オールカマー
2019/9/22 中山競馬場 芝2200m

レース展望

過去10年で1番人気は[3−4−1−2]で7連対。春のG1から直行した馬は[3−4−1−0]、最近4年は[2−2−0−0]で連対を確保。2番人気は[2−1−3−4]で3連対、3番人気は[2−2−1−5]で4連対。連対馬17頭が5番人気以内、残る3頭は6、7、9番人気。最近5年の馬連は62倍、10倍、8倍、17倍、4倍。最近4年は5番人気以内で堅い決着が続いている。

連対馬20頭のうち19頭に重賞で連対があった。13年の勝ち馬ヴェルデグリーンは重賞で連対がなかったが、中山芝2000mで3戦3勝だった。最近の傾向から中距離G1で実績のある4、5歳馬に注目。6番人気以下で連対したキングトレイルはセントライト記念1着、ゲシュタルトは京都新聞杯1着、ラキシスはエリザベス女王杯2着があった。穴で芝2200mで実績がある6〜9番人気に注意。

ウインブライトは中山金杯、中山記念、クイーンエリザベス2世Cを3連勝。クイーンエリザベス2世C3着のリスグラシューは次走宝塚記念を圧勝した。中山芝は[5−2−0−1]で皐月賞8着を除き連対を確保。中山金杯を58キロで勝っている。芝2200以上はダービー15着しかないが、地力が強化された今ならこなすか。この時期の中山で走ったことがなく、全面野芝の高速馬場が課題だが、週末は雨が降る予報が出ている。過去10年のオールカマーでステイゴールド産駒が1、2番人気なら[1−2−0−1]。鞍上は松岡騎手。

レイデオロは17年のダービー馬で昨秋はオールカマー、天皇賞(秋)を連勝し、有馬記念で2着に入った。今年はドバイシーマクラシック6着、宝塚記念5着と精彩を欠いている。中山芝は[3−1−0−1]で皐月賞5着を除き連対を確保。昨年のオールカマーは中団からメンバー最速の34.3秒で上がって2分11秒2で勝っている。ルメール騎手が神戸新聞杯でサートゥルナーリアに騎乗するため、テン乗りの福永騎手の乗り替わる。藤沢和厩舎はル基本的にメール・ファースト。ここは無理せず叩き台に徹する可能性があるのかどうか。

ミッキースワローは横山典騎手で勝ち切れないレースが続いていたが、前走七夕賞で菊沢騎手に乗り替わると外を回って早めに押し上げ、メンバー2位の36.7秒で抜け出して1分59秒6(稍重)で優勝。父の管理馬で重賞初制覇を飾った。中山芝2200m[2−1−0−0]でセントライト記念1着、AJC杯2着がある。ウインブライト、レイデオロは58キロを背負うだけに56キロで出走できるのは有利。前走稍重で勝ったが、道悪より良馬場向きか。それでも大雨で極端に悪化するようなことがなければこなすか。鞍上は菊沢騎手。

スティッフェリオはミッキースワローが勝ったセントライト記念で0.6秒差の4着がある。福島記念、小倉大賞典を連勝し地力強化された今なら差を詰めるか。グレイルは昨年のセントライト記念で0.4秒差の3着がある。近走不振だが、叩き2戦目でどこまで変わるか。クレッシェンドラヴは前走七夕賞でミッキースワローに0.1秒差の2着。斤量2.5キロ差が同斤になるのは不利だが、中山芝2200mは[2−0−1−1]で得意にしている。ショウナンバッハは16年のAJC杯で0.2秒差の3着がある。鞍上は吉田豊騎手。


