オークス
2018/5/20 東京競馬場 芝2400m

レース展望

過去10年で1番人気は[4−2−1−3]で6連対。単勝1、2倍台なら[3−2−0−1]で連対率83.3%。桜花賞馬が1番人気なら[2−1−0−1]で連対率75%。2番人気は[1−3−2−4]で4連対、3番人気は[2−0−1−7]で2連対。6〜9番人気は4連対、10番人気以下は1連対。最近5年の馬連は138倍、3倍、11倍、4倍、22倍。最近4年は1番人気が連対して20倍台までに収まっている。

連対馬20頭のうち17頭が前走3着以内。残る3頭は前走桜花賞8、9、10着。前走桜花賞なら巻き返し可能。最近は前走好走した馬が活躍している。前走桜花賞とフローラSで3着以内に入った馬と忘れな草賞勝ち馬に注目。6番人気以下で連対した5頭のうち4頭に前2走以内に重賞3着以内があった。5頭の前走は桜花賞2、10着、フローラS1、3着、忘れな草賞1着。前走好走がフロック視されて人気がない馬に注意。

アーモンドアイは[3−1−0−0]で未勝利、シンザン記念、桜花賞を3連勝。シンザン記念は出遅れて後方からメンバー最速の34.4秒で大外から差し切って快勝。レースのラスト3Fは12.1−11.7−11.5秒で尻上がりだった。前走桜花賞は後方2番手からメンバー最速の33.2秒で大外から差し切って快勝。勝ちタイム1分33秒1は桜花賞レコード。強烈な末脚で1番人気のラッキーライラックを相手にしなかった。JRA発表のレーティング115は過去14年でトップ。ブエナビスタ、ハープスターを上回った。

アパパネで牝馬3冠を制した国枝厩舎の管理馬。父はロードカナロア、母はエリザベス女王杯勝ち馬フサイチパンドラ(オークス2着)。過去10年で前走桜花賞勝ち馬は[3−1−1−4]、桜花賞を最速上がりで勝った馬は[2−1−0−0]でブエナビスタとジェンティルドンナが勝ち、ハープスターが2着。東京では芝1600mの新馬戦で中団からメンバー最速の33.5秒で差し切って3馬身差で圧勝している。距離2400mと展開がカギになるが、桜花賞では上がりが2位を1.0秒上回っている。届く位置で進めればあっさりか。超スローペースで後方、直線で手前を替え過ぎて伸び切れないようなことがなければ。

ラッキーライラックは[4−1−0−0]でアルテミスS、阪神JF、チューリップ賞をメンバー最速上がりで3連勝。前走桜花賞は3番手からメンバー8位の34.5秒で抜け出したが、アーモンドアイに差されて0.3秒差の2着。過去10年の桜花賞で1枠は[0−0−1−19]。ラッキーライラックは乗り難しい1枠1番だった。チューリップ賞、桜花賞の前半5Fは59.5秒、58.7秒、上がりは33.3秒、34.5秒。流れが緩めば高速ラップでまとめられる。緩い流れで前につけて高速ラップでまとめられれば、アーモンドアイを完封してもおかしくない。差し馬向きの展開になったときに石橋脩騎手がどう乗るか。

サトノワルキューレは[3−0−1−1]で前走フローラSを最後方からメンバー最速の33.4秒で差し切って1分59秒5で優勝。一頭だけ次元の違うレースぶりで能力の違いを証明した。レースのラスト4Fは11.9−11.5−11.3−11.7秒。2走前のゆきやなぎ賞でもラスト4Fを11秒台でまとめたようにディープインパクト産駒で高速ラップの持続力が優れている。3戦連続で馬体が減っているため、2戦連続の長距離輸送をこなして馬体を維持できるかがポイント。芝2400mで2戦しているのは強み。角居厩舎はカンタービレ、ランドネも出走させており3頭出しになる。

桜花賞3着馬リリーノーブル、同4着馬トーセンブレス、同5着馬マウレア、フローラS2着馬パイオニアバイオ、フラワーC勝ち馬カンタービレ、忘れな草賞勝ち馬オールフォーラヴ、スイートピーS勝ち馬ランドネ、2戦2勝のロサグラウカなど。過去10年のオークスで6〜9番人気は[2−2−3−25]で4連対、10番人気以下は[0−1−0−87]で1連対。今年はアーモンドアイ、ラッキーライラック、サトノワルキューレの3頭がかなり強力でガチガチの決着もありえる。全馬が経験のない東京芝2400mでアーモンドアイ、サトノワルキューレは追い込みタイプ。荒れるとすればそのあたりか。


