函館スプリントS
2019/6/16 函館競馬場 芝1200m

レース展望

サマースプリントシリーズの第1戦。過去10年で1番人気は[2−2−1−5]で4連対。最近6年は[0−0−1−5]で連対なく不振。2番人気は[2−1−1−6]、3番人気は[2−1−1−6]で各3連対。6〜9番人気が4連対、10番人気以下が3連対。最近5年のうち3年で10番人気以下が連対し、馬連は273倍、195倍、170倍、30倍、104倍で万馬券が4回出ている。かなり波乱傾向が強い。

連対馬14頭に芝1200mで重賞3着以内またはOP特別連対があった。これらがない6頭のうち5頭に芝1400m重賞で連対があった。芝1200m実績がなくても芝1400m重賞で連対があれば通用する。牡馬は[5−8−4−80]、牝馬は[5−2−6−35]。牝馬は前走3着以内に入った馬が3番人気以内なら[3−0−2−2]。6番人気以下で連対した7頭のうち5頭が6歳以上の牡馬。穴で高齢牡馬に注意。

ダノンスマッシュは芝1200m[3−1−0−1]、G3では[2−1−0−0]でキーンランド2着、京阪杯1着、シルクロードS1着がある。前走高松宮記念は好位につけ、メンバー9位の34.0秒で上がって0.2秒差の4着。内を通った馬が有利な馬場で外枠が堪えている。57キロではNHKマイルC7着、高松宮記念4着。函館では函館日刊スポーツ杯を勝っているが54キロだった。過去6年で1番人気は[0−0−1−5]で3着止まり。57キロを背負って1番人気に応えられるのかどうか。テン乗りの川田騎手が騎乗する。

タワーオブロンドンは重賞3勝の実力馬。芝1400mは[3−0−0−0]で前走京王杯SCを7番手からメンバー4位タイの33.1秒で差し切り、1分19秒4のレコードで制した。京王杯SCの1200m通過は1分7秒6、タワーオブロンドンは1分8秒0前後だった。体型的に本質はスプリンターの可能性が高そうだが、初めて芝1200mに使ってきた。57キロではNHKマイルC12着、東京新聞杯5着に終わっている。初めて芝1200mで初めて58キロを背負う点がどう出るか。初めての函館になるレーン騎手が騎乗する。

前走京王杯SC2着のリナーテ、前走葵S2着のアスターペガサス 、オーシャンS3着馬ダイメイフジ、同4着馬ペイシャフェリシタ、16年の函館スプリントS2着馬シュウジ、前4戦3勝の上がり馬ライトオンキューなど。リナーテは京都牝馬Sでメンバー2位の33.9秒で追い込んで0.1秒差の2着。前走京王杯SCは6番手からメンバー7位タイの33.3秒で伸びて0.1秒差の2着。芝1200mは[3−1−0−2]で昨年函館芝1200mの500万条件を勝っている。芝1200mで藤岡康騎手なら[3−1−0−1]。

アスターペガサスは芝1200m[2−1−0−0]で昨年函館の新馬、函館2歳Sを連勝した。前走葵Sは中団からメンバー最速タイの33.4秒で伸びて頭差の2着。近走不振で13番人気だったが、芝1200mで走りが一変した。前走より5キロ軽い52キロで出走できる。鞍上は小崎騎手。ダイメイフジは右回りの芝1200m[3−2−2−3]でオーシャンSで2年連続3着がある。休み明けを除き、芝1200mで57キロでは[0−0−0−3]だが、56キロ以下なら[3−2−2−1]。松岡騎手が強気な騎乗で持ってくるか。


