有馬記念
2018/12/23 中山競馬場 芝2500m

レース展望

ファン投票で選ばれた馬たちによるドリームレース。過去10年で1番人気は[6−2−1−1]で8連対。前走勝ち馬は[3−0−0−0]、2着馬は[2−1−0−0]、3着馬は[1−1−0−0]で連対率100%。前走10着以下は[0−0−1−1]で不振。2番人気は[2−1−2−5]で3連対、3番人気は[0−0−2−8]で連対なし。6〜9番人気が4連対、10番人気以下が2連対。最近5年の馬連は8倍、123倍、68倍、4倍、31倍。本命を押さえながら人気薄を絡めて中穴以上を狙うのが妙味。

年齢別では3歳[4−2−2−23]、4歳[2−5−2−31]、5歳[4−2−4−37]、6歳[0−0−0−17]、7歳以上[0−1−2−16]で3〜5歳馬が活躍している。芝2400〜2500mのG1で実績のある3〜5歳馬に注目。6歳以上の高齢馬は[0−1−2−33]で1連対のみ。牡馬[8−7−10−107]で15連対、牝馬[2−3−0−17]で5連対。牝馬は4番人気以内[2−2−0−1]、5番人気以下[0−1−0−16]。穴をあけるのは牡馬。特に外国人騎手が騎乗した馬に注意。

レイデオロは昨年ダービー、神戸新聞杯を勝ち、ジャパンC2着。今春は京都記念3着、ドバイシーマクラシック4着に終わったが、京都記念は休み明け、重馬場、テン乗りのバルジュー騎手、ドバイシーマクラシックは初の海外遠征だった。秋緒戦のオールカマーは中団の後ろからメンバー最速の34.3秒でアルアインを差し切って2分11秒2で優勝。前走天皇賞(秋)は中団の外からメンバー2位の33.6秒で差し切って1分56秒8で優勝。レースの前半5Fは59.4秒、後半5Fは57.4秒。高速ラップの持続力を示した。

天皇賞(秋)を勝った馬はジャパンCを使うが、ルメール騎手がアーモンドアイに騎乗、社台の使い分けもあり有馬記念直行になった。1986年以降、天皇賞(秋)を勝って有馬記念に直行した馬は[0−0−1−3]でプレクラスニー4着(3人)、ネーハイシーザー9着(2人)、サクラチトセオー3着(4人)、オフサイドトラップ10着(8人)で3着止まりだが、1番人気に支持された馬はいない。レイデオロは中山では[3−0−0−1]でダービー前にお茶を濁した皐月賞で5着に負けたが、ホープフルS、オールカマーを勝っている。

国内の芝2400mは[2−1−0−0]でダービー1着(前半5F63.2秒)、神戸新聞杯1着(61.4秒)、ジャパンC2着(60.2秒)。最近5年の有馬記念の前後半5Fは60.7−60.8秒、63.0−59.3秒、62.5−58.9秒、60.8−59.4秒、61.4−59.5秒。レイデオロは例年通り前半の流れが緩めば有利だが、そうならなかった場合は真価が問われる。過去10年で12番枠は[0−0−0−10]。スタミナが問われるタフな流れになったときにルメール騎手が攻められるかがカギ。

オジュウチョウサンは16年の中山グランドジャンプから障害で9連勝。障害G1を5連勝し、競馬殿堂入りするレベルの馬。平地G1の有馬記念に出走するため、平地を使い2連勝し、ファン投票3位で有馬記念出走にこぎつけた。開成山特別は4番手から徐々に進出し、4コーナー先頭からメンバー最速の37.1秒で後続を突き放し2分42秒3(稍重)で3馬身差で圧勝した。前走南武特別は3番手からメンバー3位の34.5秒で抜け出して後続を完封し2分25秒0で優勝。ラスト7Fから11秒台のラップが続く特殊な展開だった。

勝ちタイム2分25秒0は平凡だが、前半5F63.0秒のスローペースだった。翌日のAR共和国杯は前半5F62.9秒のスローペースでラスト3Fの上がり勝負になり、パフォーマプロミスがメンバー2位の32.6秒で上がって勝っている。オジュウチョウサンは切れより地力&スタミナタイプでラスト3Fの上がり勝負は合わない。キセキがある程度の流れで逃げれば2番手、スローに落とせばハナを切るのではないか。心肺機能が高くスタミナがあり、頭が良く競馬をよく知っている馬。盤石のレースぶりで有馬記念制覇がありえる。(夢)

