きさらぎ賞
2019/2/3 京都競馬場 芝1800m

レース展望

過去10年で1番人気は[4−3−0−3]で7連対。単勝1倍台[3−2−0−0]、2倍台[1−1−0−2]、3倍台[0−0−0−1]。単勝1倍台なら堅実。2番人気は[1−3−4−2]で4連対、3番人気は[1−0−2−7]で1連対。連対馬17頭が5番人気以内、残る3頭は6、6、8番人気。最近5年の10頭以下の少頭数で行われ、馬連は1.5馬、2.6倍、7倍、9倍、14倍で10倍台までに収まっている。

連対馬20頭のうち19頭が前走4着以内。前走前走5〜9着は[1−0−2−23]で唯一連対したのは前走朝日杯FS9着馬。前走G1なら巻き返せるが率は低い。上がり3Fメンバー1位は[4−3−3−0]、2位は[3−4−1−4]で計14連対。逃げ馬は[2−3−0−5]で1、1、4、5、8番人気が連対。前残りが多いが、差し追い込み馬も突っ込んでいる。前走メンバー1、2位の上がりで連対した馬に注意。

ヴァンドギャルドは東スポ杯2歳Sで中団からメンバー2位タイの33.9秒で伸びてハナ+頭差の3着。直線で外に持ち出すロスがあったが、キャリア1戦で重賞で通用するメドを立てた。前走ホープフルSは後方2番手から押し上げたが、直線で不利があり0.6秒差の6着。後方からいい脚を長く使ったが、直線での不利が致命的だった。藤原英厩舎のディープインパクト産駒。Cデムーロ騎手からMデムーロ騎手に乗り替わる。

ダノンチャイサーは前3走芝1800mを使われ、未勝利戦1着、きんもくせい特別2着、こうやまき賞1着。前走こうやまき賞は中団からメンバー2位の33.5秒で抜け出して優勝。2着マイネルウィルトスはその後千両賞2着(1着マイネルフラップはシンザン記念2着)、白梅賞2着に入った。好位からしぶとい脚を使えるタイプ。池江厩舎のディープインパクト産駒。過去10年のきさらぎ賞で池江厩舎は[3−1−2−2]。

前走東スポ杯2歳S2着のアガラス、新馬戦と500万条件を連勝したエングレーバー、前走未勝利戦を圧勝したメイショウテンゲン、前走福寿草特別2着のハギノアップロードなど。アガラスはデビューから全て1800mを使い、新馬1着、コスモス賞2着、東スポ杯2歳S2着でまだ連対を外していない。近親にユートピア、アロハドリームがいる。過去10年で関東馬は[1−1−1−3]。テン乗りの戸崎騎手が騎乗する。


レース回顧

2019年 2月 3日(日) 2回京都4日  天候: 雨   馬場状態: 良 
11R  第59回きさらぎ賞
3歳・オープン・G3(別定) (国際)(特指)  芝 1800m・外   8頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 4  4  ダノンチェイサー   牡 3 川田将雅  56  1.49.0 34.8  3 476 (栗)池江泰寿
2 1  1  タガノディアマンテ 牡 3 岩田康誠  56  1.49.3 34.4  6 466 (栗)鮫島一歩
3 6  6  ランスオブプラーナ 牡 3 松山弘平  56  1.49.4 35.8  7 468 (栗)本田優
4 3  3  ヴァンドギャルド   牡 3 M.デム  56  1.49.4 35.1  1 472 (栗)藤原英昭
5 8  8  メイショウテンゲン 牡 3 池添謙一  56  1.49.8 35.3  5 466 (栗)池添兼雄
6 5  5  コパノマーティン   牡 3 和田竜二  56  1.50.0 35.3  8 484 (栗)村山明
7 7  7  アガラス           牡 3 戸崎圭太  56  1.50.2 35.7  2 508 (美)古賀慎明
8 2  2  エングレーバー     牡 3 藤岡佑介  56  1.50.6 36.2  4 452 (栗)中内田充
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LAP :13.0-11.3-12.0-12.3-12.6-12.4-12.0-11.5-11.9
通過:36.3-48.6-61.2-73.6  上り:72.7-60.4-47.8-35.4  平均:1F:12.11 / 3F:36.33
単勝   4 \540 
複勝   4 \250 / 1 \780 / 6 \730 
馬連   01-04 \7460 (16) 
ワイド 01-04 \1550 (16)/ 04-06 \1820 (17)/ 01-06 \3930 (21) 
馬単   04-01 \10790 (26) 
3連複 01-04-06 \23670 (35/56) 
3連単 04-01-06 \141960 (189/336) 

ダノンチェイサーは2番手につけ、メンバー2位の34.8秒で抜け出して2馬身差でレースを制した。勝ちタイムは1分49秒0。ランスオブプラーナが逃げて前半3F36.3秒、5F61.2秒のスローペース。流れが緩んで前に行った馬が有利な展開になった。ダノンチェイサーは2番手から抜け出す正攻法のレースで重賞初制覇。距離延長で折り合いに不安があったが、2番手で折り合い、前に行ってひと脚使える持ち味を川田騎手が引き出した。セレクトセール2億7000万円で取り引きされたディープインパクト産駒。これで過去10年のきさらぎ賞で池江厩舎は[3−1−2−1]、ディープインパクト産駒なら[3−1−0−1]となった。今後はひと息入れて皐月賞に直行し、ダービーを目指すことになりそうだ。

タガノディアマンテは離れた最後方からメンバー最速の34.8秒で追い込んで0.3秒差の2着。岩田騎手が後方でタメにタメて大外から持ってきた。土曜のエルフィンSでは最後方からアクアミラビリスが最速上がりで大外から差し切っている。緩い馬場で1、2番人気が伸びあぐねる中、外から伸びてきたように緩い馬場も味方したのではないか。それでも前残りの展開で最後方から最速上がりで2着に突っ込んだことを評価したい。武蔵野Sを勝ったタガノトネールの半弟でオルフェーヴル産駒。賞金を加算できたことで今後はトライアルから皐月賞を目指すことになりそうだ。

ランスオブプラーナは逃げてメンバー7位の35.8秒でまとめて0.4秒差の3着。きさらぎ賞は前に行った馬が残りやすいレースだが、8頭中7位の上がり35.8秒で人気のヴァンドギャルド、アガラスを完封するとは・・・。稍重の未勝利戦を3馬身半差で圧勝した馬。渋った馬場も味方したのだろう。

ヴァンドギャルドは3番手からメンバー3位の35.1秒で伸びて0.4秒差の4着。直線で反応が悪く、最後にジリジリ伸びてきたが3着にハナ差の4着に終わった。緩い馬場を気にして何度も躓いていた模様。馬場の影響もあるが、関東に遠征して東スポ杯2歳S、ホープフルSと激戦が続いた影響があるのかもしれない。藤原英厩舎にしては連続して使っている。この馬に対する社台の方針なのだろう。

アガラスは道中折り合いを欠き、直線でもスムーズさを欠き自滅しブービーの7着。レースレベルの高かった東スポ杯2歳S2着馬が見せ場なく惨敗。前3走はルメール、ルメール、ビュイック騎手。戸崎騎手に乗り替わって全くいいところがなかった。ただし京都に輸送して馬体12キロ増。社台も戸崎騎手を考慮して仕上げていなかったのではないか。次走外国人騎手を乗せてきたら要注意。



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