函館2歳S
2018/7/22 函館競馬場 芝1200m

レース展望

過去10年で1番人気は[4−3−0−3]で7連対。関東馬[1−1−0−2]、関西馬[3−2−0−1]、牡馬[1−1−0−3]、牝馬[3−2−0−0]。関西馬、牝馬なら堅実。2番人気は[4−1−2−3]で4連対、3番人気は[1−1−1−7]で2連対。6〜9番人気は1連対、10番人気以下は2連対。最近5年の馬連は39倍、168倍、13倍、6倍、156倍。関東牡馬が1番人気になると荒れる傾向がある。

関東馬[2−7−5−63]、関西馬[8−3−5−44]。関西馬は1着、関東馬は2着が多い。3番人気以内の関西牝馬は[4−1−0−2]で堅実。6番人気以下では関東馬[0−3−3−50]、関西馬[0−0−1−31]。穴で関東馬に注意。6番人気以下で連対した3頭のうち2頭が牝馬。3頭は前走函館芝1200mで勝っていたが、勝ちタイムが遅かった。穴で勝ちタイムが遅い人気薄牝馬、特に先行タイプに注意。

ナンヨーイザヨイは函館芝1200mの新馬戦を2番手から抜け出して快勝。開幕週だったが、勝ちタイム1分9秒4は今年の函館2歳戦の最速タイム。3、4着馬はその後未勝利戦を勝っている。セレクトセールで3780万円で取り引きされたエイシンフラッシュ産駒。飛びが大きく馬体的にも距離をこなしそうなタイプ。走破タイムが速かったことで1番人気に支持されそうだ。過去10年で関西牡馬の1番人気は[1−1−0−1]。

スズカカナロアは函館芝1200mの新馬戦を2番手から抜け出して優勝。勝ちタイム1分11秒1は遅いが、2連続開催の初日で稍重の渋った馬場だった。飛びが大きく前半は押して2番手に押し上げたが、スピードに乗ってからは終始スムーズな走りだった。セレクトセールで3780万円で取り引きされたロードカナロア産駒で母系はスカーレット一族。過去10年の函館2歳Sで池添騎手は[0−0−2−6]で3着止まり。

函館芝1200mの新馬戦を圧勝したアスターペガサス、福島ダ1150mの新馬戦を圧勝したホールドユアハンド、函館芝1200mの未勝利戦を勝ったカルリーノ、福島芝1200mの新馬戦を圧勝したイチゴミルフィーユなど。アスターペガサスは新馬戦を2馬身半差で圧勝。まだ馬体に余裕があり、頭の高い走りだったが、最後まで勢いは衰えなかった。ジャイアンツコーズウェイ産駒の外国産馬。小崎騎手は重賞初制覇なるか。

ホールドユアハンドはダートの新馬戦で逃げて4馬身差で圧勝。北海道サマーセールで669万円で取り引きされたエスポワールシチー産駒。過去10年で前走ダートを使った馬は[0−0−0−31]。ルメール騎手がデータを覆すか。カルリーノは新馬戦でナンヨーイザヨイに負けたが、未勝利戦を好位から抜け出して1分9秒7(稍重)で優勝。岩田騎手がナンヨーイザヨイに騎乗するため、藤岡佑騎手に乗り替わる。

イチゴミルフィーユは福島の新馬戦を3馬身差で圧勝。勝ちタイムは1分11秒3(稍重)。過去10年で牝馬は[5−6−5−55]で牡馬と互角。前走福島は[0−0−2−13]で3着止まり。林厩舎は重賞初挑戦になる。14年2着のタケデンタイガー(11人)、昨年2着のウインジェルベーラ(14人)は前走函館芝1200mの勝ちタイムが1分10秒5、1分10秒6だった。大穴で勝ちタイムが遅い、極端な人気薄に注意。


