函館スプリントS
2018/6/17 函館競馬場 芝1200m

レース展望

サマースプリントシリーズの第1戦。過去10年で1番人気は[3−2−0−5]で5連対。最近5年は[0−0−0−5]で連対なく不振。前走3着以内は[3−2−0−3]だが、4着以下は[0−0−0−2]で不振。2番人気は[2−1−1−6]で3連対、3番人気は[1−1−1−7]で2連対。6〜9番人気が4連対、10番人気以下が2連対。最近5年の馬連は90倍、273倍、195倍、170倍、30倍。人気薄の激走が多く、かなり波乱傾向が強い。

牡馬は[5−8−5−84]で13連対、牝馬は[5−2−5−31]で7連対。牡馬は2着が8回と多い。牝馬は前走3着以内に入った馬が3番人気以内なら[3−0−1−2]。6番人気以下で連対した6頭のうち4頭が牡馬。穴で6歳以上の牡馬に注意したい。6番人気以下の牝馬は[1−1−2−24]で3着以内に入った4頭のうち3頭が差し追い込み馬で前走10、10、11着に惨敗していた。前走惨敗して人気がない差し追い込みタイプの牝馬に注意。

ナックビーナスは芝1200m[4−4−2−4]、重賞では[0−2−2−3]でオーシャンS2着2回、高松宮記念とキーンランドCで3着がある。2走前のオーシャンSはスタートで躓いて位置取りが悪くなったが、メンバー6位の34.1秒で上がって頭差の2着に入った。これまで芝1200mで10番より外では[0−0−0−5]だったが、13番枠から連対し地力強化を示した。前走高松宮記念は6番手からメンバー10位の34.7秒で伸びて0.1秒差の3着。上がりは遅かったが、時計の掛かる馬場を味方になだれ込んだ。芝1200mで1番人気に支持されると[3−1−0−1]。人気に応えて重賞初制覇なるか。鞍上は三浦騎手。

ダイアナヘイローは昨年500万条件から4連勝で北九州記念を優勝。スプリンターズSは15着、今年初戦のシルクロードSは16着に終わったが、阪急杯を前半3F34.2秒で逃げてモズアスコット、レッドファルクスを完封し1分20秒1で優勝。モズアスコットは安田記念を制した。前走高松宮記念は前に行ったが直線で一杯になってシンガリの18着に終わった。芝1200mは[5−3−1−5]、武豊騎手では[5−2−1−2]。昨年の北九州記念を1分7秒5で勝ったように軽い馬場を得意にしているが、洋芝の函館がどう出るか。昨年の函館は高速馬場で函館スプリントSは1分6秒8のレコードだった。馬場設定がポイントになる。

昨年のスプリンターズS3着馬ワンスインナムーン、昨年の高松宮記念勝ち馬セイウンコウセイ、オーシャンS勝ち馬キングハート、昨年の函館スプリントS勝ち馬ジューヌエコール、昨年のキーンランドC勝ち馬エポワス、15年の函館スプリントS勝ち馬ティーハーフ、前走京王杯SC5着のラインスピリット、前走鞍馬S2着のライトフェアリー、昨年の阪急杯&スワンS2着馬ヒルノデイバローなど。

ワンスインナムーンは国内の芝1200mで右回りなら[3−0−1−0]。昨年のスプリンターズSでは前半3F33.9秒で逃げて最後までしぶとく粘って0.1秒差の3着に入った。ダイアナヘイローより1キロ軽い54キロで出走できる。

セイウンコウセイはシルクロードSで58キロを背負って2着に粘って復調気配を見せたが、高松宮記念は0.3秒差の6着に終わった。昨年の函館スプリントSは1番人気に支持され、前半3F32.2秒のハイペースに巻き込まれて4着。アドマイヤムーン産駒。少し渋った馬場が理想か。

キングハートはオーシャンSでナックビーナスを完封し重賞初制覇。昨年の函館スプリントSは中団から伸びて0.4秒差の2着に入った。前走高松宮記念10着は8枠17番が影響している。1分7秒台の決着に強いタイプ。今年も高速設定なら要注意か。

ヒルノデイバローは昨年のスワンSでサングレーザーに頭差の2着。3着レッツゴードンキに先着した。昨年のオパールSではソルヴェイグ(16年函館スプリントS勝ち馬)にクビ差の2着がある。前走阪急杯は出遅れて17着。四位騎手がスタートを決めて先行できれば。