レース回顧

2019年 6月16日(日) 1回函館2日  天候:小雨  馬場状態:稍重
11R  第26回函館スプリントS
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(特指)  芝 1200m   13頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 7 10  カイザーメランジェ 牡 4 江田照男  56  1.08.4 34.0  5 472 (美)中野栄治
2 7 11 $アスターペガサス   牡 3 小崎綾也  52  1.08.6 34.0  2 494 (栗)中竹和也
3 8 13 *タワーオブロンドン 牡 4 レーン    58  1.08.6 33.5  1 518 (美)藤沢和雄
4 5  7  ダイメイフジ       牡 5 松岡正海  56  1.08.7 33.8  4 514 (栗)森田直行
5 2  2  ペイシャフェリシタ 牝 6 岩田康誠  54  1.09.0 34.1  3 494 (美)高木登
6 6  9  ユキノアイオロス   セ11 木幡初也  56  1.09.3 33.9  7 486 (美)石毛善彦
7 1  1  サフランハート     牡 6 勝浦正樹  56  1.09.5 34.2  6 462 (栗)北出成人
外 8 12  タマモブリリアン   牝 6 菱田裕二  54  ------ ---- -- --- (栗)南井克巳
外 6  8  トウショウピスト   牡 7 横山和生  56  ------ ---- -- --- (美)土田稔
外 5  6  ダノンスマッシュ   牡 4 川田将雅  57  ------ ---- -- --- (栗)安田隆行
外 4  5  リナーテ           牝 5 藤岡康太  54  ------ ---- -- --- (栗)須貝尚介
外 4  4 *ライトオンキュー   牡 4 古川吉洋  56  ------ ---- -- --- (栗)昆貢
外 3  3  シュウジ           牡 6 秋山真一  57  ------ ---- -- --- (栗)須貝尚介
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LAP :12.3-11.0-11.1-11.3-11.0-11.7
通過:34.4-45.7-56.7-68.4  上り:68.4-56.1-45.1-34.0  平均:1F:11.40 / 3F:34.20
単勝   10 \1570 
複勝   10 \570 / 11 \210 
枠連   7-7 \1890 (7) 
馬連   10-11 \1910 (8) 
ワイド 10-11 \500 (8)/ 10-13 \430 (7)/ 11-13 \180 (1) 
馬単   10-11 \3900 (17) 
3連複 10-11-13 \1200 (4/35) 
3連単 10-11-13 \14460 (55/210) 

カイザーメランジェはハナを切って前半3F34.4秒で進み、メンバー4位タイの34.0秒でまとめてレースを制した。勝ちタイムは1分8秒4(稍重)。予報が外れて大雨は降らず、稍重の少し緩い馬場でのレースになった。カイザーメランジェは江田照騎手がマイペースに持ち込んで逃げ切り勝ち。これで右回り、芝1200m、14頭以下なら[3−1−1−0]。父サクラオリオンは道悪巧者、母の父サクラプレジデントは北海道の洋芝巧者。走法的に渋った馬場は得意とみて穴馬で狙って正解だった。江田照騎手は12年の日経賞ネコパンチ以来9年ぶりの重賞制覇となった。次走はバーデンバーデンCの予定を変更してキーンランドCでサマースプリントシリーズの優勝を目指すことになった。

アスターペガサスは2番手につけ、メンバー4位タイの34.0秒で上がって0.2秒差の2着。展開を考えるといつものように控えて差すレースをしていたら厳しくなっていたが、小崎騎手がスタートを決めて2番手で流れに乗ったことが大きかった。1番人気の3着馬タワーオブロンドンとは斤量6キロ差。緩い馬場で斤量差も大きかった。これで芝1200mでは[2−2−0−0]だが、今回もパドックでは地味に映った。次走はキーンランドC。早い時期から仕上げられた外国産馬。急に走らなくなる可能性がある点に注意したい。

タワーオブロンドンは中団の後ろからメンバー最速の33.5秒で伸びて0.2秒差の3着。2着とはクビ差。スタートを決めた後にレーン騎手が控えたことが結果的にマイナスに働いた。好位で流れに乗っていれば勝ち負けできたのではないか。初の芝1200mで58キロを背負い、外を回って最速の33.5秒で上がったように今後芝1200mでやれるメドは立った。次走はキーンランドC。レーン騎手は短期免許期限が切れるため、ルメール騎手が騎乗することになりそうだ。スプリンターズSに向けて注目したい。

ペイシャフェリシタは内ラチ沿いの3番手につけたが、直線で伸び切れず0.6秒差の5着。上がりはメンバー5位の34.1秒。内の絶好位につけたが、伸び切れなかった。緩い馬場は得意な馬だけに直線で伸びなかったのは久々の影響か。今年6歳になってから以前より切れる脚を使えなくなっている。



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