阪神JF
2018/12/9 阪神競馬場 芝1600m

レース展望

2歳女王決定戦。過去10年で1番人気は[4−1−1−4]で5連対。単勝2.5倍以下は[3−1−0−0]だが、単勝3倍以上は[0−0−1−2]で不振。人気が割れたら過信禁物。2番人気は[2−2−0−6]で4連対、3番人気は[0−2−2−6]で2連対。連対馬17頭が5番人気以内、残る4頭は8、10、15番人気。最近5年の馬連は12倍、22倍、35倍、5倍、9倍で中穴までに収まっている。

連対馬15頭が前走上がりがメンバー1、2位。前走上がり6位以下は[1−0−2−42]で1連対のみ。前走速い上がりで連対した人気馬に注目。前走新馬戦は[1−0−2−12]、未勝利戦は[1−0−0−11]、500万条件は[2−3−2−46]、OP特別は[1−0−1−17]、重賞は[5−7−5−68]。前走500万条件、重賞で連対した馬が活躍。穴で重賞に出走経験がある先行タイプに注意。

ダノンファンタジーは新馬戦でグランアレグリア(次走サウジアラビアRC圧勝)に2馬身差で負けたが、1分33秒9で走っている。その後は阪神芝1600mの未勝利戦、ファンタジーSを連勝。前走ファンタジーSは中団の外からメンバー最速の33.8秒で差し切って1分21秒8で優勝。過去10年でファンタジーS勝ち馬は[0−1−0−6]だが、1、2番人気に支持された馬はいない。今秋の重賞でCデムーロ騎手は[0−0−1−11]だが、1、2番人気馬には騎乗していない。このあたりをどう考えるか。

シェーングランツは札幌芝1800mの未勝利戦を後方から捲って2位を1.6秒上回るメンバー最速の36.4秒で差し切り5馬身差で圧勝。前走アルテミスSは後方3番手からメンバー最速の33.8秒で大外から差し切って1分33秒7で優勝。速い流れで前が止まったこともあるが、大外一気を決め、高速上がりの不安を少し払拭した。藤沢和厩舎のディープインパクト産駒で半姉にソウルスターリングがいる。姉は阪神JFを制しており、勝てば姉妹制覇となる。前走騎乗した武豊騎手がどう乗るかがポイントになる。

アイビーS勝ち馬クロノジェネシス、アルテミスS2着馬ビーチサンバ、2戦2勝のレッドアネモス、母がウオッカのタニノミッション、デイリー杯2歳S2着馬メイショウショウブ、アスター賞勝ち馬グレイシア、前走アルテミスS4着のウインゼノビアなど。週末は雨は降らない予報。良馬場でのレースになりそうだ。クロノジェネシスは新馬、アイビーSを4番手からメンバー最速の34.5秒、32.5秒で差し切り2戦2勝。バゴ産駒でノームコアの半妹。前2走はスローペース。距離1F短縮と速い流れがカギ。

ビーチサンバは阪神芝1600mの新馬戦を2馬身差で圧勝し、前走アルテミスSで半馬身差の2着。母は桜花賞2着馬フサイチエアデール。全兄に朝日杯FS勝ち馬フサイチリシャールがいる友道厩舎の良血馬。過去10年で福永騎手は[2−0−0−5]。レッドアネモスは前走サフラン賞を前半5F61.6秒のスローペースで逃げ切り勝ち。過去10年で戸崎騎手は[1−1−1−0]。関西G1では不振だが、阪神JFは例外か。メイショウショウブ(菖蒲)は前走アドマイヤマーズに食い下がった。今年も「花馬券」か。