レース回顧

2018年 5月20日(日) 2回東京10日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第79回優駿牝馬
3歳・オープン・G1(定量) (牝)(国際)(指定)  芝 2400m   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 7 13  アーモンドアイ     牝 3 ルメール  55  2.23.8 33.2  1 466 (美)国枝栄
2 1  1  リリーノーブル     牝 3 川田将雅  55  2.24.1 33.9  4 496 (栗)藤岡健一
3 1  2  ラッキーライラック 牝 3 石橋脩    55  2.24.4 33.9  2 492 (栗)松永幹夫
4 5 10  レッドサクヤ       牝 3 福永祐一  55  2.24.7 33.9 11 466 (栗)藤原英昭
5 2  3  マウレア           牝 3 武豊      55  2.24.8 34.0  6 438 (美)手塚貴久
6 4  8  サトノワルキューレ 牝 3 M.デム  55  2.25.1 34.3  3 452 (栗)角居勝彦
7 6 11  パイオニアバイオ   牝 3 北村宏司  55  2.25.1 34.1  9 428 (美)牧光二
8 7 15  ウスベニノキミ     牝 3 三浦皇成  55  2.25.2 34.2 12 436 (栗)鈴木孝志
9 3  6  オールフォーラヴ   牝 3 和田竜二  55  2.25.4 34.4  5 444 (栗)中内田充
10 8 17  ロサグラウカ       牝 3 戸崎圭太  55  2.25.5 34.2  8 442 (美)尾関知人
11 7 14 $ランドネ           牝 3 内田博幸  55  2.25.7 36.1 10 506 (栗)角居勝彦
12 5  9  シスターフラッグ   牝 3 岩田康誠  55  2.25.9 34.7 16 482 (栗)西村真幸
13 3  5  カンタービレ       牝 3 田辺裕信  55  2.25.9 35.5  7 438 (栗)角居勝彦
14 4  7  トーホウアルテミス 牝 3 松若風馬  55  2.26.1 34.6 13 472 (栗)谷潔
15 8 16  ウインラナキラ     牝 3 大野拓弥  55  2.26.3 34.7 17 402 (栗)宮徹
16 6 12  サヤカチャン       牝 3 松岡正海  55  2.26.5 37.6 14 454 (栗)田所秀孝
17 8 18  オハナ             牝 3 藤岡康太  55  2.26.7 34.8 15 414 (美)堀宣行
消 2  4  トーセンブレス     牝 3 柴田善臣  55  ------ ---- -- --- (美)加藤征弘
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LAP :12.6-11.1-12.0-11.9-12.0-12.2-12.4-12.3-12.4-12.2-11.1-11.6
通過:35.7-47.6-59.6-71.8  上り:72.0-59.6-47.3-34.9  平均:1F:11.98 / 3F:35.95
単勝   13 \170 
複勝   13 \110 / 1 \200 / 2 \120 
枠連   1-7 \260 (1) 
馬連   01-13 \1190 (4) 
ワイド 01-13 \370 (4)/ 02-13 \160 (1)/ 01-02 \390 (5) 
馬単   13-01 \1410 (4) 
3連複 01-02-13 \750 (2/680) 
3連単 13-01-02 \3360 (5/4080) 

アーモンドアイはスタートを決めて6番手につけ、直線で外からメンバー最速の33.2秒で抜け出して2馬身差で圧勝。勝ちタイムは2分23秒8。サヤカチャンが逃げて前半5F59.6秒。2番手以下は離れており、高速馬場を考えると実質は上がり勝負。アーモンドアイはシンザン記念、チューリップ賞で直線一気を決めたが、今回は好位から抜け出す正攻法のレースで快勝。上がりは2位を0.7秒上回る33.2秒。距離が延びても桜花賞と同じ上がりを繰り出した。能力が高く、末脚が切れる馬に好位につけられては、他の馬はお手上げか。こういうレースができれば、京都内回りの秋華賞でも問題ない。牝馬3冠を達成した同厩のアパパネも強かったが、アーモンドアイはアパパネを超え、スーパーホースになる可能性がある。未勝利戦を勝った後に桜花賞、オークスで活躍できるとみて相馬眼ニュースで取り上げた馬が2冠制覇。秋華賞での3冠達成はもちろん、ジャパンCでも勝ち負けできるのではないか。

リリーノーブルは1枠1番から3番手につけ、メンバー2位タイの33.9秒で上がって0.3秒差の2着。阪神JF、チューリップ賞、桜花賞で先着を許したラッキーライラックに初めて先着した。実質上がり勝負になっただけに川田騎手が3番手につけてロスなく回ってきたことが大きかった。3着ラッキーライラックは直線で少しスムーズさを欠いたが、リリーノーブルは全くロスがなかった。最終調教では馬体がマッチョ化していたが、当日のパドックではそこまでマッチョ化していなかった。輸送で絞れた面もあるのだろう。これで[2−2−2−0]で3着以内を確保。勝ち切れないが、着実にパフォーマンスを引き上げている。

ラッキーライラックは1枠2番から4、5番手につけ、メンバー2位タイの3.9秒で上がって0.6秒差の3着。桜花賞ではアーモンドアイに0.3秒差だったが、今回は0.6秒差をつけられ、これまで先着を許していなかったリリーノーブルに先着された。直線で少しスムーズさを欠いたが、アーモンドアイとは能力、末脚に差があることが明らかになった。2歳時のアルテミスSで2着サヤカチャンとは0.1秒差。東京だと末脚の持続力がギリギリなのではないか。ある程度距離をこなす万能タイプ。秋華賞では立ち回りの上手さを生かして逆襲を狙うことになる。オルフェーヴル産駒の成長力にも注目したい。

サトノワルキューレは中団から早めに動いたが、直線で伸び切れず1.3秒差の6着。上がりはメンバー9位の34.3秒。前走フローラSではメンバー最速の33.4秒で大外一気を決めたが、中団から早めに動いたこともあり、33秒台の末脚を繰り出せなかった。桜花賞1、2、3着馬がオークスで1、3、2着。桜花賞組と別路線では大きな能力差があることが明らかになった。

パイオニアバイオは中団の後ろからメンバー7位の34.1秒で伸びて1、3秒差の7着。6着サトノワルキューレとはクビ差。フローラSでは先行してしぶとく粘ったが、今回は位置取りが悪くなり持ち味を発揮できなかった。直線では最後までしぶとく伸びておりスタミナを感じさせた。もう少し前につけられれば、掲示板があったのではないか。母系にレインボーアンバー。この一族は心肺機能が高くスタミナがある。長い距離に使ってきたときは注意したい。大波乱を演出する可能性がある。



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