函館記念
2018/7/15 函館競馬場 芝2000m

レース展望

サマー2000シリーズの第2戦。過去10年で1番人気は[0−2−0−8]で2連対。11年以降は[0−0−0−7]で不振が続いている。2番人気は[2−0−1−7]で2連対、3番人気は[3−0−0−7]で3連対。6〜9番人気が3連対、10番人気以下が5連対。最近6年は必ず7番人気以下が2着に入り、馬連は98倍、35倍、50倍、81倍、108倍、351倍。ハンデ戦でかなり波乱傾向が強い。

トップハンデは[1−1−0−8]で2連対のみ。1、2番人気は[0−0−0−3]、58キロは[0−1−0−4]、6歳以上は[0−1−0−7]。13、14年に3、8番人気が連対したが、ほとんど出番がない。今年のトップハンデは昨年の札幌記念勝ち馬サクラアンプルール。前走巴賞連対馬は[0−1−0−14]、1番人気では[0−1−0−4]。穴で前走巴賞で7着前後に負けて人気がない馬に注意。

トリコロールブルーは[5−1−1−3]、G3以下では[5−1−1−0]で3着以内を確保。前走鳴尾記念は中団の後ろからメンバー3位の35.0秒で伸びて0.5秒差の3着。ストロングタイタンとトリオンフに負けたが、1分57秒7で走って高速決着に対応できた。芝2000mは[3−1−1−0]で昨年札幌の日高特別をルメール騎手で勝っている。渋った馬場は不良馬場の菊花賞15着のみだが、ステイゴールド産駒だけに多少渋っても問題ないか。重賞で連対がないが、ハンデは56キロ。ルメール騎手で1番人気になりそうだ。

前走新潟大賞典を勝ったスズカデヴィアス、昨年の札幌記念勝ち馬サクラアンプルール、、前走巴賞を勝ったナイトオブナイツ、同5着のブレスジャーニー、同8着のマイネルハニー、前走エプソムC5着のエアアンセム、前走中山金杯4着のブラックバゴなど。スズカデヴィアスは前走新潟大賞典で中団からメンバー2位の32.8秒で差し切って優勝。三浦騎手が1枠1番からロスなく進めて持ってきた。7歳馬が重賞初制覇を飾ったように今充実している。芝2000mのハンデG3は[1−1−0−2]。これまでより重い57キロを背負う。

サクラアンプルールは昨年の札幌記念を中団からメンバー2位の35.0秒で差し切って2分00秒4で優勝。前走日経賞は後方から追い込んで0.2秒差の3着。芝2000mでは良馬場[3−1−1−2]、稍重以上[0−0−0−3]。休み明けでトップハンデ57.5キロを背負い、日曜が曇り時々雨の予報で馬場が渋る可能性がある。このあたりがどうでるか。ナイトオブナイツは前走巴賞を好位から抜け出して1分49秒9(重)で優勝。芝1800mは[5−0−0−5]、芝2000mは[0−0−1−1]。距離延長がどう出るか。

ブレスジャーニーは2歳時にサウジアラビアRCと東スポ杯2歳Sを勝ったが、その後は連対がない。前走巴賞は後方から追い込んで0.1秒差の5着。ひと叩きされてどこまで変わるか。鞍上は柴田善騎手。マイネルハニーは前走巴賞で2番手から伸び切れず8着。得意の重馬場だったが、休み明けで馬体が12キロ増えていた。芝2000mは[2−1−0−2]。叩き2戦目、道悪で巻き返すか。エアアンセムは芝2000m[2−1−4−5]で3着が多い。藤岡佑騎手は98年の函館記念をトーセンキャプテンで内を突いて勝っている。


レース回顧

2018年 7月15日(日) 2回函館4日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第54回農林水産省賞典函館記念
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指)  芝 2000m   15頭立
------------------------------------------------------------------------------
着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
------------------------------------------------------------------------------
1 4  6  エアアンセム       牡 7 藤岡佑介  55  1.59.8 34.7  5 500 (栗)吉村圭司
2 2  3  サクラアンプルール 牡 7 田辺裕信 57.5 1.59.9 34.6  7 478 (美)金成貴史
3 8 14  エテルナミノル     牝 5 四位洋文  54  2.00.0 35.0 13 462 (栗)本田優
4 6 10  ブレスジャーニー   牡 4 柴田善臣  56  2.00.0 34.1  2 456 (栗)佐々木晶
5 3  5  スズカデヴィアス   牡 7 三浦皇成  57  2.00.1 34.3  3 512 (栗)橋田満
6 4  7  トリコロールブルー 牡 4 ルメール  56  2.00.2 34.7  1 494 (栗)友道康夫
7 8 15  ゴールドサーベラス 牡 6 柴山雄一  54  2.00.4 35.3 15 444 (美)清水英克
8 7 13  ナイトオブナイツ   牡 5 池添謙一  56  2.00.4 34.8  6 458 (栗)池添兼雄
9 7 12  ナスノセイカン     牡 6 丸山元気  55  2.00.5 35.2 12 478 (美)矢野英一
10 1  1  ブラックバゴ       牡 6 岩田康誠  56  2.00.6 35.1  4 534 (美)斎藤誠
11 2  2  カデナ             牡 4 藤岡康太  56  2.00.6 34.8 11 470 (栗)中竹和也
12 5  8  ロジチャリス       牡 6 蛯名正義  56  2.00.8 35.6 14 558 (美)国枝栄
13 3  4  クラウンディバイダ 牡 5 吉田隼人  54  2.00.9 35.8  9 470 (美)斎藤誠
14 6 11  マイネルハニー     牡 5 丹内祐次  57  2.01.4 36.6  8 480 (美)栗田博憲
15 5  9  カレンラストショー 牡 6 北村友一  54  2.02.5 37.7 10 450 (栗)橋口慎介
------------------------------------------------------------------------------
LAP :12.2-10.9-12.0-12.6-12.6-12.4-12.1-11.6-11.6-11.8
通過:35.1-47.7-60.3-72.7  上り:72.1-59.5-47.1-35.0  平均:1F:11.98 / 3F:35.94
単勝   6 \960 
複勝   6 \330 / 3 \440 / 14 \1560 
枠連   2-4 \1440 (6) 
馬連   03-06 \5540 (25) 
ワイド 03-06 \2090 (32)/ 06-14 \9760 (78)/ 03-14 \10300 (82) 
馬単   06-03 \11310 (53) 
3連複 03-06-14 \119750 (282/455) 
3連単 06-03-14 \571480 (1450/2730) 

