金鯱賞
2018/3/11 中京競馬場 芝2000m

レース展望

大阪杯の前哨戦として昨年から3月に移動した。過去10年で1番人気は[5−1−0−4]で6連対。単勝2倍台[3−0−0−1]、3倍台[2−1−0−2]、4倍台[0−0−0−1]。信頼度は単勝オッズに比例する。2番人気は[1−1−2−6]で2連対、3番人気は[1−0−1−8]で1連対。6〜9番人気が7連対、10番人気以下は1連対。最近5年の馬連は27倍、12倍、14倍、92倍、38倍で中穴決着が多い。人気馬に人気薄を絡めて中穴を狙うのが妙味。

関東馬は[1−2−1−19]で3連対、関西馬は[9−8−10−99]で17連対。関東馬は5番人気以内[1−1−0−4]だが、6番人気以下は[0−1−1−15]。6番人気以下で連対した8頭のうち7頭が関西馬。穴で6〜9番人気の関西馬に注意。6番人気以下で連対した8頭のうち6頭が道中3番手以内につけていた。前に行った馬が粘って波乱を演出することが多い。過去10年で牝馬は[0−0−2−11]で5、6番人気の3着があるのみ。牝馬は割り引きが必要。

スワーヴリチャードはダービーでレイデオロに0.1秒差の2着に入り、古馬初対戦となったAR共和国杯を2馬身半差で圧勝。有馬記念は後方からメンバー2位の34.5秒で追い込んで3着にクビ差の4着。直線で内にモタれて他馬に迷惑をかけ、Mデムーロ騎手は騎乗停止になった。左回りは[2−2−0−0]、右回りは[1−1−0−2]、重賞では左回り[2−2−0−0]、右回り[0−0−0−2]。中京は初めてになるが、得意の左回り。休み明けは2戦2勝。サトノダイヤモンドとの初対決でどんなパフォーマンスを見せるか。

サトノダイヤモンドは国内[7−1−2−0]で3着以内を確保。昨年のフォワ賞は4着、凱旋門賞は15着に終わったが、どちらも重馬場で58キロ、59.5キロを背負っていた。今回は57キロで出走できる。芝2000mは[2−0−1−0]で皐月賞で0.4秒差の3着(直線で不利)がある。昨年の凱旋門賞以来のレースとなるが、凱旋門賞で惨敗した精神的ダメージがあったのか、中間の3頭併せでは最下位に遅れていた。最終調教は先着して格好をつけたが、闘争心が戻っているかは分からない。勝っても負けてもあっさりか。

金鯱賞2連勝中のヤマカツエース、中日新聞杯勝ち馬メートルダール、チャレンジC2着馬デニムアンドルビー、同3着馬ブレスジャーニー、エプソムC勝ち馬ダッシングブレイズ、金鯱賞で2、3、3着があるサトノノブレスなど。ヤマカツエースは芝2000m[4−0−3−5]で福島記念、中山金杯、金鯱賞(2回)を勝ち、大阪杯で3着がある。金鯱賞は8番手からメンバー3位の33.1秒、メンバー2位の33.8秒で差し切って2連勝中。昨秋のG1は11、8、10着に終わったが、得意コースで変わり身に注意。

メートルダールは芝2000m[4−0−2−0]で左回りでは[3−0−1−0]。前走中日新聞杯は中団からメンバー3位タイの33.6秒で差し切り、1分59秒3で優勝。55キロの軽ハンデだったが、ミッキーロケット、ロードヴァンドールを相手にせず、重賞初制覇を飾った。G2でさらにメンバーが強くなるが、どこまでやれるか。福永騎手に乗り替わる。

ブレスジャーニーは2走前にチャレンジCで後方からメンバー2位タイの34.6秒で伸びて0.1秒差の3着。芝2000mでもやれることを示した。前走有馬記念は12着に終わったが、直線で致命的な不利があった。芝1600〜2000mは[3−0−0−1]、左回りでは[3−0−0−0]。16年の東スポ杯2歳Sではスワーヴリチャードに勝っている。


