エルムS
2019/8/11 札幌競馬場 ダ1700m

レース展望

過去10年で1番人気は[2−1−4−3]で3連対。単勝1倍台は[2−1−1−1]、2倍台は[0−0−2−1]、3倍台は[0−0−1−1]。単勝2倍以上は連対がなく不振。2番人気は[4−1−0−5]で5連対、3番人気は[2−1−1−6]で3連対。連対馬17頭が5番人気以内、残る3頭は7、8、10番人気。最近5年の馬連は34倍、14倍、96倍、8倍、12倍。16年は7−4番人気で波乱になった。

年齢別では4歳[5−1−4−11]、5歳[4−3−4−20]、6歳[1−3−1−34]、7歳以上[0−3−1−34]で4、5歳馬が活躍。最近8年のうち7年で6、7歳馬が連対。重賞実績のある高齢馬に注意。前走北海道のダ1700mのOP特別出走馬は[5−3−4−41]、前走勝った馬は[2−1−2−4]、1、2番人気なら[2−1−2−0]。特に前走函館のマリーンSを勝ってきた馬に注意。

グリムはダート[7−2−1−2]で重賞を4勝している実力馬。2走前のアンタレスSは6番手から早めに動いて抜け出したが、最後にアナザートゥルースに差されて半馬身差の2着。勝ち馬より1キロ重い57キロを背負っていた。前走マーキュリーCは4番手から抜け出して2馬身差で圧勝。ダ1700m、札幌は初めてになるが、前に行ってひと脚使える馬で小回りコースをこなすタイプ。武豊騎手とは[2−0−1−0]で好相性。4月以降の重賞で武豊騎手は[0−1−1−18]。今年の札幌ダ1700mでは[1−1−1−0]。

リアンヴェリテはダ1700mでは全て逃げて[4−0−0−0]で勝率100%。2走前の大沼Sはハナを切ってメンバー2位の36.4秒で上がって後続を突き放し、1分42秒0(稍重)の好タイムで5馬身差で圧勝。前走マリーンSはハナを切って直線で後続を引き離し、外から捲ってきたモズアトラクションをクビ差完封し1分43秒3で優勝。3着には5馬身差をつけていた。これまで7勝のうち6勝が逃げ切り。今回はドリームキラリ、マルターズアポジーの出方が気になるところ。国分恭騎手とは[3−1−0−0]で好相性。

前走マリーンS2着のモズアトラクション、マーチS勝ち馬サトノティターン、過去2年のエルムS3、2着のドリームキラリ、昨年の勝ち馬ハイランドピーク、初ダートのタイムフライヤーなど。モズアトラクションは平安Sでチュウワウィザードにハナ差の2着。大沼Sではリアンヴェリテに1.0秒差をつけられたが、前走マリーンSはクビ差の2着まで追い上げた。斤量が同斤になるのは不利だが、前が競り合って差し馬向きの展開になると突っ込みがあってもおかしくない。今年の重賞で藤岡康騎手は[0−1−1−17]。

サトノティターンはマーチSを大外一気で重賞初制覇。全兄マチカネニホンバレは09年に新潟で行われたエルムSの勝ち馬。長い距離では好位につけているが、初のダ1700mで追い込むレースになると展開次第か。ドリームキラリは札幌ダ1700mは[1−1−2−0]で重馬場で行われた過去2年のエルムSで逃げて0.1秒差の3着、0.2秒差の2着。今年7歳になったが、59キロを背負ってオアシスSと欅Sで2着に粘ったように大きな衰えはない。前に行く馬が揃ったが、56キロで出走できる。鞍上は坂井瑠騎手。


