エプソムC
2018/6/10 東京競馬場 芝1800m

レース展望

過去10年で1番人気は[4−4−0−2]で8連対。前走G2以上は[4−1−0−0]、G3は[0−0−0−2]、OP特別は[0−2−0−0]、1600万条件は[0−1−0−0]。前走G3に出走した馬は連対なく不振。2番人気は[3−1−1−5]で4連対、3番人気は[0−3−1−6]で3連対。連対馬19頭が5番人気以内、残る1頭は6番人気。最近5年の馬連は21倍、23倍、3倍、7倍、16倍。人気馬が堅実で荒れても20倍台までに収まっている。

6番人気以下は[0−1−7−112]で1連対のみ。3着に人気薄が来ることが多い。3連単は3着に人気薄を絡めて高配当を狙うのが妙味。年齢別では4歳[7−6−2−21]、5歳[2−2−1−38]、6歳[1−2−3−36]、7歳以上[0−0−4−44]で4歳馬が13連対と多い。勝ち馬9頭が4、5歳馬。人気の4、5歳馬が勝つことが多い。7歳以上の高齢馬は8、9、12、15番人気が3着に入っている。3連単の3着には人気薄7、8歳馬を絡めたい。

ダイワキャグニーは東京芝[5−0−1−2]、東京芝1800m[3−0−0−1]で唯一負けたのは毎日王冠4着。毎日王冠は北村宏騎手が藤沢和厩舎のソウルスターリングを可愛がり過ぎて仕掛けが遅れたことが影響している。前走メイSは中団からメンバー2位タイの34.1秒で差し切って1分45秒6で優勝。前半5F58.5秒の速い流れでいつもより位置取りが後ろになったが、直線で切れる脚を使って差し切った。今回は別定戦で前走より1キロ減の56キロで出走できる。今年の東京芝重賞で横山典騎手は[0−0−1−8]だが、今年の東京芝1800mで1番人気なら[3−0−0−0]、3番人気以内なら[4−0−1−0]。

サトノアーサーは[3−3−2−2]、G2以下では[3−3−2−0]で3着以内を確保。芝1800mは[1−2−1−0]で休み明けを除くと[1−2−0−0]できさらぎ賞と毎日杯で2着がある。前走メイSは大外からメンバー2位タイの34.1秒で追い込んだが、ダイワキャグニーを捕まえられず、最後にストーウェアに切れ負けして0.2秒差の3着。ボウマン騎手は「距離が長いのかもしれない。マイルの方がいい」とコメント。ただし休み明けで長距離輸送をして馬体が10キロ減っていた影響を考慮しておきたい。過去10年のエプソムCで池江厩舎は[1−3−0−3]、1番人気なら[1−3−0−0]。鞍上はテン乗りの戸崎騎手。

2連勝でオープン入りしたサーブルオール、前走2年ぶりのレースを勝ったグリュイエール、16年のダービー以来2年ぶりのレースとなるスマートオーディン、前走都大路S2着のエアアンセム、前走新潟大賞典5着のトーセンマタコイヤ、同8着のハクサンルドルフ、前走メイS4着のバーディーイーグル、同7着のブラックスピネル、前走AJCC3着のマイネルミラノなど。サーブルオールはルメール騎手では[4−0−1−1]で長期休み明けを除き3着以内を確保。東京芝1800mは[1−0−1−0]で1000万条件を1分46秒9で勝っている。昇級戦になるが、自在性があり切れる脚を使える。今週もルメール騎手が持ってくるか。

グリュイエールは前走府中Sを3番手から抜け出して1分58秒8で優勝。2年ぶりを感じさせないレースぶりだった。重賞では[0−0−0−5]、芝1800mは[0−0−0−4]で馬券圏内がない。条件は厳しいが、今年絶好調の藤原英厩舎だけに侮れない。福永騎手とは[2−1−0−0]で好相性。スマートオーディンは池江厩舎に転厩。東京芝1800mでは東スポ杯2歳Sを勝っている。2年ぶりのレースでどこまで仕上がってくるか。武豊騎手が騎乗する。エアアンセムは前走都大路Sで1分44秒9で走って0.3秒差の2着。勝ったサンマルティンが強過ぎた。7歳馬が3年8ヶ月ぶりの重賞挑戦となる。鞍上は前走騎乗した藤岡佑騎手。

ハクサンルドルフはOP以上[0−0−0−6]だが、6戦のうち5戦が上がり1、2位。前4走の上がりは2、2、1、1位で勝ち馬とは0.3〜0.6秒差。差しが決まりやすい馬場、展開になるか、馬場が渋ってタフなレースになれば。バーディーイーグルは前走メイSで3着サトノアーサーにハナ差の4着。今回は3キロ増の56キロでサトノアーサーとは4キロ差が同斤になる。東京芝1800mは[1−0−0−4]で昨年のエプソムCではメンバー最速の33.9秒で追い込んで0.3秒差の5着まで追い上げた。先週の日曜は9歳のキングクリチャンが由比ヶ浜特別、8歳のサイモンラムセスがグリーンSを優勝。今週も高齢馬に要注意か。


