ユニコーンS
2019/6/16 東京競馬場 ダ1600m

レース展望

過去10年の1番人気は[4−3−0−3]で7連対。前走国内のダート戦で勝った馬は[4−3−0−0]で連対率100%。2番人気は[3−3−1−3]で6連対、3番人気は[3−1−4−2]で4連対。連対馬19頭が5番人気以内、残る1頭は9番人気。1番人気が連対した7年の馬連は全て10倍以下の堅い決着。1番人気が連対を外した3年の馬連は81倍、91倍、26倍。1番人気次第で波乱がある点に注意。

連対馬17頭が前走連対。前走ダートのOP以上で連対した馬が活躍している。前走ダートで5着以下に負けた馬は[0−0−1−32]で3着止まり。前走芝は[0−0−0−25]、5番人気以内は[0−0−0−6]で3着以内がなく不振が続いている。関東馬は[3−3−4−60]、関西馬[7−7−7−68]。3番人気以内では関東馬[3−1−2−5]、関西馬は[7−6−3−3]。関東馬は取りこぼしが多い。

デュープロセスは[4−1−0−0]で現在4連勝中。新馬戦はケイアイターコイズにクビ差で負けたが、3着に2.3秒の大差をつけていた。前走青竜Sは4番手からメンバー3位の35.6秒で抜け出して1分36秒6で優勝。内からデアフルーグに迫られたがクビ差で凌ぎ切った。青竜Sは11頭立ての外枠でスムーズなレースができたが、内枠に入ったときに同じようにスムーズなレースができるかがカギ。前走より1キロ軽い56キロで出走できる。今年の重賞でMデムーロ騎手は1番人気なら[2−3−0−2]で連対率71.4%。

デアフルーグは[3−1−0−0]で新馬、黒竹賞、伏竜Sを3連勝。伏竜Sは後方からメンバー2位の37.3秒で差し切って優勝。0.2秒差の2着マスターフェンサーはケンタッキーダービー6着、ベルモントS5着に入った。前走青竜Sは1枠1番から出遅れて後方を進み、直線で最内からメンバー最速の35.2秒で伸びてクビ差の2着。これまで外枠から外を回るレースをしていたが、最内から鋭く伸びてきた。勝ったデュープロセスの上がりを0.4秒上回っている。鈴木伸厩舎は08年のユニコーンSをユビキタスで制している。

ニュージーランドT勝ち馬ワイドファラオ、兵庫Chs2着馬ヴァイトブリック、全日本2歳優駿勝ち馬ノーヴァレンダ、端午S勝ち馬ヴァニラアイス、前走500万条件を圧勝したダンツキャッスル、前走青竜S3着のニューモニュメント、未勝利と500万条件を連勝したサトノギャロスなど。ワイドファラオは芝1600m[2−2−0−1]でニュージーランドTを1分34秒2で逃げ切っている。過去10年で前走芝は[0−0−0−25]で3着以内がないが、4着が1回、5着が2回ある。データを破って連対できるのかどうか。

ヴァイトブリックはダート[2−2−0−0]でヒヤシンスSで2着がある。3着デルマルーヴルはUAEダービー4着に入り、4着はマスターフェンサーだった。前走兵庫Chsはクリソベリルに5馬身差の2着。ノーザンファーム生産馬。叩き2戦目、距離短縮で変わり身に注意。ノーヴァレンダはダート[3−0−0−1]で未勝利、もちの木賞、全日本2歳優駿を3連勝。休み明けの前走伏竜Sは先行して伸び切れず1.4秒差の5着。砂を被ってまともに走らなかった。ノーザンファーム生産馬。この馬で3戦3勝の北村友騎手に乗り替わる。


