毎日王冠
2019/10/6 東京競馬場 芝1800m

レース展望

過去10年で1番人気は[5−1−0−4]で6連対。前走東京芝1800m以下の重賞を勝って直行した馬は[4−1−0−0]。牝馬は[2−1−0−1]、4、5歳馬なら[2−1−0−0]で堅実。2番人気は[0−1−0−9]で1連対、3番人気は[1−2−0−7]で3連対。6〜9番人気が4連対、10番人気以下が2連対。最近4年の馬連は18倍、8倍、23倍、6倍。以前ほど荒れなくなった。

年齢別では3歳[2−4−0−11]、4歳[4−2−4−19]、5歳[2−2−2−23]、6歳[1−2−2−17]、7歳以上[1−0−3−24]で3、4歳馬が活躍。。春のG1から直行した3歳牡馬は[2−4−0−8]。4歳馬は1番人気[4−0−0−0]だが、2番人気以下は[0−2−4−19]で未勝利。5歳で連対した馬は1、3、8、11番人気。穴で中距離重賞実績のある関西馬に注意。

ダノンキングリーは[3−1−1−0]で春G1は皐月賞3着、ダービー2着。皐月賞は内ラチ沿いの4番手からメンバー4位タイの34.5秒で伸びて頭+ハナ差の3着。内が伸びない馬場が影響している。前走ダービーは5番手からメンバー7位の34.5秒で伸びてクビ差の2着。戸崎騎手が左鞭を入れて外に併せに行ったことが堪えた。東京芝1800mでは共同通信杯をメンバー最速の32.9秒で抜け出してアドマイヤマーズに勝っている。3歳馬のため54キロで出走できる。過去10年の毎日王冠で戸崎騎手は[1−0−0−5]。

アエロリットは東京芝[3−3−0−2]でNHKマイルC1着、毎日王冠1着、安田記念2、2着がある。前走安田記念は前半3F34.5秒、5F57.0秒で逃げ、メンバー12位タイの33.9秒で上がってクビ差の2着。ダノンプレミアムがスタート直後に不利を受けて先行できず、プレッシャーをかける馬がグァンチャーレしかいなかった。昨年の毎日王冠は前半5F59.0秒で逃げ、メンバー7位の33.8秒で上がって1分44秒5で優勝。今年も55キロで出走できる。テン乗りの津村騎手に乗り替わることがどう出るか。

安田記念勝ち馬インディチャンプ、昨年のマイルCS2着馬ペルシアンナイト、昨年の安田記念勝ち馬モズアスコット、昨年のNHKマイルC勝ち馬ケイアイノーテック、同2着馬ギベオンなど。インディチャンプは安田記念で内ラチ沿いの4番手からメンバー5位タイの32.9秒で差し切り1分30秒9のレースレコードで優勝。内が有利な馬場でロスなく回って脚をタメ、福永騎手が冷静に捌いてきた。東京芝は2戦2勝。芝1800mでは毎日杯で3着がある。他馬より重い58キロを背負うのは不利だが、得意な東京だけに侮れない。

ペルシアンナイトは金鯱賞4着、大阪杯11着、安田記念10着、札幌記念5着で不振が続いている。休み明けは[0−0−0−5]、叩き2戦目は全てG1で[1−2−0−1]。シュタルケ騎手に乗り替わる。モズアスコットはマイルCS13着、香港マイル7着、マイラーズC7着、安田記念6着と不振が続いているが、1週前に坂路で49.8秒の1番時計を出している。距離1800mの克服が課題だが、G2に57キロで出走できる。今年の重賞で内田博騎手は[1−1−1−25]、5番人気以下では[0−0−1−23]。


