鳴尾記念
2018/6/2 阪神競馬場 芝2000m

レース展望

12年に6月に移動し距離が2000mに変更された。過去6年で1番人気は[1−2−0−3]で3連対。差し馬は[1−2−0−0]だが、先行馬は[0−0−0−3]で不振。2番人気は[2−1−0−3]で3連対、3番人気は[2−0−1−3]で2連対。6〜9番人気が4連対。10番人気以下は[0−0−2−17]で3着止まり。過去6年の馬連は5倍、170倍、35倍、70倍、6倍、8倍で堅いか波乱両極端。

前走1着は[0−1−0−3]、2〜5着は[0−2−0−14]で計3連対のみ。前走6〜9着は[3−0−3−12]で3連対、10着以下は[3−3−2−25]で6連対。前走重賞で惨敗した馬が巻き返すのがパターン。前走重賞なら着順は問われない。6番人気以下で連対した4頭のうち2頭に重賞勝ち、2頭に重賞2着があった。前走負けて人気を落とした中距離重賞実績馬が激走するのがパターン。穴でこのタイプに注意。

トリオンフは条件戦から3連勝で小倉大賞典を優勝。大阪杯は出遅れて後方から捲ったが、直線で伸び切れず1.0秒の8着。前走新潟大賞典は好位の外から伸び切れず0.2秒差の4着。前半5F62.3秒の超スローペースで上がりはメンバー4位タイの33.0秒。切れより地力タイプで流れた方が持ち味を生かせるのだろう。前走はハンデ戦で57キロだったが、今回は1キロ減の56キロで出走できる。マルターズアポジーがいるだけにある程度流れるか。芝2000mは[2−0−0−2]。テン乗りのルメール騎手に乗り替わる。

トリコロールブルーは重賞で3戦してスプリングS5着(3人)、青葉賞7着(2人)、菊花賞15着(8人)。シルクレーシングで4500万円で募集されたステイゴールド産駒で人気になりやすいタイプ。今年は飛鳥S、大阪城Sを中団からメンバー最速の34.2秒、33.3秒で差し切って2連勝。前走大阪城SはOP特別の番人グァンチャーレとの叩き合いをクビ差で制した。勝ちタイムは1分45秒3で高速決着に対応できた。岩田騎手はこの内容なら重賞でもやれるとコメント。芝2000mは[3−1−0−0]で連対率100%。

金鯱賞3着馬サトノノブレス、中山記念3着馬マルターズアポジー、都大路Sをひと叩きされたストロングタイタン、昨年のサマー2000シリーズ優勝のタツゴウゲキ、新潟大賞典3着馬ナスノセイカン、中山金杯3着馬ストレンジクォークなど。サトノノブレスは芝2000m[3−3−3−4]で小倉記念、中日新聞杯、鳴尾記念(1分57秒6レコード)を優勝。2走前の金鯱賞はスローペースで逃げてスワーヴリチャードに半馬身差の2着に粘った。芝2000mのG2以下では[3−3−3−1]、G3以下では[3−1−1−0]。

ストロングタイタンは芝2000m[3−3−0−3]で重賞では中山金杯9着(1人)、小倉記念8着(1人)。芝2000mのOP特別では[0−2−0−1]。重賞では不振が続いているが、Mデムーロ騎手でどこまで変わるか。マルターズアポジーは福島記念、小倉大賞典、関屋記念を優勝。芝2000mは[3−0−0−6]で勝つか負けるか両極端。デビューから全てハナを切っている馬。開幕週の馬場を味方に粘り込むか。過去6年の鳴尾記念で武豊騎手は[2−0−0−3]でトウケイヘイロー、ステイインシアトルで逃げ切っている。

タツゴウゲキは芝2000m[5−1−0−4]で阪神では[1−0−0−1]。鮫島厩舎は暑くなると調子を上げる馬が多い。休み明けでどこまで仕上がってくるか。ナスノセイカンは前走新潟記念で3番手から0.2秒差の3着に粘った。芝2000mは[3−1−1−7]。左回りは[4−1−1−12]、右回りは[1−0−0−7]で右回りがカギ。ストレンジクォークは芝2000m[4−3−2−2]で16年以降は[2−3−1−0]。小島太厩舎から古賀慎厩舎に転厩。過去6年で関東馬は[0−0−1−5]で3着止まり。


