ローズS
2019/9/9 阪神競馬場 芝1800m

レース展望

秋華賞トライアル。過去10年で1番人気は[4−2−0−4]で6連対。オークスから直行した馬は[4−2−0−2]だが、今年はオークス1〜3着馬の出走がない。2番人気は[1−2−1−6]で3連対、3番人気は[0−0−2−8]で連対なし。6〜9番人気が5連対、10番人気以下が3連対。最近5年の馬連は210倍、17倍、74倍、213倍、25倍で万馬券が2回。重賞実績馬が揃うが波乱傾向が強い。

前走オークス3着以内は[5−3−0−7]で8連対。オークス4着馬は[2−0−0−1]、5着馬は[0−0−1−3]、6着以下は[1−1−1−23]。連対馬20頭のうち16頭が上がり3Fメンバー3位以内。1〜3着馬は21頭が上がり3Fメンバー3位以内。外回りコースで上がりの速さが問われる。流れが緩むと前残りもあるが、速い上がりを繰り出している末脚のしっかりした馬を重視したい。

ダノンファンタジーは[4−1−0−2]で重賞3勝。桜花賞は5番手からメンバー7位の33.4秒で伸びて0.4秒差の4着。上がりの速い高速馬場で外枠から終始外を回ったことが堪えた。前走オークスは好位からメンバー8位の35.5秒で上がって0.5秒差の5着。ジリジリ伸びていたが、距離が長かったか。阪神芝は[3−0−0−1]、休み明けは[2−0−0−0]。今年の重賞で中内田厩舎の管理馬に川田騎手が騎乗すると[6−1−1−7]、1番人気なら[4−0−0−1]で勝率80%。

ウィクトーリアはにフローラSを出遅れて後方からメンバー最速の33.2秒で差し切って優勝。追い込むレースになったが、切れる脚を使って脚質の幅を広げることができた。前走オークスは出遅れて後方からメンバー2位の34.6秒で伸びて0.5秒差の4着。最後に馬群を捌きながら伸びてきたが、出遅れて位置取りが悪くなったことが堪えた。芝1800mは[2−0−0−1]で函館の新馬戦をレコードで圧勝している。母は秋華賞馬ブラックエンブレム。戸崎騎手が3戦連続で出遅れなければ。

桜花賞2着馬シゲルピンクダイヤ、同5着馬ビーチサンバ、フローラS2着馬シャドウディーヴァ、2連勝中のスイープセレリタス、アルティマリガーレなど。シゲルピンクダイヤはチューリップ賞で後方からメンバー最速の33.6秒で追い込んで0.2秒差の2着。桜花賞はスタートで躓いて後方を進み、直線で馬群を捌きながらメンバー最速の32.7秒で伸びて0.4秒差の2着。前走オークスは中団から全く伸びずに2.4秒差の12着。距離が長かったのか。最速上がりを繰り出している阪神で変わり身に注意。

ビーチサンバはアルテミスS2着、阪神JF3着、クイーンC2着、桜花賞5着と重賞で善戦している。オークスは全く見せ場がなく3.2秒差の15着。距離が長かったのか。母フサイチエアデールはローズS2着、秋華賞5着だった。今年の重賞で福永騎手は5番人気以下では[0−0−4−14]。スイープセレリタスは1勝クラス、月岡特別を2連勝。母スイープトウショウはローズS3着、秋華賞1着だった。今年の重賞でルメール騎手は藤沢和厩舎の管理馬に騎乗すると[3−2−0−8]。初の右回りがどう出るか。


