平安S
2018/5/19 京都競馬場 ダ1900m

レース展望

13年から東海Sと入れ替わって5月に移動し、距離が1900mに変更された。過去5年で1番人気は[3−0−0−2]で3連対。58キロ以上は[2−0−0−0]、57キロは[0−0−0−2]。関西馬は[3−0−0−1]で勝率75%。2番人気は[0−0−0−5]で連対なし、3番人気は[0−2−0−3]で2連対。6番人気以下が4連対。馬連は19倍、504倍、18倍、8倍、24倍。14年に12−7番人気で大波乱になったが、それを除くと20倍台までに収まっている。

過去5年の連対馬の脚質は、逃げ2先行4、差し3追込1で逃げ先行馬が計6連対。京都ダ1900mは流れが緩んで前が残りやすい。過去5年の勝ち馬は4コーナー3番手以内につけていた。重賞実績のある逃げ先行馬を重視。6番人気以下で連対した4頭のうち3頭が10番手以下からの追い込みだった。昨年は1番人気のグレイトパールが捲って勝負を決めた後に6番人気のクリソライトが最後方から2着に突っ込んでいる。実力馬が前を一掃すると最後に追い込み馬が突っ込んでくることが多い。

グレイトパールはダートを使って500万、1000万、1600万、仁川S、平安S、アンタレスSを6連勝。上がりは1、2、1、2、5、1位。昨年の平安Sは中団から捲って直線で後続を突き放し4馬身差で圧勝。重賞初挑戦でG1級のパフォーマンスを発揮した。前走アンタレスSは骨折で長期休養明けだったが、中団から早めに捲ってメンバー最速タイの37.1秒で抜け出して1分48秒9(不良)で快勝。万全の状態ではなかったが、力の違いを見せつけた。京都ダ1900mは4戦4勝の得意コース。前走休み明けで激走した反動がないことが条件。最終調教の動き、気配に注目したい。

テイエムジンソク昨年5月に古川騎手に乗り替わってから[5−2−0−1]でみやこSと東海Sを勝ち、チャンピオンズCではゴールドドリームにクビ差の2着に入った。前走フェブラリーSは3番手につけたが、直線で一杯になって12着。初のダ1600mで前半5F58.3秒の速い流れになり、道中息が入らなかったか。京都ダ1900mは[0−1−1−1]、京都ダ1800mは[5−2−0−3]でみやこSを勝っている。4つのコーナーがあるコースで見直せるが、今回は初めて58キロを背負う。グレイトパールが早めに捲ってくる展開が予想される。そうなったときにどこまで踏ん張れるか。

前走アンタレスS2着のミツバ、名古屋大賞典勝ち馬サンライズソア、前走マリーンC2着のクイーンマンボ、アルデバランSと仁川Sを連勝したナムラアラシ、マーチS2着&アンタレスS3着のクインズサターン、東海S2着馬コスモカナディアン、重賞3勝の8歳馬クリノスターオーなど。ミツバは前走アンタレスSで中団から早めに捲って先頭に立ち、最後までしぶとく粘って0.2秒差の2着。気難しい馬でまともに走らないときもあるが、前走は外枠スタートから素直被らずに外を回って力を出し切った。ダ1900〜2100mは[4−1−1−5]で少し長めの距離を得意にしている。

サンライズソアはダ1900〜2000m[1−2−0−0]でJDDで2着がある。2走前の名古屋大賞典では逃げてミツバを半馬身完封して優勝。前走ブリリアントSは14着に終わったが、出遅れてまともに走っていない。中1週になるが、Mデムーロ騎手が巻き返すか。クイーンマンボはダート[4−2−1−0]で関東オークス、レディスプレリュードを勝っている。牡馬混合戦でメンバーは強くなるが、14年は牝馬限定の地方交流重賞で好走していたワイルドフラッパーが3着に入っている。クリノスターオーは過去4年の平安Sで1、2、2、14着。外枠から砂を被らずに2番手につけられれば。


