中京記念
2018/7/22 中京競馬場 芝1600m

レース展望

12年に距離が1600mに変更された。過去6年で1番人気は[0−0−1−5]で連対なし。2番人気は[0−1−0−5]で1連対、3番人気は[0−0−2−4]、4番人気は[0−0−1−5]で連対なし。1〜4番人気は[0−1−4−19]で1連対のみ。6〜9番人気が5連対、10番人気が3連対。過去6年の馬連は9倍、220倍、200倍、170倍、51倍、26倍。ハンデ戦でかなり波乱傾向が強い。

前走勝ち馬は[3−1−4−7]で4連対。前走2〜4着は[0−1−1−22]で1連対。前走善戦馬は不振。53キロ以下は[0−1−0−16]で1連対。連対馬12頭のうち9頭が56キロ以上、6頭が57キロ以上。マイル重賞実績のある重ハンデ馬に注目。トップハンデは[2−1−2−6]で連対した3頭は5、7、13番人気。14年はマイルCS勝ち馬サダムパテックが58キロを背負って直線一気を決めている。

グレーターロンドンは昨年の安田記念4着馬。その後は毎日王冠3着、ディセンバーS3着、ダービー卿CT5着、京王杯SC4着など善戦止まり続いている。前走京王杯SCは最後方からメンバー最速の32.5秒で追い込んで0.1秒差の4着。初の芝1400mで速い流れで追走に苦労したのか、位置取りが悪過ぎた。それでも久々に32秒台の末脚を繰り出し復調気配を示した。芝1600mは[5−0−0−3]で左回り、ハンデ56.5キロは問題ない。展開、馬場、位置取りがマッチすれば。夏に出走するのは今回が初めてになる。

ウインガニオンは昨年谷川岳S、パラダイスS、中京記念を3連勝。中京記念は内枠スタートから2番手につけ、メンバー6位の34.8秒で抜け出して後続を引き離し、1分33秒2で2馬身半差で圧勝。最終週でもこの日は内ラチ沿いを通って前に行った馬が粘るレースが多く、その馬場傾向を味方につけた。6〜8月は[7−1−0−2]でG3以下、芝1400〜1600mなら[7−1−0−0]。暑くなると調子を上げるタイプで中京芝1600mは2戦2勝。ハンデは昨年より0.5キロ増の57.5キロ。あとは展開、馬場、枠順か。

六甲S勝ち馬ロジクライ、中京巧者のワントゥワン、前走京王杯SC6着のリライアブルエース、長期休み明けをひと叩きされたスマートオーディン、昨年の新潟2歳S勝ち馬フロンティア、16年の中京記念勝ち馬ガリバルディ、京都金杯勝ち馬ブラックムーン、前走マーメイドS3着のミエノサクシード、安土城Sでモズアスコットに勝ったダイメイフジなど。ロジクライは東京の節分Sを逃げ切ったが、2着ヒーズインラブはその後2連勝でダービー卿CTを制した。前走マイラーズC7着は不甲斐なかったが、ハンデG3で巻き返すか。

ワントゥワンは中京芝[2−1−0−0]で芝1600mでは長久手特別(1600万)で直線一気を決めている。重賞実績がないため、ハンデは52キロ。外国人騎手では[4−1−1−0]。2戦2勝のMデムーロ騎手に乗り替わる。リライアブルエースは前走京王杯SCで0.2秒差の6着。直線で外に出せずにごちゃついて追い出しが遅れるロスがあった。中京芝1600mは[1−2−0−0]。ハンデは54キロ。2戦連続で戸崎騎手が騎乗する。スマートオーディンは重賞3勝の実力馬。屈腱炎から復帰して2戦目で一変に注意。


