京王杯SC
2018/5/12 東京競馬場 芝1400m

レース展望

安田記念の前哨戦。過去10年で1番人気は[1−0−1−8]で1連対のみ。最近4年は7、10、7、9着に終わった。前走高松宮記念は[0−0−1−5]で不振。2番人気は[2−2−3−3]で4連対、3番人気は[1−2−1−6]で3連対。3番人気以内の決着はない。6〜9番人気が3連対、10番人気以下が4連対。最近5年の馬連は26倍、69倍、26倍、43倍、192倍。別定G2でメンバーは揃うが波乱傾向が強い。

逃げ馬は[0−1−2−7]で1連対、先行馬は4連対のみ。前残りもあるが、差し馬が9連対、追い込み馬が6連対と多い。流れが速くなり差し追い込みが決まりやすい。鋭い決め手がある芝1400m巧者に注目したい。14年以降に6番人気以下で連対した3頭には芝1400mのG2で連対があった。3頭の前走は6、10、17着。前走惨敗した馬が実績のある芝1400mで激走するのがパターン。特に速い持ちタイムがある馬に注意。

ダンスディレクターは前走高松宮記念で11番手からメンバー3位タイの34.3秒で内から伸びて0.2秒差の3着。3コーナーで前に入られて頭を上げ、荒れた内を突くことになったことが堪えたか。芝1400m[3−4−1−5]で阪神カップで2着が2回ある。15年の京王杯SCは12着に終わったが、直線で前が壁になって追えなかったもの。これまで左回りでは[0−2−1−2]で勝ったことがないが、阪神カップより1キロ軽い56キロで出走できる。過去10年の京王杯SCで8歳馬は[1−1−0−10]でレッドスパーダ(10人)が勝ち、クラレント(11人)が2着。過去10年で武豊騎手は[0−0−2−4]で3着止まり。

サトノアレスは16年の朝日杯FS勝ち馬。2走前のキャピタルSは中団からメンバー最速の33.4秒で伸びて1分32秒6で走り、ダイワキャグニーにクビ差の2着。前走東京新聞杯は後方からメンバー最速の33.3秒で追い込んで1分34秒3で走り、リスグラシューに0.2秒差の2着。良馬場の東京芝1600mは[1−2−0−0]で上がりは全てメンバー最速。芝1400mは初めて。これまで前半3F35秒以下の速い流れを経験したことがない点にリスクがあるが、東京で折り合いがつけば切れる脚を使える。テン乗りの蛯名騎手に乗り替わる。過去10年の京王杯SCで蛯名騎手は[2−0−0−6]、藤沢和厩舎は[1−0−1−4]。

前走高松宮記念6着のセイウンコウセイ、前走オーシャンS3着のダイメイフジ、同5着のビップライブリー、前走ダービー卿CT2着のキャンベルジュニア、同4着のテオドール、同5着のグレーターロンドン、昨年の中京記念勝ち馬ウインガニオン、前走東風S3着のシュウジ、前走1600万条件を勝ったフィアーノロマーノ、リライアブルエース、ルメール騎手が騎乗するムーンクエイクなど。セイウンコウセイは高松宮記念で0.3秒差の6着に終わったが、輸送に失敗して馬体が14キロ減っていた。芝1400mは[2−1−0−2]、逃げたときは[2−1−0−0]で堅実。

ダイメイフジはオーシャンSでメンバー2位の33.7秒で追い込んで0.1秒差の3着。2着ナックビーナスは高松宮記念で3着に入った。芝1400mは[2−2−1−3]。Mデムーロ騎手から2戦2勝の松山騎手に乗り替わる。ビップライブリーは芝1400m[3−5−1−2]でスワンS4着、阪神カップ5着がある。東京芝1400mは2戦2勝。善戦止まりを返上できるか。キャンベルジュニアは芝1400mでは[0−0−0−3]。テオドールはさらに距離を短くしてきた。母はアンブロワーズ。グレーターロンドンは昨年の安田記念4着馬。安田記念は1400m通過が1分19秒4だった。母は快速馬ロンドンブリッジ。初の芝1400mでどこまで変わるか。


