オークス
2019/5/19 東京競馬場 芝2400m

レース展望

過去10年で1番人気は[5−2−1−2]で7連対。単勝1倍台は[2−1−0−0]、2倍台は[2−1−0−1]、3倍台は[1−0−1−1]で信頼度は単勝オッズに比例する。2番人気は[1−3−3−3]で4連対、3番人気は[2−0−1−7]で2連対。6〜9番人気は4連対。10番人気以下は[0−0−0−87]。最近5年は1番人気が連対し、馬連は3倍、11倍、4倍、22倍、11倍で堅い決着が多い。

連対馬20頭のうち18頭が前走3着以内。前走桜花賞9、10着から巻き返した2頭は2走前に重賞を勝っていた。前走桜花賞なら巻き返し可能。前走桜花賞&フローラS3着以内と忘れな草賞勝ち馬に注目。6番人気以下で連対した4頭のうち3頭に前2走以内に重賞3着以内があった。4頭の前走は桜花賞10着、フローラS1、3着、忘れな草賞1着。穴で前走OP以上の好走がフロック視されて人気がない馬に注意。

コントラチェックは[3−1−1−0]で逃げたときは3戦3勝。2走前の菜の花賞は前半5F58.3秒で逃げて直線で後続を引き離し3馬身差で圧勝。勝ちタイム1分33秒8は1週前のフェアリーSより2.2秒速かった。前走フラワーCは前半5F60.5秒で逃げ、メンバー8位の34.9秒でまとめて2馬身半差で圧勝。勝ちタイムは中山牝馬Sより0.3秒、スプリングSより0.4秒速い。藤沢和厩舎のディープインパクト産駒でオークス3着馬バウンスシャッセの半妹。2枠3番からレーン騎手が逃げて粘らせるか。

クロノジェネシスは[3−1−1−0]で上がりは全てメンバー1、2位。阪神JFは出遅れて後方2番手からメンバー最速の33.9秒で追い込んでダノンファンタジーに半馬身差の2着。クイーンCは中団の後ろからメンバー2位の33.1秒で外から差し切って1分34秒2で優勝。前走桜花賞は中団からメンバー2位タイの32.9秒で伸びて0.4秒差の3着。道中スムーズさを欠き、直線で追い出しが遅れるロスがあった。半姉ノームコアは先週のヴィクトリアマイルを制した。2戦2勝と得意の東京でG1初制覇なるか。

忘れな草賞勝ち馬ラヴズオンリーユー、桜花賞2着馬シゲルピンクダイヤ、同4着馬ダノンファンタジー、同5着馬ビーチサンバ、同7着馬エールヴォア、フローラS勝ち馬ウィクトーリア、同2着馬シャドウディーヴァ、スイートピーS勝ち馬カレンブーケドール、アルテミスS勝ち馬シェーングランツなど。ラヴズオンリーユーは新馬、白菊賞、忘れな草賞を3連勝。リアルスティールの全妹。初の長距離輸送、左回り、距離2400mと課題は多いが、最速上がりで3戦3勝とまだ底を見せていない。過去10年のオークスでMデムーロ騎手は[0−0−2−2]。

シゲルピンクダイヤは前走桜花賞で後方から直線で馬群を捌きながらメンバー最速の32.7秒で伸びて0.4秒差の2着。勝ったグランアレグリアの上がりを0.6秒上回った。デビューから全て芝1600m。長距離輸送でイレ込まず、距離を克服できるかがカギ。ダノンファンタジーは[4−1−0−1]で重賞3勝。前走桜花賞は5番手からメンバー7位の33.4秒で伸びて0.4秒差の4着。過去10年のオークスでディープインパクト産駒は5番人気以内なら[3−3−2−8]。距離2400mでジリ気を出さなければ。

ビーチサンバはアルテミスS2着、阪神JF3着、クイーンC2着、桜花賞5着で相手なりに堅実に走っている。母フサイチエアデールは桜花賞2着、オークス5着。8枠16番から福永騎手がひと工夫して持ってくるか。エールヴォアは前走桜花賞で出遅れて後方を進み、最内からメンバー2位の32.9秒で伸びて0.8秒差の7着。前に行く予定だったが、出遅れてレースにならなかった。芝2000mのエリカ賞を勝っており、東京ではアルテミスS3着がある。東京芝2400mの重賞で松山騎手[0−0−0−7]で不振。

