紫苑S
2018/9/8 中山競馬場 芝2000m

レース展望

過去10年で1番人気は[3−1−2−4]で4連対。オークスから直行した馬は[1−0−2−2]で連対はビッシュのみ。2番人気は[1−2−0−7]で3連対、3番人気は[0−1−0−9]で1連対のみ。6〜9番人気は5連対、10番人気以下は1連対。最近5年の馬連は21倍、16倍、39倍、12倍、14倍。上位人気馬に人気薄を絡めて20倍前後を狙うのが妙味。

関東馬は[8−7−9−102]、関西馬は[2−3−1−24]。関西馬は5番人気以内[2−3−0−7]、6番人気以下[0−0−1−17]で人気薄は不振。6番人気以下で連対した6頭は全て関東馬。連対した6頭の前走は1、2、6、9、9、10着。前走1000万条件以上なら前走着順不問。6頭のうち5頭が前走4番人気以内。前走人気で負けた関東馬に注意。

マウレアは阪神JF3着、クイーンC5着、チューリップ賞2着、桜花賞5着、オークス5着。アーモンドアイ、ラッキーライラックには勝てなかったが、チューリップ賞でリリーノーブル(桜花賞3着、オークス2着)に先着している。これまで東京と阪神外回りしか走っておらず、直線の短いコースを走るのは初めて。初の芝2000m、中山内回りでどんな走りを見せるか。ある程度前につけて持ち前のしぶとさを生かす手か。引き続き武豊騎手が騎乗する。

ノームコアはフラワーCとフローラSで2番手から3着に粘った。先行してしぶとい脚を使える馬で小回りコースが合うタイプ。中山芝1600mのアスター賞を2番手から押し切ったが、ラスト3Fは11.6−11.1−11.0秒の尻上がりラップだった。前走フローラSでは先行してしぶとい脚を使って0.1秒差の3着に入り、芝2000mにメドを立てた。半姉ハピネスダンサーは芝2000mで4勝を挙げている。テン乗りのルメール騎手に乗り替わる。

ミモザ賞勝ち馬レッドベルローズ、クイーンC2着馬フィニフティ、フローラS2着馬パイオニアバイオなど。レッドベルローズは中山でフェアリーS3着、ミモザ賞1着がある。前走フローラSは7着に終わったが、外枠から前半行きたがったことが堪えている。ミモザ賞を勝ったコースで巻き返せるか。フィニフティはキャリア1戦で臨んだクイーンCで2着に入った。藤原英厩舎のディープインパクト産駒でステファノスの全妹。どこまで馬体が成長してくるか。

パイオニアバイオはフローラSで先行してしぶとく粘り、サトノワルキューレにクビ差の2着。中山芝は[1−1−0−1]で芝2000mの未勝利戦を勝っている。父はルーラーシップ、母は秋華賞2着馬アニメイドトバイオ。母系にレインボーアンバーが入っており、近親にレインボーラインがいる。テン乗りの木幡巧騎手に乗り替わる。過去10年で前走500万条件、1000万条件は各7連対。今年は重賞実績馬の壁はそれほど高くない。上がり馬にもチャンスがある。


レース回顧

2018年 9月 8日(土) 4回中山1日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第3回紫苑S
3歳・オープン・G3(馬齢) (牝)(国際)(指定)  芝 2000m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 7 14  ノームコア         牝 3 ルメール  54  1.58.0 33.6  2 456 (美)萩原清
2 1  1  マウレア           牝 3 武豊      54  1.58.5 34.0  1 440 (美)手塚貴久
3 4  8 $ランドネ           牝 3 吉田隼人  54  1.58.6 34.8  7 508 (栗)中竹和也
4 2  3  パイオニアバイオ   牝 3 木幡巧也  54  1.58.6 33.8  6 432 (美)牧光二
5 6 11  ハーレムライン     牝 3 大野拓弥  54  1.59.0 34.8 10 476 (美)田中清隆
6 6 12 *アヴィオール       牝 3 戸崎圭太  54  1.59.2 34.7 11 446 (美)堀宣行
7 3  6  クイーングラス     牝 3 丸田恭介  54  1.59.3 34.7  4 478 (美)和田雄二
8 1  2  オハナ             牝 3 石橋脩    54  1.59.3 35.0 13 422 (美)堀宣行
9 4  7  メサルティム       牝 3 内田博幸  54  1.59.4 34.6 12 432 (栗)荒川義之
10 5  9  カレンシリエージョ 牝 3 松山弘平  54  1.59.4 35.4  9 474 (栗)鈴木孝志
11 3  5  ロサグラウカ       牝 3 石川裕紀  54  1.59.5 34.5  8 444 (美)尾関知人
12 5 10  ロマンテソーロ     牝 3 北村宏司  54  1.59.5 34.3 14 450 (美)金成貴史
13 2  4  サラス             牝 3 田辺裕信  54  1.59.7 34.7  3 504 (栗)西村真幸
14 8 15  レッドベルローズ   牝 3 三浦皇成  54  1.59.9 35.5  5 460 (美)鹿戸雄一
15 8 16  ロフティフレーズ   牝 3 松岡正海  54  2.00.6 36.5 16 438 (美)上原博之
16 7 13  ホクセンジョウオー 牝 3 菊沢一樹  54  2.00.8 35.5 15 462 (美)松山将樹
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LAP :12.1-10.8-12.2-12.3-12.7-11.9-11.8-11.5-11.5-11.2
通過:35.1-47.4-60.1-72.0  上り:70.6-57.9-46.0-34.2  平均:1F:11.80 / 3F:35.40
単勝   14 \420 
複勝   14 \150 / 1 \130 / 8 \310 
枠連   1-7 \650 (2) 
馬連   01-14 \680 (1) 
ワイド 01-14 \290 (1)/ 08-14 \1130 (13)/ 01-08 \960 (11) 
馬単   14-01 \1500 (2) 
3連複 01-08-14 \3400 (6/560) 
3連単 14-01-08 \16070 (26/3360) 