レース回顧

2019年 8月11日(祝) 1回札幌6日  天候: 晴   馬場状態:稍重
11R  第24回エルムS
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定)  ダート 1700m   14頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 3  4  モズアトラクション 牡 5 藤岡康太  56  1.41.9 36.0  2 492 (栗)松下武士
2 8 13  ハイランドピーク   牡 5 横山和生  57  1.42.2 36.6 10 464 (美)土田稔
3 4  6  サトノティターン   牡 6 藤岡佑介  57  1.42.4 36.0  4 580 (美)堀宣行
4 7 11  レッドアトゥ       牝 5 福永祐一  54  1.42.4 36.5  7 454 (栗)松田国英
5 8 14  リアンヴェリテ     牡 5 国分恭介  56  1.42.4 37.7  3 488 (栗)中竹和也
6 5  7  タイムフライヤー   牡 4 池添謙一  56  1.42.4 37.4  5 484 (栗)松田国英
7 7 12  グリム             牡 4 武豊      57  1.43.0 37.3  1 506 (栗)野中賢二
8 2  2  テーオーエナジー   牡 4 岩田康誠  57  1.43.7 38.3  6 510 (栗)宮徹
9 4  5  モルトベーネ       牡 7 服部茂史  56  1.43.9 37.9 14 472 [地]田中淳司
10 6  9  サングラス         牡 8 古川吉洋  56  1.44.1 37.5 11 502 (栗)谷潔
11 3  3 $ドリームキラリ     牡 7 坂井瑠星  56  1.44.1 39.5  8 498 (栗)矢作芳人
12 5  8  メイショウスミトモ 牡 8 柴山雄一  57  1.44.2 37.9 12 466 (栗)南井克巳
13 6 10  リーゼントロック   牡 8 松岡正海  56  1.44.5 37.8 13 528 (栗)矢作芳人
14 1  1  マルターズアポジー 牡 7 菱田裕二  56  1.47.7 42.5  9 530 (美)堀井雅広
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LAP : 6.5-10.6-11.4-11.9-12.1-12.1-12.3-12.4-12.6
通過:28.5-40.4-52.5-64.6  上り:73.4-61.5-49.4-37.3  平均:1F:11.99 / 3F:35.96
単勝   4 \610 
複勝   4 \190 / 13 \660 / 6 \370 
枠連   3-8 \1120 (4) 
馬連   04-13 \9220 (28) 
ワイド 04-13 \2430 (28)/ 04-06 \880 (9)/ 06-13 \3520 (36) 
馬単   04-13 \14490 (45) 
3連複 04-06-13 \21140 (62/364) 
3連単 04-13-06 \143000 (377/2184) 

モズアトラクションは後方から内をロスなく回って徐々に押し上げ、メンバー最速タイの36.0秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分41秒9(稍重)。ドリームキラリが逃げてリアンヴェリテが競りかけ、前半5F58.5秒のハイペースで前崩れの展開になった。モズアトラクションは藤岡康騎手が内をロスなく回って進出し、直線で外に持ち出す理想的なレースで快勝。前走マリーンSは逃げたリアンヴェリテを捕まえられずクビ差の2着に終わったが、今回はそのときより前半5Fで1.4秒速い流れで展開がかなり味方している。平安Sでチュウワウィザード(次走帝王賞2着)にハナ差の2着に入った馬が重賞初制覇。これで4戦連続で最速上がり。ここにきて末脚の威力が増している。次走はシリウスSに向かう予定。

ハイランドピークは中団を進み、向こう正面で内に入れてロスなく回って押し上げ、メンバー4位の36.6秒で伸びて0.3秒差の2着。主戦の横山和騎手に戻っていつもとは違う差すレースで激走した。勝ったモズアトラクションと同様に内をロスなく回ってきたことが大きかった。これでダ1700mは[2−2−0−1]。エルムSはローマンレジェンド、クリノスターオー、オーロマイスター、エーシンモアオバーなどリピーターが強いレース。近走不振が続いていたが、昨年のエルムS勝ち馬が10番人気の低評価を覆し得意コースで激走した。最終調教で動きが良くなっていたようにデキも上向いていたのだろう。

サトノティターンは後方から大外を回ってメンバー最速のタイの36.0秒で追い込んで0.5秒差の3着。マーチSと同様に大外から強烈な末脚を繰り出したが、位置取りが後ろ過ぎて届かなかった。成績にムラがあるが、大型馬でも休み明けの方が走るタイプ。連対した2頭は内をロスなく回ったが、サトノティターンは外々を回ってきた。勝ち馬との0.5秒差はその差もあるのだろう。6歳馬でもまだ本格化していない。相馬眼的に馬体がパンとして本格化すれば、G1でやれる馬になる可能性がある。

レッドアトゥは中団の外からメンバー3位の36.5秒で伸びて0.5秒差の4着。メンバー唯一の牝馬が休み明け、昇級戦、重賞初挑戦で4着なら上々といえる。カジノドライヴ産駒で末脚がしっかりした馬。今後は地方交流の牝馬限定重賞で活躍できそうだ。

リアンヴェリテは2番手からドリームキラリを交わして先頭に立ったが、最後に力尽きて0.5秒差の5着。前半5F58.5秒のハイペースで1分42秒4で走って5着に粘ったことを評価したい。かなり強いレースをしている。心肺機能が高く、簡単にはバテにないタイプ。中央場所のダ1800mでも注意したい。

タイムフライヤーは4番手から徐々に上がって直線でリアンヴェリテに並びかけたが、そこで一杯になって0.5秒差の5着。ハイペースで早めに動いただけに最後に止まったのは仕方ないか。初ダートで見せ場を作り、ダート適性を示した。芝1800mを使って欲しい感もあるが、今後はダートを使っていくことになりそうだ。

グリムは中団の外から全く伸びずに1.1秒差の7着。勝負どころで反応が悪く、直線でも全く見せ場がなかった。前半5F59.4秒(重)と流れたユニコーンSでも9着に終わっているように速い流れが合わないのではないか。今後は地方交流重賞を中心にダ1800m以上の長い距離を使っていくことになりそうだ。



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