セントウルS
2018/9/9 阪神競馬場 芝1200m

レース展望

サマースプリントシリーズの最終戦。ラブカンプーが勝てば優勝、負ければアレスバローズが優勝となる。過去10年で1番人気は[2−5−1−2]で7連対。先行タイプは[2−4−0−1]だが、差し追い込みタイプは[0−1−1−1]で1連対のみ。2番人気は[2−2−1−5]で4連対、3番人気は[1−0−1−8]で1連対。6〜9番人気、10番人気以下は各2連対。最近5年の馬連は2倍、11倍、110倍、4倍、30倍で堅いか波乱両極端。穴で逃げ先行馬の粘り込みに注意。

連対馬の脚質は逃げ3先行11、差し4追込2で14頭が逃げ先行馬。逃げ馬は1、2、10番人気が勝っている。開幕週で馬場がいいため、前に行った馬が止まりにくい。1分7秒台の高速決着に対応できる逃げ先行タイプに注目。牡馬は[5−8−4−80]、牝馬は[5−2−6−38]。別定G2でメンバーが揃うが、牝馬が健闘している。夏のスプリント重賞で好走した牝馬に注意。

ファインニードルは芝1200m[7−2−0−7]で2走前に高松宮記念を制した。阪神芝1200mは[3−1−0−0]で昨年のセントウルSを勝っている。前走チェアマンズスプリントプライズは4着に終わったが、馬体が14キロ減っていた。休み明けは[1−0−0−2]だが、今年のシルクロードSを馬体18キロ増で勝っている。脚質的に開幕週のセントウルSは合っているが、昨年より2キロ重い58キロを背負う。スプリンターズSの前にどこまで仕上げてどこまで走らせるか。

ラブカンプーは芝1200m以下[2−4−1−0]で3着以内を確保。前3走は葵Sが0.2秒差の2着、アイビスSDが0.2秒差の2着、北九州記念が0.3秒差の3着。前走北九州記念は前半3F32.4秒だったが、2番手から34.5秒で上がって3着に粘った。連戦が続いているが、勝てばサマースプリントシリーズ優勝だけに目一杯に走らせるのだろう。今年1月からずっと使っており、夏に新潟、小倉に遠征した疲れが残っていないことが条件。陣営はMデムーロ騎手を確保している。

阪急杯勝ち馬ダイアナヘイロー、昨年の小倉2歳S勝ち馬アサクサゲンキ、前走アイビスSD4着のレジーナフォルテ、16年のセントウルS2着馬ネロ、フィリーズレビュー4着馬アンヴァルなど。ダイアナヘイローは阪急杯を勝ったが、その後は18、9、7着。昨年以降、阪神芝1400m以下では[3−0−0−0]。武豊騎手が先行して持ってくるか。アサクサゲンキは葵S5着、CBC賞4着、北九州記念6着と善戦止まりが続いている。前3走は追い込み。テン乗りの松山騎手がどう乗るか。


レース回顧

2018年 9月 9日(日) 4回阪神2日  天候: 雨   馬場状態: 重 
11R  第32回産経賞セントウルS
3歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定)  芝 1200m・内   15頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 8 14  ファインニードル   牡 5 川田将雅  58  1.08.8 34.6  1 470 (栗)高橋義忠
2 2  2  ラブカンプー       牝 3 M.デム  52  1.09.0 35.7  2 434 (栗)森田直行
3 7 13  グレイトチャーター 牡 6 幸英明    56  1.09.1 34.2  7 488 (栗)鮫島一歩
4 3  4  コウエイタケル     牡 7 小牧太    56  1.09.2 35.0 11 502 (栗)山内研二
5 5  8  ラインスピリット   牡 7 森一馬    56  1.09.2 35.3  9 442 (栗)松永昌博
6 5  9  ネロ               牡 7 福永祐一  56  1.09.2 35.8  3 470 (栗)森秀行
7 7 12 *ブラヴィッシモ     牡 6 和田竜二  56  1.09.2 34.6 13 494 (栗)須貝尚介
8 2  3  アドマイヤゴッド   牡 6 北村友一  56  1.09.3 34.9 10 492 (栗)須貝尚介
9 6 10  フミノムーン       牡 6 国分優作  56  1.09.5 35.1 12 442 (栗)西浦勝一
10 6 11  アンヴァル         牝 3 松若風馬  52  1.09.7 35.0  5 458 (栗)藤岡健一
11 4  7  ダイアナヘイロー   牝 5 武豊      54  1.09.8 35.8  4 476 (栗)大根田裕
12 4  6 $アサクサゲンキ     牡 3 松山弘平  54  1.09.8 35.6  6 466 (栗)音無秀孝
13 3  5  レジーナフォルテ   牝 4 杉原誠人  54  1.10.0 36.1  8 492 (美)佐藤吉勝
14 8 15  ウインソワレ       牝 6 菱田裕二  54  1.10.6 36.2 15 482 (栗)宮本博
15 1  1  マッチレスヒーロー 牡 7 荻野極    56  1.10.6 34.5 14 476 (美)金成貴史
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LAP :12.0-10.5-10.8-11.3-11.5-12.7
通過:33.3-44.6-56.1-68.8  上り:68.8-56.8-46.3-35.5  平均:1F:11.47 / 3F:34.40
単勝   14 \340 
複勝   14 \150 / 2 \170 / 13 \350 
枠連   2-8 \670 (1) 
馬連   02-14 \730 (1) 
ワイド 02-14 \340 (1)/ 13-14 \1040 (14)/ 02-13 \1290 (16) 
馬単   14-02 \1400 (2) 
3連複 02-13-14 \4010 (9/455) 
3連単 14-02-13 \15660 (27/2730) 

