弥生賞
2018/3/4 中山競馬場 芝2000m

レース展望

皐月賞トライアル。過去10年で1番人気は[5−2−0−3]で7連対。単勝1倍台は[3−1−0−1]、キャリア3戦以上なら[3−0−0−0]で勝率100%。2番人気は[3−1−2−4]で4連対、3番人気は[0−1−1−8]で1連対。6〜9番人気が4連対、10番人気以下が1連対。最近5年の馬連は523倍、6倍、33倍、2倍、43倍で人気馬同士でガチガチか波乱か両極端。

連対馬20頭のうち14頭が前走連対、18頭が前走5着以内。前走6着以下は[0−2−2−24]で連対したのは前走朝日杯FSときさらぎ賞の7着馬。最近は前走OP以上を勝って人気になった馬が活躍している。6番人気以下で連対した5頭は道中5番手以内につけていた。流れが緩むことが多く、前に行った馬が粘って穴をあけている。昨年はマイスタイルが逃げて8番人気で波乱を演出。穴で前残りに注意。

ダノンプレミアムは新馬、サウジアラビアRC、朝日杯FSを3連勝。サウジアラビアRCは2番手から抜け出して1分33秒0(稍重)のレコードで快勝。前走朝日杯FSは1枠1番から内ラチ沿いの3番手につけ、メンバー最速の33.6秒で抜け出して3馬身半差で圧勝。勝ちタイム1分33秒3はレースレコード。レーティング117は過去14年でトップ。これまでは全て直線の長いコースで距離は1800mまで。中山内回りの芝2000mがカギになるが、脚質的に問題なさそう。皐月賞、ダービーの前でも能力の違いを見せつけるか。

ワグネリアンは新馬、野路菊S、東スポ杯2歳Sを3連勝。新馬戦は中団からメンバー最速の32.6秒でヘンリーバローズとの叩き合いをハナ差で制した。野路菊Sは後方からメンバー2位の33.0秒で差し切り、1分49秒3(重)で2馬身半差で圧勝。前走東スポ杯2歳Sは後方からメンバー最速の34.6秒で差し切り、1分46秒6の好タイムで3馬身差で圧勝。中京芝2000mの新馬戦を勝っているが、小回りコースは初めて。昨年4月以降の重賞で福永騎手は[1−5−5−43]。唯一勝ったのは東スポ杯2歳Sのワグネリアン。

新馬、シクラメン賞を連勝したオブセッション、前走ホープフルS2着のジャンダルム、同4着馬サンリヴァル、前走セントポーリア賞2着のリビーリング、ダートの新馬戦を勝ったアサクサスポットなど。オブセッションは前走シクラメン賞は後方からメンバー最速の33.5秒で差し切り、1分45秒6のレコードで4馬身差で圧勝。シルクレーシングで1億円で募集されたディープインパクト産駒。16年以降の重賞でルメール騎手&藤沢和厩舎のコンビは[10−2−3−6]、3番人気以内なら[9−2−2−4]で連対率64.7%。

ジャンダルムは新馬、デイリー杯2歳Sを連勝し、前走ホープフルSで中団からメンバー3位タイの36.2秒で伸びて0.2秒差の2着。母はスプリントG1を2勝しているビリーヴ。外を回っていい脚を長く使い、芝2000mをこなすことを示した。ホープフルSを勝ったタイムフライヤーに京都2歳Sで勝ったグレイルは共同通信杯7着、ホープフルS3着のステイフーリッシュは共同通信杯10着。このあたりをどう考えるか。サンリヴァルは中山芝2000mの芙蓉Sを勝ち、ホープフルS4着。逃げに拘っている藤岡佑騎手が騎乗する。


