マイルCS
2018/11/18 京都競馬場 芝1600m

レース展望

過去10年で1番人気は[1−3−2−4]で5連対。唯一勝ったのは8歳馬カンパニー。4〜8番枠に入ると[1−2−1−1]だが、それ以外では[0−1−1−3]で不振。2番人気は[1−3−1−5]で4連対、3番人気は[1−2−0−7]で2連対。連対馬16頭が5番人気以内、残る4頭は8、11、13、14番人気。最近5年の馬連は19倍、38倍、17倍、15倍、24倍で中穴までに収まっている。

連対馬14頭が前走3着以内。近年は前走好走馬が活躍。前走6〜9着は[3−2−0−37]で4、8、11、13、14番人気が連対。穴で前走重賞で6〜9着に負けた馬に注意。前走10着以下は[0−0−0−40]で出番なし。年齢別では3歳[1−0−2−30]、4歳[3−5−3−22]、5歳[4−4−4−47]、6歳[1−1−1−32]、7歳以上[1−0−0−18]。人気の4、5歳馬が活躍している。

モズアスコットは安田記念をメンバー最速タイの33.3秒で差し切って1分31秒3のレコードで優勝。アエロリット、スワーヴリチャードを差し切った。前走スワンSは中団の後ろからメンバー2位の34.5秒で伸びてハナ差の2着。休み明けで馬体10キロ増、直線で内にモタれて立て直すロスがあった。京都芝は[1−3−0−0]で芝1600mではマイラーズCで1分31秒5で走って0.2秒差の2着がある。今回は叩き2戦目、1キロ減の57キロ。ルメール騎手では[3−3−0−0]。矢作厩舎は2週連続G1制覇なるか。

アエロリットは昨年のNHKマイルC勝ち馬。3走前のヴィクトリアマイルは渋った馬場、上がり勝負、落鉄が影響して4着。安田記念は良馬場、ハイペースで3番手から粘って1分31秒3で走りクビ差の2着に粘った。前走毎日王冠は前半5F59.0秒で逃げてメンバー7位の33.8秒で後続を完封し1分44秒5で優勝。心肺機能が高く末脚に持続力があり、並んでからひと伸びする勝負根性も備えている。芝1600mは[1−4−0−2]、叩き2戦目は[0−2−0−0]。モレイラ騎手からムーア騎手に乗り替わる。逃げの手か。

昨年のマイルCS勝ち馬ペルシアンナイト(Mデムーロ騎手)、前走天皇賞(秋)4着のアルアイン(川田騎手)、前走毎日王冠2着のステルヴィオ(ビュイック騎手)、昨年のマイルCS2着馬エアスピネル(福永騎手)、富士S勝ち馬ロジクライ(Cデムーロ騎手)、NHKマイルC勝ち馬ケイアイノーテック、京成杯AH勝ち馬ミッキーグローリーなど。今年はG1馬が7頭出走する豪華メンバー。ムーア、ルメール、Mデムーロ、Cデムーロ、ビュイック騎手と5人の外国人騎手が騎乗する。今秋の芝G1は外国人騎手が4連勝中。

ペルシアンナイトは昨年のマイルCSを後方からメンバー2位の33.9秒で馬群を捌いて差し切り1分33秒8(稍重)で優勝。今年は大阪杯で2着に入ったが、安田記念は直線で前が壁になって0.4秒差の6着、富士Sは直線でごちゃついて0.5秒差の5着に終わった。叩き2戦目でスムーズなレースができれば一変してもおかしくない。アルアインは芝1600m[2−0−0−1]で大きな不利があったシンザン記念6着以来のマイル戦となる。皐月賞を勝った後は善戦止まりが続いるが、距離短縮で新味を出せるかどうか。

ステルヴィオは芝1800m以下[3−3−0−0]。芝1600mは[1−2−0−0]で朝日杯FSとサウジアラビアRCで2着がある。前走毎日王冠は中団からメンバー最速の33.2秒で伸びて0.2秒差の2着。重賞では2着が多いが、ロードカナロア産駒が直線が平坦の京都で覚醒するか。エアスピネルは昨年のマイルCSでムーア騎手が騎乗し、ペルシアンナイトにハナ差の2着。前走富士Sは好位から伸び切れず0.4秒差の4着。京都芝1600mは[2−2−1−0]の巧者。福永騎手が日本人騎手の意地を見せるか。


