ローズS
2018/9/16 阪神競馬場 芝1800m

レース展望

秋華賞トライアル。過去10年で1番人気は[4−2−1−3]で6連対。前走オークスで3着以内に入った馬は[4−2−0−1]。今年はオークス1〜5着馬の出走がない。2番人気は[1−1−1−7]で2連対、3番人気は[0−0−2−8]で連対なし。6〜9番人気が7連対、10番人気以下が3連対。最近5年は必ず人気薄が連対し、馬連は78倍、210倍、17倍、74倍、213倍。かなり波乱傾向が強い。

前走オークス4着以内は[7−3−0−10]、5〜9着は[1−1−1−12]、10着以下は[0−0−1−14]。今年はオークス1〜5着馬がいない点をどう考えるか。連対馬20のうち17頭が上がり3Fメンバー3位以内。1〜3着馬では30頭のうち23頭が上がり3Fメンバー3位以内。直線の長い阪神外回りコースで速い上がりを繰り出せないと通用しにくい。前残りもあるが、末脚のしっかりした馬を重視したい。

サトノワルキューレはフローラSで最後方からメンバー最速の33.4秒で大外一気を決め、1分59秒5で優勝。前走オークスは3番人気に支持されたが、中団から伸び切れず1.3秒差の6着に終わった。中団から早めに動いたこともあり、33秒台の末脚を繰り出せなかった。近走は長い距離を使われているが、京都芝1800mの新馬戦を1分52秒1(重)で勝っている。今回は桜花賞&オークス1〜3着馬の出走がなく、重賞勝ち馬はサトノワルキューレとカンタービレしかいない。Mデムーロ騎手でかなり人気を集めそうだ。

カンタービレはフラワーCで好位から抜け出してトーセンブレスをクビ差完封して重賞制覇。前走オークスは4番手から一杯になって13着。上位に入った馬と同じような位置にいたが、直線で伸び切れなかった。これまで[2−2−0−1]で芝1800mは[2−0−0−0]。京都芝1800mの未勝利戦を3馬身差で圧勝したが、ラスト3Fは12.2−11.9−11.4秒で尻上がり。最後は流す余裕があった。立ち回りが上手く好位からひと脚使えるタイプ。中竹厩舎はサトノワルキューレと2頭出し(どちらも元・角居厩舎)。

前走500万条件をレコード勝ちしたサラキア、フラワーC2着馬トーセンブレス、クイーンC2着馬フィフニティ、忘れな草賞勝ち馬オールフォーラヴ、スイートピーS3着馬ゴージャスランチ、前走1000万条件2着のウラヌスチャーム、ウスベニノキミなど。サラキアはチューリップ賞が0.7秒差の4着、フローラSは0.2秒差の4着でクラシックに出走できなかった。前走青島特別は最後方から捲ってメンバー最速の34.0秒でまとめて3馬身半差で圧勝。500万条件では力が違うといった内容だった。権利獲り成功なるか。

トーセンブレスは阪神JFと桜花賞で4着。末脚のしっかりした馬で阪神外回りは合っている。オークスを左前挫跖で出走を取り消したが、休み明けでどこまで仕上がってくるか。フィフニティは紫苑Sに登録していたが、芝1800mのローズSを先着。大事に育てる藤原英厩舎の管理馬。どこまで馬体が成長してくるか。オールフォーラヴは阪神芝1800mのアルメリア賞で直線で不利があり1分45秒7で走って0.3秒差の2着。母レディアルバローザは中山牝馬Sを2勝。得意の阪神、2戦2勝の川田騎手で変わり身に注意。


レース回顧

2018年 9月16日(日) 4回阪神4日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第36回関西テレビ放送賞ローズS
3歳・オープン・G2(馬齢) (牝)(国際)(指定)  芝 1800m・外   15頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 7 13  カンタービレ       牝 3 ルメール  54  1.45.7 33.6  5 434 (栗)中竹和也
2 3  5  サラキア           牝 3 池添謙一  54  1.45.9 33.4  2 450 (栗)池添学
3 3  4  ラテュロス         牝 3 秋山真一  54  1.46.0 33.6 13 418 (栗)高野友和
4 7 12  ゴージャスランチ   牝 3 横山典弘  54  1.46.0 33.9  8 498 (美)鹿戸雄一
5 8 14  ウラヌスチャーム   牝 3 藤岡佑介  54  1.46.1 33.2  6 494 (美)斎藤誠
6 5  8  サトノワルキューレ 牝 3 M.デム  54  1.46.2 33.1  1 452 (栗)中竹和也
7 4  7  センテリュオ       牝 3 北村友一  54  1.46.4 33.9  4 444 (栗)高野友和
8 1  1  レッドランディーニ 牝 3 松山弘平  54  1.46.5 33.8 11 448 (栗)石坂正
9 4  6  オールフォーラヴ   牝 3 川田将雅  54  1.46.9 34.7  3 466 (栗)中内田充
10 5  9  アンコールプリュ   牝 3 藤岡康太  54  1.47.1 34.4 14 430 (栗)友道康夫
11 2  2  ウスベニノキミ     牝 3 和田竜二  54  1.47.1 34.8 10 438 (栗)鈴木孝志
12 6 10  フィニフティ       牝 3 福永祐一  54  1.47.2 34.9  9 426 (栗)藤原英昭
13 2  3  スカーレットカラー 牝 3 太宰啓介  54  1.47.2 34.4 12 454 (栗)高橋亮
14 8 15  レオコックブルー   牝 3 浜中俊    54  1.47.2 34.5 15 438 (栗)牧田和弥
15 6 11  トーセンブレス     牝 3 柴田善臣  54  1.47.5 35.2  7 456 (美)加藤征弘
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LAP :12.7-11.0-11.5-12.3-12.4-12.2-11.0-10.8-11.8
通過:35.2-47.5-59.9-72.1  上り:70.5-58.2-45.8-33.6  平均:1F:11.74 / 3F:35.23
単勝   13 \930 
複勝   13 \310 / 5 \190 / 4 \1530 
枠連   3-7 \1400 (6) 
馬連   05-13 \2530 (10) 
ワイド 05-13 \940 (10)/ 04-13 \8250 (63)/ 04-05 \5020 (50) 
馬単   13-05 \5630 (21) 
3連複 04-05-13 \50880 (142/455) 
3連単 13-05-04 \222880 (623/2730) 