レース回顧

2018年 7月22日(日) 3回中京8日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第66回トヨタ賞中京記念
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指)  芝 1600m   16頭立
------------------------------------------------------------------------------
着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
------------------------------------------------------------------------------
1 8 16  グレーターロンドン 牡 6 田辺裕信 56.5 1.32.3 34.1  1 468 (美)大竹正博
2 6 12  ロジクライ         牡 5 浜中俊    56  1.32.4 34.9  5 516 (栗)須貝尚介
3 2  4  リライアブルエース 牡 5 戸崎圭太  54  1.32.6 34.2  4 494 (栗)矢作芳人
4 3  5  フロンティア       牡 3 福永祐一  53  1.32.6 34.6  7 456 (栗)中内田充
5 6 11  ワントゥワン       牝 5 M.デム  52  1.32.7 34.1  3 448 (栗)藤岡健一
6 4  7  アメリカズカップ   牡 4 松若風馬  57  1.32.8 35.8 13 440 (栗)音無秀孝
7 7 14  ミエノサクシード   牝 5 川島信二  53  1.33.0 34.9  6 462 (栗)高橋亮
8 7 13  ウインガニオン     牡 6 津村明秀 57.5 1.33.4 36.4  2 496 (栗)西園正都
9 8 15  ムーンクレスト     牡 6 松田大作  55  1.33.7 35.9 15 468 (栗)本田優
10 5 10  ガリバルディ       牡 7 和田竜二  57  1.33.8 35.7 10 504 (栗)藤原英昭
11 5  9  ダイメイフジ       牡 4 酒井学    56  1.33.8 35.9 11 514 (栗)森田直行
12 1  2  ロワアブソリュー   牡 5 北村友一  54  1.33.9 36.1  9 506 (栗)須貝尚介
13 2  3  ブラックムーン     牡 6 幸英明   57.5 1.33.9 35.6 12 500 (栗)西浦勝一
14 3  6  コウエイタケル     牡 7 鮫島克駿  54  1.34.3 36.5 14 504 (栗)山内研二
15 1  1  スマートオーディン 牡 5 松山弘平 57.5 1.34.8 37.2  8 492 (栗)池江泰寿
16 4  8  マイネルアウラート 牡 7 国分優作  55  1.35.9 38.9 16 464 (美)高橋裕
------------------------------------------------------------------------------
LAP :12.1-10.7-11.0-11.5-11.7-11.7-11.6-12.0
通過:33.8-45.3-57.0-68.7  上り:69.5-58.5-47.0-35.3  平均:1F:11.54 / 3F:34.61
単勝   16 \500 
複勝   16 \180 / 12 \240 / 4 \220 
枠連   6-8 \990 (4) 
馬連   12-16 \2430 (7) 
ワイド 12-16 \980 (11)/ 04-16 \750 (2)/ 04-12 \920 (8) 
馬単   16-12 \4570 (9) 
3連複 04-12-16 \5420 (5/560) 
3連単 16-12-04 \25980 (21/3360) 

グレーターロンドンは大外枠スタートから中団の後ろにつけ、直線で外からメンバー最速タイの34.1秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイム1分32秒3はレコード。ウインガニオンが逃げて前半3F33.8秒、5F57.0秒のハイペース。グレーターロンドンは前走京王杯SCは最後方からのレースになったが、芝1400mを使ったことで流れに乗れ、中団の後ろにつけることができた。馬場のいい外が伸びる馬場でハイペースで差し馬向きの展開と恵まれた面はあるが、昨年の安田記念4着馬がようやく重賞初制覇を飾った。不良馬場の天皇賞(秋)で強引に捲ったり、東京新聞杯で先行したりしてまともなレースができなかったが、ようやく本来のレースができた。オークス馬ダイワエルシエーロの半弟。絶対能力が高く、軌道に乗ればまだ上を目指せる馬。暑くても走ることが分かったため、次走は関屋記念または京成杯AHでサマーマイルシリーズの優勝を狙うことになりそうだ。

ロジクライは前の3頭を見ながら離れた4番手を進み、直線で内に切れ込んでメンバー5位タイの34.9秒で抜け出したが、外からグレーターロンドンに差されて0.1秒差の2着。流れは速かったが、離れた4番手でなだれ込みやすい展開になり、持ち前のしぶとさで2着を確保。直線で馬群を捌くときに荒れた内を突いたのがマイナスだった。前走マイラーズCは逃げて直線で失速したが、1分32秒3で走っていた。今回はG3でメンバーが弱くなり、5番人気でマークされなかったのが良かったのだろう。レースを使われながら少しずつパフォーマンスを引き上げている。サマーマイルシリーズの優勝が狙えるため、次走は関屋記念または京成杯AHを使うことになりそうだ。

リライアブルエースは出遅れて後方からメンバー3位の34.2秒で追い込んで0.3秒差の3着。最後に大外から猛然と追い込んできたが、位置取りが後ろ過ぎた。最初から馬場のいい外を通れる外枠が有利な馬場で2枠4番に入ったのがマイナスだったが、戸崎騎手が出遅れて大外をブン回したことも堪えている。一戦ごとにパフォーマンスを引き上げており、もう少しまともなレースができれば、重賞を勝ってもおかしくない。全兄に小倉大賞典と七夕賞を勝ったアルバートドック。矢作調教師が外国人騎手を乗せてきたら要注意。

ワントゥワンは後方から内を突いてメンバー最速の34.1秒で上がって0.4秒差の5着。直線で前が壁になって馬場の荒れた内に切れ込むロスがあった。Mデムーロ騎手は「直線で挟まれずスムーズなら結果は違っていた」とコメント。馬場の内側が荒れて外が伸びる馬場で内に切れ込んでは厳しかった。重賞で3着以内がないため52キロの軽ハンデだったが、今後もハンデ戦では軽ハンデになりそう。流れが速くなりやすい芝1400mの方が合うタイプ。朱鷺S、信越S(ハンデ戦)、オーロC(ハンデ戦)あたりで注意したい。



[Home]