チューリップ賞
2018/3/3 阪神競馬場 芝1600m

レース展望

過去10年で1番人気は[4−3−1−2]で7連対。阪神JF連対馬なら[4−2−1−0]。キャリア1戦で阪神JFを勝ったジョワドヴィーヴルは3着に終わった。2番人気は[1−1−3−5]、3番人気は[1−1−0−8]で各2連対。6〜9番人気が5連対。10番人気以下は[0−0−1−53]。最近5年の馬連は50倍、4倍、57倍、7倍、43倍で10倍以下か中穴。本命を押さえて中穴を狙うのが妙味。

連対馬18頭が前走4着以内。前走5着以下から連対した2頭にはOP以上で連対があった。前走重賞勝ち馬は[3−2−1−3]、2〜4着馬は[3−3−4−4]。前走重賞で4着以内に入った人気馬に注目。6番人気以下で3着以内に入った10頭のうち9頭が関西馬。前走OP以上で5着以内と新馬&未勝利戦勝ち馬が激走している。前走メンバー3位以内の上がりを繰り出した6〜10番人気の関西馬に注意したい。

ラッキーライラックは新馬、アルテミスS、阪神JFを3連勝。アルテミスSは4番手からメンバー最速の34.7秒で抜け出して1分34秒9で優勝。阪神JFは中団からメンバー最速タイの33.8秒で差し切って1分34秒3で優勝。2着リリーノーブルに0.1秒差、3着マウレアに0.2秒差をつけた。ある程度前につけてひと脚使えるレース巧者。陣営は桜花賞の先のオークス、凱旋門賞を視野に入れている。その点でどこまで仕上げてくるかがひとつのポイント。過去2年のチューリップ賞は1分32秒8、1分33秒2で決着。過去2年のような高速決着になったときに真価が問われる。ただし10頭立てで流れは速くならないか。

阪神JF2着馬リリーノーブル、同3着馬マウレア、前走フェアリーS2着のスカーレットカラー、前走エルフィンS3着のレッドランディーニ、前走紅梅S4着のシグナライズ、前走新馬戦を勝ったサラキアなど。リリーノーブルは新馬、白菊賞を連勝し、阪神JFで2着に入った。過去10年の阪神JFで中1週できた馬は[0−0−0−22]だったが、データを覆して連対したことを評価したい。馬主はラッキーライラックと同じサンデーレーシング。ちなみにラッキーライラックは3000万円、リリーノーブルは1800万円で募集された。ラッキーライラックの仕上がり次第で逆転の可能性を秘めている。川田騎手が下げ過ぎなければ。

マウレアは2走前の阪神JFで0.2秒差の3着に入ったが、直線で前が詰まって外に切り返すロスがあった。前走クイーンCは3番手から伸び切れず0.5秒差の5着。前半5F57.8秒のハイペースで前に行き過ぎた感があるが、前に行ったテトラドラクマ、アルーシャが1、3着に粘っているのは少し気になるところ。13年の桜花賞を勝ったアユサンの全妹。春の目標の桜花賞に向けて賞金を加算するために中2週で阪神に遠征することになった。このあたりがどう出るか。小柄な馬だけに馬体が大きく減らないことが条件。ちなみにアユサンは阪神JF7着からチューリップ賞に直行し3着だった。テン乗りの武豊騎手に乗り替わる。

スカーレットカラーは白菊賞でリリーノーブルに0.2秒差の2着。前走フェアリーSは大外から捲ってプリモシーンに0.2秒差の2着に入った。プリモシーンは東京芝1600mの未勝利戦でテトラドラクマ(クイーンC優勝)にクビ差で勝っている。過去10年のチューリップ賞で岩田騎手は8番人気以内なら[0−2−2−3]。サラキアはディープインパクト産駒でサロニカの全妹。シルクレーシングで同世代牝馬の最高となる6000万円で募集された馬。今年の3歳重賞はキャリア1戦の馬が激走するケースが目立つ。シルクレーシングはアーモンドアイがシンザン記念、アーモンドアイがフェアリーSを初勝利直後に勝っている。


