ラジオNIKKEI賞
2018/7/1 福島競馬場 芝1800m

レース展望

3歳限定の中距離ハンデ重賞。過去10年で1番人気は[2−2−2−4]で4連対。前走500万条件は[0−1−1−0]、OP特別は[2−1−1−2]、G1は[0−0−0−2]。前走プリンシパルS3着以内[2−0−1−0]で堅実。2番人気は[3−1−1−5]で4連対、3番人気は[1−1−0−8]で2連対。6〜9番人気が5連対、10番人気以下が2連対。最近5年の馬連は404倍、18倍、14倍、35倍、45倍で中穴決着が多い。10倍台を押さえながら30倍以上を狙う馬券作戦が有効。

連対馬20頭のうち16頭が芝1700m以上で勝っていた。マイルまでしか実績がない馬は不振。距離実績のない馬は08年に勝ったレオマイスターのようにハイペースの芝1600mで勝ち星が必要。連対馬20頭のうち10頭が前走連対。前走4着以下から8頭が連対しており、前走1000万条件以上なら着順不問。10年のうち7年で前走条件戦に出走した馬が連対している。重賞実績は問われない。6番人気以下で連対した7頭のうち5頭が関東馬。穴で前走芝1600m以上に出走した53〜54キロの関東馬に注意。

フィエールマンは2戦2勝。東京芝1800mの新馬戦(前半5F64.1秒)で好位からメンバー4位タイの34.2秒で抜け出して1分51秒3で優勝。大外から2番手に押し上げ、最後にひと伸びして押し切った。前走山藤賞(前半5F61.5秒)は出遅れて後方から大外を回って進出し、メンバー最速の34.3秒で差し切り、1分48秒1で2馬身半差で圧勝。楽勝だったが、メンバーは弱かったか。手塚厩舎は昨年セダブリランテスで制している。スタートが遅い点にリスクがあるが、能力と立ち回りでカバーできれば。

京成杯&プリンシパルS3着馬イェッツト、前走白百合Sを勝ったメイショウテッコン、若駒S勝ち馬ケイティクレバー、前走共同通信杯3着のエイムアンドエンド、前走東京の500万を勝ったキューグレーダー、グレンガリー、前走京都の500万条件を勝ったキボウノダイチ、2走前に福島のひめさゆり賞を勝ったロードアクシスなど。過去10年の連対馬の脚質は、逃げ1先行7、差し8追込4で先行馬と差し馬が活躍している。今年はメイショウテッコン、ケイティクレバー、キブウノダイチ、シセイヒテンなど前に行く馬が揃っている。

イェッツトはゆりかめも賞で7着に終わったが、芝1800〜2000mでは[1−0−2−0]で3着以内を確保。前走プリンシパルSは中団からメンバー3位の34.0秒で伸びて頭+クビ差の3着。勝ったコズミックフォースは次走ダービーで3着に入り、2着ブレステイキングは次走500万条件を単勝1.4倍で制した。重賞&OPで3着がある馬がハンデ54キロというのは少し恵まれたか。父カンパニー、母イスタンブールは近藤英子氏の所有馬。近藤英子氏は15年のラジオNIKKEI賞をアンビシャス(1人)で勝っている。

メイショウテッコンは芝1800mで2戦2勝。前走白百合Sは前半5F59.0秒で逃げて3馬身差で圧勝。勝ちタイムは1分45秒9。サラキア(チューリップ賞&フローラS4着)、アイトーン(若葉S1着)を相手にしなかった。新馬戦で小回りの小倉芝1800mで勝っている。ケイティクレバーは皐月賞11着、京都新聞杯9着に終わったが、好位に控えていた。逃げたときは[2−1−2−2]で若駒S1着、すみれS2着、京都2歳S3着がある。前に行く馬が揃ったが、強気に逃げる手か。鞍上は小林徹騎手に戻る。

エイムアンドエンドは前走共同通信杯3着の後、二ノ宮厩舎から奥村厩舎に転厩した。母ロフティーエイムは福島牝馬Sを勝った小回り巧者だった。キューグレーダーは[2−2−0−0]で連対を確保。前走東京芝1400mの500万条件を豪快に差し切って1分20秒8で優勝。芝1800mでは中山の未勝利戦を勝っている。ルメール騎手から田辺騎手に乗り替わる。グレンガリーは福島芝1800mの未勝利戦を中団から差し切って1分50秒6で優勝。福島記念を勝ったミトラの半弟。ルメール騎手から津村騎手に乗り替わる。