レース回顧

2018年 7月22日(日) 2回函館6日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第50回函館2歳S
2歳・オープン・G3(馬齢) (国際)(特指)  芝 1200m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 3  6 $アスターペガサス   牡 2 小崎綾也  54  1.09.4 34.8  2 490 (栗)中竹和也
2 5 10  ラブミーファイン   牝 2 丸山元気  54  1.09.4 35.3  7 440 (栗)田所秀孝
3 3  5  カルリーノ         牡 2 藤岡佑介  54  1.09.5 35.2  3 490 (美)高橋裕
4 4  8  エムティアン       牝 2 三浦皇成  54  1.09.7 35.7  9 422 [地]山口竜一
5 2  4  トーセンオパール   牝 2 勝浦正樹  54  1.09.8 35.2  6 410 (美)小笠倫弘
6 1  2  ガイセン           牡 2 藤岡康太  54  1.09.8 34.9 12 406 (美)岩戸孝樹
7 5  9  ロードワンダー     牡 2 中井裕二  54  1.09.9 34.6 11 424 (栗)庄野靖志
8 2  3  スズカカナロア     牡 2 池添謙一  54  1.10.0 35.8  4 460 (栗)橋田満
9 6 11  ナンヨーイザヨイ   牡 2 岩田康誠  54  1.10.1 35.5  1 464 (栗)松永幹夫
10 4  7  イチゴミルフィーユ 牝 2 伊藤工真  54  1.10.4 36.0  8 438 (美)林徹
11 7 14  ヒストリコ         牝 2 横山武史  54  1.10.6 35.6 13 420 (美)土田稔
12 6 12  ラブリロンリロンス 牡 2 菱田裕二  54  1.10.9 36.3 15 420 (栗)松永昌博
13 7 13  レコードチェイサー 牝 2 阿部龍    54  1.11.1 36.9 16 442 [地]角川秀樹
14 8 15  ホールドユアハンド 牡 2 ルメール  54  1.11.4 36.2  5 462 (美)田中博康
15 8 16  ニヴィアン         牝 2 古川吉洋  54  1.11.5 37.1 14 444 (美)高柳瑞樹
16 1  1  ラブミーリッキー   牝 2 松岡正海  54  1.11.6 37.7 10 468 (美)手塚貴久
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LAP :12.1-10.6-11.2-11.7-11.6-12.2
通過:33.9-45.6-57.2-69.4  上り:69.4-57.3-46.7-35.5  平均:1F:11.57 / 3F:34.70
単勝   6 \520 
複勝   6 \200 / 10 \500 / 5 \200 
枠連   3-5 \2040 (7) 
馬連   06-10 \5880 (18) 
ワイド 06-10 \1950 (20)/ 05-06 \570 (4)/ 05-10 \1880 (18) 
馬単   06-10 \10200 (35) 
3連複 05-06-10 \11090 (32/560) 
3連単 06-10-05 \65140 (183/3360) 

アスターペガサスは出遅れて後方から徐々に進出し、直線で馬群を割ってメンバー2位の34.8秒で前を捕まえてレースを制した。2着ラブミーファインとはハナ差。勝ちタイムは1分9秒4。ラブミーリッキーが逃げて前半3F33.9秒の速い流れ。後半3Fは35.5秒でラップは11.7−11.6−12.0秒。アスターペガサスは出遅れて厳しいレースになったが、最後は能力と末脚の威力で捻じ伏せた。届きそうにない位置から差し切ったことを評価したい。新馬戦をラスト3F11秒台の尻上がりラップで圧勝したのは、やはりダテではなかった。新馬戦は馬体に余裕があったが、調教で攻めて6キロ絞れていた。小崎騎手は重賞初制覇。昨年は15勝だったが、今年は21勝を挙げている。アスターペガサスはジャイアンツコーズウェイ産駒の外国産馬。函館2歳S勝ち馬は早熟タイプが多い。今後は距離を延ばして適性を見極めることになりそうだ。

ラブミーファインはスタートを決めて手応え良く2、3番手を進み、直線で抜け出して後続を引き離したが、最後にアスターペガサスに交わされてハナ差の2着。上がりはメンバー6位の35.3秒。前走新馬戦が芝1800mだったことで7番人気の低評価だったが、その評価を覆す走りを見せた。新馬戦はラスト2Fが11.9−11.8秒の尻上がりラップでスピードの乗りが良く、最終調教ではスピードを感じさせる動きを見せていた。スプリント適性があるとみて穴で狙って正解だった。ジャスタウェイ産駒でレースセンスが良く、スピードを備えており、距離もこなすタイプ。単なる早熟タイプではなく奥がありそうな馬。今後の重賞戦線で注目していきたい。

カルリーノはスタートが遅く仕掛けて好位の内に取りつき、メンバー4位タイの35.2秒で伸びて0.1秒差の3着。内枠を生かしてロスなく進み、直線でラブミーファインを交わしに行ったが、最後まで交わせなかった。前半に少し脚を使ったことが最後の伸びに影響したのだろう。前走稍重で1分9秒7で走ったが、今回は良馬場で1分9秒5で走って時計を詰めている。

ナンヨーイザヨイは中団から伸び切れず0.7秒差の9着。流れが速くなり先行できず、3、4コーナーで大外をブン回すロスがあった。新馬戦の勝ちタイム1分9秒4はメンバー最速のため、1番人気に支持されたが、やはり開幕週のタイムはアテにならない。馬体、走法からもう少し長い距離が合いそうなタイプ。今後は距離を延ばしていくことになりそうだ。



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