レース回顧

2018年 6月10日(日) 3回東京4日  天候: 雨   馬場状態: 重 
11R  第35回エプソムカップ
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(特指)  芝 1800m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 8 16  サトノアーサー     牡 4 戸崎圭太  56  1.47.4 35.2  2 480 (栗)池江泰寿
2 3  6  ハクサンルドルフ   牡 5 川田将雅  56  1.47.5 34.7  4 464 (栗)西園正都
3 3  5  グリュイエール     牡 6 福永祐一  56  1.47.6 35.1  5 486 (栗)藤原英昭
4 4  8  サーブルオール     牡 5 ルメール  56  1.47.7 35.2  3 488 (美)萩原清
5 2  3  エアアンセム       牡 7 藤岡佑介  56  1.48.1 35.2  8 506 (栗)吉村圭司
6 1  2  ベルキャニオン     牡 7 石橋脩    56  1.48.1 36.3  9 500 (美)堀宣行
7 8 15  ゴールドサーベラス 牡 6 大野拓弥  56  1.48.2 35.3 15 448 (美)清水英克
8 7 14  バーディーイーグル 牡 8 三浦皇成  56  1.48.2 35.5 12 494 (美)国枝栄
9 4  7  マイネルフロスト   牡 7 柴田大知  56  1.48.3 36.7 13 496 (美)高木登
10 1  1  ブラックスピネル   牡 5 石川裕紀  56  1.48.7 36.5 11 510 (栗)音無秀孝
11 6 12  マイネルミラノ     牡 8 丹内祐次  58  1.49.2 37.5 14 492 (美)相沢郁
12 5  9  スマートオーディン 牡 5 武豊      56  1.49.2 37.7  6 494 (栗)池江泰寿
13 2  4  トーセンマタコイヤ 牡 7 柴田善臣  56  1.49.3 36.6 10 478 (美)加藤征弘
14 5 10  ダイワキャグニー   牡 4 横山典弘  56  1.49.4 36.7  1 500 (美)菊沢隆徳
15 7 13  アデイインザライフ 牡 7 北村宏司  56  1.50.3 37.2  7 550 (美)萩原清
16 6 11  シャイニープリンス 牡 8 勝浦正樹  56  1.52.8 40.7 16 490 (美)栗田博憲
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LAP :12.8-11.1-11.5-12.3-11.9-11.9-11.6-11.8-12.5
通過:35.4-47.7-59.6-71.5  上り:72.0-59.7-47.8-35.9  平均:1F:11.93 / 3F:35.80
単勝   16 \560 
複勝   16 \200 / 6 \240 / 5 \250 
枠連   3-8 \1030 (4) 
馬連   06-16 \2240 (8) 
ワイド 06-16 \870 (8)/ 05-16 \850 (7)/ 05-06 \1250 (13) 
馬単   16-06 \3830 (13) 
3連複 05-06-16 \6380 (17/560) 
3連単 16-06-05 \28020 (73/3360) 

サトノアーサーは大外枠から6番手につけ、メンバー3位タイの35.2秒で差し切ってレースを制した。重馬場で勝ちタイムは1分47秒4。スマートオーディンが逃げて前半5F59.8秒。雨で馬場が悪化しタフなレースになり、ラスト3Fは11.6−11.8−12.5秒。ラスト1Fのラップが落ち、差し追い込み馬が上位を独占。サトノアーサーは外を回って好位から抜け出す正攻法のレースで重賞初制覇。道悪は得意ではなく不良馬場の菊花賞で惨敗したが、稍重&重では[2−1−0−0]で極端に悪化しなければこなせるタイプ。馬場が良く極端に悪くない東京で地力を発揮した。これで池江厩舎は08年以降のエプソムCで[2−3−0−3]、2番人気以内なら[2−3−0−0]で連対率100%。前週に鳴尾記念を4連覇したように池江厩舎はこの時期の重賞に強い。サトノアーサーは重賞を勝って賞金を加算できたのは今後に向けて大きい。秋は毎日王冠から天皇賞(秋)を目指すことになりそうだ。

ハクサンルドルフは後方からメンバー最速の34.7秒で最後に突っ込んで半馬身差の2着。昨年不良馬場の甲斐路S(東京芝1800m)を勝った道悪巧者。長期休養明けのスマートオーディンが掛かって飛ばしたことで上がりが掛かる展開になり、かつ予報よりも雨が降って馬場が重に悪化したことで最後に突っ込んできた。これで稍重以上では[2−2−0−1]、直線に坂のあるコースでは[2−2−0−0]で上がりは全てメンバー最速。アドマイヤムーン産駒は道悪が得意な馬が多い。良馬場でも展開が味方すればやれるが、坂のあるコースで馬場が渋ったときは特に注意したい。

グリュイエールは中団からメンバー2位の35.1秒で伸びて0.2秒差の3着。直線で内にモタれ、福永騎手が左鞭で立て直しながら追ったが、そのぶん伸び切れなかった。最後までバテていないだけにもう一列前で進められれば、2着と際どかったかもしれない。前走2年ぶりのレースを勝ってオープン入りし、これまで結果が出てない重賞で3着。絶対能力が高いことを示した。6歳馬だが、まだ14戦しかしていない。大事に使う藤原英厩舎。どこかで重賞制覇のチャンスがありそうだ。

サーブルオールは後方から徐々に進出し、メンバー3位タイの35.2秒で上がって0.3秒差の4着。直線で内に切れ込んで一瞬見せ場を作ったが、重馬場が影響したのか、最後に一杯になった。それでも昇級戦で0.3秒差の4着なら今後のメドは立った。ルメール騎手はすぐに重賞を勝てるとコメントしている。洋芝をこなすタイプ。ハンデG3の函館記念に出走したら注意したい。

エアアンセムは中団につけたが、外から来られて位置取りが悪くなり、メンバー3位タイの35.2秒で伸びて0.7秒差の5着。好位から抜け出すタイプだが、1番人気のダイワキャグニー(道悪が影響して14着)をマークしたため、位置取りが悪くなった模様。それほど切れる脚を使えるタイプではないだけに重馬場で後方からでは厳しかった。



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