愛知杯
2019/1/26 中京競馬場 芝2000m

レース展望

過去10年で1番人気は[2−1−2−5]で3連対。単勝1倍台は[0−0−0−1]、2倍台は[0−0−0−1]、3倍台は[0−0−1−2]、4倍以上は[2−1−1−1]。単勝1〜3倍台は連対なく不振。2番人気は[1−1−2−6]で2連対、3番人気は[0−0−2−8]で連対なし。6〜9番人気が6連対、10番人気以下が7連対。馬連は50〜90倍台が3回、万馬券が5回。ハンデ戦でかなり波乱傾向が強い。

トップハンデは[4−2−3−9]で6連対。4番人気以内は[3−2−3−4]、5番人気以下は[1−0−0−5]。16年に8番人気のバウンスシャッセが勝ったが、人気にならない馬は不振傾向。前走1000万条件は[3−3−0−11]、1600万条件は[1−2−3−36]。前走1000万条件で負けて格上挑戦できた馬でも通用している。10番人気以下で連対した7頭のうち6頭が前走条件戦に出走していた。

ノームコアは紫苑Sを1分58秒0の好タイムで圧勝したが、体調が整わず秋華賞を回避。前走エリザベス女王杯は好位につけたが、直線で伸び切れず0.6秒差の5着。外枠スタートから外々を回ったことが堪えたか。京都に輸送して馬体10キロ増えていた影響もあるか。芝2000m以下は[3−0−2−0]で3着以内を確保。左回りのフローラSでは2番手から0.1秒差の3着に粘っている。今回はこれまでより1キロ重いトップハンデ55キロ。直線の長い中京で好位から抜け出してどこまで踏ん張れるか。鞍上はルメール騎手。

レッドジェノヴァは夏の札幌で1000万、1600万条件を2連勝。京都大賞典は後方からメンバー2位の34.3秒で伸びて0.1秒差の2着。重賞初挑戦、古馬牡馬を相手に2着を確保した。前走エリザベス女王杯は内ラチ沿いの中団からメンバー5位タイの34.5秒で伸びて0.5秒差の4着。内で狭くなって追い出しが遅れ、直線で外に出せず狭い内を走って伸び切れなかった。3着モズカッチャンとはクビ差だった。芝2000mは[3−2−1−2]で守備範囲。ハンデは前走より1キロ軽い55キロ。鞍上はMデムーロ騎手。

紫苑S3着馬ランドネ、2連勝でオープン入りしたウラヌスチャーム、前走エリザベス女王杯8着のコルコバード、昨年の2着馬レイホーロマンスなど。ランドネは前走修学院Sを逃げて1分48秒0で優勝。これまで逃げたときは[2−1−1−0]で3着以内を確保。先週シャケトラでAJC杯を制した角居厩舎の管理馬。インフルエンザ明けの戸崎騎手がどこまで粘らせるか。ウラヌスチャームは牡馬を相手に条件戦を2連勝。芝1800〜2200mは[2−3−0−1]。3連勝で重賞初制覇なるか。テン乗りの北村友騎手に乗り替わる。


レース回顧

2019年 1月26日(土) 1回中京3日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第56回愛知杯
4歳以上・オープン・G3(ハンデ) (牝)(国際)[指定]  芝 2000m   14頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 4  5  ワンブレスアウェイ 牝 6 津村明秀  54  2.00.0 33.9  8 496 (美)古賀慎明
2 7 11  ノームコア         牝 4 ルメール  55  2.00.1 33.5  1 468 (美)萩原清
3 5  8 $ランドネ           牝 4 戸崎圭太  53  2.00.1 34.4  4 512 (栗)角居勝彦
4 6  9  ウラヌスチャーム   牝 4 北村友一  53  2.00.2 33.9  3 500 (美)斎藤誠
5 3  4  コルコバード       牝 6 丸山元気  54  2.00.2 33.8  6 464 (美)木村哲也
6 1  1  レッドジェノヴァ   牝 5 M.デム  55  2.00.3 34.1  2 500 (美)小島茂之
7 2  2  レイホーロマンス   牝 6 藤岡康太  52  2.00.5 33.9  7 428 (栗)橋田満
8 4  6  レイズアベール     牝 5 秋山真一  50  2.00.7 33.9  5 460 (栗)吉村圭司
9 8 13  ウスベニノキミ     牝 4 松若風馬  49  2.00.7 33.8 10 452 (栗)鈴木孝志
10 5  7  スカーレットカラー 牝 4 鮫島克駿  51  2.00.9 34.4  9 458 (栗)高橋亮
11 3  3  ティーエスクライ   牝 7 木幡育也  50  2.01.1 35.2 13 468 (栗)武幸四郎
12 7 12  エテルナミノル     牝 6 四位洋文  55  2.01.2 34.7 11 468 (栗)本田優
13 6 10  ヤマニンエルフィン 牝 8 田中健    50  2.01.3 35.5 14 520 (栗)松下武士
14 8 14  キンショーユキヒメ 牝 6 吉田隼人  54  2.01.7 34.5 12 530 (栗)中村均
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LAP :12.9-11.4-12.9-12.8-12.2-11.8-11.7-11.8-11.2-11.3
通過:37.2-50.0-62.2-74.0  上り:70.0-57.8-46.0-34.3  平均:1F:12.00 / 3F:36.00
単勝   5 \3180 
複勝   5 \530 / 11 \150 / 8 \230 
枠連   4-7 \1260 (4) 
馬連   05-11 \4600 (17) 
ワイド 05-11 \1500 (18)/ 05-08 \2790 (34)/ 08-11 \520 (3) 
馬単   05-11 \15040 (49) 
3連複 05-08-11 \9010 (29/364) 
3連単 05-11-08 \99140 (316/2184) 

