小倉記念
2019/8/4 小倉競馬場 芝2000m

レース展望

過去10年で1番人気は[1−2−2−5]で3連対。前走重賞3着以内は[1−2−1−1]で複勝率75%。単勝3.5倍以上は[0−1−1−4]で1連対のみ。2番人気は[0−3−1−6]、3番人気は[3−0−1−6]で各3連対。6〜9番人気、10番人気以下は各3連対。最近5年の馬連は26倍、28倍、133倍、19倍、7倍で20倍前後の中穴決着が多い。人気薄を絡めて中穴以上を狙うのが妙味。

トップハンデは[1−1−3−8]で昨年57キロで1番人気のトリオンフ、2番人気のサトノクロニクルがワンツーを決めた。1番人気は[1−0−1−2]、2番人気は[0−1−1−0]だが、3番人気以下は[0−0−1−6]で3着止まり。今年のトップハンデは57.5キロのメールドグラース。トップハンデに限らず、過去10年で57.5キロ以上を背負った馬は[0−0−3−5]で連対がなく不振。

メールドグラースは現在4連勝中。レーン騎手が騎乗して新潟大賞典、鳴尾記念を連勝した。芝2000mは[4−1−1−3]、良馬場では[4−1−1−0]、稍重以上では[0−0−0−3]。ちなみに週末は雨は降らない予報。小倉芝2000mは2戦2勝で未勝利、500万条件を勝っている。これまで56キロまでしか経験がない馬がトップハンデ57.5キロを背負う。これがどう出るか。過去10年で川田騎手は[0−2−0−7]、1番人気では[0−1−0−3]。1番人気で崩れて波乱を演出する傾向がある。

アイスバブルは昨年夏以降[3−3−0−0]で連対を確保。前走目黒記念は中団の後ろからメンバー2位の34.7秒で伸びて0.2秒差の2着。パドックでは馬体、気配が地味に映ったが、距離を延ばしながら一戦ごとに着実にパフォーマンスを引き上げている。芝2000mは[1−2−1−1]、小倉では芝1800mで[1−1−0−0]。ハンデは前走から1キロ増の55キロ。前走ハンデ重賞で軽ハンデで激走した馬は一気に重くならない傾向がある。池江厩舎のディープインパクト産駒。父に捧げる重賞勝利なるか。

2連勝でオープン入りしたアイスストーム、小倉巧者のタニノフランケル、昨年の鳴尾記念勝ち馬ストロングタイタン、前走宝塚記念6着のノーブルマーズ、前走七夕賞7着のクリノヤマトノオー、前走巴賞3着のカデナ、昨年の小倉日経オープン勝ち馬レトロロックなど。09年は16番人気のダンスアジョイ、16年は11番人気のクランモンタナが勝ち、11年は15番人気のキタサンアミーゴが2着。ローカルのハンデ重賞で極端な人気薄が激走している。過去10年で和田騎手は[2−1−2−4]。今年はクリノヤマトノオーに騎乗する。

アイスストームは調布特別を中団からメンバー最速の32.5秒で差し切り1分46秒8で優勝。前走垂水Sは後方からメンバー2位の34.7秒で差し切り1分45秒1の好タイムで優勝。芝2000mは[2−1−1−2]。昇級戦でハンデは54キロ。過去10年で武豊騎手は[2−1−2−1]。昨年はトリオンフで制した。タニノフランケルは芝2000m[3−0−1−5]で中山金杯3着がある。小倉芝は[1−1−0−0]で小倉大賞典で2着がある。夏場走るタイプで叩き3戦目は[2−0−0−1]。単騎逃げで粘り込むか。


