チャンピオンズC
2018/12/2 中京競馬場 ダ1800m

レース展望

ジャパンCダート時代を含め、過去10年で1番人気は[3−2−2−3]で5連対。11年までは[3−0−1−0]でだったが、12年以降は[0−2−1−3]で未勝利。2番人気は[1−0−1−8]で1連対、3番人気は[1−2−1−6]で3連対。6〜8番人気が7連対、10番人気以下が1連対。最近5年の馬連は48倍、54倍、110倍、13倍、41倍。人気馬と人気薄で中穴以上の決着が続いている。

連対馬20頭のうち16頭が前走3着以内。前走4着以下から連対した4頭のうち3頭にダートG1で勝ち星があった。ダートG1実績馬なら巻き返し可能。前走10着以下は[0−0−1−18]で3着止まり。6番人気以下で連対した8頭のうち7頭が前走ダート重賞で3着以内に入っていた。前走2、3着に負けた馬は人気の盲点になりやすい。穴で前走重賞3着以内、6〜8番人気を満たす馬、特に関西牡馬に注意。

ルヴァンスレーヴは[6−1−0−0]で休み明けの伏竜S2着を除き勝っている。G1は[3−0−0−0]で全日本2歳優駿、ジャパンダートダービー、南部杯を優勝。ジャパンダートダービーは後方から捲って2分5秒8で優勝。0.3秒差の2着オメガパフュームはシリウスSを勝ち、JBCクラシックで2着に入った。前走南部杯は中団から抜け出して1番人気ゴールドドリームに0.2秒差をつけて快勝。中京は初めてになるが、左回りダートは[5−0−0−0]でダ1800mも守備範囲。Mデムーロ騎手では[6−0−0−0]。今秋のG1でMデムーロ騎手は[0−3−2−3]で2、3着が多い。メンバー的にあっさりもあるか。

ケイティブレイブはダートG1[3−3−1−4]で帝王賞、川崎記念、JBCクラシックを優勝。今年は[4−1−0−1]でダ1600mのフェブラリーS11着を除き、連対を確保している。前走JBCクラシックは中団の外から外から徐々に進出し、メンバー4位の37.0秒で差し切って1分56秒7で優勝。中央のダート重賞では不振が続いていたが、ようやく充実期を迎え、中央G1初制覇を飾った。昨年のチャンピオンズCは1枠2番から3番手につけたが、直線で伸び切れず0.3秒の4着。前にいた2着テイエムジンソク、3着コパノリッキーを交わせなかった。自在性がある馬。福永騎手が流れと位置取りをマッチさせられるかがカギ。

JBCクラシック2着のオメガパフューム、同3着のサンライズソア、武蔵野S勝ち馬サンライズノヴァ、フェブラリーS勝ち馬ノンコノユメ、JBCレディスクラシック勝ち馬アンジュデジール、シリウスS2着馬ウェスタールンド、重賞6勝の実力馬インカンテーション、福島民友C勝ち馬ヒラボクラターシュなど。外国馬はスティーブンフォスターHC(米G1)を勝ったパヴェルが出走する。ゴールドドリームは右肩筋肉痛で回避した。週末は雨は降らない予報。良馬場でのレースになりそうだ。

オメガパフュームは[4−2−1−0]で3着以内を確保。ジャパンダートダービーはルヴァンスレーヴに0.3秒差の2着。シリウスSは後方から捲ってメンバー2位の35.9秒で抜け出し2分1秒5(不良)で優勝。前走JBCクラシックは中団の後ろからメンバー2位の36.7秒で外から伸びて0.1秒差の2着。4コーナーで外に膨れ、かなり厳しい位置にいたが、外を回っていい脚を長く使って0.1秒差まで追い上げた。左回りは青竜S3着の1戦のみ。タフなレースが続いているため、状態面を維持できるかがカギ。テン乗りのCデムーロ騎手に乗り替わる。

サンライズソアはダート重賞[2−2−3−0]で前3走は平安S1着、シリウスS3着、JBCクラシック3着。前走は道中テイエムジンソクに来られたことが堪えている。今年は全てダ1900〜2100m。距離短縮がどう出るか。モレイラ騎手が騎乗する。サンライズノヴァ、ノンコノユメは最速上がりを連発している。16年に勝ったサウンドトゥルーのように上手く立ち回れるかがカギ。ウェスタールンドはシリウスSでオメガパフュームにクビ差の2着。0.3秒差の3着にサンライズソア。ダ1800mは初めてになるが、芝では1800mがベストだった。


