函館記念
2019/7/14 函館競馬場 芝2000m

レース展望

サマー2000シリーズの第2戦。過去10年で1番人気は[0−1−0−9]で1連対。11年以降は[0−0−0−8]で不振が続いている。2番人気は[2−0−0−8]で2連対、3番人気は[3−0−0−7]で3連対。6〜9番人気が4連対、10番人気以下が5連対。9年で2着に7番人気以下が入っている。最近5年の馬連は50倍、81倍、108倍、351倍、55倍。ハンデ戦でかなり波乱傾向が強い。

トップハンデは[1−2−0−7]で3、7、8番人気が連対。1、2番人気は[0−0−0−3]で不振。58キロは[0−1−0−4]で1連対のみ。重賞実績のある重ハンデ馬は人気になるが過信禁物。前走巴賞は[1−4−3−42]、連対馬は[0−0−0−14]で3番人気以内では[0−0−0−9]。巴賞連対馬は人気になっても過信禁物。穴で前走巴賞で6着前後に負けた馬の巻き返しに注意。

エアスピネルはマイル重賞3勝の実力馬。G1では朝日杯FS2着、マイルCS2着、菊花賞3着がある。芝2000mは弥生賞3着、皐月賞4着、札幌記念5着で善戦止まりが続いている。距離2000mは微妙に長いのか。今回は昨年のマイルCS10着以来のレースでトップハンデ58キロを背負う。栗東でかなり入念に乗り込んできたが、どこまで仕上がってくるか。3戦連続で福永騎手が騎乗する。

ステイフーリッシュは昨年の京都新聞杯勝ち馬。芝2000mは[1−1−3−1]でホープフルS3着、チャレンジC3着、中山金杯2着、鳴尾記念3着がある。詰めが甘く勝ち切れないが、芝2000mでは堅実に走っている。ハンデは57.5キロ。これまで57キロでは全てG1だが、10、11、13着に終わっている。先行したり捲ったり脚質に幅がある馬。デビューから3戦で騎乗した中谷騎手に乗り替わる。

福島民報杯勝ち馬レッドローゼス、重賞で2着が3回あるマイスタイル、巴賞勝ち馬スズカデヴィアス、同2着馬ナイトオブナイツ、17年の菊花賞3着馬ポポカテペトル、AJC杯3着馬メートルダールなど。レッドローゼスは前走福島民報杯を後方から捲って1分58秒6で優勝。2着クレッシェンドラヴは七夕賞で2着に入った。重賞初挑戦になるが、ハンデは前走より2キロ重い56キロ。函館は初めてだが、札幌では[1−1−0−0]。今年の重賞で蛯名騎手は[0−0−2−14]。現在27年連続重賞勝利中。

マイスタイルは弥生賞2着、福島記念2着、京都金杯2着がある。函館芝2000mは[2−0−0−0](稍重)で昨年洞爺湖特別と五稜郭Sを逃げて連勝した。前走巴賞は休み明けで58キロを背負って9着。叩き2戦目、56キロでどこまで変わるか。勝てば田中勝騎手は15年福島牝馬S以来4年ぶりの重賞勝利となる。スズカデヴィアスは前走巴賞を59キロを背負ってメンバー最速の35.2秒で差し切り13番人気で穴をあけた。ハンデは1.5キロ減の57.5キロ。巴賞勝ち馬が斤量1.5キロ減は初めてとなる。