レース回顧

2019年 8月 4日(日) 2回小倉4日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第55回農林水産省賞典小倉記念
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指)  芝 2000m   13頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 6  8  メールドグラース   牡 4 川田将雅 57.5 1.58.8 34.9  1 480 (栗)清水久詞
2 6  9  カデナ             牡 5 北村友一  56  1.58.8 34.7  6 474 (栗)中竹和也
3 5  6  ノーブルマーズ     牡 6 高倉稜    56  1.58.9 35.3  5 490 (栗)宮本博
4 3  3 $タニノフランケル   牡 4 松若風馬  55  1.58.9 35.4  4 512 (栗)角居勝彦
5 7 11  クリノヤマトノオー 牡 5 和田竜二  55  1.59.0 35.2  8 474 (栗)高橋義忠
6 4  4  アウトライアーズ   牡 5 丸田恭介  54  1.59.2 35.0 10 490 (美)小島茂之
7 2  2  アイスバブル       牡 4 福永祐一  55  1.59.2 35.5  3 454 (栗)池江泰寿
8 5  7  レトロロック       牡 7 松山弘平  55  1.59.3 35.3  7 482 (栗)角居勝彦
9 7 10  シャイニービーム   牡 7 西村淳也  54  1.59.3 35.4 12 448 (栗)羽月友彦
10 1  1  カフェブリッツ     牡 6 藤井勘一  54  1.59.3 35.5 11 530 (栗)池江泰寿
11 4  5  アイスストーム     牡 4 武豊      54  1.59.4 35.6  2 530 (栗)吉村圭司
12 8 12  アドマイヤアルバ   牡 4 幸英明    54  1.59.5 35.6 13 476 (栗)須貝尚介
13 8 13 $ストロングタイタン 牡 6 浜中俊    57  1.59.7 36.3  9 522 (栗)池江泰寿
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LAP :12.0-11.5-12.0-12.9-12.0-11.5-11.5-11.6-11.6-12.2
通過:35.5-48.4-60.4-71.9  上り:70.4-58.4-46.9-35.4  平均:1F:11.88 / 3F:35.64
単勝   8 \260 
複勝   8 \140 / 9 \400 / 6 \330 
枠連   6-6 \2060 (10) 
馬連   08-09 \2080 (6) 
ワイド 08-09 \840 (7)/ 06-08 \690 (5)/ 06-09 \2630 (30) 
馬単   08-09 \3080 (8) 
3連複 06-08-09 \8030 (29/286) 
3連単 08-09-06 \31100 (100/1716) 

メールドグラースは出遅れて後方を進み、4コーナーから直線で大外に出すとメンバー2位の34.9秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分58秒8。ストロングタイタンが逃げて前半6F60.4秒の緩い流れ。後半5F58.4秒でラップは11.5−11.5−11.6−11.6−12.2秒。ラスト5Fからペースアップしたことでラスト1Fのラップが落ち、後方で脚をタメた2頭で決着。メールドグラースはトップハンデ57.5キロを背負い、外から差し切って優勝。これで5連勝、重賞3連勝となった。G1を狙えそうな馬だが、夏に敢えて小倉記念を使ったのは社台の使い分けの影響か。新潟大賞典(ハンデ54キロ)はメンバーが強かったが、鳴尾記念、小倉記念はそれほど強くなかったことを考慮しておきたい。今秋の目標は天皇賞(秋)。今後はひと息入れることになりそうだ。

カデナは後方2番手からメンバー最速の34.7秒で追い込んでクビ差の2着。直線で前が壁になって追い出しを待たされるロスがあった。勝ったメールドグラースの上がりを0.2秒上回っただけにもう少しスムーズなら際どい争いになったのではないか。弥生賞を勝った後に大不振に陥ったが、福島民報杯3着、巴賞3着、小倉記念2着と復調してきている。ここにきて馬体がボリュームアップして以前より脚捌きが力強くなった。以前は切れ味で勝負するタイプだったが、体力&地力が強化され、タフなレースに強いタイプに変貌している。

ノーブルマーズは3番手から直線でタニノフランケルとの叩き合いを制したが、外から2頭に交わされて0.1秒差の3着。上がりはメンバー5位の35.3秒。デビューから全て騎乗している高倉騎手が前に行って持ち味を引き出した。昨年の宝塚記念で3着に入った馬。近走馬券圏内がなかったが、ようやく馬体が絞れて復調してきた。ただしG3でこれまでよりメンバーレベルが低いこともあるのだろう。

アイスバブルは4番手につけたが、直線で伸び切れず0.4秒差の7着。直線で馬群に包まれてスムーズさを欠いたことが堪えた。最後はしぶとく伸びて盛り返したようにバテて下がったのではない。近走長い距離を使ってきたこと、ラスト5F高速ラップの展開が合わなかったこともあるか。5戦連続で外国人騎手が騎乗した後の福永騎手も影響したのではないか。まだ馬体は成長途上だが、目黒記念で2着に入ったように能力はある。

アイスストームは中団の外から押し上げたが、直線で全く伸びずに0.6秒差の11着。3、4コーナーで外から動いたときに外からアドマイヤアルバが来たことでプレッシャーをかけられ、それによって息が入らなかったか。小倉に輸送して馬体6キロ増で過去最高の530キロ。調教の動きは良かったが、少し太めが残っていた。馬体の造りが目立つ馬。今回の負け方は気になるが、相馬眼的にすぐに重賞で勝ち負けしてもおかしくない。



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