秋華賞
2019/10/13 京都競馬場 芝2000m

レース展望

牝馬3冠の最終戦。過去10年で1番人気は[4−1−2−3]で5連対。オークス馬は[4−1−1−0]、桜花賞3着以内は[3−1−2−0]。単勝2.4倍以上は[1−0−0−3]で不振。2番人気は[2−2−1−5]で4連対、3番人気は[4−1−1−4]で5連対。連対馬18頭が5番人気以内、残る2頭は6、7番人気。最近5年の馬連は6倍、27倍、35倍、15倍、8倍で中穴までに収まっている。

過去10年の連対馬は全て前走5着以内。前走6着以下は[0−0−2−59]で3着に入った2頭は前走ローズS7、18着だった。ローズS以外で前走6着以下は[0−0−0−25]。前走重賞以外は[1−2−2−58]、5番人気以内なら[1−2−0−1]で人気馬なら堅実。連対馬18頭に重賞3着以内があった。春のクラシックで好走し、前走ローズSまたは紫苑Sで5着以内に入った馬が活躍している。

ダノンファンタジーは[5−1−0−2]でファンタジーS、阪神JF、チューリップ賞、ローズSを優勝。春の桜花賞は4着、オークスは5着に終わった。前走ローズSは中団からメンバー最速の33.1秒で差し切り1分44秒4のレコードで優勝。距離延長、高速決着に対応し能力を示した。これまで全て直線の長いコースで走っており、直線の短い内回りを走るのは初めて。初の芝2000m、内回りを克服できるかがカギ。

カレンブーケドールは[2−2−2−1]で春はスイートピーSを勝ち、オークスで4番手からメンバー5位の35.1秒で上がってクビ差の2着。12番人気の低評価を覆した。前走紫苑Sは2番手からメンバー7位タイの34.0秒で抜け出したが、最後に交わされて0.1秒差の3着。過去10年で前走紫苑S3着以下は[0−1−0−29]。国枝厩舎は栗東留学させず、長距離輸送を選択。このあたりがどう出るか。

桜花賞&オークス3着馬クロノジェネシス、フラワーC勝ち馬コントラチェック、ローズS2着馬ビーチサンバ 、同4着馬シゲルピンクダイヤ、紫苑S勝ち馬パッシングスルー、同2着馬フェアリーポルカ、2連勝中のエスポワール、3連勝中のサトノダムゼルなど。過去10年で桜花賞馬、オークス馬の出走がないのは初めて。G1馬は阪神JFを勝ったダノンファンタジーしかいない。台風の影響で馬場も気になるところ。

クロノジェネシスは[3−1−2−0]で3着以内を確保。桜花賞3着は道中スムーズさを欠き、直線で追い出しが遅れるロスがあった。オークス3着は内が荒れた馬場、速い流れで前に行ったことが堪えている。過去10年でオークスから直行した馬は[1−0−0−9]で勝ったのは昨年のアーモンドアイのみ。コントラチェックは前走オークスで2番手から失速して9着。逃げたときは[3−0−0−0]。過去10年で逃げ馬は[0−2−0−8]でヴィルシーナ、ミッキーチャームが2着に粘っている。ルメール騎手が騎乗する。

ビーチサンバは前走ローズSで2番手から早めに先頭に立ち、メンバー3位タイの33.4秒でまとめてクビ差の2着。これまでと違うレースで新味を出した。母フサイチエアデールはローズS2着、秋華賞5着。福永騎手の立ち回りがカギ。パッシングスルーは前走紫苑Sを大外枠から3番手につけ、メンバー4位タイの33.8秒で抜け出し、フェアリーポルカとの叩き合いをハナ差で制して1分58秒3で優勝。1勝クラスと紫苑Sを2連勝し、小回りの芝2000m適性を示した。過去10年で紫苑S勝ち馬は[1−0−0−7]。

エスポワールは[3−1−1−0]で1勝クラス、2勝クラスを最速上がりで2連勝。前走シンガポールTC賞は2番手から抜け出して2分00秒8(重)で4馬身差で圧勝。過去10年で前走2勝クラスを勝った馬は[0−2−0−16]。Mデムーロ騎手からシュタルケ騎手に乗り替わる。サトノダムゼルは[3−0−0−0]で未勝利、1勝クラス、2勝クラスを3連勝。前走白井特別は2番手から抜け出して1分50秒1(重)で優勝。距離1F延長、長距離輸送を克服できるかがカギ。前2走騎乗したMデムーロ騎手が騎乗する。


