阪神大賞典
2018/3/18 阪神競馬場 芝3000m

レース展望

過去10年で1番人気は[5−2−2−1]で7連対。現在5連勝中。単勝1倍台は[4−1−1−0]、2倍台は[0−1−0−1]、3倍台は[1−0−0−0]、4倍以上は[0−0−1−0]。4歳馬が57キロ以下なら[3−2−0−0]で堅実。2番人気は[1−1−1−7]で2連対、3番人気は[2−1−2−5]で3連対。連対馬18頭が5番人気以内、残る2頭は6、7番人気。最近8年は1番人気が連対し、馬連は18倍、7倍、4倍、3倍、9倍、17倍、6倍、1.4倍で10倍台止まり。人気馬が堅実でほとんど荒れない。

連対馬20頭のうち13頭が前走4着以内。前走重賞で好走した馬が活躍している。前走5着以下から連対した7頭のうち5頭には3000m以上の長距離重賞で勝ち星があった。長距離重賞実績馬なら巻き返し可能。人気薄で3着以内に入った3頭は6、6、7番人気で前走はダイヤモンドS5着、日経新春杯7着、有馬記念9着。前走重賞で5〜9着に負けた馬が激走している。穴でこのタイプの7番人気前後を絡めたい。馬連45倍が出た08年はG1馬の出走がなかった。今年はG1馬の出走がなく、例年よりメンバーレベルが低い点に注意。

クリンチャーは昨年の皐月賞で先行して0.3秒差の4着。菊花賞は出遅れて後方から大外を捲って直線で先頭に立ち、最後までしぶとく伸びて0.3秒差の2着。他馬が不良馬場を苦労する中、大外を回っていい脚を長く使った。前走京都記念は内の4番手からメンバー2位の36.1秒で馬群を割って抜け出して優勝。重馬場で内をロスなく回って皐月賞馬アルアイン、ダービー馬レイデオロに先着した。ただし2頭より2キロ軽い55キロだった。今回は1キロ重い56キロを背負うが、G1馬がいないメンバーで前2走の実績が評価されて1番人気になりそうだ。藤岡佑騎手からテン乗りの武豊騎手に乗り替わる。良馬場、1番人気で真価が問われる。

アルバートは芝3400m以上では全てムーア騎手が騎乗し[4−0−0−0]で上がりは全てメンバー最速。15、16、17年のステイヤーズS、17年のダイヤモンドSを制している。前走ステイヤーズSは後方からメンバー最速の34.9秒で差し切って2馬身半差で圧勝。2着フェイムゲームは次走ダイヤモンドSでトップハンデ58.5キロを背負って制している。これまでG1では[0−0−0−4]だが、G2では[3−1−0−3]。休み明けは[2−2−0−4]だが、16年以降は[0−1−0−3]で1連対のみ。本来は叩き良化タイプだけにどこまで仕上げてくるか。ムーア騎手からテン乗りの福永騎手に乗り替わる点も考慮したい。

16年の菊花賞2着馬レインボーライン、チャレンジC勝ち馬サトノクロニクル、16年の天皇賞(春)2着馬カレンミロティック、万葉S勝ち馬トミケンスラーヴァ、函館記念3着馬ヤマカツライデンなど。レインボーラインは菊花賞でメンバー2位の34.2秒で追い込んでサトノダイヤモンドに0.4秒差の2着。昨年の天皇賞(秋)は内を通って押し上げ、メンバー4位の38.7秒で上がってキタサンブラックに0.4秒差の3着。前5走はG1で57、58キロを背負ったが、今回はG1馬のいないG2で56キロで出走できる。休み明けは札幌記念3着、日経賞4着、天皇賞(秋)4着。クリンチャーを尾行して直線で叩き合いに持ち込めれば。