レース回顧

2019年 6月16日(日) 3回東京6日  天候: 晴   馬場状態: 重 
11R  第24回ユニコーンS
3歳・オープン・G3(別定) (国際)(指定)  ダート 1600m   15頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 1  1  ワイドファラオ     牡 3 福永祐一  57  1.35.5 37.1  3 498 (栗)角居勝彦
2 5  8  デュープロセス     牡 3 M.デム  56  1.35.5 36.5  2 464 (栗)安田隆行
3 6 11  ダンツキャッスル   牡 3 幸英明    56  1.36.0 37.3  6 478 (栗)谷潔
4 6 10  ヴァニラアイス     牝 3 田辺裕信  54  1.36.1 37.6  8 444 (栗)高柳大輔
5 3  4  エルモンストロ     牡 3 蛯名正義  56  1.36.1 37.2 10 478 (栗)角居勝彦
6 8 15  アシャカトブ       牡 3 大野拓弥  56  1.36.3 36.8  9 486 (美)小笠倫弘
7 4  6  デアフルーグ       牡 3 津村明秀  56  1.36.4 37.2  1 496 (美)鈴木伸尋
8 4  7  ザディファレンス   牡 3 野中悠太  56  1.36.7 37.2 12 470 (美)相沢郁
9 8 14  ノーヴァレンダ     牡 3 北村友一  56  1.36.8 37.9  5 530 (栗)斉藤崇史
10 7 13  ニューモニュメント 牡 3 石橋脩    56  1.36.8 37.6  7 472 (栗)小崎憲
11 2  3  ヴァイトブリック   牡 3 戸崎圭太  56  1.36.9 37.8  4 484 (美)和田正一
12 7 12  オンザウェイ       牡 3 柴田善臣  56  1.37.7 38.6 13 520 (美)大和田成
13 2  2  イメル             牡 3 丸山元気  56  1.37.8 39.1 11 460 (栗)音無秀孝
外 5  9  ロードグラディオ   牡 3 内田博幸  56  ------ ---- -- --- (栗)西浦勝一
外 3  5  サトノギャロス     牡 3 川島信二  56  ------ ---- -- --- (栗)西園正都
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LAP :12.3-10.5-11.1-11.9-12.6-12.3-12.0-12.8
通過:33.9-45.8-58.4-70.7  上り:72.7-61.6-49.7-37.1  平均:1F:11.94 / 3F:35.81
単勝   1 \660 
複勝   1 \280 / 8 \150 / 11 \400 
枠連   1-5 \1310 (4) 
馬連   01-08 \1270 (3) 
ワイド 01-08 \570 (5)/ 01-11 \1770 (17)/ 08-11 \890 (11) 
馬単   01-08 \2450 (9) 
3連複 01-08-11 \5510 (16/286) 
3連単 01-08-11 \22120 (64/1716) 

ワイドファラオは1枠1番からハナを切って前半3F33.9秒、5F58.4秒で飛ばし、メンバー3位の37.1秒でまとめてレースを制した。勝ちタイムは1分35秒5(重)。前半3F33.9秒、後半3F37.1秒で上がりの掛かるレースになったが、差してきた馬が2着のデュープロセスしかいなかった。1番人気のデアフルーグがまともに走らず、メンバーレベルもそれほど高くなかったか。ワイドファラオは1枠1番、逃げ、重馬場など全てが上手く噛み合っての勝利。ユニコーンSで初ダートの馬は不振が続いていたが、今年の東京の重賞はカレンブーケドール(スイートピーS組不振)、ロジャーバローズ(前走G2で負けた馬不振)などデータを覆して激走する馬が多い。ワイドファラオは距離適性を考慮してJDD、レパードSは使わずに秋はJBCスプリントを目指すことになりそうだ。ダ1200m、ダ1400mを使うとさらにパフォーマンスを引き上げる可能性がある。

デュープロセスは中団の外からメンバー最速の36.5秒で伸びて頭差の2着。Mデムーロ騎手が追ってワイドファラオを捕まえる勢いで伸びてきたが、最後にワイドファラオにひと伸びされて交わせなかった。前走の青竜Sは前半3F35.5秒、5F60.6秒、今回は重馬場で前半3F33.9秒、5F58.4秒。前走より速い流れで時計を詰めて現時点の力は出している。追って味のあるタイプ。こういうタイプは長く活躍することが多い。使い込んだため、今後はひと息入れることになりそうだ。

ダンツキャッスルは3番手からメンバー7位の37.3秒で伸びて0.5秒差の3着。スタートが遅く押して何とか3番手につけたが、そのぶん直線で伸び切れなかった。スタートを決めてワイドファラオにプレッシャーをかければもう少しやれたかもしれない。レース後に数日してレース中に右前種子骨骨折を発症していたことが判明。今後は手術して復帰を目指すことになる。

ヴァニラアイスは2番手からメンバー8位タイの37.6秒で上がって0.6秒差の4着。前の2頭には離されたが、最後までしぶとく伸びていた。前半少し行きたがっていたようにキンシャサノキセキ産駒でもう少し短い距離が合っている。馬体が成長してパワーアップすれば古馬相手でもやれるのではないか。

デアフルーグは中団の後ろからメンバー4位タイの37.2秒で伸びて0.9秒の7着。5番手以内につけた馬が1、3、4、5着で前が残ったとはいえ、本来はもっと切れる脚を使える馬。距離1600m、重馬場、これまでと違う流れが影響したにしても不可解な負け方だった。現時点では良馬場のダ1800m以上が合っている。クリソベリルは強いが、JDDに出走したら注意したい。



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