ワンブレスアウェイは内枠から4番手につけ、メンバー4位タイの33.9秒で抜け出し、最後はノームコアの追撃を完封してレースを制した。勝ちタイムは2分00秒0。ランドネが逃げて前半5F62.2秒の超スローペース。ラスト5F57.8秒でラスト3Fは11.8−11.2−11.3秒の高速ラップ。ワンブレスアウェイは超スローペースで前が有利な展開になり、ノームコアがスタートで躓いて後方からのレースになったことがプラスに働き重賞初制覇を飾った。津村騎手がスタートを決めて好位置につけたことが大きかった。津村騎手は17年の愛知杯でサンソヴール(11人気)を2番手から2着に粘らせている。3走前のオクトーバーS(東京芝2000m)でマウントゴールドに0.2秒差の3着に入り、4着スティフェリオは次走福島記念を制した。今回は8番人気の低評価だったが、このあたりから激走する下地はあった。サンデーレーシングの6歳牝馬。今後は中山牝馬Sがラストランになりそうだ。

ノームコアはスタートで躓いた後に寄られて後方を進み、直線で大外からメンバー最速の33.5秒で追い込んで0.1秒差の2着。トップハンデ55キロを背負い、外から最速上がりを繰り出して能力を示した。スタートがまともならあっさり勝っていたのではないか。牝馬限定G3で芝2000mまでなら一枚上の印象。外を回って追い込むレースをして最速上がりを繰り出したことで脚質の幅を広げている。2着に負けたが休み明けで能力の高さを示す上々の内容。今後は中山牝馬Sまたは福島牝馬Sを使ってヴィクトリアマイルを目指すことになりそうだ。ルメール騎手はどんなレースになっても瞬時に判断して対応してくる。技術レベルが秀でている。

ランドネは前半5F62.2秒のスローペースで逃げ、メンバー9位タイの34.4秒でまとめて0.1秒差の3着。超スローに落として上がり勝負に持ち込んだが、ラスト5Fは11.8−11.7−11.8−11.2−11.4秒で最後まで11秒台のラップで走っている。紫苑Sでも逃げて3着に粘ったが、前半5F60.1秒でラスト5Fは11.9−11.8−11.5−11.5−11.8秒。単純に展開に恵まれたからだけの3着ではない。角居厩舎の管理馬でパドックでは馬体の造りが目立っていた。次走中山牝馬S、福島牝馬Sに使ってきたら要注意。

コルコバードは中団からメンバー2位タイの33.8で伸びて0.2秒差の5着。直線で前にワンブレスアウェイ、外からウラヌスチャームにいて狭くなり、トップギアに入らなかった。それでもメンバー2位の上がりを繰り出し最後まで食い下がっている。ノームコアが出遅れず、早めに前を捕まえるレースになっていればもっとやれたのではないか。それでも重賞でやれるメドは立った。追ってバテないタイプ。もっと少し長い距離の方が持ち味を生かせる。

レッドジェノヴァは好位の内からメンバー8位の34.1秒で伸びて0.3秒差の6着。Mデムーロ騎手が1枠から好位につけたが、上がり勝負で伸び切れなかった。これまで33秒台で上がったのは1度しかなく上がり勝負は向かないタイプ。芝2000mではもっと流れが速くなってタフなレースになるか、重い馬場で時計が掛かるときに狙いたい。今後は日経賞に向かう可能性もあるが、小回りコースなら地力勝負で対応できるため、中山牝馬S、福島牝馬Sを使う手もありそうだ。



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