レース回顧

2018年 5月19日(土) 3回京都9日  天候: 晴   馬場状態:稍重
11R  第25回平安S
4歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定)  ダート 1900m   16頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 5  9  サンライズソア     牡 4 M.デム  57  1.57.3 37.0  7 506 (栗)河内洋
2 7 14  クイーンマンボ     牝 4 ルメール  55  1.57.5 36.7  3 506 (栗)角居勝彦
3 5 10  クインズサターン   牡 5 四位洋文  56  1.57.5 36.3  5 482 (栗)野中賢二
4 1  1  ミツバ             牡 6 松山弘平  57  1.57.6 37.1  6 476 (栗)加用正
5 3  6  グレイトパール     牡 5 川田将雅  57  1.57.6 37.0  1 554 (栗)中内田充
6 3  5  テイエムジンソク   牡 6 古川吉洋  58  1.57.6 37.1  2 492 (栗)木原一良
7 4  8  メイショウスミトモ 牡 7 和田竜二  58  1.58.1 37.3 14 492 (栗)南井克巳
8 4  7  アスカノロマン     牡 7 太宰啓介  57  1.58.3 36.7 13 526 (栗)川村禎彦
9 1  2  コスモカナディアン 牡 5 丹内祐次  56  1.58.3 37.0 10 484 (美)金成貴史
10 6 12  メイショウウタゲ   牡 7 武豊      56  1.58.7 37.4 11 514 (栗)安達昭夫
11 6 11  プリンシアコメータ 牝 5 岩田康誠  54  1.58.8 38.4  9 482 (美)矢野英一
12 7 13  ナムラアラシ       牡 5 福永祐一  56  1.58.8 37.1  4 524 (栗)牧田和弥
13 8 15  トップディーヴォ   牡 6 田中勝春  56  1.58.9 37.7  8 494 (栗)昆貢
14 2  4  サンマルデューク   牡 9 武士沢友  56  1.59.2 36.8 16 504 (美)和田勇介
15 2  3  クリノスターオー   牡 8 幸英明    56  2.00.0 38.9 12 538 (栗)高橋義忠
16 8 16  マイティティー     牝 6 岩崎翼    54  2.00.5 39.3 15 480 (栗)本田優
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LAP : 7.1-11.5-12.5-13.1-12.5-11.9-11.7-12.1-12.3-12.6
通過:31.1-44.2-56.7-68.6  上り:73.1-60.6-48.7-37.0  平均:1F:12.35 / 3F:37.04
単勝   9 \1870 
複勝   9 \740 / 14 \650 / 10 \580 
枠連   5-7 \1650 (5) 
馬連   09-14 \5940 (13) 
ワイド 09-14 \1830 (16)/ 09-10 \2530 (25)/ 10-14 \2180 (21) 
馬単   09-14 \16030 (33) 
3連複 09-10-14 \24480 (55/560) 
3連単 09-14-10 \168500 (303/3360) 

サンライズソアはハナを切ってスローペースで進み、メンバー5位の37.0秒で上がってそのまま逃げ切った。勝ちタイムは1分57秒3(稍重)。前半5F62.7秒のスローペースでラスト5Fからペースアップし、11.9−11.7−12.1−12.3−12.6秒でまとめて逃げ切った。最後はラップが落ちたが、Mデムーロ騎手が早めにスパートして持ち味のしぶとさを引き出した。前走ブリリアントSは出遅れて14着に終わったが、2走前の名古屋大賞典を勝ったときと同様に逃げて走りが一変した。ここにきて馬体がボリュームアップして本格化してきた。4歳馬のため6月になると賞金が半減するため、帝王賞に使うのは難しそう。今後はひと息入れて秋に復帰することになりそうだ。

クイーンマンボは外枠スタートから6番手につけ、メンバー2位の36.7秒でしぶとく伸びて0.2秒差の2着。これでダートでは[4−3−1−0]で3着以内を確保。3歳時に阪神ダ1800mの500万条件を1分51秒2の好タイムで勝っており、中央でやれる下地があったが、ルメール騎手が上手く乗って持ってきた。角居厩舎の管理馬らしい馬体の造りで4歳馬だけにまだこれから強くなる。次走はブリーダーズゴールドCに向かう予定。今後は地方交流の牝馬限定重賞を勝ちまくりそうだ。

クインズサターンは中団の内で脚をタメ、直線で外に持ち出してメンバー最速の36.3秒で伸びて0.2秒差の3着。2着クイーンマンボとはハナ差。距離延長はプラスではないが、流れが緩んだこと、内をロスなく回ったことで対応できた。これでマーチS2着、アンタレスS3着、平安S3着と3戦連続で馬券圏内を確保。以前より終い一辺倒でなくなり、自在性が増している。かなり使い込んでいるため、そろそろひと息入れることになりそうだ。

ミツバは1枠1番から後方を進み、向こう正面で外から動いて先団に押し上げ、メンバー8位タイの37.1秒でしぶとく伸びて0、3秒差の4着。前走アンタレスSより遅い流れで持ち味の地力を生かし切れなかったか。阪神ダートは[4−4−1−5]、京都ダートは[1−0−2−5]。地力タイプだけに坂のある阪神の方が合っている。1枠1番で気の悪さを出してもおかしくなかったが、まともに走ったようにここにきて精神面の成長がみられる。次走は帝王賞に向かう予定。

グレイトパールは後方を進み、向こう正面で動いて4番手に押し上げ、メンバー5位タイの37.0秒で上がって0.3秒差の5着。ダートで6戦6勝だったが、初めて先着を許した。いつものように早めに捲っていたが、流れが緩んだことで最後は切れ負け。前走長期休み明けを使われたが、馬体が8キロ増えて少し太く映った。この流れならもっと速い上がりを繰り出せる馬だが、馬体が増えた影響があったのではないか。昨年の平安SはG1級のパフォーマンスだったが、復帰後2戦はパフォーマンスを落としている。デキが戻れば、相馬眼的にG1を狙える馬という評価は変わらない。

テイエムジンソクは内ラチ沿いの4番手を進み、勝負どころで馬群に包まれて動けず、最後はジリジリとしか伸びず0.3秒差の6着。上がりはメンバー8位タイの37.1秒。距離ロスが合っても外枠スタートから外を回ってスムーズなレースをした方が力を発揮するタイプ。内枠で乗り難しかった面もあるが、この流れならハナに行く手もあった。直線で伸び切れなかったのは、休み明けで58キロを背負っていた影響もあるのだろう。パドックでは珍しくテンションが高かった。6歳馬だけにピークを過ぎた可能性があるが、自分のレースができればG2、G3ならやれそうだ。



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