府中牝馬S
2019/10/14 東京競馬場 芝1800m

レース展望

エリザベス女王杯の前哨戦。過去10年で1番人気は[1−3−2−4]で4連対。前走3着以内は[1−3−1−1]だが、前走4着以下は[0−0−1−3]で不振。2番人気は[0−2−3−5]、3番人気は[1−1−2−6]で各2連対。過去10年で1、2番人気はわずか1勝のみ。6〜9番人気が1連対、10番人気以下が3連対。最近5年の馬連は23倍、13倍、65倍、12倍、21倍、3倍で中穴決着が多い。

連対馬15頭が前走4着以内。前走OP以上で好走した馬が活躍。前走5着以下から連対した5頭のうち4頭に芝1800m重賞で3着以内があった。ローズSで3着以内がある馬が巻き返すことが多い。3歳[0−0−2−0]、4歳[7−4−3−41]、5歳[3−5−3−56]、6歳[0−1−2−14]、7歳以上[0−0−0−8]で4、5歳馬が計19連対。4、5歳馬しか勝っていない。高齢馬は人気でも割り引き。

プリモシーンは前3走ダービー卿CT2着、ヴィクトリアマイル2着、中京記念3着。ヴィクトリアマイルは10番手からメンバー最速の33.0秒で伸びてノームコアにクビ差の2着。最速上がりを繰り出して能力を示した。前走中京記念は7番手からメンバー9位の35.0秒で伸びて0.1秒差の3着。実質トップハンデの55.5キロを背負い、52キロの3歳馬2頭に切れ負けした。秋華賞7着があるが、初の芝1800mと馬場がどこまで回復するかがカギ。7月以降の重賞で福永騎手は[0−1−2−12]で連対率6.7%。

ラッキーライラックは前3走中山記念2着、阪神牝馬S8着、ヴィクトリアマイル4着。中山記念はG1馬が5頭出走してレベルの高いレースだった。阪神牝馬Sは前残りの展開で3コーナー手前が挟まれて後退する不利がった。前走ヴィクトリアマイルは5番手からメンバー5位タイの33.5秒で上がり0.1秒差の4着。最後にクロコスミアに差し返されて詰めの甘さを露呈した。桜花賞からは[0−2−1−3]で勝ち切れないレースが続いている。休み明けは[2−1−0−1]で苦にしない。石橋脩騎手は2週連続重賞制覇なるか。

ヴィクトリアマイル3着馬クロコスミア、クイーンS2着馬スカーレットカラー、米子S勝ち馬オールフォーラヴ、昨年のローズS勝ち馬カンタービレ、京成杯AH2着馬ディメンシオン、フローラS3着馬ジョディー、中山牝馬S勝ち馬フロンテアクイーン、17年のオークス馬ソウルスターリングなど。クロコスミアはヴィクトリアマイルで最後にラッキーライラックを差し返して0.1秒差の3着。過去2年の府中牝馬Sは1、5着。昨年は55キロだったが、今年は54キロで出走できる。エリザベス女王杯前にどこまで仕上げてくるか。

スカーレットカラーはマーメイドSが0.1秒差の3着、クイーンSがミッキーチャームにクビ差の2着。過去10年で前走クイーンS連対馬は[1−0−1−6]で連対は昨年のディアドラのみ。カンタービレは前2走阪神牝馬S6着、ヴィクトリアマイル18着。芝1800mは3戦3勝。昨年のローズS勝ち馬。テン乗りの松岡騎手に乗り替わる。ディメンシオンは前2走関屋記念4着、京成杯AH6着。芝1800mは[2−1−0−0]。引き続き北村宏騎手が騎乗する。フロンテアクイーンは芝1800m[3−4−1−2]。昨年の府中牝馬Sはディアドラに0.1秒差の3着だった。