ウィクトーリアは前走フローラSを出遅れて後方からメンバー最速の33.2秒で差し切って1分59秒5で優勝。出遅れて新たな面を出したともいえるが、逃げたジョディーが3着に粘っており、前に行っても勝ち負けできたかもしれない。オークスで戸崎騎手は[0−3−0−4]、5番人気以内なら[0−3−0−2]。コントラチェックとの兼ね合いがカギ。シャドウディーヴァは東京芝[1−3−1−0]で3着以内を確保。ヌーヴォレコルトと同じ斎藤誠厩舎のハーツクライ産駒。岩田騎手が得意のイン突きで持ってくるか。

カレンブーケドールは前走スイートピーSを早めに上がってメンバー4位タイの33.1秒で抜け出して1分47秒7で優勝。国枝厩舎は昨年アーモンドアイで制しており2連覇が懸かる。過去10年でスイートピーS組は[0−0−0−22]で出番なし。シェーングランツは3戦連続阪神で使って4、5、9着。前走馬体10キロ減の影響なのか、今回は調教がかなり軽い点がどう出るか。過去10年のオークスで武豊騎手は[0−0−0−6]で前2年はリスグラシュー、マウレアで5着。日記では「一発狙った騎乗をする」と記している。


レース回顧

2019年 5月19日(日) 2回東京10日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第80回優駿牝馬
3歳・オープン・G1(定量) (牝)(国際)(指定)  芝 2400m   18頭立
------------------------------------------------------------------------------
着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
------------------------------------------------------------------------------
1 7 13  ラヴズオンリーユー 牝 3 M.デム  55  2.22.8 34.5  1 456 (栗)矢作芳人
2 5 10  カレンブーケドール 牝 3 津村明秀  55  2.22.8 35.1 12 460 (美)国枝栄
3 1  2  クロノジェネシス   牝 3 北村友一  55  2.23.2 35.4  2 432 (栗)斉藤崇史
4 6 12  ウィクトーリア     牝 3 戸崎圭太  55  2.23.3 34.6  6 460 (美)小島茂之
5 4  8  ダノンファンタジー 牝 3 川田将雅  55  2.23.3 35.5  4 456 (栗)中内田充
6 4  7  シャドウディーヴァ 牝 3 岩田康誠  55  2.23.3 35.3  7 464 (美)斎藤誠
7 2  4  シェーングランツ   牝 3 武豊      55  2.23.5 34.8 10 458 (美)藤沢和雄
8 3  6  アクアミラビリス   牝 3 藤岡佑介  55  2.23.9 35.0 13 416 (栗)吉村圭司
9 2  3  コントラチェック   牝 3 レーン    55  2.24.5 37.0  3 460 (美)藤沢和雄
10 8 18  フィリアプーラ     牝 3 丸山元気  55  2.24.7 36.0 17 440 (美)菊沢隆徳
11 3  5  エールヴォア       牝 3 松山弘平  55  2.25.0 37.5  8 500 (栗)橋口慎介
12 6 11  シゲルピンクダイヤ 牝 3 和田竜二  55  2.25.2 36.9  5 454 (栗)渡辺薫彦
13 5  9  ウインゼノビア     牝 3 松岡正海  55  2.25.3 37.0 18 464 (美)青木孝文
14 1  1  ジョディー         牝 3 武藤雅    55  2.25.9 38.4 14 480 (美)戸田博文
15 8 16  ビーチサンバ       牝 3 福永祐一  55  2.26.0 37.8  9 476 (栗)友道康夫
16 7 14  フェアリーポルカ   牝 3 幸英明    55  2.26.3 38.3 11 474 (栗)西村真幸
17 8 17  メイショウショウブ 牝 3 池添謙一  55  2.26.6 38.1 16 482 (栗)池添兼雄
18 7 15  ノーワン           牝 3 坂井瑠星  55  2.26.7 38.2 15 474 (栗)笹田和秀
------------------------------------------------------------------------------
LAP :12.5-10.9-11.7-11.9-12.1-12.2-12.3-12.2-11.7-11.4-11.6-12.3
通過:35.1-47.0-59.1-71.3  上り:71.5-59.2-47.0-35.3  平均:1F:11.90 / 3F:35.70
単勝   13 \400 
複勝   13 \200 / 10 \1400 / 2 \170 
枠連   5-7 \8420 (24) 
馬連   10-13 \25140 (46) 
ワイド 10-13 \6430 (54)/ 02-13 \470 (1)/ 02-10 \4960 (44) 
馬単   13-10 \28210 (81) 
3連複 02-10-13 \28240 (90/816) 
3連単 13-10-02 \179960 (534/4896) 