レース回顧

2019年 9月15日(日) 4回阪神4日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第37回関西テレビ放送賞ローズS
3歳・オープン・G2(馬齢) (牝)(国際)(指定)  芝 1800m・外   12頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 4  4  ダノンファンタジー 牝 3 川田将雅  54  1.44.4 33.1  1 458 (栗)中内田充
2 8 11  ビーチサンバ       牝 3 福永祐一  54  1.44.4 33.4  6 474 (栗)友道康夫
3 6  8  ウィクトーリア     牝 3 戸崎圭太  54  1.44.4 33.3  2 466 (美)小島茂之
4 7 10  シゲルピンクダイヤ 牝 3 和田竜二  54  1.44.6 33.3  4 460 (栗)渡辺薫彦
5 1  1  メイショウショウブ 牝 3 池添謙一  54  1.44.9 33.4  8 482 (栗)池添兼雄
6 8 12  スイープセレリタス 牝 3 ルメール  54  1.45.1 34.1  3 492 (美)藤沢和雄
7 5  5  モアナアネラ       牝 3 北村友一  54  1.45.1 33.5 10 420 (栗)石坂正
8 6  7  アルティマリガーレ 牝 3 浜中俊    54  1.45.1 33.9  7 444 (栗)佐々木晶
9 5  6  シャドウディーヴァ 牝 3 岩田康誠  54  1.45.4 34.1  5 472 (美)斎藤誠
10 3  3  ビックピクチャー   牝 3 岩田望来  54  1.45.8 34.3  9 416 (栗)藤原英昭
11 2  2  ベストクィーン     牝 3 幸英明    54  1.45.8 34.0 12 414 (栗)西橋豊治
12 7  9  ラシェーラ         牝 3 藤岡佑介  54  1.45.8 33.9 11 446 (栗)笹田和秀
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LAP :12.8-11.2-11.4-11.7-12.2-11.7-11.0-10.5-11.9
通過:35.4-47.1-59.3-71.0  上り:69.0-57.3-45.1-33.4  平均:1F:11.60 / 3F:34.80
単勝   4 \220 
複勝   4 \120 / 11 \280 / 8 \140 
枠連   4-8 \570 (2) 
馬連   04-11 \1600 (6) 
ワイド 04-11 \560 (6)/ 04-08 \260 (1)/ 08-11 \900 (13) 
馬単   04-11 \2300 (8) 
3連複 04-08-11 \2250 (5/220) 
3連単 04-11-08 \10700 (29/1320) 

ダノンファンタジーは好スタートから先頭に立った後に控えて道中は中団を進み、直線で外に出して追い出すとメンバー最速の33.1秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイム1分44秒4はレコード。スイープセレリタスが逃げて前半5F59.3秒。高速馬場でレースの上がりが33.4秒(11.0−10.5−11.9秒)と速くなった。ダノンファンタジーは直線で外に出すために減速しそこで前に離されたが、ラスト1Fを過ぎた後から鋭く伸びて最後は地力で差し切った。最終調教の動きは良かったが、パドックを見ると休み明けといった雰囲気で次に上積みが見込めそうな仕上がりだった。これで休み明けは[3−0−0−0]、阪神芝は[4−0−0−1]。54キロでは[5−1−0−0]となった。高速決着で最速上がりで差して勝ったことは今後に繋がりそうだ。次走は秋華賞。直線の短い小回りコースで走ったことがない点がどう出るか。

ビーチサンバは2番手から早めに先頭に立ち、メンバー3位タイの33.4秒でまとめてクビ差の2着。直線でウィクトーリアに前に出られたが、最後に差し返した。阪神JFでは外枠から外を回ってダノンファンタジーに0.2秒差の3着、クイーンCではクロノジェネシスにクビ差の2着があったが、オークスで15着に惨敗したことで6番人気の低評価だった。最終調教で馬体が少し太く映ったことも人気に影響しているのだろう。当日は馬体2キロ減で太くはなかった。次走は秋華賞。母フサイチエアデールはローズS2着、秋華賞5着。直線の短い小回りコースが初めてになる点にリスクがあるが、立ち回りの上手いレース巧者だけに侮れない。

ウィクトーリアは4番手からメンバー2位タイの33.3秒で伸びてクビ+頭差の3着。直線でビーチサンバを交わして先頭に立ったが、最後に差し返された。栗東に入厩して乗り込んでいたが、馬体は6キロ増で少し余裕残しの仕上げだった。最後に伸び切れなかったのは、そのあたり影響もあるのだろう。函館と中山芝1800mで勝っており、小回りコースを経験しているのは強み。母ブラックエンブレムは11番人気で秋華賞を制した馬。戸崎騎手は関西圏のG1で2歳馬を除くと[0−2−0−29]で未勝利。これがどう出るか。

シゲルピンクダイヤは内めの4、5番手につけ、メンバー2位タイの33.3秒で内から伸びて0.2秒差の4着。チューリップ賞と桜花賞で最速上がりを繰り出して2着に入った馬だが、いつもより前につけたぶん伸び切れなかった。ゲート入りをてこずったようだが、春より精神面は成長して煩くなくなってきている。距離的なものがあるのか、和田騎手はここで決めておきたかったとコメントしている。本番はもっとタメて末脚を生かすレースをすることになりそうだ。



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