ノームコアは好位の馬込みで流れに乗り、メンバー最速の33.6秒で抜け出して3馬身差でレースを制した。勝ちタイム1分58秒0はレースレコード。ランドネが逃げて前半5F60.1秒の緩い流れ。ラスト5Fは11.9−11.8−11.5−11.5−11.2秒で尻上がり&持続ラップ。秋の中山(全面野芝)は尻上がりラップになる傾向がある。この日は風が強く向こう正面が向かい風、最後の直線が追い風。ノームコアのルメール騎手は向こう正面で馬の後ろに入れていた。スケートのパシュートと同じ原理で後ろで風を避けると消耗が少ないのだろう。小回りコースも合っているが、レースレコードで圧勝したように春より力をつけている。秋華賞も小回りの芝2000m。2冠馬アーモンドアイといい勝負ができそうだ。ルメール騎手はアーモンドアイに騎乗するため、秋華賞は乗り替わる予定。ちなみにフローラSで騎乗した戸崎騎手は関西の3歳以上のG1では[0−1−0−31]で連対率3.1%。5番人気以内では[0−1−0−12]で連対率7.7%。1番人気では桜花賞・ルージュバック9着、秋華賞・ビッシュ10着に終わっている。陣営の選択がポイントになる。

マウレアは1枠1番から内ラチ沿いの7番手につけ、直線で外に持ち出してメンバー3位の34.0秒で伸びて0.5秒差の2着。道中ロスなく回って好枠を生かしたが、ノームコアに完璧に乗られて3馬身差をつけられた。直線で突っ張るような走りをし、ゴールした後に歩様が乱れたため、武豊騎手が下馬。直線で目一杯に追わなかったのは、そのあたりを考慮したのだろう。検査でどんな結果が出るか。

ランドネは前半5F60.1秒のマイペースで逃げ、メンバー10位タイの34.8秒でまとめて0.6秒差の3着。ハナを切って向こう正面で強い向かい風を受けたことを考えるとよく走っている。角居厩舎から中竹厩舎に転厩した外国産馬。500キロを超える雄大な馬体が目立っていた。スイートピーSでミュージアムヒル、ゴージャスランチを完封したのはダテではない。ワンペースの走りをする馬で切れる脚を使えるタイプではない。秋華賞でも強気に前に行って粘り込みを狙うことになりそうだ。

パイオニアバイオは中団の後ろから直線で馬群を捌いてメンバー2位の33.8秒で上がって0.6秒差の4着。3着ランドネとはクビ差。道中内ラチ沿いをロスなく回ったが、それによって仕掛けが遅れ、直線で切り返すロスがあった。テン乗りの木幡巧騎手、内枠に入ったこともあるが、いい脚を長く使える持ち味を生かし切れなかった。それでも内でタメて直線で捌いて伸びた経験が秋華賞に繋がる可能性がある。母アニメイトバイオは秋華賞2着馬。内を突く一発狙いの騎乗が嵌まると激走があってもおかしくない。

サラスは後方のまま見せ場なく13着。スタートは悪くなったが、位置取りが後ろになり、直線でも前が壁になってまともに追えなかった。田辺騎手は中山が得意だが、差し追い込みに乗ると他のコースでもそうだが、変に下げ過ぎる傾向がある。ただし追い込みタイプだけに好位につけたノームコアが33.6秒で上がって1分58秒0で勝つ展開では厳しかった。もう少し時計、上がりの掛かる馬場で注意したい。



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