JBCスプリント
2018/11/4 京都競馬場 ダ1200m

レース展望

マテラスカイは2走前のプロキオンSで重賞初制覇。ハナを切って前半3F33.5秒のハイペースで飛ばし、メンバー5位の35.6秒で後続を引き離し4馬身差で圧勝。勝ちタイム1分20秒3はレコード。従来のレコードを1.6秒更新した。1000m通過が56.3秒、1200m通過が1分7秒5で芝並みのタイムだったが、下級条件でも時計が出ており、通常より2秒程度速い高速馬場だった。

前走東京盃は0.4秒差の4着に終わったが、休み明けで大井に輸送して馬体18キロ増で太め残りだった。中央のダートで逃げたときは[4−1−0−0]で現在4連勝中。京都ダ1200mで逃げたときは[1−1−0−0]で橿原S(1600万)を1分11秒0(稍重)で走り5馬身差で圧勝している。武豊騎手では[4−0−0−2]。脚抜きのいい馬場が得意なタイプ。良馬場で真価が問われる。

グレイスフルリープは昨年以降ダ1200m[2−0−1−1]でコリアスプリント、東京スプリントを優勝。東京スプリントでは逃げてキタサンミカヅキ、ネロを完封し1分11秒8(不良)で優勝。前走東京盃は0.2秒差の3着。休み明けで馬体が12キロ減っていた。8歳馬でも大きな衰えはない。2戦連続でルメール騎手が騎乗する。今秋の重賞でルメール騎手は[10−3−1−1]でG1−3連勝中。

前走東京盃を勝ったキタサンミカヅキ、同2着馬ネロ、前走コリアスプリントを勝ったモーニン、芝に転戦してきたナックビーナス、セイウンコウセイ、昨年のプロキオンS勝ち馬キングズガード、昨年のJBCスプリント勝ち馬ニシケンモノノフなど。キタサンミカヅキは前走東京盃を好位抜け出しで優勝。昨年以降のダート重賞で[2−2−0−1]で唯一5着に終わった昨年のJBCスプリントは0.1秒差だった。

モーニンは初のダ1200mとなった前走コリアスプリントを優勝。ダ1400mは[4−1−0−0]。短距離ではまだ底を見せていない。Cデムーロ騎手が騎乗する。ナックビーナスはダート[1−2−0−1]、セイウンコウセイはダート[1−3−0−0]で堅実に走っている。ニシケンモノノフは京都ダ1200m[2−0−0−1]。近走不振が続いている7歳馬。前2走より軽い57キロで巻き返せるか。