毎日王冠3着、天皇賞(秋)3着&ジャパンC2着のキセキ、昨年のエリザベス女王杯勝ち馬モズカッチャン、昨年のジャパンC勝ち馬シュヴァルグラン、新潟記念勝ち馬ブラストワンピース、宝塚記念勝ち馬ミッキーロケット、一昨年の有馬記念勝ち馬サトノダイヤモンド、昨年のセントライト記念勝ち馬ミッキースワロー、AR共和国杯勝ち馬パフォーマプロミス、凱旋門賞に挑戦したクリンチャー、一昨年のダービー馬マカヒキなど。中山は土曜が雨のち曇り、日曜が曇りの予報が出ている。気温が低いため、少し渋った馬場になりそうだ。

キセキは昨年不良馬場の菊花賞を勝った後不振が続いたが、今秋は前に行くレースで3、3、2着と復調してきた。天皇賞(秋)は前半5F59.4秒で逃げ、後半5F57.6秒でまとめて1分57秒0で走り0.2秒差の3着。前走ジャパンCは前半5F59.9秒で逃げ、後半5F57.5秒でまとめて2分20秒9で走り0.3秒差の2着。スーパーホース・アーモンドアイが強過ぎただけで例年なら勝っているレベル。3戦連続東京に輸送してタフなレースが続いた点がどう出るか。同コースの日経賞では途中から逃げて9着に終わっている。

モズカッチャンは昨年のエリザベス女王杯を5番手からクロコスミアを差し切って2分14秒3で優勝。その後は京都記念4着(3着レイデオロとハナ差)、ドバイシーマクラシック6着(4着レイデオロに1馬身差)、札幌記念3着、エリザベス女王杯3着と善戦止まりが続いている。今年のエリザベス女王杯は0.5秒差の3着に終わったが、休み明けで過去最高の490キロだった。クロコスミアに勝ったリスグラシューは次走香港ヴァーズで2着に入った。牝馬でも叩き良化型。叩き2戦目、内枠、Mデムーロ騎手で変わり身に注意。


レース回顧

2018年12月23日(祝) 5回中山8日  天候: 曇   馬場状態:稍重
11R  第63回有馬記念
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定)  芝 2500m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 4  8  ブラストワンピース 牡 3 池添謙一  55  2.32.2 35.7  3 534 (美)大竹正博
2 6 12  レイデオロ         牡 4 ルメール  57  2.32.2 35.4  1 490 (美)藤沢和雄
3 8 15  シュヴァルグラン   牡 6 ボウマン  57  2.32.4 35.5  9 470 (栗)友道康夫
4 6 11  ミッキーロケット   牡 5 マーフィ  57  2.32.7 36.6  8 472 (栗)音無秀孝
5 7 14  キセキ             牡 4 川田将雅  57  2.32.8 37.5  2 506 (栗)中竹和也
6 3  6  サトノダイヤモンド 牡 5 アヴドゥ  57  2.32.8 36.2  6 506 (栗)池江泰寿
7 8 16  サクラアンプルール 牡 7 田辺裕信  57  2.32.9 35.6 15 486 (美)金成貴史
8 2  3  モズカッチャン     牝 4 M.デム  55  2.33.0 36.7  4 486 (栗)鮫島一歩
9 1  1  オジュウチョウサン 牡 7 武豊      57  2.33.0 36.9  5 514 (美)和田正一
10 2  4  マカヒキ           牡 5 岩田康誠  57  2.33.0 36.3 12 504 (栗)友道康夫
11 5 10  ミッキースワロー   牡 4 横山典弘  57  2.33.1 35.4 10 480 (美)菊沢隆徳
12 5  9  リッジマン         牡 5 蛯名正義  57  2.33.4 36.1 13 446 (栗)庄野靖志
13 7 13  スマートレイアー   牝 8 戸崎圭太  55  2.33.5 36.4 16 460 (栗)大久保龍
14 3  5  パフォーマプロミス 牡 6 C.デム  57  2.33.7 36.7  7 464 (栗)藤原英昭
15 1  2  クリンチャー       牡 4 福永祐一  57  2.33.8 37.5 11 490 (栗)宮本博
16 4  7  サウンズオブアース 牡 7 藤岡佑介  57  2.34.5 38.2 14 504 (栗)藤岡健一
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LAP : 6.8-11.6-11.8-11.9-12.2-12.8-12.6-12.2-11.6-11.8-11.8-12.2-12.9
通過:30.2-42.1-54.3-67.1  上り:72.5-60.3-48.7-36.9  平均:1F:12.18 / 3F:36.53
単勝   8 \890 
複勝   8 \270 / 12 \130 / 15 \370 
枠連   4-6 \970 (4) 
馬連   08-12 \940 (3) 
ワイド 08-12 \460 (3)/ 08-15 \2560 (30)/ 12-15 \690 (4) 
馬単   08-12 \2400 (5) 
3連複 08-12-15 \4910 (17/560) 
3連単 08-12-15 \25340 (70/3360) 