レース回顧

2018年11月18日(日) 5回京都6日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第35回マイルチャンピオンシップ
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定)  芝 1600m・外   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 1  1  ステルヴィオ       牡 3 ビュイッ  56  1.33.3 34.1  5 478 (美)木村哲也
2 1  2  ペルシアンナイト   牡 4 M.デム  57  1.33.3 33.9  3 492 (栗)池江泰寿
3 2  3  アルアイン         牡 4 川田将雅  57  1.33.5 34.5  4 520 (栗)池江泰寿
4 8 16  カツジ             牡 3 松山弘平  56  1.33.5 33.4 16 488 (栗)池添兼雄
5 5 10  ミッキーグローリー 牡 5 戸崎圭太  57  1.33.5 33.4  8 554 (美)国枝栄
6 3  6  ジュールポレール   牝 5 石川裕紀  55  1.33.6 34.2 10 468 (栗)西園正都
7 7 13  レッドアヴァンセ   牝 5 北村友一  55  1.33.6 34.2 13 460 (栗)音無秀孝
8 3  5  ヒーズインラブ     牡 5 藤岡康太  57  1.33.7 33.8 17 530 (栗)藤岡健一
9 5  9  ウインブライト     牡 4 松岡正海  57  1.33.7 34.5 14 478 (美)畠山吉宏
10 7 14  エアスピネル       牡 5 福永祐一  57  1.33.7 34.1  7 476 (栗)笹田和秀
11 8 18  ケイアイノーテック 牡 3 藤岡佑介  56  1.33.8 34.6  9 478 (栗)平田修
12 7 15  アエロリット       牝 4 ムーア    55  1.33.8 35.0  2 516 (美)菊沢隆徳
13 4  8 $モズアスコット     牡 4 ルメール  57  1.33.8 33.9  1 494 (栗)矢作芳人
14 4  7  ロジクライ         牡 5 C.デム  57  1.33.9 34.9  6 518 (栗)須貝尚介
15 2  4  ブラックムーン     牡 6 浜中俊    57  1.33.9 33.6 18 498 (栗)西浦勝一
16 6 11 $ジャンダルム       牡 3 武豊      56  1.34.0 33.5 11 504 (栗)池江泰寿
17 8 17  ロードクエスト     牡 5 横山典弘  57  1.34.2 34.6 12 456 (美)小島茂之
18 6 12  レーヌミノル       牝 4 四位洋文  55  1.34.6 34.8 15 496 (栗)本田優
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LAP :12.4-11.1-11.5-12.1-11.7-11.6-11.2-11.7
通過:35.0-47.1-58.8-70.4  上り:69.8-58.3-46.2-34.5  平均:1F:11.66 / 3F:34.99
単勝   1 \870 
複勝   1 \310 / 2 \230 / 3 \240 
枠連   1-1 \3200 (12) 
馬連   01-02 \3220 (16) 
ワイド 01-02 \1140 (15)/ 01-03 \1130 (14)/ 02-03 \670 (6) 
馬単   01-02 \6350 (27) 
3連複 01-02-03 \5480 (16/816) 
3連単 01-02-03 \29790 (91/4896) 