レース回顧

2019年10月 6日(日) 4回東京2日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第70回毎日王冠
3歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定)  芝 1800m   10頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 8  9  ダノンキングリー   牡 3 戸崎圭太  54  1.44.4 33.4  1 454 (美)萩原清
2 3  3  アエロリット       牝 5 津村明秀  55  1.44.6 34.5  2 516 (美)菊沢隆徳
3 4  4  インディチャンプ   牡 4 福永祐一  58  1.44.8 34.4  3 476 (栗)音無秀孝
4 6  6  ペルシアンナイト   牡 5 シュタル  57  1.44.9 34.3  4 492 (栗)池江泰寿
5 5  5  ランフォザローゼス 牡 3 北村宏司  54  1.45.0 34.2  8 490 (美)藤沢和雄
6 8 10 $モズアスコット     牡 5 内田博幸  57  1.45.0 34.0  5 498 (栗)矢作芳人
7 2  2  ギベオン           牡 4 岩田望来  56  1.45.0 34.3  6 506 (栗)藤原英昭
8 7  8  ハッピーグリン     牡 4 服部茂史  56  1.45.5 34.7 10 456 [地]田中淳司
9 1  1  ケイアイノーテック 牡 4 幸英明    57  1.45.8 35.4  7 470 (栗)平田修
10 7  7  マイネルファンロン 牡 4 柴田大知  56  1.46.7 36.1  9 470 (美)手塚貴久
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LAP :12.9-11.3-11.3-11.5-11.5-11.6-11.2-11.3-11.8
通過:35.5-47.0-58.5-70.1  上り:68.9-57.4-45.9-34.3  平均:1F:11.60 / 3F:34.80
単勝   9 \160 
複勝   9 \110 / 3 \120 / 4 \130 
枠連   3-8 \290 (1) 
馬連   03-09 \300 (1) 
ワイド 03-09 \140 (1)/ 04-09 \180 (2)/ 03-04 \260 (3) 
馬単   09-03 \420 (1) 
3連複 03-04-09 \360 (1/120) 
3連単 09-03-04 \1000 (1/720) 

ダノンキングリーは出遅れて最後方を進み、大外からメンバー最速の33.4秒で差し切ってレースを制した。アエロリットが逃げて前半3F35.5秒、5F58.5秒。前に行った安田記念1、2着馬が直線で粘り込んだが、ダノンキングリーが持ち前の末脚の威力で捻じ伏せた。レースは2F目から最後まで11秒台のラップで能力と末脚の持続力が問われる展開だった。3歳馬で54キロが有利だったとはいえ、出遅れて安田記念1、2着馬を差し切ったのだから大したもの。昨年から相馬眼的に評価してきたが、やはり相当な能力がある。馬体重は春と同じだったが、全体的にボリュームアップしてパワーアップしていた。今後は天皇賞(秋)は使わずにマイルCSに向かう予定。右回りでも走れるが、左回りの芝1800mが合うタイプ。来年のドバイターフが楽しみだ。

アエロリットはハナを切って昨年より0.5秒速い前半5F58.5秒で進み、直線でインディチャンプに交わされたが、ラスト1Fで手前を替えて差し返し2着に入った。上がりはメンバー7位の34.5秒。昨年は1分44秒5で走って3歳馬ステルヴィオ(次走マイルCS1着)を完封し優勝。今年は1分44秒6で走って3歳馬ダノンキングリーに差されて2着。自分のレースはできており、出遅れて大外一気で勝ったダノンキングリーが強かったということなのだろう。春と馬体の増減はなかったが、休み明けで少し余裕残しの仕上げだった。次走は天皇賞(秋)に向かう予定。

インディチャンプはスタートを決めて2番手につけ、メンバー6位の34.4秒で上がり、直線で一旦先頭に立ったが、外からダノンキングリー、内からアエロリットに交わされて0.4秒差の3着。休み明けで馬体が6キロ増えて少し余裕残しの仕上げ、他馬より重い58キロを背負っていたことを考えると内容は悪くない。最後に止まったのは、休み明け、58キロ、距離1800mのどれもが影響したのではないか。馬体がずんぐりむっくりしてきており、距離適性が短い方に傾いている。次走はマイルCS。前につけられるようになったことが裏目に出なければ。

ペルシアンナイトは中団からメンバー4位タイの34.3秒で伸びえ0.5秒差の4着。3着インディチャンプとは半馬身差。休み明けでも仕上がりは良かったが、前の2頭と捕まえるところまで行かなかった。札幌記念でひと叩きしたぶんのアドバンテージがあったが、能力差を感じさせる走りだった。シュタルケ騎手は馬場が緩かったとコメント。芝は良だが、ダートは稍重。そのあたりの影響もあったか。

モズアスコットは後方からメンバー2位の34.0秒で追い込んで0.6秒差の6着。道中フワフワして行きっぷりが悪く、ラスト1Fからようやくエンジンがかかって6着まで追い上げた。調教で好タイムを出して攻めていたが、馬体10キロ増で太め残りだった。内田博騎手はどこか体が悪いのか、道中スムーズなレースができないことが非常に多い。次走はマイルCS。馬体が絞れてまともな騎乗ができれば、こんな負け方をする馬ではない。



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