AJC杯
2019/1/20 中山競馬場 芝2000m

レース展望

過去10年で1番人気は[2−2−0−6]で4連対。単勝1倍台は[2−0−0−1]、2倍台は[0−2−0−1]、3倍以上は[0−0−0−4]で信頼度はオッズに比例する。2番人気は[3−2−2−3]で5連対、3番人気は[1−1−3−5]で2連対。連対馬15頭が5番人気以内、残る5頭は6、7、7、9、11番人気。最近5年の馬連は149倍、119倍、18倍、19倍、4倍。別定G2でも人気薄の連対が多く波乱傾向が強い。人気馬に人気薄を絡めて中穴以上を狙うのが妙味。

年齢別では、4歳[1−3−2−12]、5歳[4−0−3−20]、6歳[3−1−2−27]、7歳[2−2−1−23]、8歳以上[0−4−2−17]で高齢馬が活躍している。連対馬20頭のうち12頭が6歳以上の高齢馬。中山芝重賞で実績のある高齢馬に注意。6番人気以下で連対した5頭は前走重賞1、4、9、9、18着で3頭が惨敗していた。連対した5頭は5、6、7、8、8歳馬で3頭にG2以上で連対があった。穴で前走重賞で惨敗したG2以上で実績のある高齢馬に注意。

フィエールマンは[3−1−0−0]で前走菊花賞を優勝。7番手からメンバー最速タイの33.9秒で馬群を割って伸び、エタリオウとの叩き合いをハナ差で制した。キャリア4戦目の菊花賞制覇は史上最速。菊花賞4着ブラストワンピースは有馬記念、5着グローリーヴェイズは日経新春杯を制した。中山では芝1800mの山藤賞を圧勝している。馬主はサンデーレーシングでノーザンファーム生産のディープインパクト産駒。目標は先だけにここでどこまで仕上げてくるか。鞍上はルメール騎手。

ジェネラーレウーノは前走菊花賞でスローで逃げたが、直線で伸び切れず1.0秒差の9着。切れより地力タイプだが、自分で逃げてスローに落とし上がり勝負にしていた。中山芝は[3−0−1−0]で京成杯1着、皐月賞3着、セントライト記念1着がある。セントライト記念は離れた2番手からメンバー9位の35.2秒で交わし、最後は1番人気レイエンダ(ルメール騎手)を完封して優勝。得意の中山でセントライト記念と同じ56キロで出走できる。菊花賞は惨敗したが、中山なら崩れないか。

昨年のAJC杯勝ち馬ダンビュライト、前走有馬記念7着のサクラアンプルール、17年の日経賞勝ち馬シャケトラ、同2着馬ミライヘノツバサ、前走中日新聞杯2着のショウナンバッハ、同5着のメートルダール、前走新潟大賞典2着のステイインシアトルなど。ダンビュライトは昨年のAJC杯を2番手から番手から押し切って2分13秒3で優勝。中山芝は[1−0−3−0]で3着以内を確保。昨年より2キロ重い57キロを背負う。父は12年のAJC杯勝ち馬ルーラーシップ。鞍上は北村友騎手。

サクラアンプルールは中山芝[3−1−2−3]で中山記念2着、日経賞3着がある。前走有馬記念は大外16番枠から追い込んで0.7秒差の7着。過去10年で8歳馬は[0−4−2−12]で4連対。前3走は外めの枠に入っていた。シャケトラは17年の有馬記念以来のレースになる。角居調教師は先週から復帰して[0−0−1−5]。長期休み明けでどこまで仕上がってくるか。鞍上は戸崎騎手。ミライヘノツバサは中山芝2200m[3−0−1−1]の巧者。消耗戦になった17年のAJC杯で3着に粘っている。