レース回顧

2018年 3月 4日(日) 2回中山4日  天候: 晴   馬場状態: 良 
11R  第55回報知杯弥生賞
3歳・オープン・G2(馬齢) (国際)(指定)  芝 2000m   10頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 8  9  ダノンプレミアム   牡 3 川田将雅  56  2.01.0 34.1  1 498 (栗)中内田充
2 7  8  ワグネリアン       牡 3 福永祐一  56  2.01.2 33.7  2 450 (栗)友道康夫
3 3  3 $ジャンダルム       牡 3 武豊      56  2.01.3 34.1  4 484 (栗)池江泰寿
4 8 10  サンリヴァル       牡 3 藤岡佑介  56  2.01.3 34.6  5 500 (栗)藤岡健一
5 4  4  リビーリング       牡 3 戸崎圭太  56  2.01.8 34.7  6 500 (美)萩原清
6 7  7  トラストケンシン   牡 3 内田博幸  56  2.02.0 34.0  7 454 (美)高橋文雅
7 1  1  オブセッション     牡 3 ルメール  56  2.02.7 35.0  3 518 (美)藤沢和雄
8 2  2  アラウン           牡 3 ミナリク  56  2.02.8 35.1 10 490 (栗)森秀行
9 6  6  アサクサスポット   牡 3 武藤雅    56  2.03.2 35.7  8 524 (美)戸田博文
10 5  5  ヘヴィータンク     牡 3 野中悠太  56  2.23.9 45.7  9 472 (栗)森秀行
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LAP :12.5-11.0-12.5-12.8-12.7-12.4-12.8-11.7-11.0-11.6
通過:36.0-48.8-61.5-73.9  上り:72.2-59.5-47.1-34.3  平均:1F:12.10 / 3F:36.30
単勝   9 \180 
複勝   9 \110 / 8 \110 / 3 \140 
枠連   7-8 \270 (1) 
馬連   08-09 \300 (1) 
ワイド 08-09 \150 (1)/ 03-09 \230 (3)/ 03-08 \320 (6) 
馬単   09-08 \450 (1) 
3連複 03-08-09 \500 (2/120) 
3連単 09-08-03 \1320 (3/720) 

ダノンプレミアムはスタートを決めて2番手につけ、メンバー3位の34.1秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは2分1秒0。サンリヴァルが逃げて前半5F61.5秒のスローペースで中団より前につけた馬で決着。ダノンプレミアムは2番手から馬場の外を回って抜け出し快勝。川田騎手は鞭を入れておらず、最後は余裕を残しており、着差以上の内容だった。前に行って速い上がりを繰り出せるため、流れに左右されにくいタイプ。長距離輸送、小回りコース、芝2000mをあっさり克服し、皐月賞に向けて好スタートを切った。輸送して馬体は8キロ増。本番前に少し余裕を残した仕上げだった。これでデビューから4連勝。レースでは馬場のいい外を通って一杯に追っておらず、余裕を残せたことで次走は上積みが見込める。次走は皐月賞。過去2年は流れが速くなって1分57秒台の決着になっている。ハイペースで高速決着になったときに真価が問われるが、逆に2着との差を広げる可能性もある。ラッキーライラックがダービーに使って来なければ2冠の可能性が高いか。

ワグネリアンは中団からメンバー最速の33.7秒で伸びて0.2秒差の2着。馬体が4キロ減ってパドックではテンションが高かったが、最後にひと伸びして何とか2着を確保。ダノンプレミアムは鞭を入れていなかったが、上がりが0.4秒上回ったことはある程度評価したい。エンジンの掛かりが遅いため、小回りの中山向きではないが、本番前に中山芝2000mを経験できたことは大きい。落ち着いていればもっと走れそうだが、元々テンションが高いタイプだけにそのあたりを陣営がどうクリアさせるかがカギ。

ジャンダルムは内枠スタートから4番手につけ、メンバー3位の34.1秒で伸びて0.3秒差の3着。武豊騎手が好位でロスなく立ち回って勝ったダノンプレミアムと同じ上がりを繰り出したが、それでも外を回ったダノンプレミアムに引き離された。自分の力は出しており、相手が強過ぎたとしか言いようがない。母はスプリントG1を2勝したビリーヴだが、2戦連続芝2000mで好走して、距離をこなすことを示した。本番の皐月賞は多頭数。ロスなく立ち回って一瞬の切れ味を生かす手か。

サンリヴァルは大外枠からハナを切ってマイペースで進み、メンバー5位の34.6秒でまとめて0.3秒差の4着。3着とはハナ差だった。大外枠から前半ロスがあり、かつ馬体が10キロ増えて余裕があったぶん最後に甘くなったのだろう。前に行っているため、切れより地力タイプに映るが、タメれば切れる脚を使えそうなタイプ。現時点では先行力を生かせる中山が合っている。

オブセッションは中団の後ろにつけたが、4コーナーから直線で外に大きく膨れるロスがあり7着に終わった。4コーナーで待機所の方に向かっていた。馬がモロに若さを出したものでまともに走っていない。



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