レース回顧

2019年10月13日(日) 4回京都4日  天候: 晴   馬場状態:稍重
11R  第24回秋華賞
3歳・オープン・G1(馬齢) (牝)(国際)(指定)  芝 2000m・内   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 3  5  クロノジェネシス   牝 3 北村友一  55  1.59.9 36.1  4 452 (栗)斉藤崇史
2 4  8  カレンブーケドール 牝 3 津村明秀  55  2.00.2 36.2  2 464 (美)国枝栄
3 7 14  シゲルピンクダイヤ 牝 3 和田竜二  55  2.00.4 35.6 10 464 (栗)渡辺薫彦
4 5  9  シャドウディーヴァ 牝 3 松山弘平  55  2.00.5 36.3 13 474 (美)斎藤誠
5 4  7  ビーチサンバ       牝 3 福永祐一  55  2.00.5 37.0  6 476 (栗)友道康夫
6 3  6  ローズテソーロ     牝 3 横山典弘  55  2.00.7 36.1 14 450 (美)金成貴史
7 2  3  ブランノワール     牝 3 浜中俊    55  2.00.9 37.2 11 442 (栗)須貝尚介
8 1  1  ダノンファンタジー 牝 3 川田将雅  55  2.01.0 37.3  1 464 (栗)中内田充
9 8 17  エスポワール       牝 3 シュタル  55  2.01.0 36.8  3 478 (栗)角居勝彦
10 8 16  パッシングスルー   牝 3 戸崎圭太  55  2.01.1 37.3  9 470 (美)黒岩陽一
11 5 10  シェーングランツ   牝 3 武豊      55  2.01.7 37.0 12 468 (美)藤沢和雄
12 2  4  トゥーフラッシー   牝 3 幸英明    55  2.01.8 36.8 17 462 (美)高市圭二
13 7 13  サトノダムゼル     牝 3 M.デム  55  2.01.9 37.4  7 444 (美)堀宣行
14 8 18  シングフォーユー   牝 3 藤岡佑介  55  2.01.9 37.0 15 460 (美)牧光二
15 7 15  コントラチェック   牝 3 ルメール  55  2.02.0 38.4  5 464 (美)藤沢和雄
16 6 11  フェアリーポルカ   牝 3 三浦皇成  55  2.02.4 38.5  8 488 (栗)西村真幸
17 6 12  レッドアネモス     牝 3 藤岡康太  55  2.05.1 40.9 16 492 (栗)友道康夫
消 1  2  メイショウショウブ 牝 3 池添謙一  55  ------ ---- -- --- (栗)池添兼雄
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LAP :12.3-10.7-11.6-11.8-11.9-12.7-12.5-12.0-12.3-12.1
通過:34.6-46.4-58.3-71.0  上り:73.5-61.6-48.9-36.4  平均:1F:11.99 / 3F:35.97
単勝   5 \690 
複勝   5 \240 / 8 \190 / 14 \550 
枠連   3-4 \1680 (8) 
馬連   05-08 \2180 (6) 
ワイド 05-08 \710 (4)/ 05-14 \2120 (29)/ 08-14 \2170 (30) 
馬単   05-08 \4950 (14) 
3連複 05-08-14 \15170 (50/680) 
3連単 05-08-14 \70970 (248/4080) 

クロノジェネシスは内めの6番手を進み、直線で外に出してメンバー2位タイの36.1秒で抜け出して2馬身差で圧勝した。勝ちタイムは1分59秒9(稍重)。ビーチサンバが逃げて前半5F58.3秒の速い流れ。後半5F61.6秒で全て12秒台。上がりの掛かる消耗戦になった。クロノジェネシスは好位の内で流れに乗り、直線で外に出して抜け出す理想的なレースで快勝。阪神JF2着、桜花賞3着、オークス3着とG1で勝ち切れないレースが続いていたが、桜花賞馬とオークス馬がいないメンバーでG1初制覇となった。オークスから直行で秋華賞制覇は昨年のアーモンドアイと同じ。社台の外厩で仕上げられた馬に休み明けは関係ないようだ。半姉ノームコアは昨年紫苑Sを好タイムで圧勝したが、体調が整わず秋華賞を使えなかった。クロノジェネシスはその点を考慮してオークスから直行したのだろう。小倉芝1800mを尻上がりラップで勝っており、小回りコースもこなすタイプ。タメれば切れる脚を使えるが、立ち回りの上手さを生かせる小回りコースの適性も高い。次走はエリザベス女王杯に向かう予定。

カレンブーケドールは内めの8番手からメンバー4位の36.2秒で伸びて0.3秒差の2着。直線でダノンファンタジーとクロノジェネシスの狭い間に突っ込んで伸びてきたが、勝ったクロノジェネシスの方がスムーズに進め、かつ切れ味もあるのだろう。スタミナと末脚の持続力を兼ね備えた馬だが、内をロスなく進んだことでその持ち味をフルに生かし切れなかった。オークスは12番人気で2着に入ったが、今回は2番人気で2着。オークスの激走はフロックでないことを証明した。次走はジャパンCに向かう予定。オークスの走破タイム2分22秒8はダービーに0.2秒差の好タイム。デビュー以来最低の53キロで出走できる。

シゲルピンクダイヤは内ラチ沿いの後方で脚をタメ、4コーナーから直線で外に出しメンバー最速の35.6秒で伸びて0.5秒差の3着。ハイペースの展開が嵌まったこともあるが、チューリップ賞と桜花賞で最速上がりで2着に突っ込んだ馬が持ち前の末脚の威力で3着まで追い上げた。距離に不安があるため、和田騎手が道中は内をロスなく回って脚をタメたことが良かったのだろう。体型、気性面を考えるとマイルあたりがベスト。次走はターコイズSに向かうことになりそうだ。

ダノンファンタジーは内ラチ沿いの3番手につけ、直線で伸び切れず1.1秒差の8着。上がりは12位タイの37.3秒。逃げたビーチサンバを交わせなかった。ローズSをメンバー最速の33.1秒で差し切り、1分44秒4のレコードで勝った馬が、渋った馬場、距離延長で全く力を出せなかった。ハイペース&渋った馬場でよりスタミナが問われ、かつ前に行き過ぎたことも影響しているのだろう。川田騎手は昨年のスプリンターズSを勝った以降、G1では[0−5−5−8]で未勝利。G1では過信しないようにしたい。

エスポワールは外枠スタートから後方を進み、勝負どころで押し上げて直線で外からメンバー6位の36.8秒で伸びて1.1秒差の9着。勝負どころで前が詰まって少しズムーズさを欠いたが、直線で伸び切れなかったように現時点では地力負け。今後はまずは自己条件を使ってオープン入りを目指すことになりそうだ。



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