レース回顧

2018年 7月 1日(日) 2回福島2日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第67回ラジオNIKKEI賞
3歳・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指)  芝 1800m   13頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 2  2  メイショウテッコン 牡 3 松山弘平  56  1.46.1 34.8  2 482 (栗)高橋義忠
2 5  6  フィエールマン     牡 3 石橋脩    54  1.46.2 34.4  1 476 (美)手塚貴久
3 5  7  キボウノダイチ     牡 3 戸崎圭太  53  1.46.3 35.3  9 490 (栗)松元茂樹
4 4  4  マイハートビート   牡 3 石川裕紀  54  1.46.5 34.6 11 450 (栗)高橋義忠
5 6  8  エイムアンドエンド 牡 3 大野拓弥  53  1.46.5 35.0  6 486 (美)奥村武
6 4  5  ケイティクレバー   牡 3 小林徹弥  56  1.46.7 35.0  7 444 (栗)杉山晴紀
7 1  1  ロードアクシス     牡 3 酒井学    54  1.46.8 35.1  8 448 (栗)奥村豊
8 6  9  マルターズルーメン 牝 3 武藤雅    49  1.46.8 34.8 13 412 (美)堀井雅広
9 8 13  グレンガリー       牡 3 津村明秀  54  1.46.9 35.0  5 438 (美)萩原清
10 3  3  キューグレーダー   牡 3 田辺裕信  53  1.47.0 35.5  4 512 (美)栗田徹
11 7 10  イェッツト         牡 3 蛯名正義  54  1.47.1 35.4  3 476 (美)金成貴史
12 7 11  シセイヒテン       牡 3 伊藤工真  52  1.47.1 36.0 10 444 (美)宗像義忠
13 8 12  ロードライト       牝 3 嶋田純次  51  1.48.6 37.3 12 426 (美)手塚貴久
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LAP :12.2-10.4-11.6-12.1-12.4-12.3-11.9-11.6-11.6
通過:34.2-46.3-58.7-71.0  上り:71.9-59.8-47.4-35.1  平均:1F:11.79 / 3F:35.37
単勝   2 \410 
複勝   2 \180 / 6 \130 / 7 \440 
枠連   2-5 \680 (2) 
馬連   02-06 \830 (2) 
ワイド 02-06 \400 (2)/ 02-07 \1400 (20)/ 06-07 \1370 (19) 
馬単   02-06 \1650 (4) 
3連複 02-06-07 \5410 (19/286) 
3連単 02-06-07 \21500 (56/1716) 

メイショウテッコンは内枠からスタートを決めて4番手につけ、直線でメンバー3位タイの34.8秒で抜け出すと最後はフィエールマンの追撃を半馬身凌ぎ切ってレースを制した。勝ちタイムは1分46秒1。キボウノダイチが逃げて前半5F58.7秒。中盤にラップが3F12秒台に落ち、ラスト3Fが11.9−11.6−11.6秒で尻上がり。高速馬場で前に行った馬が有利な展開になった。メイショウテッコンは好位から抜け出す正攻法のレースで重賞初制覇。これで芝1800mは3戦3勝。小倉芝1800mの新馬戦を尻上がりラップで勝ち、前走白百合Sを1分45秒9の好タイムで圧勝したのはダテではなかった。芝2400mの梅花賞でエタリオウに勝ったように長い距離をこなすタイプ。今後はひと息入れて秋はトライアルから菊花賞を目指すことになりそうだ。

フィエールマンは後方からメンバー最速の34.4秒で大外から追い込んで半馬身差の2着。スタートはいつもほど遅くなかったが、後方からのレースになり、勝負どころでごちゃついて最後方に下がるロスがあった。前に行った馬に尻上がり持続ラップでまとめられる展開で4コーナー最後方は致命的だった。前2走は前半5F64.1秒、61.5秒のスローペースだったが、今回は58.7秒でこれまでとは違う流れで前走より走破タイムを1.9秒詰めている。まだ馬体に緩さがあり完成されていないが、相馬眼的に今後の活躍している馬が重賞で通用する能力があることを示した。2着に入り賞金を加算できたため、今後はひと息入れて秋はセントライト記念から菊花賞に向かうことになりそうだ。

キボウノダイチはハナを切って前半5F58.7秒で進み、メンバー9位の35.3秒でまとめて0.2秒差の3着。中盤に3Fラップを12秒台に落とし、まんまと粘り込んだ。前走500万条件を勝ったが、同じように500万条件を勝ったフィエールマン、グレンガリーより1キロ軽い53キロも良かったのだろう。これまで前半5F61秒以上の流れしか経験していなかったことを考えると速い流れでよく踏ん張っている。

イェッツトは中団から伸び切れず1.0秒差の11着。向こう正面で外に出して上がって行こうとしたが、反応が悪く直線での伸び切れなかった。高速馬場で外を回ったことが堪えたのか。前走プリンシパルSで1分58秒2でタイム差なしの3着に入っただけに本来はもっと走れる馬。8歳で本格化したカンパニー産駒。馬体が成長して芯が入ってくれば変わってくるのではないか。



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