菊花賞
2019/10/20 京都競馬場 芝2000m

レース展望

過去10年で1番人気は[5−1−1−3]で6連対。単勝1倍台は[3−0−0−0]。神戸新聞杯勝ち馬は単勝2.3倍以下なら[4−1−0−0]だが、今年は出走がない。2番人気は[0−3−0−7]で3連対、3番人気は[1−0−2−7]で1連対のみ。6番人気以下が6連対と多い。最近5年の馬連は26倍、38倍、35倍、106倍、23倍で全て中穴以上の決着。人気薄を絡めて中穴以上を狙うのが妙味。

連対馬19頭が前走3着以内。神戸新聞杯、セントライト記念で3着以内に入った馬に注目。セントライト記念9着から連対したクリンチャーは皐月賞で4着があった。連対馬13頭が前走神戸新聞杯で3着以内に入っていた。10年以降は毎年神戸新聞杯で3着以内に入った馬が連対している。神戸新聞杯でスタミナを見せて3着以内に入った馬に注目。単勝1倍台の1番人気がいない年は人気薄が激走して荒れる傾向がある。

ヴェロックスは[3−3−1−1]で東スポ杯2歳S4着を除き3着以内を確保。皐月賞は頭差の2着に負けたが、直線でサートゥルナーリアに寄られる不利があった。前走ダービーは0.4秒差の3着に負けたが、外枠で位置取りが悪くなり、川田騎手がサートゥルナーリアを意識して控え過ぎ、かつ直線で追い出しが遅れ脚を余している。前走神戸新聞杯は4番手からメンバー3位の32.5秒で上がって0.5秒差の2着。

直線でサートゥルナーリアに突き放された後、川田騎手は目一杯追っていなかった。雨が降らずに良馬場での上がり勝負ではサートゥルナーリアに分があったのだろう。今年は皐月賞馬、ダービー馬、セントライト記念勝ち馬、神戸新聞杯勝ち馬が不在で重賞未勝利のヴェロックスが1番人気になる。ジャスタウェイ産駒は重賞未勝利。今年のG1で川田騎手は[0−3−2−7]で未勝利。ヴェロックスが嫌がる展開になるのか。

前走セントライト記念5着のニシノデイジー(ルメール騎手)、前走神戸新聞杯3着のワールドプレミア、2連勝中の上がり馬ヒシゲッコウ(スミヨン騎手)、ホウオウサーベル、前走セントライト記念2着のサトノルークス、同3着のサダル、京都新聞杯勝ち馬レッドジェニアルなど。ニシノデイジーはメンバー唯一の重賞2勝馬。ダービーとセントライト記念は5着。距離延長、ルメール騎手でパフォーマンスを引き上げられるか。

ワールドプレミアは[2−1−2−1]で3着以内を確保。若葉Sはヴェロックスに0.5秒差の2着。前走神戸新聞杯は2着ヴェロックスに0.2秒差の3着。ワールドエースの全弟。今年の芝G1で武豊騎手は[0−0−0−10]で7着が最高。ヒシゲッコウとホウオウサーベルは2連勝中の上がり馬。過去10年で2勝クラス組は[1−0−5−35]でスリーロールスが勝ったが3着が多い。サダルは[3−0−1−0]でプリンシパルSを勝ち、前走セントライト記念3着。父トーセンラーは菊花賞で0.7秒差の3着だった。