レース回顧

2018年 5月12日(土) 2回東京7日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第63回京王杯スプリングカップ
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定)  芝 1400m   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 3  5  ムーンクエイク     セ 5 ルメール  56  1.19.5 33.2  4 504 (美)藤沢和雄
2 8 17 $キャンベルジュニア 牡 6 石橋脩    56  1.19.5 33.4  7 546 (美)堀宣行
3 1  1  サトノアレス       牡 4 蛯名正義  56  1.19.5 32.7  2 504 (美)藤沢和雄
4 3  6  グレーターロンドン 牡 6 田辺裕信  56  1.19.6 32.5  3 468 (美)大竹正博
5 2  4  ラインスピリット   牡 7 森一馬    56  1.19.7 34.2 14 446 (栗)松永昌博
6 4  8  リライアブルエース 牡 5 戸崎圭太  56  1.19.7 33.3  6 486 (栗)矢作芳人
7 5  9  ウインガニオン     牡 6 津村明秀  56  1.19.8 34.1 11 492 (栗)西園正都
8 6 11  シュウジ           牡 5 横山典弘  56  1.19.8 33.8  8 502 (栗)須貝尚介
9 2  3  アドマイヤゴッド   牡 6 内田博幸  56  1.19.9 34.0 17 492 (栗)須貝尚介
10 6 12  テオドール         牡 5 石川裕紀  56  1.19.9 33.3 13 542 (美)国枝栄
11 1  2  トウショウピスト   牡 6 田中勝春  56  1.20.0 34.6 15 474 (栗)角田晃一
12 5 10  セイウンコウセイ   牡 5 三浦皇成  57  1.20.0 34.3  5 500 (美)上原博之
13 7 14  ビップライブリー   牡 5 大野拓弥  56  1.20.0 34.2 10 462 (栗)清水久詞
14 4  7  アイライン         牝 6 北村宏司  54  1.20.1 33.6 16 478 (美)高橋裕
15 7 15  ダンスディレクター 牡 8 武豊      56  1.20.2 33.6  1 440 (栗)笹田和秀
16 8 16  ノボバカラ         牡 6 武藤雅    56  1.20.6 33.7 18 510 (美)天間昭一
17 7 13  ダイメイフジ       牡 4 松山弘平  56  1.20.8 34.0  9 512 (栗)森田直行
18 8 18 $フィアーノロマーノ 牡 4 川田将雅  55  1.22.3 36.4 12 538 (栗)高野友和
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LAP :12.3-10.9-11.0-11.2-11.2-11.2-11.7
通過:34.2-45.4-56.6-67.8  上り:67.2-56.3-45.3-34.1  平均:1F:11.36 / 3F:34.07
単勝   5 \710 
複勝   5 \270 / 17 \430 / 1 \200 
枠連   3-8 \1700 (7) 
馬連   05-17 \6000 (24) 
ワイド 05-17 \2300 (30)/ 01-05 \870 (5)/ 01-17 \1740 (19) 
馬単   05-17 \9890 (38) 
3連複 01-05-17 \11860 (33/816) 
3連単 05-17-01 \76780 (241/4896) 

ムーンクエイクは中団の外につけ、メンバー3位の33.2秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイム1分19秒5はレコード。トウショウピストが逃げて前半3F34.2秒、5F56.6秒の速い流れで差し馬向きの展開になった。ムーンクエイクはルメール騎手がこの日の勝てるポジション(中団の外)につけて持ち味の高速ラップの持続力を発揮した。前走洛陽Sはテン乗りのバルジュー騎手で折り合いを欠き、4コーナーで外に膨れるロスがあって5着に終わったが、乗り慣れたルメール騎手に戻って走りが一変した。重賞未勝利馬が初の芝1400mでG2をレコードで優勝。これはマイル路線のレベルが低いことを示している。日曜のヴィクトリアマイルでも重賞未勝利のジュールポレールが制している。次走は安田記念。芝1600mは[4−2−0−3]、東京芝1600mは[2−0−1−2]。京王杯SCよりかなりメンバーが強くなるが、ルメール騎手が騎乗するなら注意は必要か。

キャンベルジュニアは外枠スタートから8番手の外につけ、メンバー6位の33.4秒でしぶとく伸びて頭差の2着。いつもより位置取りが後ろになったが、流れを考えるとちょうど良かったか。石橋脩騎手がズブい馬を目一杯に追って持ってきた。青葉賞でも目一杯に追ってエタリオウを2着に持ってきている。これまで芝1400mでは11、10、11着に終わっていたが、2戦が渋った馬場、1戦が出遅れて後方からのレースだった。パンパンの良馬場の高速馬場である程度前につけて走りが一変した。流れが速くなりやすい芝1400mは合っている。

サトノアレスは後方からメンバー2位の32.7秒で大外から追い込んで頭+ハナ差の3着。蛯名騎手は安田記念を意識した乗り方をした模様。1枠1番で下げざるをえなかったこともあるのだろう。これで東京の良馬場では[1−2−1−0]で上がりは1、1、1、2位。直線の長い東京でパンパンの良馬場ならかなりの脚が使える。荒れ馬場の朝日杯FS勝ち馬だが、本質はパンパンの良馬場での瞬発力で勝負するタイプ。次走の安田記念は流れと位置取りがマッチすれば突っ込みがあるかもしれない。

グレーターロンドンは最後方からメンバー最速の32.5秒で追い込んで0.1秒差の4着。初の芝1400mで速い流れで追走に苦労した模様。最後は鋭く伸びてきただけにもう少し前につければ差し切れたかもしれない。田辺騎手は差し追い込み馬で下げ過ぎる傾向がある。前に行ったり、途中から捲ったり、最後方から追い込んだり、戦法が定まっていない。能力はあるが、馬がどうすればいいのか戸惑っているのではないか。92年の天皇賞(秋)を勝ったレッツゴーターキンのように直線一気に磨きをかければ天皇賞(秋)で一発の可能性がある。

リライアブルエースは中団からメンバー4位の33.3秒で伸びて0.2秒差の6着。直線で外に出せずにごちゃついて追い出しが遅れるロスがあった。最後は鋭く伸びてきただけにまともなら勝ち負けに加われたのではないか。戸崎騎手はNHKマイルCのプリモシーンでもごちゃついて脚を余して5着に負けている。重賞で下手に乗る確率は90%以上か。よく調教されてハンドリングのいい藤原英厩舎の管理馬を除き、重賞では割り引いた方が良さそうだ。

ダンスディレクターは中団後ろから伸び切れず15着。上がりは33.6秒。武豊騎手は脚捌きがイマイチだったとコメント。少し緩い馬場が合うタイプ。週中に雨が降ってダートは稍重だったが、芝はパンパンの良馬場で超高速馬場だった。こういう馬場が合わないのではないか。使える脚がそれほど長くないため、直線の長い東京より一瞬の切れ味を生かせるコースが合っている。



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