レース回顧

2018年11月 4日(日) 5回京都2日  天候: 曇   馬場状態: 良 
10R  第18回JBCスプリント
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定)  ダート 1200m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 3  6  グレイスフルリープ 牡 8 ルメール  57  1.10.4 36.4  4 542 (栗)橋口慎介
2 3  5 $マテラスカイ       牡 4 武豊      57  1.10.4 36.7  1 512 (栗)森秀行
3 2  4  キタサンミカヅキ   牡 8 森泰斗    57  1.10.8 36.1  5 528 [地]佐藤賢二
4 7 14 $モーニン           牡 6 C.デム  57  1.10.9 35.9  3 520 (栗)石坂正
5 7 13  レッツゴードンキ   牝 6 岩田康誠  55  1.11.0 36.0  2 502 (栗)梅田智之
6 2  3  キングズガード     牡 7 藤岡佑介  57  1.11.0 35.8  6 472 (栗)寺島良
7 8 15 $テーオーヘリオス   牡 6 浜中俊    57  1.11.2 36.4 11 510 (栗)梅田智之
8 1  2  ニシケンモノノフ   牡 7 横山典弘  57  1.11.2 36.3 10 510 (栗)庄野靖志
9 4  7  ウインムート       牡 5 内田博幸  57  1.11.3 37.4 12 506 (栗)加用正
10 6 12  ラブバレット       牡 7 山本聡哉  57  1.11.3 37.0 14 484 [地]菅原勲
11 1  1  ネロ               牡 7 戸崎圭太  57  1.11.4 36.9  8 480 (栗)森秀行
12 8 16  ノボバカラ         牡 6 御神本訓  57  1.11.4 36.1 15 494 (美)天間昭一
13 6 11  アンサンブルライフ 牡 5 繁田健一  57  1.11.6 36.4 16 488 [地]小久保智
14 5  9  セイウンコウセイ   牡 5 池添謙一  57  1.12.8 38.4  7 498 (美)上原博之
15 4  8  ナックビーナス     牝 5 大野拓弥  55  1.13.7 39.4  9 524 (美)杉浦宏昭
16 5 10  ノブワイルド       牡 6 左海誠二  57  1.14.2 40.2 13 494 [地]小久保智
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LAP :12.1-10.6-11.0-11.6-12.1-13.0
通過:33.7-45.3-57.4-70.4  上り:70.4-58.3-47.7-36.7  平均:1F:11.73 / 3F:35.20
単勝   6 \1200 
複勝   6 \310 / 5 \130 / 4 \290 
枠連   3-3 \1300 (5) 
馬連   05-06 \1260 (3) 
ワイド 05-06 \520 (4)/ 04-06 \1540 (20)/ 04-05 \580 (5) 
馬単   06-05 \3770 (11) 
3連複 04-05-06 \3520 (8/560) 
3連単 06-05-04 \23510 (63/3360) 

グレイスフルリープはスタートを決めて内ラチ沿いの4番手につけ、メンバー7位タイの36,4秒で逃げたマテラスカイをクビ差交わしてレースを制した。勝ちタイムは1分10秒4。マテラスカイが逃げて前半3F33.7秒、5F57.5秒のハイペース。直線でマテラスカイが後続を引き離したが、内ラチ沿いをロスなく進めたグレイスフルリープだけがマテラスカイを追って最後にきっちり差し切った。ルメール騎手が内枠を生かしてロスなく進め、これ以上ないくらい上手く乗っている。これで4週連続G1制覇となった。中央ダート重賞で連対がない8歳馬がG1制覇。ルメール騎手恐るべし。開業3年目の橋口慎厩舎は中央G1初制覇となった。

マテラスカイは直線で後続を引き離したが、最後にグレイスフルリープに交わされてクビ差の2着。ラスト3Fは11.6−12.1−13.0秒。前半から飛ばしたぶんラスト1Fのラップが落ちた。スピードの絶対値が高い馬。自分の力は出しており、ルメール騎手がマテラスカイを負かすならこれしかないという乗り方をしたことを褒めるしかない。前走東京盃は休み明け、馬体18キロ増で4着に終わったが、叩き2戦目で馬体が14キロ絞れてきっちり仕上がっていた。森厩舎でガンガン使われて頭角を現した馬。外国産馬だけに急に走らなくなる可能性があることを考慮しておきたい。

キタサンミカヅキは中団の外からメンバー4位の36.1秒で伸びて0.4秒差の3着。中央の軽い馬場で速い上がりを繰り出して3着を確保。前の2頭には離されたが、最後にいい脚を使って力のあるところを見せた。地方の重い馬場で上がりが掛かればもっとやれる馬。

モーニンは中団の後ろからメンバー2位の35.9秒で追い込んで0.5秒差の4着。外から切れる脚を使ったが、結果的に位置取りが後ろ過ぎた。京都ダ1200mは小回りコースで外枠は外々を回るロスがある。ハイペースで逃げた馬が2着に粘るレースでは厳しかった。

キングズガードは後方3番手からメンバー最速の35.8秒で直線で馬群を捌きながら伸びて0.6秒差の6着。最後は鋭く伸びたが、位置取りが後ろ過ぎた。阪神ダートは[5−5−1−0]だが、京都ダートは[2−0−2−3]。直線が平坦の京都では前が止まらず取りこぼしが多い。



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