レース回顧

2018年 3月11日(日) 2回中京2日  天候: 晴   馬場状態:稍重
11R  第54回金鯱賞
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定)  芝 2000m   9頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 8  9  スワーヴリチャード 牡 4 M.デム  57  2.01.6 33.8  1 520 (栗)庄野靖志
2 4  4  サトノノブレス     牡 8 幸英明    56  2.01.7 34.3  8 510 (栗)池江泰寿
3 5  5  サトノダイヤモンド 牡 5 ルメール  57  2.01.9 33.7  2 506 (栗)池江泰寿
4 1  1  ヤマカツエース     牡 6 池添謙一  57  2.02.3 34.4  3 522 (栗)池添兼雄
5 6  6 $ダッシングブレイズ 牡 6 北村宏司  56  2.02.4 34.4  6 512 (栗)吉村圭司
6 3  3  ブレスジャーニー   牡 4 三浦皇成  56  2.02.5 34.4  5 456 (栗)佐々木晶
7 7  7  デニムアンドルビー 牝 8 バルジュ  54  2.02.5 34.1  7 454 (栗)角居勝彦
8 2  2  メートルダール     牡 5 福永祐一  56  2.02.9 34.5  4 482 (美)戸田博文
9 8  8  アクションスター   牡 8 太宰啓介  56  2.03.0 34.2  9 476 (栗)音無秀孝
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LAP :13.3-11.9-13.1-12.9-11.8-12.4-12.0-11.4-11.2-11.6
通過:38.3-51.2-63.0-75.4  上り:70.4-58.6-46.2-34.2  平均:1F:12.16 / 3F:36.48
単勝   9 \160 
複勝   9 \110 / 4 \520 / 5 \140 
枠連   4-8 \5360 (14) 
馬連   04-09 \5860 (14) 
ワイド 04-09 \1120 (13)/ 05-09 \180 (1)/ 04-05 \1740 (19) 
馬単   09-04 \7380 (18) 
3連複 04-05-09 \4000 (13/84) 
3連単 09-04-05 \24410 (73/504) 

スワーヴリチャードは大外枠スタートから内ラチ沿いの3番手につけ、直線で少し外に持ち出してメンバー2位の33.8秒で前を交わして2分1秒6で制した。サトノノブレスが逃げて前半5F63.0秒のスローペースになり、ラスト3Fは11.4−11.2−11.6秒の高速ラップ。スローの上がり勝負で前残りになった。勝ったスワーヴリチャードは大外枠から外を回されないようにMデムーロ騎手が内ラチ沿いの3番手につけたことが功を奏した。これで左回りは[3−2−0−0]で重賞3勝。右回りでは内にモタれるが、左回りではまともに走っている。馬体が10キロ増えて全体的に実の入りが良くなり、パワーアップしていた。次走は大阪杯。G1を勝つ能力はありそうだが、右回りでまともに走れるかがカギ。

サトノノブレスは前半5F63.0秒のスローペースで逃げ、メンバー5位の34.3秒でまとめて半馬身差の2着。近走大不振でブービーの8番人気だったが、スローの上がり勝負に持ち込んで波乱を演出した。これまで左回りの芝2000mは[1−3−2−3]、中京芝2000mは[1−2−2−1]で金鯱賞では2、3、3着があった。近走大不振の8歳馬で全く人気がなかったが、、単騎逃げでマイペースで進めて激走した。池江厩舎のサトノダイヤモンドと2頭出しだったが、格言通り人気がない方が激走した。次走は大阪杯。阪神芝2000mは16年の鳴尾記念を1分57秒6のレコードでステファノス(昨年の大阪杯2着)を完封して勝っている。

サトノダイヤモンドは中団からメンバー最速の33.7秒で上がって0.3秒差の3着。スローの上がり勝負で中団に控えて最速上がりを繰り出したが、前を捕まえるところまで行かなかった。休み明けで1週前調教では併せ馬で遅れていただけに次の本番を意識してルメール騎手は叩き台に徹したのだろう。スワーヴリチャードに離されたが、最速上がりを繰り出して何とか格好はつけた。次走は大阪杯。国内で叩き2戦目は[2−1−1−0]で菊花賞1着、ダービー2着、天皇賞(春)3着。16年の有馬記念を勝ったときは同厩&同馬主のサトノノブレスがキタサンブラックにプレシャーを掛けていた。本番の仕上げで一変に注意。

ヤマカツエースは3番手から伸び切れず0.7秒差の4着。金鯱賞を2連覇したように中京芝2000mは得意だが、馬体が12キロ増えて最高体重を更新していたように太め残りだった。陣営は金鯱賞3連覇より、昨年3着の大阪杯に向けて仕上げていなかった。渋った馬場はこなせるが、稍重の上がり勝負というのも合わなかったのだろう。次走の大阪杯は馬体が絞れて調子を上げていることが条件。昨年の大阪杯は8枠13番から外を回って0.2秒差の3着。枠順に注意したい。



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