レース回顧

2018年12月 2日(日) 4回中京2日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第19回チャンピオンズカップ
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定)  ダート 1800m   15頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 2  2  ルヴァンスレーヴ   牡 3 M.デム  56  1.50.1 35.6  1 490 (美)萩原清
2 7 12  ウェスタールンド   セ 6 藤岡佑介  57  1.50.5 34.4  8 480 (栗)佐々木晶
3 5  9  サンライズソア     牡 4 モレイラ  57  1.50.5 35.9  3 522 (栗)河内洋
4 1  1  アンジュデジール   牝 4 横山典弘  55  1.50.7 36.5  9 486 (栗)昆貢
5 6 11  オメガパフューム   牡 3 C.デム  56  1.51.1 36.0  4 452 (栗)安田翔伍
6 4  7  サンライズノヴァ   牡 4 戸崎圭太  57  1.51.2 35.8  5 538 (栗)音無秀孝
7 3  5  ノンコノユメ       セ 6 内田博幸  57  1.51.2 35.7  6 446 (美)加藤征弘
8 7 13  ミツバ             牡 6 松山弘平  57  1.51.2 36.3 12 476 (栗)加用正
9 8 14  ヒラボクラターシュ 牡 3 四位洋文  56  1.51.3 37.0 11 518 (栗)大久保龍
10 4  6  アスカノロマン     牡 7 太宰啓介  57  1.51.5 36.8 15 524 (栗)川村禎彦
11 5  8  ケイティブレイブ   牡 5 福永祐一  57  1.51.5 36.7  2 528 (栗)杉山晴紀
12 6 10  センチュリオン     牡 6 吉田隼人  57  1.51.7 36.7 14 532 (美)田村康仁
13 8 15  インカンテーション 牡 8 三浦皇成  57  1.51.8 37.4 10 506 (栗)羽月友彦
14 3  4 $アポロケンタッキー 牡 6 小牧太    57  1.51.8 36.7 13 574 (栗)山内研二
15 2  3 $パヴェル           牡 4 グティエ  57  1.51.8 37.1  7 496 [外]モラ
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LAP :12.8-11.2-13.1-12.5-12.3-12.3-12.3-11.7-11.9
通過:37.1-49.6-61.9-74.2  上り:73.0-60.5-48.2-35.9  平均:1F:12.23 / 3F:36.70
単勝   2 \190 
複勝   2 \110 / 12 \440 / 9 \200 
枠連   2-7 \2250 (9) 
馬連   02-12 \3000 (9) 
ワイド 02-12 \930 (10)/ 02-09 \320 (2)/ 09-12 \2140 (24) 
馬単   02-12 \3890 (13) 
3連複 02-09-12 \6090 (17/455) 
3連単 02-12-09 \27310 (84/2730) 

ルヴァンスレーヴは2枠2番スタートから内ラチ沿いの2、3番手につけ、メンバー2位の35.6秒で抜け出して2馬身半差で圧勝した。勝ちタイムは1分50秒1。アンジュデジールが逃げて前半5F61.9秒の緩い流れ。ラスト3F12.3−11.7−11.9秒で上がり勝負になった。ルヴァンスレーヴはジャパンCのアーモンドアイを彷彿させる正攻法のレースで圧勝。前走南部杯でゴールドドリームを子供扱いしたのはダテではなく、今回も古馬を全く相手にしなかった。昨年2歳時に相馬眼ニュースで取り上げたルヴァンスレーヴは全日本2歳優駿、JDD、南部杯、チャンピオンズC、アーモンドアイは牝馬3冠とジャパンC、ワグネリアンはダービーを制した。今後はひと息入れてフェブラリーSからドバイワールドCを目指すことになりそうだ。まだ心身ともに完成されておらず、これから強くなる馬。どのレベルまで行けるのか楽しみだ。

ウェスタールンドは離れた最後方から内をロスなく回って3、4コーナーでショートカット気味に押し上げ、メンバー最速の34.4秒で馬群を捌いて鋭く伸び、0.4秒差の2着まで追い上げた。ルヴァンスレーヴの1.2秒上回る上がり34.4秒は強烈だった。やはりシリウスSのインパクトのある末脚はG1激走を示すものだった。一発狙いに徹した藤岡佑騎手の騎乗が嵌まったのは確かだが、あの末脚があってこそ。藤岡佑騎手が上手く持ち味を引き出している。藤岡佑騎手は根がギャンブラー(ボートレース)だけに人気薄に騎乗すると血が騒ぐのではないか。今後はひと息入れてフェブラリーSを目指す予定。今は追い込むレースをしているが、あの末脚の威力は追い込みだけではないことを付け加えておく。

サンライズソアは5番手からメンバー5位の35.9秒で伸びて0.4秒差の3着。内をロスなく回った馬が1、2、4着。外を回って3着に入ったことを評価したい。並の馬ならあの位置から伸びないが、モレイラ騎手の効果もあるのだろう。普通では伸びない位置から伸びてくる馬が多い。日本人騎手とは違った技術力がある。サンライズソアは馬体が充実して、かなり地力が強化されている。河内調教師が大事に使っていけば、どこかでG1制覇がありそうだ。

オメガパフュームは中団の後ろからメンバー6位の36.0秒で伸びて1.0秒差の5着。勝負どころで外めを回ったことで位置取りが悪くなり、直線でスムーズさを欠いたことが堪えたが、最後までバテておらずジリジリと伸びていた。末脚の持続力と心肺機能の高さは驚異的。まだ馬体の完成度は低く、今回は捌きが少し硬くなっていたが、それでこれだけ走るのだから大したもの。安田翔伍調教師の腕次第だが、馬体が成長して本格化すればG1に手が届きそうだ。

ケイティブレイブは中団から全く伸びず1.4秒差の11着。福永騎手は馬体は太くないとコメントしたが、パドックでは馬体が10キロ増えて腹目が太くなっていた。前走JBCクラシックで目一杯走った反動が出たのではないか。予想に書いたように中央で坂のあるコースでは[0−1−2−5]で良馬場では[0−1−0−4]。やはり京都から中京に替わるのはマイナスだった。馬の本質を見抜かないと競馬は勝てない。



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