レース回顧

2018年 3月 3日(土) 1回阪神3日  天候: 曇   馬場状態: 良 
11R  第25回チューリップ賞
3歳・オープン・G2(馬齢) (牝)(国際)(指定)  芝 1600m・外   10頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 5  5  ラッキーライラック 牝 3 石橋脩    54  1.33.4 33.3  1 494 (栗)松永幹夫
2 4  4  マウレア           牝 3 武豊      54  1.33.7 33.3  3 438 (美)手塚貴久
3 8  9  リリーノーブル     牝 3 川田将雅  54  1.33.8 33.5  2 498 (栗)藤岡健一
4 8 10  サラキア           牝 3 池添謙一  54  1.34.1 33.4  4 430 (栗)池添学
5 6  6  レッドランディーニ 牝 3 浜中俊    54  1.34.1 33.3  8 436 (栗)石坂正
6 7  8 *シグナライズ       牝 3 ルメール  54  1.34.3 33.8  5 484 (栗)藤原英昭
7 3  3  スカーレットカラー 牝 3 岩田康誠  54  1.34.4 33.4  6 442 (栗)高橋亮
8 2  2  カレンシリエージョ 牝 3 松山弘平  54  1.34.4 34.8  9 466 (栗)鈴木孝志
9 1  1  ウインラナキラ     牝 3 荻野極    54  1.35.2 34.6 10 392 (栗)宮徹
10 7  7  サヤカチャン       牝 3 松田大作  54  1.35.9 36.4  7 462 (栗)田所秀孝
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LAP :12.6-11.2-11.6-12.1-12.0-11.7-10.7-11.5
通過:35.4-47.5-59.5-71.2  上り:69.6-58.0-45.9-33.9  平均:1F:11.68 / 3F:35.03
単勝   5 \180 
複勝   5 \110 / 4 \140 / 9 \110 
枠連   4-5 \710 (2) 
馬連   04-05 \750 (2) 
ワイド 04-05 \230 (2)/ 05-09 \120 (1)/ 04-09 \290 (3) 
馬単   05-04 \990 (3) 
3連複 04-05-09 \410 (1/120) 
3連単 05-04-09 \1950 (6/720) 

ラッキーライラックはスタートを決めて3番手につけ、メンバー最速タイの33.3秒で抜け出して2着に2馬身差をつけて圧勝した。勝ちタイムは1分33秒4。サヤカチャンが逃げて前半3F35.4秒、59.5秒の平均ペース。中盤に流れが緩んでレースのラスト3F11.7−10.7−11.5秒の上がり勝負になった。ラッキーライラックは先行して直線で抜け出す正攻法レースで快勝。アルテミスS、阪神JFと同じような流れで同じように最速上がりを繰り出した。阪神JFではリリーノーブルに0.1秒差、マウレアに0.2秒差だったが、今回はマウレアに0.3秒差、リリーノーブルに0.4秒差をつけて差を広げている。馬体が10キロ増えたことで全体的に実の入りが良くなり、かなりバランスが良くなった。相馬眼的に評価できるレベルに到達している。さらにパフォーマンスアップしたことで無敗の3冠馬になる可能性が出てきた。次走は桜花賞。シンザン記念を勝ったアーモンドアイの末脚をどう完封するかがポイントになる。

マウレアは4番手からメンバー最速タイの33.3秒で上がって2馬身差の2着。直線でラッキーライラックには離されたが、リリーノーブルとの叩き合いをクビ差で制した。前走クイーンCはハイペースで前に行き過ぎて5着に終わったが、阪神JFと同じような流れで33秒台の上がりを繰り出して巻き返した。桜花賞馬アユサンの全妹。ここで3着以内に入らないと桜花賞出走は厳しくなるため、トライアルでもかなり乗り込んで仕上げていた。長距離輸送があったが、馬体は8キロ減の438キロ。桜花賞に向けて馬体を維持できるかがポイントになる。桜花賞では枠順、馬場などを味方につけてラッキーライラックにどこまで食い下がれるか。

リリーノーブルは外枠スタートから4、5番手につけ、メンバー6位の33.5秒で上がって0.4秒差の3着。道中少し力んでいたこともあり、上がり勝負で切れ負け。休み明けで馬体に少し余裕があったことも影響している。一度使ったことで上手くガス抜きできれば、次走は大きく変わりそうな雰囲気がある。ラッキーライラックが強過ぎるだけで例年なら桜花賞を勝てるだけの能力を持った馬。馬場が悪化するとラッキーライラックを逆転する可能性が少しある。

サラキアは大きく出遅れて後方からメンバー4位タイの33.4秒で伸びて0.7秒差の4着。キャリア1戦で強いメンバーを相手に走破タイムを3.1秒詰め、1分34秒1で走って4着。まだ馬体は幼く成長途上だが、一気にパフォーマンスを引き上げたようにかなりの能力を秘めている。桜花賞には間に合わないが、オークスに向けて注目していきたい。トライアルで権利が獲り、かつ出遅れ癖をクリアできれば面白い存在になる。



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