ラヴズオンリーユーは中団を進み、直線で馬群がバラけてから追い出すとメンバー最速の34.5秒で外から差し切ってレースを制した。勝ちタイム2分22秒8は従来のレコードを0.8秒上回るオークスレコード。ジョディーが逃げて前半5F59.1秒。道中最も遅いラップが12.3秒。後半5F59.2秒でラスト4Fは11.7−11.4−11.6−12.3秒。ある程度前につけた馬が有利な馬場だったが、前半流れて道中のラップが落ちずに消耗戦に傾いたことで差し馬が突っ込めるレースになった。ラヴズオンリーユーは直線でMデムーロ騎手が追うと他馬が一瞬止まって見えるような伸び脚で一気に差し切った。これまで9頭以下の少頭数、3戦連続出遅れ、メンバーも強くなく、長距離輸送、芝2400m、左回り、外枠、18頭の多頭数と課題が多かったが、全てをクリアして無敗でオークスを制した。ドバイターフを勝ったリアルスティールの全妹。リアルスティールは東京で共同通信杯、毎日王冠を勝ち、天皇賞(秋)で2着に入ったように左回り巧者だった。今後はひと息入れて秋はローズSから秋華賞、エリザベス女王杯を目指すことになりそうだ。一頓挫あった後に忘れな草賞を使い、その後一気に仕上げたオークスでレコード勝ち。激走の反動が出る可能性があるため注意したい。

カレンブーケドールは4番手につけ、外から早めに押し上げて直線で先頭に立ち、メンバー5位の35.1秒で上がってクビ差の2着。ラヴズオンリーユーに交わされた後も懸命に食い下がっていた。相馬眼的に激走があるとみて穴馬にして本命◎で狙ったが12番人気で激走した。過去10年でスイートピーS組は[0−0−0−22]、G1で連対がない津村騎手で検討対象から外した人が多かったのではないか。新馬戦でダノンキングリーの上がりを0.4秒上回って頭差の2着に入り、出遅れて外から早めに上がって行ったスイートピーSで相馬眼的に重賞を勝てる能力があるセリユーズに勝ったことはやはりダテではなかった。津村騎手は勝負どころで早めに動いて勝ちに行ったが、結果的にもうワンテンポ仕掛けを遅らせていれば、もっと際どいレースになったのではないか。今後は休養して秋は紫苑SまたはローズSから秋華賞を目指すことになりそうだ。

クロノジェネシスは1枠スタートから内の4、5番手につけ、メンバー7位の35.4秒で伸びて0.4秒差の3着。速い流れで前に行き、芝2400mでいつもほど切れる脚を使えなかった。小柄な馬だけに荒れた内を通ったことも影響している。前走桜花賞は道中スムーズさを欠き、直線で追い出しが遅れるロスがあった。今回はそのあたりを考慮して北村友騎手が好位につけたのだろうが、流れを考えるともう少しタメるレースをした方が良かったか。それでも正攻法のレースをして3着に入ったように確かな地力がある。ヴィクトリアマイルを制したノームコアの半妹。ひと夏越してどこまで馬体が成長してくるか。

ウィクトーリアはスタートで立ち上がって後方を進み、メンバー2位の34.6秒で伸びて0.5秒差の4着。最後に馬群を捌きながら伸びてきたが、出遅れて位置取りが悪くなったことが堪えた。フローラSの前までは逃げて2勝していた馬が、戸崎騎手に乗り替わって2戦連続出遅れ。心肺機能が高い馬。流れを考えるともっとまともな走りができれば勝ち負けできたのではないか。昨年秋に陣営がマイルの赤松賞を使ったのも失敗だった。本来はオークスで勝ち負けできる馬。母ブラックエンブレムは秋華賞馬。今後は休養して紫苑Sから秋華賞を目指すことになりそうだ。

シェーングランツは後方から大外を回ってメンバー3位の34.0秒で追い込んで0.7秒差の7着。桜花賞で10キロ減った馬体がさらに4キロ減っていた。例年の少し時計の掛かる馬場で平均程度のペースならウィクトーリアと勝ち負けできるレベルの馬。ルメールファーストでコントラチェックを桜花賞に使わず、オークス向きのシェーングランツを阪神に3戦連続輸送してマイル戦を使い馬体減。桜花賞馬グランアレグリアはオークスを使わず、NHKマイルC5着。藤沢和厩舎は馬優先主義から騎手優先主義に変わっている。今年は3番人気以下では未勝利。1、2番人気で外国人騎手が騎乗したときだけマークすればいい。馬券的な妙味が皆無の厩舎になっている。



[Home]