レース回顧

2019年10月14日(祝) 4回東京5日  天候: 曇   馬場状態:稍重
11R  第67回アイルランドT府中牝馬S
3歳以上・オープン・G2(別定) (牝)(国際)(指定)  芝 1800m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 4  8  スカーレットカラー 牝 4 岩田康誠  54  1.44.5 33.2  4 472 (栗)高橋亮
2 3  6  フロンテアクイーン 牝 6 津村明秀  54  1.44.7 34.0  9 476 (美)国枝栄
3 8 15  ラッキーライラック 牝 4 石橋脩    54  1.44.8 34.3  2 522 (栗)松永幹夫
4 2  4  オールフォーラヴ   牝 4 川田将雅  54  1.44.9 34.3  7 464 (栗)中内田充
5 7 13  クロコスミア       牝 6 戸崎圭太  54  1.45.1 34.7  3 442 (栗)西浦勝一
6 1  2  ディメンシオン     牝 5 北村宏司  54  1.45.2 34.5  5 454 (栗)藤原英昭
7 6 12  レッドランディーニ 牝 4 池添謙一  54  1.45.4 34.5 12 448 (栗)石坂正
8 4  7  サトノガーネット   牝 4 坂井瑠星  54  1.45.4 33.7 13 440 (栗)矢作芳人
9 3  5  ダノングレース     牝 4 三浦皇成  54  1.45.4 34.5 10 428 (美)国枝栄
10 2  3  カンタービレ       牝 4 松岡正海  54  1.45.5 34.6  6 438 (栗)角居勝彦
11 6 11  ペルソナリテ       牝 6 丹内祐次  54  1.45.5 34.4 15 448 (美)相沢郁
12 1  1  ジョディー         牝 3 武藤雅    52  1.45.7 35.2  8 488 (美)戸田博文
13 5 10  エイシンティンクル 牝 6 勝浦正樹  54  1.45.8 35.6 11 492 (栗)上村洋行
14 8 16 $ランドネ           牝 4 吉田隼人  54  1.46.0 35.3 14 510 (栗)角居勝彦
15 7 14  プリモシーン       牝 4 福永祐一  54  1.46.0 34.9  1 506 (美)木村哲也
消 5  9 *ソウルスターリング 牝 5 木幡育也  55  ------ ---- -- --- (美)藤沢和雄
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LAP :12.4-10.9-11.6-11.8-11.6-11.9-11.3-11.2-11.8
通過:34.9-46.7-58.3-70.2  上り:69.6-57.8-46.2-34.3  平均:1F:11.61 / 3F:34.83
単勝   8 \680 
複勝   8 \210 / 6 \420 / 15 \180 
枠連   3-4 \2670 (13) 
馬連   06-08 \7320 (27) 
ワイド 06-08 \1820 (24)/ 08-15 \630 (5)/ 06-15 \1550 (15) 
馬単   08-06 \11550 (36) 
3連複 06-08-15 \9940 (28/455) 
3連単 08-06-15 \77860 (249/2730) 

スカーレットカラーは後方2番手で脚をタメ、メンバー最速の33.2秒で豪快に差し切ってレースを制した。勝ちタイム1分44秒5(稍重)は前週の毎日王冠(良)に0.1秒差の好タイム。エイシンティンクルが逃げて前半5F58.3秒の速い流れ。後半5Fは57.8秒で全て11秒台のラップ。高速ラップの持続力と末脚の威力が問われるレベルの高いレースになった。スカーレットカラーは直線半ばで外に出してから強烈な末脚を繰り出して差し切り重賞初制覇。ここにきて馬体が増えてパールS1着、マーメイドS3着、クイーンS2着と本格化を感じさせたが、今回の勝利で完全に本格化した。元々骨格のバランスのいい馬だったが、ようやくG1で通用するレベルに到達したのではないか。次走はエリザベス女王杯。初の芝2200mが課題になるが、今の充実ぶりならクリアしてもおかしくない。

フロンテアクイーンは中団からメンバー3位の34.0秒で伸びて0.2秒差の2着。昨年の府中牝馬Sで好位から1分44秒8で走り、ディアドラ、リスグラシューに0.1秒差の3着に入ったのは、やはりダテではなかった。これで芝1800mで54キロなら[3−4−1−0]で重賞では[1−3−1−0]。大穴馬で狙ったように激走の条件が揃っていたが、前2走惨敗で9番人気の低評価だった。津村騎手は昨日の秋華賞に続き、国枝厩舎の管理馬で2着。今回は勝ったスカーレットカラーが強過ぎた。次走はエリザベス女王杯に向かう予定。

ラッキーライラックは好位からメンバー4位の34.3秒で直線で抜け出したが、最後は切れ負けして2頭に交わされ0.3秒差の3着。これで昨年の桜花賞以降は[0−2−2−3]で勝ち切れないレースが続いている。好位につけていることもあるが、以前より詰めが甘くなっている。ただし今回は休み明けで馬体が16キロ増えていたことも影響したのではないか。次走はスミヨン騎手でエリザベス女王杯に向かう予定。

サトノガーネットは離れた最後方からメンバー2位の33.7秒で伸びて0.9秒差の8着。速い流れで追走に苦労し流れに乗れなかったが、最後に切れる脚を使って8着まで追い上げた。小柄な牝馬でもスタミナがあるため、もっと長い距離が合っている。賞金的に出走できるか分からないが、エリザベス女王杯に出走したら少し注意したい。

プリモシーンは後方から全く伸びずにシンガリの15着。休み明けで馬体が12キロ増えていたが、得意の東京コースでここまで負けるとは考えられない。ヴィクトリアマイルを1分30秒5のレコードで走った後にわざわざハンデG3の中京記念を使った影響があったのではないか。社台の使い分けの影響がモロに出た印象。



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