レース回顧

2018年 6月 2日(土) 3回阪神1日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第71回鳴尾記念
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(特指)  芝 2000m・内   11頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 7  8 $ストロングタイタン 牡 5 M.デム  56  1.57.2 34.8  4 520 (栗)池江泰寿
2 2  2  トリオンフ         セ 4 ルメール  56  1.57.3 34.8  1 530 (栗)須貝尚介
3 5  5  トリコロールブルー 牡 4 岩田康誠  56  1.57.7 35.0  2 492 (栗)友道康夫
4 6  6  マルターズアポジー 牡 6 武豊      56  1.57.9 36.0  3 532 (美)堀井雅広
5 8 11  サトノノブレス     牡 8 川田将雅  56  1.57.9 35.7  6 514 (栗)池江泰寿
6 3  3  モンドインテロ     牡 6 石川裕紀  56  1.58.3 35.4  9 480 (美)手塚貴久
7 6  7  ナスノセイカン     牡 6 丸山元気  56  1.58.3 35.1  8 476 (美)矢野英一
8 1  1  ヤマカツライデン   牡 6 松山弘平  56  1.58.5 36.4  7 540 (栗)池添兼雄
9 4  4  テイエムイナズマ   牡 8 古川吉洋  56  1.58.6 35.8 11 514 (栗)武英智
10 7  9  タツゴウゲキ       牡 6 秋山真一  56  1.58.9 36.3  5 490 (栗)鮫島一歩
11 8 10  ストレンジクォーク 牡 6 浜中俊    56  1.59.2 37.0 10 496 (美)古賀慎明
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LAP :12.1-10.5-11.6-12.0-12.0-11.9-11.8-11.7-11.6-12.0
通過:34.2-46.2-58.2-70.1  上り:71.0-59.0-47.1-35.3  平均:1F:11.72 / 3F:35.16
単勝   8 \590 
複勝   8 \150 / 2 \110 / 5 \120 
枠連   2-7 \640 (2) 
馬連   02-08 \860 (2) 
ワイド 02-08 \330 (2)/ 05-08 \380 (4)/ 02-05 \200 (1) 
馬単   08-02 \2040 (7) 
3連複 02-05-08 \890 (1/165) 
3連単 08-02-05 \5690 (8/990) 

ストロングタイタンは内ラチ沿いの5番手につけ、直線で最内からメンバー最速タイの34.8秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイム1分57秒2はレコード。マルターズアポジーが逃げて前半5F58.2秒の速い流れ。後半5Fは59.0秒。速い流れでタフなレースになったが、差し追い込み馬は突っ込めず、好位につけた2頭で決着。勝ったストロングタイタンは7枠8番スタートからMデムーロ騎手が内に入れてロスなく進めたことが大きかった。勝負どころでストロングタイタンは内ラチ沿いをロスなく回って追い出しを我慢できたが、2着トリオンフは外を回って早めに仕掛けた。そのあたりで半馬身先着できたのだろう。これまで重賞では9、5、8着で通用していなかったが、最終調教ではこれまで見せたことがない絶好の動きだった。前走都大路Sは9着に終わったが、馬体14キロ増でパドックでモッサリ映ったように叩き台だったのだろう。これで池江厩舎は4年連続で鳴尾記念を優勝。今回の走りを見る限り、阪神のコース形態は合っている。池江厩舎の管理馬は他厩舎とは違う手法があるのか一気にパフォーマンスを引き上げる馬が多い。次走は宝塚記念に向かう予定。

トリオンフは5番手から外を回ってメンバー最速タイの34.8秒で伸びて0.1秒差の2着。直線で抜け出しかけたが、最内からストロングタイタンに交わされた。勝負どころで内をロスなく回って勝ったストロングタイタンと同じ上がりを繰り出しており勝ちに等しい内容。前走新潟大賞典はスローの上がり勝負で切れ負けしたが、今回は速い流れになり、あらためて地力があることを示した。今後は宝塚記念には使わず、武豊騎手で小倉記念に向かう予定。

トリコロールブルーは中団の後ろからメンバー3位の35.0秒で伸びて0.5秒差の3着。勝負どころでトリオンフの後ろから上がってきたが、直線では伸び切れなかった。これまで重賞では5、7、15着に終わっていた馬が初めて馬券圏内を確保。昨年夏の札幌で行われた日高特別を2分3秒4で勝ったようにもっと時計が掛かった方がいいタイプなのだろう。その点で巻き返す余地はある。今後はサマー2000シリーズを使っていくことになりそうだ。

マルターズアポジーはハナを切って前半5F58.2秒で飛ばし、上がりをメンバー8位の36.0秒でまとめて0.7秒差の4着。16年2月以来2度目の騎乗だったこともあるが、武豊騎手が前半から気分良く飛ばし過ぎたことで最後に脚色が鈍った。1800m通過は1分45秒2。やはり[3−1−3−1]の芝1800mがベストなのだろう。



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