ステルヴィオは1枠1番から内ラチ沿いの4、5番手につけ、メンバー8位タイの34.1秒で内から抜け出してレースを制した。勝ちタイム1分33秒3は7Rの500万条件と0.4秒差の平凡なタイム。1、2、3番枠に入った社台の馬が内ラチ沿いをロスなく回り、1、2、3着を独占した。アエロリットが途中から逃げて前半3F35.0秒、5F58.8秒の緩い流れ。レースの上がりは34.6秒。アエロリットが飛ばさず、前半より後半が速い上がり勝負になった。ステルヴィオは高速決着に不安があったが、同じ社台のアエロリットが飛ばさなかったことで勝ちタイムが遅く、上がり勝負に傾いたことがプラスに働いている。スタートを決めて好位につけ、緩い流れで折り合いをつけ、直線で切れる脚を使ったが、上がりはメンバー8位タイの34.1秒でガツンと切れた訳ではない。流れ、位置取り、コース取り全てが上手くいっての勝利。社台の馬が1、2、3番枠に入り、社台のアエロリットは飛ばさず。これまで以上に社台、JRAの思惑を考慮しないといけない時代に入っている。ステルヴィオは芝1800m以下は[4−3−0−0]で連対率100%をキープ。母系にシンボリルドルフの全姉スイートコンコルドがいる日本の古き良き時代の血統馬。来年の大阪杯、安田記念に向けてどこまでパフォーマンスを引き上げられるか。

ペルシアンナイトは内ラチ沿いの7番手からメンバー6位タイの33.9秒で最後に最内から伸びて頭差の2着。直線でスペースがなく追い出しを待たされたが、Mデムーロ騎手が最後にガツンと追って持ってきた。直線でスペースがあれば勝っていたかもしれない。ステルヴィオの上がりを0.2秒上回っており位置取りと追い出しのタイミングの差。Cコースに変更され内が有利な馬場になり、かつアエロリットが飛ばさずに流れが緩んで内をロスなく回った馬が有利になったことがプラスに働いている。昨年と同様に休み明けの富士Sは5着に終わったが、叩き2戦目のマイルCSで走りが一変した。休み明けで走れない訳ではないが、休み明けのG1前には仕上げ切らず無理をしないということもあるのだろう。今年のG1で池江厩舎は[0−2−2−14]で未勝利(2着2回はペルシアンナイト)。今年は38勝でリーディング11位と出遅れている。Mデムーロ騎手は今年のG1で[1−4−2−11]、秋は[0−3−1−3]で2着が多い。次走は香港マイルに向かう予定。時計の掛かるタフな馬場で昨年のマイルCSの末脚が炸裂するか楽しみだ。

アルアインは2番手からメンバー12位タイの34.5秒で抜け出して0.2秒差の3着。緩い流れで2番手につけ、かつ時計が掛かったこともプラスに働いている。マイルに慣れてくれば、もっと流れが速くなった方が地力を発揮できるのではないか。池江厩舎はこの後G1を勝てないとアルアインを有馬記念に使ってきそうだ。

ミッキーグローリーは後方から大外をブン回してメンバー最速タイの33.4秒で追い込んで0.2秒差の2着。いい脚を長く使ったが、内をロスなく回ってある程度前につけた馬が有利な展開&馬場で大外ブン回しでは厳しかった。もう少し馬体がしっかりすればG1で勝ち負けできるレベルに到達するのではないか。

アエロリットは逃げて直線でほとんど伸びず0.5秒差の12着。長距離輸送をして馬体8キロ増、苦手な上がり勝負にしたことを見るとムーア騎手でも勝負モードではなく、社台のアシストモードだった模様。それでもここまで負ける馬ではない。勝負どころに下り坂がある右回りの京都コースが合わないのではないか。

モズアスコットは後方からメンバー6位タイの33.9秒で伸びて0.5秒差の13着。4コーナーで外からぶつけられる大きな不利があったが、今日の馬場&展開で外を回ってきては厳しかった。アエロリットが飛ばせば非社台のモズアスコット(矢作厩舎)に有利になる。ちなみに矢作厩舎は先週のエリザベス女王杯を社台のリスグラシューで勝っている。スワンSで10キロ増えた馬体がさらに2キロ増えていた。モズアスコット(ルメール騎手)がスタートして控えたことも少し気になった。次走の香港マイルは目一杯仕上げて目一杯走らせることになりそうだ。

ロジクライは2番手につけたが、緩い流れで折り合いを欠き、直線で一杯になって14着。自分で行き切る手もあったが、Cデムーロ騎手は懸命に押さえていた。ハイペースにしたらダメと社台から指示が出ていたのか。1〜3月は[3−1−0−0]。今後はひと息入れて京都金杯、または東京新聞杯で復帰することになりそうだ。



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