カンタービレは外枠スタートから好位の外につけ、3コーナーで2番手に押し上げるとメンバー4位タイの33.6秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分45秒7。ゴージャスランチが逃げて前半5F59.9秒。中盤に3Fラップが12秒台に落ち、ラスト3Fが33.6秒でラップは11.0−10.8−11.8秒。高速馬場、緩い流れで上がり勝負になった。カンタービレは正攻法のレースで直線で抜け出して快勝。春は33秒台で上がったレースがなかったが、ラスト3Fを高速ラップでまとめて押し切った。時計、上がりとも詰めて春より力をつけていることを示した。体型的にいかにも芝1800mが合いそうなタイプ。これで芝1800mでは3戦3勝となった。紫苑Sを勝ったノームコアといい、春はそれほど切れる脚を使えなかった馬が秋になって高速ラップでまとめて勝っている。次走は秋華賞。ルメール騎手がアーモンドアイに騎乗するため武豊騎手に乗り替わる予定。距離1F延長、タフな流れになったときに真価が問われる。

サラキアは出遅れた後に中団に押し上げ、メンバー3位の33.4秒で伸びて0.2秒差の2着。スピードの持続力が優れたタイプ。前残りの展開で外を回っていい脚を長く使っている。中盤に流れが緩んでラスト3Fの上がり勝負になったことが堪えた。春はチューリップ賞とフローラSで4着に終わりG1に出走できなかったが、今回は2着に入り秋華賞の出走権をゲット。一戦ごとに馬体が増え、全体的にしっかりしてきた。小柄でも万能型で距離をこなすタイプ。出遅れがクリアできていない点は気になるが、立ち回り次第で秋華賞でも上位争いできそうだ。秋華賞ではモレイラ騎手が騎乗する予定。

ラテュロスは内枠スタートから内ラチ沿いの好位につけ、直線で最内からメンバー4位タイの33.6秒で伸びて0.3秒差の3着。最後は4着ゴージャスランチとの叩き合いをクビ差で制した。勝負根性があり並ぶと抜かせないタイプ。アルテミスS3着馬が13番人気の低評価を覆した。阪神芝1600mの未勝利戦を勝ったが、そのときがスローの上がり勝負でラスト3Fが11.7−11.0−11.5秒の高速ラップだった。小柄な牝馬でも切れより地力タイプだが、ディープインパクト産駒で上がり勝負にも対応できる。これで阪神では[1−1−1−1]。坂のあるコースが合うのだろう。秋華賞は小回りコースだけに逃げの手もあるか。

ゴージャスランチはハナを切ってメンバー7位タイの33.9秒でまとめて0.3秒差の4着。前残りの展開に持ち込んだが、最後にひと伸びがなかった。直線に向きカンタービレに一気に離されたようにエンジンの掛かりが遅いタイプ。4コーナーから直線でカンタービレのように早めに仕掛けても良かったか。この流れならもっと速い上がりを繰り出してもおかしくないが、初めてハナを切ったことも微妙に影響したのではないか。

ウラヌスチャームは後方2番手からメンバー2位の33.2秒で大外から追い込んだ0.4秒差の5着。前4走メンバー最速上がりを繰り出して連対を確保したように速い上がりを繰り出せる馬だが、スローの上がり勝負で位置取りが後ろ過ぎた。藤岡佑騎手は強気な騎乗をすることが多いが、テン乗りで攻め切れなかったか。

サトノワルキューレはスタートで寄られて最後方を進み、メンバー最速の33.1秒で馬群を捌いて追い込み0.5秒差の6着。直線で馬群に突っ込んでMデムーロ騎手が捌いてきたが、さすがに位置取りが後ろ過ぎた。最後は目一杯に追わず、少し余裕を残していた。オークスで中団につけて勝ちに行き、直線で一杯になったこと、本番前のレースということを考慮して追い込みに徹したのだろう。最速上がりを繰り出して末脚の威力が衰えていないことを示した。休み明け、トライアルということを考慮すると内容は悪くない。

センテリュオは中団の馬込みを進み、メンバー7位タイの33.9秒で伸びて0.7秒差の7着。切れより持続力で勝負するタイプ。中盤に流れが緩んでラスト3Fの上がり勝負では厳し掛かった。スローペースでも早めに捲る馬がいてタフなレースになっていれば結果は違ったのではないか。心肺機能が高く、流れが緩みやすいトライアルよりタフな流れになる本番に強いタイプ。今後は秋華賞に登録し除外されたら同週の堀川特別に向かうことになりそうだ。



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