ファインニードルは8枠14番スタートから6番手につけ、メンバー3位タイの34.6秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分8秒8。重馬場でラブカンプーが逃げて前半3F33.3秒のハイペース。開幕週で馬場がいいため、重馬場でも極端に時計は掛からなかった。ファインニードルは休み明け、58キロを背負って外枠を克服し、セントウルS2連覇を達成。パドックを見ると陣営がいうほど仕上がりは悪くなく、1頭だけ次元の違う馬体&雰囲気を醸し出していた。春の高松宮記念を勝っており、この勝利で春秋スプリントG1制覇に向けて一歩前進した。昨年のスプリンターズSは12着に終わったが、夏場に使い込んでいた。今年は夏に休養して理想的なステップ。スプリンターズS3連覇が懸かるレッドファルクスとの対決が楽しみだ。川田騎手は欧州遠征から帰国し、いきなり重賞制覇。この秋は大暴れするかもしれない。

ラブカンプーは2枠2番からハナを切って前半3F33.3秒で飛ばし、直線でネロを引き離したが、最後にファインニードルに差されて0.2秒差の2着。サマージョッキーズシリーズの優勝が懸かった福永騎手のネロに競られて厳しい展開になった。内枠から抜群のスタートですぐにアドバンテージを取り、内ラチ沿いをロスなく回り、直線で目一杯に追って粘らせた。軽量52キロ、ラブカンプーのスプリント能力が高いこともあるが、Mデムーロ騎手のスタートでアドバンテージを取る技術、粘らせる技術もあるのだろう。これで芝1200m以下は[2−5−1−0]、スプリント重賞は[0−3−1−0]。小柄な3歳牝馬が真夏に新潟、小倉に遠征してもへこたれずに頑張っている。父ショウナンカンプ、母の父マイネルラヴ。来年のアイビスSDが楽しみだ。

グレイトチャーターは後方2番手からメンバー最速の34.2秒で追い込んで0.3秒差の3着。得意の道悪で7番人気で激走した。外枠スタートで外を回らないようにするため、一旦下げてロスなく回ったぶん位置取りが悪くなった。グレイトチャーターを除くと6着まで道中6番手以内につけた馬。前走北九州記念で4着に入ったのではダテではなく、力をつけているのだろう。これまで稍重以上では[2−2−0−1]、休み明け(新馬戦含む)を除くと[2−1−0−0]で上がりは全てメンバー1、2位。昨年の桂川Sは不良のタフな馬場だったが、強烈な末脚で差し切ったようにかなりの道悪巧者。アレスバローズのように流れと位置取りが噛み合うようになれば、どこかの重賞で連対できるのではないか。

ネロは5枠9番から押して前に行ったが、ラブカンプーが速くてハナを切れず、直線で一杯になって0.4秒差の6着。2着ラブカンプーとは0.2秒差。ネロはスタートが速くなく、外めの枠で前半脚を使っており、ラブカンプーとの着差はその差。逆に言うとMデムーロ騎手はゴールでの少しの差を制すには何がポイントになるのかを分かっている。16年のセントウルSは5番手から伸びて0.2秒差の2着。道悪巧者で好位からのレースができるだけに福永騎手が強引に行き過ぎたか。ラブカンプーのMデムーロ騎手が勝つとサマージョッキーシリーズ優勝、負ければ福永騎手が優勝。このあたりも微妙に影響したのではないか。



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