レース回顧

2018年12月 9日(日) 5回阪神4日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第70回阪神ジュベナイルフィリーズ
2歳・オープン・G1(馬齢) (牝)(国際)(指定)  芝 1600m・外   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 7 13  ダノンファンタジー 牝 2 C.デム  54  1.34.1 34.0  1 460 (栗)中内田充
2 5  9  クロノジェネシス   牝 2 北村友一  54  1.34.2 33.9  2 436 (栗)斉藤崇史
3 6 11  ビーチサンバ       牝 2 福永祐一  54  1.34.3 34.5  4 468 (栗)友道康夫
4 2  4  シェーングランツ   牝 2 武豊      54  1.34.4 34.4  3 466 (美)藤沢和雄
5 2  3 *プールヴィル       牝 2 秋山真一  54  1.34.5 35.1 14 426 (栗)庄野靖志
6 3  5  メイショウショウブ 牝 2 池添謙一  54  1.34.8 35.7  7 482 (栗)池添兼雄
7 5 10 $タニノミッション   牝 2 浜中俊    54  1.34.9 35.0  5 484 (栗)中竹和也
8 7 14  サヴォワールエメ   牝 2 藤岡康太  54  1.34.9 34.9 15 448 (栗)友道康夫
9 6 12  レッドアネモス     牝 2 戸崎圭太  54  1.34.9 35.2  6 478 (栗)友道康夫
10 8 17  トロシュナ         牝 2 北村宏司  54  1.35.0 34.6 12 440 (美)大竹正博
11 8 18  メイショウケイメイ 牝 2 古川吉洋  54  1.35.0 35.4 17 414 (栗)南井克巳
12 7 15  ローゼンクリーガー 牝 2 藤岡佑介  54  1.35.3 36.0 13 460 (栗)高橋亮
13 4  7  ウインゼノビア     牝 2 松若風馬  54  1.35.7 36.2 10 460 (美)青木孝文
14 4  8  ラブミーファイン   牝 2 丸山元気  54  1.35.7 36.5 16 438 (栗)田所秀孝
15 8 16  グレイシア         牝 2 田辺裕信  54  1.35.8 35.9  8 444 (美)栗田徹
16 1  2  ジョディー         牝 2 四位洋文  54  1.36.4 36.8 11 472 (美)戸田博文
17 1  1  ベルスール         牝 2 アヴドゥ  54  1.36.6 37.5  9 444 (栗)今野貞一
18 3  6  スタークォーツ     牝 2 荻野極    54  1.36.9 37.5 18 474 (栗)寺島良
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LAP :12.2-10.7-11.9-12.2-12.1-11.0-11.8-12.2
通過:34.8-47.0-59.1-70.1  上り:71.2-59.3-47.1-35.0  平均:1F:11.76 / 3F:35.29
単勝   13 \260 
複勝   13 \120 / 9 \140 / 11 \160 
枠連   5-7 \520 (1) 
馬連   09-13 \640 (1) 
ワイド 09-13 \270 (1)/ 11-13 \320 (2)/ 09-11 \430 (4) 
馬単   13-09 \1190 (2) 
3連複 09-11-13 \1310 (2/816) 
3連単 13-09-11 \5020 (4/4896) 

ダノンファンタジーは後方からメンバー2位の34.0秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分34秒1。ベルスールが逃げて前半3F34.8秒、5F59.1秒の平均ペース。これまでより後ろからのレースになったが、いい脚を長く使って差し切り3連勝でG1を制した。同コースの未勝利戦を勝ち、ファンタジーSで差すレースをして勝ち、阪神JFを勝つためのステップをきちんと踏んでいた。馬体の造り、調教の動きを見て相馬眼的に勝つ可能性が高いとみていたが、その通りの結果になった。緩い流れで決め手勝負になった場合のクロノジェネシス、中団より前からロスなく立ち回った場合のビーチサンバに逆転のチャンスがあるとみていたが、平均ペースで流れ、前者は後方、後者は中団からのレースになった。ダノンファンタジーは新馬戦でグランアレグリアに2馬身差で負けている。グランアレグリアが朝日杯FSに回ってくれたことは大きかった。Cデムーロ騎手は「来年の桜花賞もチャンスがある」とコメント。今後はチューリップ賞から桜花賞を目指すことになりそうだ。

クロノジェネシスは出遅れて後方2番手を進み、直線で外からメンバー最速の33.9秒で追い込んで0.1秒差の2着。勝ったダノンファンタジーと一緒に伸びてきたが、最後に振り切られた。これまで芝1800mのスローペースしか経験していなかった馬が、平均ペースで最速上がりを繰り出して2着を確保。結果的に出遅れてゆったり進められたことが良かったのかもしれないが、スタートを決めて中団につけていれば勝っていた可能性もある。ノームコアの半妹でバゴ産駒。これでデビューから3戦とも最速上がり。436キロの小柄な牝馬で瞬発力勝負に強いタイプ。速い上がりが問われる馬場では特に注意したい。

ビーチサンバは中団からメンバー4位の34.5秒で伸びて0.2秒差の3着。直線で外から抜け出したが、外からきたダノンファンタジーとクロノジェネシスに一気に交わされた。ガツンと切れるタイプではないだけにもう少し前でロスなく立ち回りたかったが、6枠11番ではこれが精一杯か。まだ馬体に緩いところがあり華奢に映るが、母フサイチエアデール、全兄フサイチリシャールがいる良血馬で素質が高い。馬体に実が入って全体的にしっかりしてくれば桜花賞で激走があってもおかしくない。

シェーングランツは後方からメンバー3位の34.4秒で追い込んで0.3秒差の4着。直線でスペースがなく、外に出してながら追うロスがあった。1〜3着馬は13、9、11番枠。結果的に2枠4番がアダになった。もう少し早めに外に出していれば、馬券圏内があったのではないか。アルテミスSを勝っているが、距離は長い方が合いそう。半姉ソウルスターリングはオークス馬。距離を延ばすと真価を発揮するのではないか。



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