エアアンセムは内ラチ沿いの4番手を進み、直線で外に持ち出してメンバー4位タイの34.7秒で抜け出して重賞初制覇を飾った。勝ちタイムは1分59秒8。カレンラストショーが逃げて前半5F60.3秒。後半5Fは59.5秒、上がりは35.0秒でラップは11.6−11.6−11.8秒。中盤に流れが緩んで上り勝負になり、中団より前につけた3頭で決着。エアアンセムは内枠からロスなく回って脚をタメ、直線でスパッと抜け出して快勝。流れ、位置取り、コース取りを味方につけての勝利。函館記念は内枠からロスなく回った馬が激走することが多いが、藤岡佑騎手が内枠を生かして上手く乗っている。今年の重賞で藤岡佑騎手は[5−1−2−15]で5勝を挙げ、単勝回収率222%、複勝回収率109%。流れを読んで上手く立ち回るレースが目立つ。エアアンセムは7歳馬だが、今が充実期。今後は秋に向けて休養する予定。

サクラアンプルールは内ラチ沿いの7番手を進み、勝負どころで少し外に持ち出してメンバー3位の34.6秒で上がって0.1秒差の2着。2枠3番から内ラチ沿いをロスなく回って脚をタメることができたことがラストの伸びにつながったのだろう。休み明けでトップハンデ57.5キロを背負っていたが、昨年の札幌記念勝ち馬が地力を示した。これでG1を除き、右回り、良馬場の芝2000mでは[3−1−1−0]で3着以内を確保。雨で馬場が降ると厳しかったが、良馬場で力を発揮できた。7歳馬でも大事に使われており、大きな衰えはない。次走は札幌記念で連覇を目指す予定。

エテルナミノルは外枠スタートから先行し、直線入り口で先頭に立ったが、外から2頭に交わされて0.2秒差の3着。上がりはメンバー8位の35.0秒。最後は切れ負けしたが、愛知杯勝ち馬が積極的なレースで13番人気で波乱を演出した。愛知杯を勝ったときも先行策。近走は出遅れて力を出し切れないレースが多かったが、先行して流れに乗れればしぶとい脚を使うことを示した。ただし今回は人気馬の位置取りが悪く、上がり勝負で脚を余しており、それが大きく味方した感が強い。かなり使い込んでいるが、次走はクイーンSに向かうことになりそうだ。

ブレスジャーニーは後方2番手からメンバー最速の34.1秒で大外から追い込んで0.2秒差の4着。3着とはハナ差。ラスト3Fが全て11秒台の上がり勝負で後方から大外ブン回しでは厳しかった。過去5年の連対馬10頭のうち9頭が4コーナーで4番手以内につけていた。直線が短いため、差し追い込み馬は早めに押し上げないと届かないが、それを考慮した騎乗ができなかった。右回りでは内にモタれることも堪えている。巴賞、函館記念とも最速上がりを繰り出したように復調してきたのは確か。次走は丹頂S(札幌芝2600m)に向かう予定。

スズカデヴィアスは後方からメンバー2位の34.3秒で追い込んで0.3秒差の5着。スタートが遅く、いつもより位置取りが悪くなったことが堪えた。調教の動き、気配が地味に映ったようにこの時期は調子が上がらないこともあるのだろう。これで7〜9月は[0−0−0−4]。次走は体調次第で札幌記念に向かうことになりそうだ。

トリコロールブルーは中団の後ろを進み、直線で馬群に突っ込んでメンバー5位タイの34.7秒で上がり0.4秒差の6着。道中外から池添騎手のナイトオブナイツにマークされて外に出せず、それによって仕掛けが遅れ、直線で馬群に突っ込まざるをえなかった。1番人気に支持されたが、いい脚を長く使える持ち味を全く出せなかった。これで11年以降1番人気は[0−0−0−8]で不振が続いている。



[Home]