7(稍重)で勝っている。最初の芝と斤量59キロがどう出るか。

中京記念勝ち馬グルーヴィット、ユニコーンS2着馬デュープロセス、17年のフェブラリーS3着馬フジテイク、前走シリウスS6着のタイムフライヤー、前走ラジオ日本賞3着のスウィングビート、2走前にアハルテケSを勝ったワンダーリーデルなど。グルーヴィットはダート2戦2勝で新馬、500万条件を勝っている。前走京成杯AHで11着に終わり、ダートに使ってきた。松山騎手からスミヨン騎手に乗り替わる。

デュープロセスは東京ダート[2−2−0−1]、東京ダ1600m[1−1−0−0]でユニコーンSでワイドファラオに頭差の2着がある。前走グリーンチャンネルCは中団から伸び切れず5着。叩き2戦目でどこまで変わってくるか。福永騎手からルメール騎手に乗り替わる。ワンダーリーデルは前3走欅S3着、アハルテケS1着、グリーンチャンネルC3着。過去10年で横山典騎手は[0−0−0−6]で不振。


レース回顧

2019年11月 9日(土) 5回東京3日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第24回東京中日スポーツ杯武蔵野S
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定)  ダート 1600m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 4  7  ワンダーリーデル   牡 6 横山典弘  56  1.34.6 35.0  9 528 (栗)安田翔伍
2 5  9  タイムフライヤー   牡 4 藤岡佑介  56  1.34.8 35.5  8 464 (栗)松田国英
3 8 15  ダノンフェイス     牡 6 大野拓弥  56  1.34.9 35.0 13 528 (栗)大久保龍
4 1  2  ダンツゴウユウ     牡 5 北村宏司  56  1.35.1 36.0 16 462 (栗)谷潔
5 6 11  サンライズノヴァ   牡 5 森泰斗    59  1.35.2 36.5  3 524 (栗)音無秀孝
6 2  4  アードラー         牡 5 松若風馬  56  1.35.6 35.4 12 482 (栗)音無秀孝
7 2  3  デュープロセス     牡 3 ルメール  55  1.35.6 36.5  2 474 (栗)安田隆行
8 8 16  カフジテイク       牡 7 福永祐一  56  1.35.7 35.7  4 498 (栗)湯窪幸雄
9 4  8 $ドリームキラリ     牡 7 坂井瑠星  56  1.35.8 37.2  7 494 (栗)矢作芳人
10 1  1  グルーヴィット     牡 3 スミヨン  56  1.36.0 37.1  5 488 (栗)松永幹夫
11 3  5 $エアアルマス       牡 4 川田将雅  56  1.36.2 36.4  1 480 (栗)池添学
12 3  6  フェニックスマーク 牡 5 吉田豊    56  1.36.6 36.3 14 548 (美)田島俊明
13 7 14  アディラート       牡 5 石橋脩    56  1.36.6 36.5 11 504 (栗)須貝尚介
14 7 13 $スウィングビート   牡 4 田辺裕信  56  1.36.7 37.8  6 488 (美)加藤征弘
15 5 10 *マジカルスペル     牡 5 内田博幸  56  1.37.6 39.0 10 540 (栗)藤原英昭
16 6 12  ミキノトランペット 牡 5 田中勝春  56  1.38.9 39.1 15 530 (栗)大橋勇樹
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LAP :12.1-11.0-11.6-11.8-12.1-12.1-11.6-12.3
通過:34.7-46.5-58.6-70.7  上り:71.5-59.9-48.1-36.0  平均:1F:11.82 / 3F:35.47
単勝   7 \2520 
複勝   7 \690 / 9 \580 / 15 \2110 
枠連   4-5 \3890 (17) 
馬連   07-09 \21070 (56) 
ワイド 07-09 \5600 (55)/ 07-15 \16360 (76)/ 09-15 \24840 (80) 
馬単   07-09 \45590 (113) 
3連複 07-09-15 \422390 (319/560) 
3連単 07-09-15 \2353630 (1794/3360) 

ワンダーリーデルは内ラチ沿いの中団の後ろをロスなく進み、直線で外に出すとメンバー最速タイの35.0秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分34秒6。ドリームキラリが逃げて前半5F58.6秒の速い流れ。直線で前に行った馬が失速し、完全前崩れになった。ワンダーリーデルは道中ロスなく回って脚をタメ、直線でスムーズに外に出せたことが大きかったが、最速上がりで突き抜けたようにかなり力をつけている。ここにきて馬体がボリュームアップしてバランスが良くなり本格化を感じさせたため、穴馬で狙って正解だった。ここまで馬体が変わっているのに9番人気。競馬ファンがいかに馬体を見ていないかが分かる。6歳馬でも今充実期を迎えており、この走りなら距離は1800mもこなせそうだ。次走はチャンピオンズCに向かう予定。今年のG1で横山典騎手は3着以内がないが、渾身の騎乗でもう一発を期待してみたい。

タイムフライヤーは中団の内めを進み、直線で外に出してメンバー4位の35.5秒で伸びたが、外からワンダーリーデルで交わされて0.2秒差の2着。エルムS6着、シリウスS6着は先行したが、テン乗りの藤岡佑騎手が中団でタメて切れ味を引き出した。芝1800mでは[2−1−0−0]。ハーツクライ産駒だが、体型的にこれくらいの距離が合うのだろう。17年のホープフルSを勝った馬が復調してきたい。松田国厩舎は武蔵野S[2−2−0−5]でクロフネ、ベルシャザールが勝ち、ハギノハイグレイドが2着。タフなレースが厩舎カラーに合っているのだろう。タイムフライヤーが勝ったホープフルSは消耗戦だった。次走はチャンピオンズCに向かう予定。

ダノンフェイスは後方3番手からメンバー最速タイの35.0秒で追い込んで0.3秒差の3着。近走善戦止まりが続き、ダ1400mでしか勝ったことがない馬が叩き2戦目、ダ1600mで13番人気で激走した。17年に同時期の霜月Sを勝った馬。寒くなると走るデカ馬でこの時期も合うのだろう。速い流れで展開が嵌まった感もあるが、ダ1600mで1分34秒9で走ったことを評価したい。母は心肺機能が高かったアイアムカミノマゴ(阪神牝馬S勝ち馬)。デキが戻ってきたため、OP特別で注意したい。

サンライズノヴァはスタートを決めて2番手につけ、直線で伸び切れず0.6秒差の5着。上がりはメンバー9位タイの36.5秒。速い流れで前に行ったぶんと59キロで伸び切れなかった。この流れならいつも通り差すレースをしていればもっとやれたのではないか。ただし後方一辺倒でなくなってきたことは今後に繋がりそうだ。今後は休養して来年のフェブラリーSを目指す予定。

エアアルマスはスタートを決めて好位につけたが、外からサンライズノヴァに被せられて外に出せず、砂を被ると走るのを嫌がって後退し、直線でも伸びず11着に終わった。砂を被ると嫌がるタイプだが、それがモロに出て全く走っていない。重賞を勝てる能力はあるが、今後もこの気性がネックになりそうだ。



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