ブラストワンピースはスタートを決めて6番手につけ、勝負どころで外から早めに動いてメンバー5位の35.7秒で差し切りレースを制した。勝ちタイムは2分32秒2(稍重)。キセキが逃げて前半5F60.7秒の平均ペース。後半5Fは60.3秒、ラスト3Fは11.8−12.2−12.9秒。稍重で上がりの掛かる消耗戦になった。ブラストワンピースは4枠8番から絶好位につけて流れに乗り、直後にいたレイデオロより早めに動いて最後はクビ差完封。ダービー、菊花賞は上がり勝負で5、4着に終わったが、キセキが引っ張る流れ、稍重の消耗戦で一気にパフォーマンスを引き上げた。530キロを超える大型馬でも器用さがあり、小回りの中山でも問題なかった。これでマイルCS、ジャパンC、チャンピオンズC、有馬記念と関東の3歳馬が4連勝。今年G1でノーザンファーム生産馬は15勝目となった。社台は走る馬を関東の厩舎に入れている。池添騎手は有馬記念単独トップとなる4勝目。有馬記念でどう乗れば勝てるのかを熟知しているのだろう。今後はひと息入れて大阪杯から天皇賞(春)を目指すことになりそうだ。

レイデオロは9番手の外を進み、メンバー最速タイの35.4秒で伸びてクビ差の2着。3、4コーナーでルメール騎手の手が動きズブさを出したが、直線で鋭く伸びてクビ差まで詰めた。ブラストワンピースの位置につければ勝っていたかもしれないが、ルメール騎手が外枠で攻め切れず、勝ちポジションをブラストワンピース(池添騎手)に取られたのが敗因。勝負どころでズブかったのは、緩い馬場が影響したようだ。土曜の中山大障害は石神騎手が障害G1−6連勝を達成。池添騎手は有馬記念4勝目。勝ち方を熟知している池添騎手、緩い馬場をこなすハービンジャー産駒、3歳馬で斤量55キロ。そのあたりの差が出たのだろう。これで過去10年の有馬記念でルメール騎手は[1−4−0−4]。今後はひと息入れてドバイになりそうだが、アーモンドアイとの使い分けがあり、どのレースになるかは流動的。

シュヴァルグランは後方からメンバー3位の35.5秒で追い込んで0.2秒差の3着。8枠15番から流れに乗れず、位置取りが悪くなったが、道中ロスなく回って脚をタメ、直線で馬群を捌いてボウマン騎手が持ってきた。天皇賞(春)3、2、2着があるステイヤー。4着ミッキーロケットは天皇賞(春)4着、5着キセキと6着サトノダイヤモンドは菊花賞馬。上がりの掛かる消耗戦になったことでスタミナを生かせた面もあるのだろう。来年は7歳になるが、現役を続行する予定。阪神大賞典から天皇賞(春)を目指すことになりそうだ。

ミッキーロケットは2番手からメンバー10位の36.6秒で上がって0.5秒差の4着。外から3頭に交わされたが、逃げたキセキを交わして4着を確保。タフな馬場でタフなレースになったが、前に行った馬の中では最先着し地力強化を示した。天皇賞(春)4着、宝塚記念1着、天皇賞(秋)5着、有馬記念4着と一線級を相手に安定して走っている。宝塚記念のようにメンバーが少し楽になれば、またG1制覇がありそうだ。

キセキはスタートで少し遅れ、手綱をしごいてハナを切ったが、最後に一杯になって0.5秒差の5着。外枠から手綱をしごいて上がって脚を使ったこと、ラスト5Fから11.6−11.8−11.8秒とラップを上げたことで消耗戦になり過ぎたことが堪えたのだろう。川田騎手はエピファネイアで弱気にスローで逃げて切れ負けし5着に負けた苦い経験がある。厳しいローテーションだったが、大きなデキ落ちはなかった。

モズカッチャンは好位に内につけたが、直線で伸び切れず0.8秒差の9着。稍重ののタフな馬場で消耗戦になり伸び切れなかった。道中馬込みでモマれたことも影響したのではないか。この日のMデムーロ騎手は馬券圏内なし。5勝2着2回3着1回のルメール騎手とは対照的だった。

オジュウチョウサンはスタートを決めて2番手につけ、4コーナーから直線で見せ場を作ったが、最後は一杯になって0.8秒差の9着。道中ずっとミッキーロケットにマークされて外から併せられ、キセキがラスト5Fからペースアップして11秒台のラップを刻んだことで苦しくなったのだろう。雨で馬場が緩み過ぎたことも影響している。それでも2番手につけて見せ場を作ったオジュウチョウサンは大したもの。今後は天皇賞(春)を使うプランがあるようだが、高速馬場になりやすいだけにどうか。状態面を見ながらじっくり検討していくことになりそうだ。



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