レース回顧

2018年 3月18日(日) 1回阪神8日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第66回阪神大賞典
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定)  芝 3000m・内   11頭立
------------------------------------------------------------------------------
着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
------------------------------------------------------------------------------
1 6  7  レインボーライン   牡 5 岩田康誠  56  3.03.6 35.8  3 454 (栗)浅見秀一
2 6  6  サトノクロニクル   牡 4 川田将雅  55  3.03.8 36.0  4 456 (栗)池江泰寿
3 7  8  クリンチャー       牡 4 武豊      56  3.04.0 36.6  1 486 (栗)宮本博
4 8 10  アルバート         牡 7 福永祐一  57  3.04.1 35.9  2 482 (美)堀宣行
5 4  4  カレンミロティック セ10 池添謙一  56  3.04.4 36.7  6 456 (栗)平田修
6 8 11  ヤマカツライデン   牡 6 松山弘平  56  3.04.5 37.3  7 544 (栗)池添兼雄
7 3  3  シホウ             牡 7 小牧太    56  3.04.6 36.9 10 514 (栗)笹田和秀
8 7  9  ムイトオブリガード 牡 4 藤岡佑介  55  3.04.7 37.5  5 486 (栗)角田晃一
9 2  2  スーパーマックス   牡 4 山口勲    55  3.04.7 36.7  9 518 [地]九日俊光
10 1  1  トミケンスラーヴァ 牡 8 秋山真一  56  3.05.4 37.8  8 506 (美)竹内正洋
11 5  5  コウエイワンマン   牡 7 四位洋文  56  3.05.8 36.8 11 526 (栗)川村禎彦
------------------------------------------------------------------------------
LAP :12.8-11.4-11.7-11.8-12.4-12.3-12.6-13.3-12.8-12.3-12.0-11.8-11.9-12.0-12.5
通過:35.9-47.7-60.1-72.4  上り:72.5-60.2-48.2-36.4  平均:1F:12.24 / 3F:36.72
単勝   7 \560 
複勝   7 \140 / 6 \150 / 8 \110 
枠連   6-6 \1300 (4) 
馬連   06-07 \1290 (6) 
ワイド 06-07 \380 (6)/ 07-08 \220 (2)/ 06-08 \260 (3) 
馬単   07-06 \2710 (11) 
3連複 06-07-08 \760 (3/165) 
3連単 07-06-08 \6530 (20/990) 

レインボーラインは後方を進み、2周目の3コーナー過ぎに外から上がって直線で早めに抜け出すとメンバー最速の35.8秒でまとめて後続を完封しレースを制した。ヤマカツライデンが逃げて前半5F60.1秒、中盤5F63.3秒、後半5F60.2秒。前半に11秒台のラップが3F続き、ラスト4Fから11.8−11.9秒にペースアップしたことでスタミナ&地力が問われるレースになった。レインボーラインは16年の菊花賞2着馬で不良の極悪馬場で行われた昨年の天皇賞(秋)で3着に入ったようにかなりのスタミナがあり、追ってバテないタイプ。まさに持ち味を生かせる展開だった。前5走はG1で57、58キロを背負っていたが、小柄な馬だけに56キロで出走できたことも良かったのだろう。馬体が10キロ増えて昨年よりパワーアップしていた。次走は天皇賞(春)。今年の長距離路線のレベルはそれほど高くない。タフな流れになれば勝ち負けできそうだ。

サトノクロニクルは中団からメンバー3位の36.0秒でしぶとく伸びて0.2秒差の2着。3、4コーナーでレインボーラインに外から被せられ、一緒に上がってきたが、直線で振り切られた。菊花賞は10着、有馬記念は9着に終わったが、今回は折り合って2着に踏ん張ったように長距離にメドを立てた。レインボーラインより1キロ軽い55キロ。内容的には完敗か。奥手のハーツクライ産駒でダービー2着馬サトノラーゼンの半弟。レースを使われながら少しずつ素質が開花してきている。次走の天皇賞(春)は3キロを重い58キロを背負い、距離が1F延びる。得意の京都でどこまでパフォーマンスを引き上げられるか。

クリンチャーは3、4番手からメンバー4位の36.6秒で伸びて0.4秒差の3着。1周目の3、4コーナーで掛かっていたが、馬がもうすぐゴールと勘違いした模様。そこから武豊騎手が折り合いをつけたが、最後に伸び切れなかった。それでも最後までジリジリと伸びてアルバートに抜かれなかったようにかなりのスタミナがある。1番人気で3着に負けたが敗因は明らかで悲観する内容ではない。次走は天皇賞(春)。昨年の菊花賞2着馬で京都では[2−1−0−0]。武豊騎手が2戦連続騎乗することで一変がありえる。

アルバートは後方からメンバー2位の35.9秒で追い込んで0.5秒差の4着。レインボーラインの後から上がってきたが、直線で伸び切れなかった。ステイヤーズSを勝った後に有馬記念を使わずひと息入れたが、輸送して馬体が6キロ増えていたように少し緩い仕上げだった。過去2年の天皇賞(春)は0.5秒差の6着、0.8秒差の5着。今年は仕上がり、メンバー次第で馬券圏内に入る可能性がある。



[Home]