レース回顧

2019年 9月22日(日) 4回中山7日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第65回産経賞オールカマー
3歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定)  芝 2200m   10頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 8  9  スティッフェリオ   牡 5 丸山元気  56  2.12.0 34.0  4 442 (栗)音無秀孝
2 1  1  ミッキースワロー   牡 5 菊沢一樹  56  2.12.3 33.4  3 476 (美)菊沢隆徳
3 4  4  グレイル           牡 4 戸崎圭太  56  2.12.4 33.6  6 494 (栗)野中賢二
4 7  8  レイデオロ         牡 5 福永祐一  58  2.12.4 33.9  1 482 (美)藤沢和雄
5 3  3  クレッシェンドラヴ 牡 5 内田博幸  56  2.12.5 33.9  5 490 (美)林徹
6 2  2  ゴーフォザサミット 牡 4 石橋脩    56  2.12.5 34.3  7 504 (美)藤沢和雄
7 8 10  ショウナンバッハ   牡 8 吉田豊    56  2.12.6 33.6  8 450 (美)上原博之
8 6  6 *エンジニア         牡 6 津村明秀  56  2.12.8 34.3 10 480 (美)牧光二
9 7  7  ウインブライト     牡 5 松岡正海  58  2.13.5 35.1  2 494 (美)畠山吉宏
10 5  5  トニーファイブ     セ 4 藤田菜七  56  2.16.2 38.0  9 444 (栗)森秀行
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LAP :12.6-11.2-12.8-12.6-12.6-12.2-12.2-11.8-11.2-11.0-11.8
通過:36.6-49.2-61.8-74.0  上り:70.2-58.0-45.8-34.0  平均:1F:12.00 / 3F:36.00
単勝   9 \1120 
複勝   9 \320 / 1 \200 / 4 \370 
枠連   1-8 \1980 (6) 
馬連   01-09 \2240 (10) 
ワイド 01-09 \730 (10)/ 04-09 \1780 (18)/ 01-04 \1000 (12) 
馬単   09-01 \4660 (18) 
3連複 01-04-09 \8450 (26/120) 
3連単 09-01-04 \54310 (141/720) 

スティッフェリオはハナを切って前半5F61.8秒のスローペースで進め、ラスト4Fからペースアップして後続を引き離しレースを制した。勝ちタイムは2分12秒0。ラスト5Fは58.0秒、ラスト4Fのラップは11.8−11.2−11.0−11.8秒。雨が降らず高速馬場で上がりの速いレースになった。スティッフェリオはマイーペースで逃げて勝負どころで後続を引き離し、最後まで11秒台のラップでまとめて快勝。スローペースで切れる脚を使える馬が控えたとはいえ、ラスト4Fを高速ラップでまとめたように力をつけている。これで福島記念、小倉大賞典に続き重賞3勝目。右回りの中距離では堅実に走っている。次走は天皇賞(秋)に向かう予定。左回り、58キロ、高速上がりなど課題は多いが、どこまで踏ん張れるか。

ミッキースワローは後方2番手からメンバー最速の33.4秒で追い込んで0.3秒差の2着。スローの上がり勝負で展開が向かず、1枠1番も生かせなかったが、最速上がりで2着まで追い上げた。セントライト記念でメンバー最速の33.4秒でアルアインを差して勝った馬。全面野芝の中山が合っているのだろう。雨が降らなかったこともプラスに働いている。これで中山では6戦して上がりは全てメンバー最速。次走は天皇賞(秋)は使わずに福島記念に向かう予定。同コースの七夕賞を勝っており、コース適性を考慮してのものか。

グレイルは中団の内から直線で馬群を捌いてメンバー2位タイの33.6秒で伸びて0.4秒差の4着。岩田騎手が道中内をロスなく回り、直線で捌いて持ってきた。昨年のセントライト記念で3着がある馬。これでG2以下、右回り、芝2000〜2200mでは[2−0−2−0]で堅実に走っている。

レイデオロは中団からメンバー4位タイの33.9秒で上がって0.4秒差の4着。昨年勝ったオールカマーは前半5F60.5秒で中団からメンバー最速の34.3秒で上がって勝ったが、今年は流れが緩んで上がり勝負になり切れ負け。前走宝塚記念もそうだったが、勝負どころで踏ん張りがきかなくなっている。少し一本調子になってきたか。休み明けでも馬体は太め感なく仕上がっていた。次走は社台が使い分けしそうだが、天皇賞(秋)またはジャパンCになりそうだ。

クレッシェンドラヴは中団からメンバー4位タイの33.9秒で上がって0.5秒差の5着。直線で前が使って外に持ち出すロスがあり、追えたのはラスト1Fを過ぎてから。いい脚を長く使えるタイプだが、全く持ち味を生かせなかった。直線の脚色から見てまともなら2、3着があったのではないか。馬はG2で通用するレベルに到達している。今年の重賞で内田博騎手は[1−1−1−24]で連対率7.4%。年々パフォーマンスが落ちている。



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