レース回顧

2019年 1月20日(日) 1回中山7日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第60回アメリカジョッキーCC
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)[指定]  芝 2200m   11頭立
------------------------------------------------------------------------------
着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
------------------------------------------------------------------------------
1 7  8  シャケトラ         牡 6 石橋脩    56  2.13.7 34.2  7 522 (栗)角居勝彦
2 4  4  フィエールマン     牡 4 ルメール  57  2.13.7 34.0  1 480 (美)手塚貴久
3 8 10  メートルダール     牡 6 マーフィ  56  2.13.8 34.1  5 488 (美)戸田博文
4 1  1  ジェネラーレウーノ 牡 4 田辺裕信  56  2.14.1 34.9  2 514 (美)矢野英一
5 8 11  サクラアンプルール 牡 8 蛯名正義  56  2.14.3 34.4  4 488 (美)金成貴史
6 5  5  ダンビュライト     牡 5 北村友一  57  2.14.4 34.9  3 490 (栗)音無秀孝
7 7  9  ショウナンバッハ   牡 8 三浦皇成  56  2.14.5 34.4  9 458 (美)上原博之
8 6  7  ステイインシアトル 牡 8 内田博幸  56  2.14.6 35.5  6 490 (栗)池江泰寿
9 3  3  マイネルミラノ     牡 9 柴田大知  56  2.14.9 35.3 10 490 (美)相沢郁
10 6  6  ミライヘノツバサ   牡 6 北村宏司  56  2.15.0 35.7  8 504 (美)伊藤大士
11 2  2  アクションスター   牡 9 大野拓弥  56  2.15.0 35.0 11 480 (美)和田勇介
------------------------------------------------------------------------------
LAP :12.5-11.5-12.7-12.6-12.9-12.8-12.4-11.7-11.8-10.9-11.9
通過:36.7-49.3-62.2-75.0  上り:71.5-58.7-46.3-34.6  平均:1F:12.15 / 3F:36.46
単勝   8 \3850 
複勝   8 \550 / 4 \110 / 10 \340 
枠連   4-7 \1670 (7) 
馬連   04-08 \2820 (9) 
ワイド 04-08 \1060 (12)/ 08-10 \5570 (32)/ 04-10 \690 (6) 
馬単   08-04 \11590 (27) 
3連複 04-08-10 \11560 (31/165) 
3連単 08-04-10 \123550 (217/990) 

シャケトラは外枠スタートから4番手につけ、メンバー3位の34.2秒で抜け出し、最後はフィエールマンの追撃を振り切ってレースを制した。勝ちタイムは2分13秒7。ステイインシアトルが逃げて前半5F62.2秒のスローペース。後半5Fは58.7秒でラスト4Fは11.7−11.8−10.9−11.9秒の高速ラップ。菊花賞と同様にジェネラーレウーノが動かず、スローの上がり勝負になった。シャケトラは好位から抜け出す正攻法のレースで優勝。17年の有馬記念以来1年1ヶ月ぶりのレースで7番人気の低評価だったが、最終調教では久々を感じさせない動き、気配を見せていた。17年の日経賞を後方から捲ってメンバー最速の35.0秒で差し切ったレースがAJC杯にマッチするとみて穴馬で狙って正解だった。石橋脩騎手は先週日曜の芝2200mの1000万条件でチャロネグロに騎乗し、後方から捲ってセンテリュオ(ルメール)に負けたため、今回はルメール騎手より前につけて目一杯に追って粘らせた。フィエールマンにデビューから3戦騎乗していたため、勝つには前につける必要があるとみていたのではないか。陣営が戸崎騎手がインフルエンザで急遽石橋脩騎手を確保したことがズバリ嵌まった。以前から相馬眼的に注目してきた馬が長期休み明けを乗り越えて復活V。今後はドバイを含め、G1獲りを目指すことになりそうだ。角居調教師は復帰後初勝利が重賞制覇となった。中山に来ていたが、表彰式には出席していなかった。今更言うことでもないが、角居調教師の技術レベルは日本トップレベル。今後の活躍を期待したい。

フィエールマンは中団からメンバー最速の34.0秒で伸びて頭差の2着。直線で少しスムーズさを欠いたぶん届かなかったが、最後まで差を詰めて能力を示した。休み明けで少し腹目が細く映ったように万全の仕上がりではなかったのではないか。デビュー以来[3−2−0−0]で連対を確保しており、上がりは4戦連続でメンバー最速。相馬眼的に馬体がパンとして本格化すれば、まだまだ強くなる。菊花賞馬だけに天皇賞(春)を使うのかもしれないが、本質的には中距離が合っている可能性が高い。社台は有力馬が多いため、使い分けに苦慮しそうだ。予想はフィエールマン(穴馬)が勝った菊花賞で3連単10万馬券、今回AJC杯で3連単12万馬券を的中。こんなに馬券の相性がいい馬はいただろうか。

メートルダールは中団からメンバー2位の34.1秒で伸びて0.1秒差の3着。中山で乗れているマーフィー騎手が中団の外から持ってきた。中山で葉牡丹賞1着、京成杯3着があり、やはり右回りは問題なかった。ここにきて馬体が増えてパワーアップしたことで、今のタフな中山も合っていたのだろう。これで良馬場、56キロ以下、芝2000〜2200mでは[4−0−2−1]。激走の条件が揃い、社台がマーフィー騎手を乗せていたが、5番人気で馬券的に妙味があった。日経新春杯2着のルックトゥワイスと適性が被るため、条件が揃うと2頭でワンツーを決める可能性がある。

ジェネラーレウーノは2番手から伸び切れず0.4秒差の4着。スローでも動かず、ラスト4Fの上がり勝負になり切れ負け。ただし早めに動いていても速い上がりを繰り出せないだけにメンバーに恵まれないと勝つのは難しいのではないか。レース後に数日して右前浅屈腱炎が判明。今後は9ヶ月以上の休養を要する見込み。



[Home]