レース回顧

2019年 7月14日(日) 2回函館4日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第55回農林水産省賞典函館記念
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指)  芝 2000m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 2  4  マイスタイル       牡 5 田中勝春  56  1.59.6 35.9  1 462 (栗)昆貢
2 3  6  マイネルファンロン 牡 4 丹内祐次  54  1.59.6 35.6  9 472 (美)手塚貴久
3 5 10  ステイフーリッシュ 牡 4 中谷雄太 57.5 1.59.9 35.3  3 454 (栗)矢作芳人
4 3  5  ドレッドノータス   セ 6 菱田裕二  56  2.00.1 35.7  7 448 (栗)矢作芳人
5 1  2  アメリカズカップ   牡 5 北村友一  55  2.00.3 35.3 12 450 (栗)音無秀孝
6 1  1  レッドローゼス     牡 5 蛯名正義  56  2.00.4 35.6  2 488 (美)国枝栄
7 4  8  メートルダール     牡 6 武藤雅    57  2.00.8 35.2  8 482 (美)戸田博文
8 7 14  ナイトオブナイツ   牡 6 池添謙一  56  2.00.8 35.4  6 456 (栗)池添兼雄
9 7 13  アーバンキッド     牡 6 横山武史  54  2.00.9 35.7 15 482 (美)斎藤誠
10 5  9  ポポカテペトル     牡 5 岩田康誠  55  2.01.0 35.6  5 486 (栗)友道康夫
11 8 15  ゴールドギア       牡 4 幸英明    52  2.01.0 36.1 10 478 (美)伊藤圭三
12 4  7  カルヴァリオ       セ 6 吉田隼人  54  2.01.0 35.4 14 474 (美)大竹正博
13 8 16  エアスピネル       牡 6 福永祐一  58  2.01.1 36.2  4 486 (栗)笹田和秀
14 2  3  ブラックバゴ       牡 7 斎藤新    55  2.01.5 35.8 13 522 (美)斎藤誠
15 6 11  マイネルサージュ   牡 7 国分恭介  55  2.01.6 35.7 16 502 (美)鹿戸雄一
16 6 12  スズカデヴィアス   牡 8 勝浦正樹 57.5 2.01.9 36.2 11 516 (栗)橋田満
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LAP :12.7-11.7-11.9-11.7-11.8-11.9-12.0-12.0-11.6-12.3
通過:36.3-48.0-59.8-71.7  上り:71.6-59.8-47.9-35.9  平均:1F:11.96 / 3F:35.88
単勝   4 \500 
複勝   4 \200 / 6 \440 / 10 \230 
枠連   2-3 \1550 (6) 
馬連   04-06 \3870 (14) 
ワイド 04-06 \1250 (8)/ 04-10 \820 (3)/ 06-10 \2040 (29) 
馬単   04-06 \6480 (20) 
3連複 04-06-10 \10240 (20/560) 
3連単 04-06-10 \52140 (101/3360) 

マイスタイルは最初の1Fを12.7秒とゆっくりと入った後に5F11秒台のラップで飛ばして後続を引き離し、直線でマイネルファンロンに前に出られたが、最後に差し返してレースを制した。上がりはメンバー13位の35.9秒。勝ちタイムは1分59秒6。1番人気の勝利は06年のエリモハリアー以来13年ぶりとなった。前半5F59.8秒、後半5F59.8秒。前半1Fゆったりと入った後に後続を引き離す理想的な逃げを打てたのが勝因。道中ラップを落とさなかったことで差し追い込み馬も脚を使わされ、外から伸びてくる馬がいなかった。昨年夏に函館芝2000mの洞爺湖特別と五稜郭Sで57キロを背負って逃げて連勝した馬が得意コースで重賞初制覇を飾った。前走巴賞は9着に終わったが、休み明け、馬体16キロ増、58キロでやはり叩き台だったのだろう。最終調教の動きが前走とは一変していた。田中勝騎手は重賞50勝のメモリアル勝利。今後は休養して秋はマイル路線に向かう予定。

マイネルファンロンは2番手から直線でマイスタイルを交わしたが、最後に差し返されてクビ差の2着。上がりはメンバー6位タイの35.6秒で勝ったマイスタイルの上がりを0.3秒上回っている。ただし斤量はマイスタイルより2キロ軽い54キロだった。休み明けの前走巴賞は見せ場なく12着に終わったが、マイスタイルと同様に最終調教の動きが一変していた。夏は格より調子という格言があるが、まさにその通りの結果になった。昨年のスプリングSでステルヴィオ、エポカドーロの3着に入った馬が一気にパフォーマンスを引き上げた。昨年札幌芝2000mの500万条件で4馬身差で圧勝。次走は札幌記念に向かうことになりそうだ。

ステイフーリッシュは4番手からメンバー2位タイの35.3秒で上がって0.3秒差の3着。前走鳴尾記念と同様に直線で伸び切れなかった。これまで背負ったことがない57.5キロも堪えたのだろう。これで芝2000mでは[1−1−4−1]。詰めが甘く3着に負けることが多い。かなり使い込んでいるため、今後はひと息入れることになりそうだ。

レッドローゼスは1枠1番から内ラチ沿いの5番手につけ、勝負どころで外に出したが、そこから伸び切れず0.8秒差の6着。上がりはメンバー6位タイの35.6秒。前走福島民報杯では外から捲って1分58秒6で勝ったが、今回はメンバーが強化され、ハンデ2キロ増の56キロが堪えたのだろう。重賞実績のない馬が重賞で2着が3回あるマイスタイルと同じ56キロというのは、やはり見込まれたハンデだった。

エアスピネルは大外枠スタートから6番手につけたが、直線で全く伸びずに1.5秒差の13着。長期休み明け、トップハンデ58キロを背負って外を回ったこともあるが全く見せ場なし。馬体は10キロ増えていたが、それほど太くなく仕上がりは悪くなかった。福永騎手は後ろの入りが甘く手先で走っていたとコメント。乗り込んでいたが、中身が伴っていなかったか。次走はマイルに戻すことになりそうだ。



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