レース回顧

2018年 6月17日(日) 1回函館2日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第25回函館スプリントS
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(特指)  芝 1200m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 1  1  セイウンコウセイ   牡 5 池添謙一  57  1.07.6 34.5  3 500 (美)上原博之
2 5  9  ヒルノデイバロー   牡 7 四位洋文  56  1.07.6 33.9 10 506 (栗)昆貢
3 4  7  ナックビーナス     牝 5 三浦皇成  54  1.07.7 34.3  1 522 (美)杉浦宏昭
4 7 14  アドマイヤゴッド   牡 6 岩田康誠  56  1.07.8 33.4 13 492 (栗)須貝尚介
5 3  5  タマモブリリアン   牝 5 古川吉洋  54  1.07.9 34.5 11 474 (栗)南井克巳
6 2  3  ラインスピリット   牡 7 森一馬    57  1.07.9 34.2  9 438 (栗)松永昌博
7 6 11  ユキノアイオロス   セ10 丸山元気  56  1.08.0 33.8 16 482 (美)石毛善彦
8 4  8  ワンスインナムーン 牝 5 石橋脩    54  1.08.0 34.8  2 452 (美)斎藤誠
9 1  2  ダイアナヘイロー   牝 5 武豊      55  1.08.1 34.3  4 472 (栗)大根田裕
10 5 10  ノットフォーマル   牝 6 勝浦正樹  54  1.08.1 34.3 14 466 (美)中野栄治
11 7 13  キングハート       牡 5 北村宏司  56  1.08.1 33.7  5 484 (美)星野忍
12 8 16  ノボバカラ         牡 6 武藤雅    57  1.08.3 33.4 15 502 (美)天間昭一
13 3  6  ティーハーフ       牡 8 国分優作  57  1.08.3 33.7  7 458 (栗)西浦勝一
14 2  4  ジューヌエコール   牝 4 北村友一  54  1.08.3 34.2  6 484 (栗)安田隆行
15 6 12  エポワス           セ10 蛯名正義  57  1.08.5 34.3 12 474 (美)藤沢和雄
16 8 15  ライトフェアリー   牝 6 柴山雄一  54  1.08.8 35.4  8 486 (美)石毛善彦
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LAP :11.8-10.4-10.9-11.3-11.3-11.9
通過:33.1-44.4-55.7-67.6  上り:67.6-55.8-45.4-34.5  平均:1F:11.27 / 3F:33.80
単勝   1 \590 
複勝   1 \230 / 9 \610 / 7 \160 
枠連   1-5 \4170 (16) 
馬連   01-09 \10410 (39) 
ワイド 01-09 \3180 (41)/ 01-07 \580 (2)/ 07-09 \1740 (20) 
馬単   01-09 \16560 (65) 
3連複 01-07-09 \11690 (35/560) 
3連単 01-09-07 \81900 (274/3360) 

セイウンコウセイは1枠1番スタートから押してハナを切って前半3F33.1秒で進み、メンバー13位タイの34.5秒でまとめてレースを制した。勝ちタイムは1分7秒6。開幕週の高速馬場を考慮すると前半3F33.1秒は速くなく、前に行った馬が有利な展開だった。セイウンコウセイは昨年の高松宮記念勝ち馬。近走勝ち切れないレースが続いていたが、ハナを切ってマイペースで進めて逃げ切った。芝ダート問わず、逃げたときは[4−3−0−0]で連対率100%。スタートはワンスインナムーンの方が早かったが、池添騎手が押してハナを切ったことが良かったのだろう。1番人気に支持された昨年の函館スプリントSは前半3F32.2秒のハイペースに巻き込まれて4着に終わったが、今年はマイペースで進めて昨年の雪辱を果たした。前日のHTB賞(1000万)は前半3F32.8秒で勝ちタイムは1分7秒8。レースレベルは高くないが、あらためて逃げればしぶといことを示した。今後はひと息入れてスプリンターズSに向かう予定。

ヒルノデイバローは5、6番手につけ、メンバー6位の33.9秒で伸びてハナ差の2着。直線で内がごちゃついて脚を余した馬が多かったが、ヒルノデイバローは自分のスペースを確保して目一杯追うことができた。函館スプリントSは阪神芝1400mで実績のある馬が激走する傾向があるが、ヒルノデイバローは昨年の阪急杯で2着があった。昨年のスワンSでは3着レッツゴードンキ(高松宮記念2着)に先着し、オパールSではソルヴェイグ(16年函館スプリントS勝ち馬)の2着に入っている。芝1200mで先行したときは[0−2−0−0]で1分7秒台で走り、上がりは1位の33.9秒、3位の32.8秒。前2走10、17着で10番人気の低評価だったが、激走する下地が十分にあり、穴で狙って正解だった。芝ダート問わず、北海道では[2−2−0−1]。次走はキーンランドCに向かう予定。昨年のUHB賞(札幌)では1分7秒7で走ってクビ差の2着。メンバー次第で重賞初制覇のチャンスがありそうだ。

ナックビーナスは3番手からメンバー9位タイの34.3秒で伸びてハナ+クビ差の3着。3番手から早めに動いて勝ちに行ったが、逃げたセイウンコウセイを交わせず、最後にヒルノデイバローに交わされた。高松宮記念以来のレースだったが、大きな不利はなく自分の力は出している。1分7秒台の決着を1度しか経験しておらず、高速馬場が影響した感もある。G1の高松宮記念3着馬(55キロ)がG3で54キロを背負って3着。これが今のスプリントG1のレベルなのだろう。次走はキーンランドCに向かう予定。

アドマイヤゴッドは後方からメンバー最速の33.4秒で追い込んで0.2秒差の4着。前に行った馬が有利な馬場&展開で大外から鋭く伸びてきた。函館芝1200mは[1−1−0−2]で昨年の函館日刊スポーツ杯(1600万)を好位から抜け出して勝った馬。もう少し前がやり合って流れが速くなれば、馬券圏内があったかもしれない。北海道の洋芝が合うタイプ。北海道のOP特別に出走したら要注意。

ダイアナヘイローは出遅れた後に中団に押し上げたが、直線で前が壁になってほとんど追えず0.5秒差の9着。今年の阪急杯勝ち馬(阪神芝1400m)で函館芝1200mをこなす下地はあったが、出遅れて流れに乗れず、直線でもまともに追えなかった。今年3月以降の重賞で武豊騎手は[0−3−4−13]、5月以降は[0−1−0−8]で不振が続いている。



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