レース回顧

2019年10月20日(日) 4回京都7日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第80回菊花賞
3歳・オープン・G1(馬齢) (牡・牝)(国際)(指定)  芝 3000m・外   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 3  5  ワールドプレミア   牡 3 武豊      57  3.06.0 35.8  3 484 (栗)友道康夫
2 7 14  サトノルークス     牡 3 福永祐一  57  3.06.0 35.7  8 470 (栗)池江泰寿
3 7 13  ヴェロックス       牡 3 川田将雅  57  3.06.2 36.2  1 490 (栗)中内田充
4 3  6  ディバインフォース 牡 3 横山典弘  57  3.06.3 35.8 16 448 (栗)寺島良
5 4  8  メロディーレーン   牝 3 坂井瑠星  55  3.06.4 35.7 12 340 (栗)森田直行
6 6 12  レッドジェニアル   牡 3 酒井学    57  3.06.6 36.4  7 486 (栗)高橋義忠
7 8 17  タガノディアマンテ 牡 3 田辺裕信  57  3.06.6 36.6 11 470 (栗)鮫島一歩
8 5 10  カウディーリョ     牡 3 M.デム  57  3.06.6 36.8 13 434 (美)堀宣行
9 1  2  ニシノデイジー     牡 3 ルメール  57  3.06.7 36.2  2 492 (美)高木登
10 4  7  ヒシゲッコウ       牡 3 スミヨン  57  3.06.7 36.5  4 484 (美)堀宣行
11 7 15  ホウオウサーベル   牡 3 蛯名正義  57  3.07.4 37.4  5 486 (美)奥村武
12 8 18  メイショウテンゲン 牡 3 池添謙一  57  3.07.7 37.3 15 456 (栗)池添兼雄
13 1  1  ザダル             牡 3 石橋脩    57  3.08.0 37.5  6 480 (美)大竹正博
14 8 16  ナイママ           牡 3 柴田大知  57  3.08.5 38.4 18 474 (美)武藤善則
15 2  4 $ユニコーンライオン 牡 3 岩田康誠  57  3.08.7 38.5 10 526 (栗)矢作芳人
16 6 11  シフルマン         牡 3 松山弘平  57  3.08.7 37.9 14 494 (栗)中尾秀正
17 5  9  ヴァンケドミンゴ   牡 3 藤岡佑介  57  3.08.7 38.8 17 462 (栗)藤岡健一
18 2  3  カリボール         牡 3 藤井勘一  57  3.12.9 41.8  9 490 (栗)須貝尚介
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LAP :12.9-12.4-12.3-12.6-12.2-12.2-12.7-12.7-12.5-12.8-12.5-12.0-12.0-11.8-12.4
通過:37.6-50.2-62.4-74.6  上り:73.5-60.7-48.2-36.2  平均:1F:12.40 / 3F:37.20
単勝   5 \650 
複勝   5 \180 / 14 \390 / 13 \120 
枠連   3-7 \610 (2) 
馬連   05-14 \4680 (17) 
ワイド 05-14 \1460 (17)/ 05-13 \320 (1)/ 13-14 \720 (7) 
馬単   05-14 \7640 (29) 
3連複 05-13-14 \3070 (9/816) 
3連単 05-14-13 \23510 (70/4896) 

ワールドプレミアは内枠スタートから内ラチ沿いの6番手につけ、直線で内からメンバー3位タイの35.8秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは3分6秒0。カウディーリョが逃げて前半5F62.4秒。中盤5Fは62.9秒、後半5Fは60.7秒。11秒台のラップはラスト2F目だけ。馬場は良に回復したが、時計、上がりの掛かる馬場でのレースになった。ワールドプレミアは内ラチ沿いをロスなく回り、直線でポッカリ空いた内から抜け出して優勝。皐月賞馬、ダービー馬がいないメンバーで重賞未勝利馬がG1初制覇を飾った。武豊騎手が内に拘ってロスなく回ってきたことが功を奏した。武豊騎手は昭和、平成、令和の菊花賞制覇となった。道中の流れ、勝ちタイム、上がりタイムを考慮すると例年よりレースレベルは低く、過去10年で最低レベル。ディープインパクト産駒でワールドエースの全弟。軽い馬場の方が合いそうなタイプだが、タフな馬場の芝3000mをこなせたのはスローペースでロスなく回り、レースレベルが低かったからか。武豊騎手の菊花賞制覇は05年のディープインパクト以来14年ぶりとなった。次走は有馬記念になりそうだ。

サトノルークスは中団の外からメンバー最速タイの35.7秒で伸びてクビ差の2着。4コーナーでノメって少し下がったが、そこからいい脚を長く使って2着まで追い上げた。勝ったワールドプレミアは内をロスなく回っていたことを考えるとサトノルークスは強いレースをしている。タッチングスピーチの全弟。少しずつ素質が開花してきている。まだ馬体には若さが残っており本格化はしていない。次走は未定だが、池江厩舎だけに有馬記念に向かうことになりそうだ。

ヴェロックスは4番手からメンバー5位タイの36.2秒で伸びて0.2秒差の3着。勝負どころで外からタガノディアマンテに早めに来られて動かざるをえなかったことが堪えた。タフな馬場で距離3000mも長かったか。ジャスタウェイ産駒の重賞初勝利はならなかった。川田騎手は昨年のスプリンターズSを勝った以降、G1では[0−5−5−9]で未勝利。宝塚記念から4戦連続で1番人気に騎乗し2、3、8、3着に終わっている。ヴェロックスは直線に坂があるコースが合うタイプ。来年の宝塚記念で注意したい。

メロディーレーンは後方3番手からメンバー最速タイの35.7秒で外から追い込んで0.4秒差の5着。外を回っていい脚を長く使い、最後までしぶとく伸びてきた。340キロの超小柄な牝馬だが、かなりのスタミナがある。スタート後は中団にいたが、すぐに下げて後方からのレース。そのまま中団で流れに乗っていれば、勝ち負けできたかもしれない。今後はひと息入れて自己条件か。ハンデ戦のダイヤモンドSに出走したら注意したい。

前走2勝クラスを勝った馬は4、8、10、11、18着に終わった。4歳降級制度がなくなり、例年よりも条件戦のレベルが下がっている点に注意したい。秋華賞、菊花賞とも2勝クラス組は通用しなかった。



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